花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

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コロン:「どうやらつばめは今回の話を書いてる途中で、やる気スイッチと一緒に変なスイッチが入ってしまったらしいよ」

ダーク(妖精):「成程、やたらネタが入っているのはそのせいか」


〜探物〜

とある日の放課後、俺はゆりやももかと一緒に図書室に来ていた。

 

「明、そっちの棚は?」

 

「梨味の○。ももかの方はどうだ?」

 

「梨味のガリ○リ君〜。こっちの棚にもないみたい」

 

と言っても、今の俺たちの会話からわかる通り俺達は本を読みに来た訳でもなく、かと言って青春的ベタなシチュエーションの一種である背徳的な逢い引きをしてる訳でもねぇ。

 

只単にゆりの本探しを手伝ってるだけだ。

 

「…その二つだったら私は○の方が食べたいわね」

 

「そうかー」

 

「そうなのか〜」

 

因みに言うと、俺は両方食いてぇ派だからこの後帰りにコンビニでたとえ梨味が無くてもアイスを買ってく事を今決めました まる

 

「それにしても、うちの学園の図書室って本当に広いよね〜」

 

「あぁ、中高の両等部が利用するマンモス図書室だからな。置いてある本もそれに見合うだけの量が揃ってやがるぜ」

 

わかる範囲でざっと挙げても小説、ライトノベル、図鑑、伝記物、絵本、紙芝居、ギネス本、海外本、地理、歴史、料理、スポーツ健康、etc……

 

こりゃあマンモス図書室っつーよりもマンモス図書館だな。

 

「明君とゆりっぺは本が全部で何冊あるのかわかる〜?」

 

「十万三千冊」

 

「…それはどこぞの禁書目録よ」

 

「ケッケッケ、そういえばももかはあの作品に出てくるウエスタンサムライルックガールな聖人さんと声が似てるよな〜」

 

ぶっちゃけ、ももかの伝説の堕天使エロメイド姿は是非とも見てみてぇぜ。

 

「そうゆう貴方こそ、教皇代理の人と声が似てますね」

 

「なんてこった、それを言われちまったらおしまいなのよ」

 

「…いきなり二人してギリギリを攻めるのは止めてもらえるかしら?それ以上続けられると手が出そうだわ」

 

「いやん♪ゆりっぺに“も・も・か?”…は〜い、大人しくしま〜す……」

 

「フフフ、良い子ね♪」

 

おーおー、一文字ずつ丁寧かつハッキリと言っただけでこの寒気……

どうやらいつの間にかゆりさんはプリキュアから言霊使いにチェンジしてらっしゃったみてぇだぜ…って、その本はもしかして……

 

「?どうし…あっ、明……!?」

 

おーおー、相変わらずゆりは柔らかい&良い匂いがするな。

 

「キャ〜♪明君がゆりっぺを本棚に押さえつけた〜♪」

 

「あき……」

 

とは言え、変に(?)誤解させちまったみてぇだから早いとこ解かねぇとな。

 

「悪いなゆり。丁度ゆりの頭上の本棚にある本を取ろうとしてるだけだから暫くこのままの状態で待っててくれ」

 

何の因果かしらねぇが、よりにもよって俺が今取ろうとしている本はゆりよりもちょいと高い本棚の中にある。

 

なら、ゆりよりも背が高い俺が取るべきなんだが……

 

「うん……」

 

なんてこった、密着したせいでゆりさんがすっかり乙女モードになっていらっしゃる。

 

「ん……」

 

でもまぁ、今の状態が状態だから仕方ねぇよな。

仮にゆりと密着してんのが俺とでなくももかとだったら苦笑いの一つや二つをして“もう、やれやれね”とでも言って終わるだろうがところがぎっちょん、ぎっちょんちょん。

密着する相手は相棒であり彼氏でもあるこの俺、御剣 明さん。

なら、ゆりがドキドキキュンキュンしちまうのも当たり前田のクラッカーって訳だ。

 

「んん……♪」

 

それとこの事は最近ももかから教えてもらったんだが、どうやらゆりは俺に密着するのがかーなーり好きらしい。

 

「あき……♪」

 

と言っても、ももかみてぇに初中後密着する方じゃなく、まさに今みてぇな感じで時々の密着する方がゆりはお好きなんだと。

 

まぁ、かく言う俺も彼女であるゆりと密着する展開はウェルウェルカムカムだが……

 

「すき…だいすき……♪」

 

流石にこれはなんてこった案件じゃねぇか?

