とある日の昼休み、教室でゆりやももかと世間話で花を咲かせている時だった。
―あぁ…憧れのももかさん…!―
―生で見ると更に綺麗……!―
―こっち向いてくれないかなー……―
―うぉー!やっぱ生の来海ももかって美人だぜー!―
―だよなー!―
チラッと横目で廊下を見ると、ももかを生で見ようと集まった沢山のももかのファン達(男女多数)が廊下から此方を見てざわざわと騒いでいた。
「おーおー、沢山のファンがあんなにもうじゃうじゃと」
「流石は現役カリスマモデルのももかね」
「あはは…、あんなにも沢山のファンがいてくれるのは嬉しいんだけどね〜……」
そう言ってヒラヒラとファン達に手を振ると…
―キャァァーーっ!?―
―うおぉぉーーっ!?―
おーおー、元気良い奴等なこって。
「でも、私だけを見に来てる訳じゃないみたいよ?」
「「え?」」
「ふふふ♪二人共よーく耳を澄ましてみて?」
「「???」」
―ねぇ、ももかさんと一緒にいるあのポニーテールの格好良い男子って誰?―
―えっ!?あんた知らないの!?―
―中等部時代からほぼトップの成績!しかもスポーツ万能!料理も出来ちゃうし性格も優しいけどちょっと意地悪な所あるスーパーイケメンの御剣 明君よ!―
―あぁ…御剣君、格好良いなぁ……―
「「「………」」」
―なぁ、最近、月影って……良いよな?―
―あぁ…なんか…綺麗だよな……―
―綺麗だけじゃなく何処か包み込む様な優しさがあるし、後、あぁ見えて可愛い物が好きらしいぜ!―
―マジか!―
「わぁお……」
「ね?私だけじゃないでしょ?」
「明は兎も角、私もなんて意外ね」
「それだけゆりが素敵だってことよ♪明君だってそう思うでしょ?」
「まぁな。寧ろ、今更気付いたのかって思うぐらいだぜ」
「い、言い過ぎよ…」
「あ、ゆり照れてる〜♪」
「おー、珍しい光景だな」
「ふふふ〜♪ゆり可愛い〜♪」
「だ、黙りなさい!」
「まぁまぁ、落ち着いてゆり♪」
「そうだぜ。この菓子やるからさ」
そう言って俺は鞄の中から袋詰めされたマシュマロを取り出した。
「まさかとは思うけど、手作りじゃないわよね?」
「これは市販のだが、その気になれば作れない事もないぜ」
「明君ならやりかねないわね。…あ、私も頂戴!」
「あぁ。良いぜ……って、やっぱりソレをやんのな」
「うん!……あーん!」
「へーへー。ほれ、あーん」
「あーん!……はい、ゆりも!あーん!」
「フフフ、それじゃあ私は明に、あーん」
「ん、あーん」
―キャァァァッ!?―
―御剣滅びろぉ!!―
知らん。
無視だ無視無視。
「あーん……」
「あーん……」
「あーん……」
………
……
…
その後、食べさせ合いっこをするのが面白くなった俺達はあーんをするスピードを段々と上げていったんだが、
「「「あっ」」」
“はむっ!”
気付いた時には既に遅く、俺達はそのまま何も持ってない指を各々口にしていた。
「フフッ」
「あははっ」
「ハッ」
最初こそ俺達は暫くそのまま見つめ合っていたが、あまりにもその光景が可笑しかったんでつい笑みが溢れた。
―はわぁー……―
―ぐぬぬぬ……―
「…いい加減帰ってもらいたいもんだぜ」
「なんか明君を見る男子の目が怖くなってる気がするわ」
「確か、明がももかにあーんをしている時からあんな感じだったわよ?」
「…なんでかしら?」
「大方、ももかにあーんして私にあーんされてる明が羨ましかったんじゃないかしら?」
「それなら二人で彼奴等にやってやれば良いんじゃねぇか?」
「やだ!明君以外の男子にあーんされたくないし、したくないわ!」
「左に同じ」
「お、おう……」
これは喜ぶべきだよな?
てか、廊下で俺に負の感情をぶつけている男子諸君?
そんな暇があんなら自分を磨いた方が良いと思うぞ?
「んじゃま、そろそろあの集団を静かにさせるとしますか」
「あ、それなら私にいいアイディアがあるからちょっと耳を貸して!」
「おう」
「えぇ」
はてさて、
いったいどんなアイディアが…
「ふぅ〜〜っ!」
“ゴチン!”
「あいたっ」
「いきなり耳に息を吹き掛けるからよ」
「同感だ。で?そのアイディアってのは?」
「えっとね…」
ゴニョゴニョゴニョゴニョ……
「フフフ、中々面白そうね」
「だな」
「それじゃあ早速いってみよー!」
「おう」
「えぇ」
そうして俺達は廊下を見て…
ニコッ♪
そりゃもう、とびっきりの笑みを浮かべた。
―!?―
―ろぉ!!―
バタァーーッン!!
「おーおー、全員見事にひっくり返ったぜ」
「まさかこれまでとはね」
「ね?いいアイディアでしょ!」
「あぁ、そうだな」
「そうね、ナイスなアイディアだったわ」
「えへへ〜♪」
キーンコーンカーンコーンー♪
「っと、もうそんな時間か。…なんだかあっという間に過ぎた気がするぜ」
「でもすっごく楽しかったよね♪」
「ふふふ、そうね。私も楽しかったわ」
「俺もだ。…んじゃま、このまま午後も張り切って行くとしますか」
「えぇ」
「おぉー♪」
【終わり】
オマケ1
〜クラスメート達の反応〜
『ほんと、この三人って仲良しだよ(ね)な〜……』
オマケ2
〜明とゆりの感想〜
ももか:「明君、ゆり。みんなから色々言われた感想は?」
明、ゆり:『ゆり(明)が魅力的なのは初めから分かりきった事だ(わ)な』
ももか:「そーよね〜」