明:「つっても1日クオリティーだからいつもよりも短いからご注意を」
つばめ:「そんでもって昨日もしもシリーズの方でも一本投稿してるので、そちらもどーぞです」
とある日の休日、俺はゆりから届いたメールの通り植物園へと訪れていた。
「ゆりは…っといたいた」
俺の存在にまだ気づいてねぇのか、ゆりは頭上の花達を見てら。
ケッケッケ、後ろ姿も中々の……ってな?
「おーい、来たぞ」
「………」
「ゆり?」
へんじがない。 ただの しかばね のようだ。
「…来たのね」
お、生きてた。
「あぁ、少し待たせたか?」
「…いいえ。ごめんなさいね、急に呼んでしまって」
「気にすんな。どーせパレスに行くかダークに悪戯するぐらいしかする事がなかったからな。そんでもってゆり?」
「…何?」
「どうして後ろ向いたままなんだ?」
明さんとしては是非とも愛しいそのゆりのお顔を見てんだがなぁ。
「………」
「ゆり?」
「…明」
「ん?」
「明……!」 (ぎゅっ
おーおー、いきなり抱きついてくるたぁゆりさんってば大た…って訳でもねぇみてぇだな。
なんせ、今こうして触れ合ってわかったんだがゆりの体は震えてら。
そうなるとこりゃ何かあったに違ぇねぇ。
「どうしたゆり?」
「………」
「………」
「……実は」
なんてこった、今までゆりの様々な声を聞いてきたが、ここまでか細い声は初めてかもな。
「怖い夢を見たの……」
「怖い夢?」
「えぇ…その夢の中の世界だとコロンやダークやお父さんが次々と私の前から消えていなくなってしまうの……」
成程、流石は悪夢。
中々に惨い夢を見せてくれやがるぜ。
「そうなのか」
「でも、それよりも一番怖かったのは……明……」
「俺?」
「えぇ……」
直後、ゆりは顔を上げて俺の顔を真っ直ぐ見ながら言った。
「…その世界には明が何処にも居ないの……」
「………」
「…コロンが消えて、ダークが消えて、そしてお父さんが消えて目の前が真っ暗になっても私の隣には明がいないの……」
なんてこった、全身に冷水を浴びた様な感覚ってのは今まさに俺が体験している感覚の事を意味してるんだろうな。
「お願い明…このまま私を抱き締めて…。明を感じたいの……」
そんで、俺でそこまでの精神的ダメージを負うって事はその夢を見ちまったゆりの精神的ダメージは相当なモンに違ぇねぇ。
だからなんだろうな、こうしてゆりがどうしようもなく俺を求めてくんのは。
「………」
「明……」
「いいぜ、ゆりの心の中からその悪夢の記憶が消え去るまで抱き締めてやるよ」 (ぎゅっ
情けねぇ事に今の俺にはこうする事でしかゆりを落ち着かせる事が出来ねぇからな。
「明…明……!」
「おう、明さんは此処にちゃんといるぜ。それにちゃんと感じるだろ?俺の鼓動と暖かさを……」 (撫で撫で
「えぇ…感じる、感じるわ……」
幸いな事に薫子さんやサラマンダーだけじゃなく意外や意外なコッペも気を遣ってか俺達を二人っきりにしてくれてるからな。
そのご厚意に甘えて今はゆりが安心するまで俺の存在を感じさせてやるよ。
「明…お願い……」
「ん?」
「キス…私とキスして……」
「いいぜ、それでゆりが安心出来るなるなら幾らでもしてやるよ」
「明……」
「ゆり……」
「明……」
「ゆり……」
「明……」
「ゆり……」
「「んっ……」」
俺のこの身に宿る花を護る騎士の力よ、もしも出来るんだったらその力で悪夢に蝕まれた月光に冴える一輪の花を…ゆりを救ってくれ。
【終わり】
オマケ1
〜その後〜
ゆり:「…ねぇ明?」
明:「わーってる。今日は俺ん家に泊まってけ」
ゆり:「…ありがとう」
オマケ2
〜翌日〜
明:「………」
ゆり:「すぅ…すぅ……」 (寝
明:「ゆり、もしかしたら俺はお前を護る為に生まれてきたのかもな」 (撫で撫で
ゆり:「…んんっ……明?」
明:「おはようゆり。調子はどうだ?」
ゆり:「…おはよう明。おかげ様ですっかり良くなったわ」
明:「ケッケッケ、そりゃ昨日は一緒に寝たからな。身も心も気持ち良かっだろ?」 (悪笑
ゆり:「……ばか♪」 (枕投