 

「あ〜…明君?もしかしてゆりっぺ、スイッチ入っちゃってる?」

 

「あぁ、完璧に入っちまってるぜ」

 

色々とアレな部分が多々あるが、一応俺とてれっきとした青春真っ只中でお年頃な青年の一人。

故に美少女な彼女がこんな状態ならそれなりに“()”が出てくるってもんだ。

 

例えば、

キスをしたい

胸や尻を触りたい

下着姿を含む艶姿を見たい

――――したいとかな?

 

けど、この明さんはその“()”に抗いますぜ?

何故なら今の状況は俺が好むシチュエーションじゃねぇし、今手を出したらひかりや舞や祈里やまりあさんに申し訳ねぇ。

 

そしてなにより、俺は我慢が出来る男だからだ。

 

「ねぇねぇ明君、どうするの?」

 

「とりあえず呼蕩(セクシーボイス)を一発かます」

 

だがまぁ、ゆりの艷声くらいは聞いても良いよな?

ん?“オイオイ、さんざん言っておいて結局手を出すのか”って?

 

「え、それ大丈夫なの?」

 

ケッケッケ、生憎と俺が出すのは“手”じゃねぇなくて“声”だからそんなの関係ねぇ。

 

「あぁ、一発かまして腰が抜けちまえば落ち着く筈だ」

 

ただ、ゆりへのダメージはこれまたかーなーりあるが仕方ねぇ。

何かを得るには何かを失わなきゃいけねぇのはこの世の心理だからな。

 

「わかったわ。それじゃあ私がゆりっぺの介抱をするから明君は心置きなくエロエロなのを一発ドーンとやっちゃって♪」

 

「オーケーオーケー、任せろ」

 

最早探物どころじゃなくなっちまったが、このぐだぐだ具合もまた俺達らしさって事で大目に見てくれ。

 

ではでは、善は急げって事で早速……

 

「……“ゆり”」

 

「んんっ♪あき……♪」

 

おーおー、中々に強烈なエロさを出してくれてやがるな。

だが覚悟しろよゆり?

なにせ、今から放つこの一発はどこぞの緑茶の宝具の如くお前の中の“()”を爆発させるからな。

 

んじゃま、

弔いの木よ、牙を研げ!

 

「“――――”」

 

 

【終わり】




オマケ1

〜お目当ての本〜

ももか:「そういえばゆりっぺが探してた本ってなんの本だったの?」

明:「ん、この本だ」

ももか:「えっと……“花の丘の守り神”?」

明:「お、遂にももかもフランス語をマスターしたな」

ももか:「うん、明君とゆりっぺのお蔭でね。それにしてもこの本の表紙の二人って明君とゆりっぺに似てるよね〜」

明:「そうか?確かにゆりはキュアアンジュに雰囲気が似てると思うが……俺は初代とは全然似てねぇと思うんだが?」

ももか:「そんな事ないわ。だって、明君も初代のナイトさんも愛する彼女の為に騎士になったんだから♪」


オマケ2

〜その後〜

ゆり:「……よくもやってくれたわね」 (真っ赤っか〜!

明:「ケッケッケ、お顔が真っ赤っかって事は俺の呼蕩(セクシーボイス)が相当気持ち良“ガシッ!”いだだだだ……」

ももか:「キャ〜♪ゆりっぺのアイアンクロー容赦な〜い♪」

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