つばめ:「それは榊君が原因っしゅ! ( ̄▽ ̄)」
明:「成程」
とある平日の昼休み、俺は購買でゲットした戦利品を持って屋上に来ていた。
「お、先客がいたか」
「ん?あ、やっほ〜明兄〜」
どうやら先客は今や俺の義妹の一人である来海さん家のえりかだった。
「えりかが一人で行動してるなんて珍しいな。いつきは……まぁ、他クラスだから仕方ねぇとしてもつぼみはどうしたんだ?」
基本的につぼみとえりかは二人でワンセットって認識してっから、今みてぇにどっちか片方しか見ねぇ(居ねぇ)のはある意味新鮮かもな。
「つぼみは今、中庭でオリヴィエと一緒に弁当を食べてるとこ〜」
「成程、だいたいわかった」
大方、つぼみがオリヴィエを昼に誘った事を聞いたえりかが気を利かせて二人っきりにさせたんだな。
んで、自分はお邪魔虫にならねぇ様にまたまた気を利かせて屋上でって訳か。
「さっすがえりか。デキる女はやっぱ違うな」
「とーぜん!( ̄^ ̄)」 (ゴク、ゴク、ゴク……
おーおー、缶コーヒーじゃねぇが紙パックのジュースを飲む姿も中々ハマってやがるぜ。
「(ゴク、ゴクゴク……)ぷはぁ〜!美味いっしゅ!…あ、そーいえば明兄も今一人なの?」
「あぁ、只今ゆり達は何十回目かの女子会ランチを開催中だからな」
因みに、この女子会の中身は恋バナオンリーと思うだろ?
ところがぎっちょん、違うんだな。
女子会の中身は確かに恋バナがあるが、
それ以外にも流行りの店、食べ物、雑貨、ドラマ、映画、本、音楽、スポーツとまぁ実に様々な事を話し合ってるんだとさ。
ん?
何故俺がそんな事を知ってるかって?
そりゃ簡単。
ちょいと前に女子会に参加したダークから聞いたからだ。
その時は確かスコーンの話で盛り上がったらしくてな?
その日の夜にスコーンを作ってくれと妖精の姿かつ、俺の頭を三三七拍子で叩きながら頼んできたのは未だ記憶に新しいぜ。
“作れ、作れ、スコーンを作れ”ってな?
「あたし達も時々やるけど女子会って楽しいよね〜。…あ、もも姉達が女子会やってたら博士さんや月音さんと一緒に食べなかったの?」
「あぁ、博士は諸事情で早退したし月音は萌香の妹…心愛のとこに行ったからな」
「成程〜だから明兄は一人なんだ」
「そーゆこと。てな訳でえりか、折角の機会だから一人もん同士仲良く弁当を食わねぇか?」
「うん!今思ったんだけど明兄と二人っきりで食べるのってコレが初めてだよね!」
「あー、そーいえばそーだな」
なんてこった、義理ではあるが兄として妹との触れ合いを疎かにしちまってたとはな。
「それならえりか、これからも時々こうして一緒に食おうぜ?」
「OK〜!そして玉子焼きいただきっしゅ!」
「おーおー、食え食え。確り食って午後の授業も“寝ずに”頑張れ」
「うっ…まさか明兄……」
「安心しろ。説教するつもりはねぇよ」
普段だったら一言二言やんわりと言うが今回はそうはしねぇ。
なにせ、
「ももかから聞いてるぜ?最近つぼみと一緒に近々開催する予定のプチ・ファッションショーの企画を練ってるってな。ほんと、お前ら二人は頑張り屋さんだな」 (わしゃわしゃ
「ま、ま〜ね!なんたってあたしはファッション部の部長でつぼみは副部長だもん!頑張らない訳がないっしゅ!」 (照
おーおー、珍しくえりかが照れてやがるぜ。
「ケッケッケ、それなら部員の俺も頑張らねぇとな」
「そーそー!なんたって今回のショーのテーマは“大人っぽさ”だから明兄、もも姉、ゆりさん、ルリルリ、萌香さん、博士さん、月音さんにはメチャクチャ期待してるっしゅ!」
「おう、大船に乗ったつもりでドーンと任せとけ。んじゃま、この元気のままお互いに午後も頑張ろうぜ」
「おぉ〜!」
【終わり】
オマケ1
〜その後〜
コフレ:「え〜り〜か〜!」 (バビューン!
えりか:「あ、コフレ」
コフレ:「大ニュースですっ!…って明さんもいたんですね!」
明:「おう、いたんですっ。んで?どーしたんだ?」
コフレ:「つぼみがオリヴィエに“あーん”をしてたですっ!」
えりか:「ほうほう!」 (にやにや
明:「ケッケッケ、そりゃ確かに大ニュースだな」 (悪笑
オマケ2
〜報告〜
明:「てなことがあったんだよ」
ももか:「キャ〜♪つぼみちゃんってば可愛い〜♪」
ゆり:「フフフ、誰かさんみたいに捻れながら受け入れたオリヴィエの様子が目に浮かぶわ」
明:「へー、そりゃいったい何処の捻れ屋さんなんだろうなー」