明:「ケッケッケ、ガンバガンバ」
とある日の夜、俺はダークとの交換お泊まりで我が家にやって来たコロンをおもてなししていた。
「あはは、悪いね。色々とおもてなしてもらって」
「気にすんな。いつもダークにしてる事とあんま変わんねぇからよ」
そも、おもてなしつっても今ん所は夕飯をご馳走しただけだからな。
ケッケッケ、コロンはダークと違って大食らいじゃねぇから品数も少なめで助かるぜ。
「ほれ、食後の薬草茶だ」
「どうもありがとう」
ズズズッ…ふぃ〜、五臓六腑に染み渡るぜ。
「んで?何で急に交換お泊まり会なんかやったんだ?」
性格的にコロンが発案者じゃねぇのはわかりきってるが、それでも若干気になったりなかったりどーでもよかったりってな?
「今日のお昼に植物園でのんびりしていたら丁度散歩しに来たダークから誘われてね?」
「成程、やっぱり発案者はダークか」
「うん。それで面白そうだったから乗る事にしたんだよ。幸い、ゆりも乗ってくれたから助かったよ」
「おーおー、よく言うぜ。ゆりがコロンからの頼み事を断れる訳がねぇって知ってるくせによ」
「あはは!」
普段はブレーキ側にいるからあんま知られてねぇかもしれねぇがコロンはこう見えて結構いい性格の持ち主。
もしもダークやコッペ様みてぇに人間態への変身が可能になったら間違いなく某アニメの銀髪青年みてぇな見た目してなんだろーな。
なんせ、コロンも某銀髪青年も同じ声してやがるからな。ケッケッケ
「(ズズズッ……)ふぅ……。それにしても、」
「ん?」
「こうして明と二人っきりになるのも久し振りだね」
「そうか?だいぶ前に屋上で……って、それはコロンとじゃなくてゆりとだったな」
んで、確かそん時はゆりと一緒にコーヒーを飲んでたな。
因みにどんな内容だったか知りたきゃ是非とも49話目の〜屋上〜を読んでくれ。
んじゃま、次回もサービスサービスってな。
「あはは、付き合う前から二人は仲良しだったもんね。初めて会った時は二人が恋人なのかと思っていたよ」
「ケッケッケ、残念ながら当時は友達以上恋人未満だったな。てか、どーりでやけに温かい目でコロンが俺たちを見てたし、俺がブレイドナイトになった時も感謝の込もった目で見てた訳か」
成程成程、それなら合点がいくぜ。
「遂にバレたね。明はプリキュアやブレイドナイト…妖精や砂漠の使徒の事を知っても動じず、それどころか今代のゆりを護る為に今代のブレイドナイトになる事を選んだ」
「バーロ、選んだんじゃねぇ……決めたんだよ」
それが俺の覚悟だからな。
「あはは、そうだったね。それでも、プリキュアの種を生む事とマントになる事しか出来ないボクの代わりにゆりと一緒に戦ってくれる事を決めた明には感謝していた…いや、しているんだよ」
「へーへー、そうかい。なら、その感謝の気持ちを持ったままこれからもよろしくな」
「やれやれ、明は相変わらず他人からの感謝の気持ちをさらっと流してしまうね」
「ケッケッケ、明さんは性格が捻くれてるからな。こーなっちまうのも是非もないよネ」
「うん、それはボクやみんなが知ってるよ。明は性格こそ捻くれてるけど、けしてそれだけじゃないって事をね」
「ならよろしい。…んじゃま、背中がむず痒くなる様な話はここいらでお開きにして食後のデザートタイムといこうぜ?」
「あはは、いいね。それならボクは明の代わりにお茶を入れ直そうか?」
「バーロ、いつもと違って今日は交換お泊まりで我が家に来てんだ。たまには何もせずにゆっくりしとけ」
さっき言った“いい性格”に加えてコロンは良い意味で気の利く奴だからな。
ゴーイングマイペースのダーク君は是非とも見習ってほしいもんだぜ。
「そうかい?それじゃあお言葉に甘えておくよ」
「おうおう、甘えとけ甘えとけ」
さてっと、食後のデザートは……そうだな、興味ないフリしてダークが虎視眈々と狙ってたいい所のすあま(素甘)にするとしますかな。
「(ズズズッ……)……ふぅ。それにしても本当に美味しいお茶だね」
「そりゃ、これまた博士から譲ってもらった薬草を煎じて作った茶だからな。気に入ったんなら土産として分けてやろうか?」
幸いな事にこの薬草茶は幾つかの茶筒に入った状態で貰った品だからな。
一本や二本譲ったってモーマンタイだぜ。
「本当かい?それはどうもありがとう」
「ケッケッケ、どーいたしまして」
んじゃまほれ、
「本日の食後のデザートのすあま(素甘)だ」
「これは中々のデザートだね。それじゃあ改めて、」
「おう、」
『いただきます』
【終わり】
オマケ
〜同時刻のゆりとダーク〜
・寝惚け顔
・眠気混じりの状態で歯磨き
・紐を口に加えた状態でポニテ作り
・風呂上りのオールバック
・珍しくフライ返しに失敗
・昼寝中にサイドテール
ダーク(妖精):「くっ!他にも明の様々な写真を撮ってあるぞ!」
ゆり:「ふふふ、それは興味深いわね♪」