花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

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つばめ:「日常編もここまできたかぁ……」

明:「ケッケッケ、ガンバガンバ」


〜褒美〜

とある休日の昼、俺はちょいとした買い物から帰ってきて早々に庭に視線が向いた。

 

「くっ〜!」

 

なんせ、庭の真ん中でダークが堂々とガイナ立ちもとい仁王立ちをしてるんだからな。

 

「よぉ」

 

「ん?お、帰ったか。おかえり明」

 

「おう、ただいまダーク。庭に出て何してんだ?」

 

「ふむ、暇だからたまには庭の草刈りでもしようかと思ってな」

 

だからほれ、とその小さい腕が指す方を見れば成程成程。

 

確かに縁側にはちょいと前に俺が研いだ鎌が二本置いてあるぜって……

 

「なんてこった、ダークさんよ?その鎌はいいとこの店で買ったもんだから一本だけでも充分だと思うぜ?」

 

なんせ、一本だけでも市販の鎌よりも倍近くするぐらいの鎌だからな。

 

ん?

なんでそんな上物の鎌が二本も家にあんのかって?

 

そりゃアレだ、この俺の親父が買ったモンって言えばわかるだろ?

 

そーゆーこった。

 

「フッ、わかってないな明は。○イドが言っていただろう。“1本の力が100なら2本で200”とな!」

 

「成程な。てか、ダークは○イドじゃなくてミ○トだろ」

 

「ならば明はユー○」

 

「ゆりは○ュディス」

 

「ももかはイ○ス」

 

「ばんちょー君はガイ○ス」

 

「熊本はレイヴ○」

 

「博士は○レイ」

 

「つぼみと萌香はコ○ット」

 

「月音はロク○ウ」

 

「オリヴィエはイオ○」

 

「心愛は○ティ」

 

「デューンはリ○ン」

 

「いつきはプレ○ア」

 

「えりかは○スカ」

 

「残念。えりかはヒ○カじゃなくてシ○スティルだ」

 

「なん…だと……!?」

 

「ケッケッケ、この勝負はダークの負けだな」

 

「くっ!寸胴のえりかのくせにおっきい方か!」

 

「そーゆーこった。てか、いきなり変なバトル始めんじゃねぇよ。ビックリしたじゃねぇか」

 

「そんな事言いつつ明だってノリノリで応じていただろ〜」

 

「おっと、それもそーだったな」

 

いきなり言い合い合戦を始めて困惑したか?

 

残念ながらこれが明さんとダークさんのノリだからそこんとこ理解よろしくってな。

 

んじゃま、いい加減バカやってねぇで……

 

「俺は中に入るが草刈りは任せたぜ?」

 

「なんだ、やはり明は不参加か」

 

「おう。台所でちょいと作業するからな」

 

今度は俺がほれ、っと持っていた紙袋を見せるとダークは何やらシンキングタイムに入りやがった。

 

「台所…紙袋…食材…いや違う、食材なら多少の匂いが……ハッ!明が買ってきたのは新しい調理器具か!」

 

おーおーなんてこった。

 

皆さんどーよ、ダークの某少年探偵並の推理力。

 

これ、食いもんが関わらなぇとここまで鋭くなんねぇぜ?

 

「どうなんだ明!調理器具か!」

 

「ケッケッケ、正解だ。前々から買いてぇと思ってたモンが店に入荷されたってのを風の噂で聞いてな。某美食屋よろしく、思い立ったが吉日それ以外はなんとやら。迷わず買ってきたって訳だ」

 

因みに俺が店でソレを見つけた時、残りがもう3個だったからかなりギリギリセーフだったぜ。

 

「成程成程、行って迷わず買える辺り流石は明だ。適当そうに見えて家計のやりくりに抜かりがないな」

 

「つっても散財する時は散財するけどな。主に食費で」

 

「それは仕方ない。私も明も大の甘党だからな」

 

「ケッケッケ、ちげぇねぇ」

 

まぁ、いやらしい話になるかもしれねぇが海外に住んでる親父とお袋が毎月かなりの額を振り込むから金欠になる事は先ずねぇ。

 

それに俺の貯金額は……別にお金大好き人間じゃねぇが、やっぱあると気分とか良くなるよな。

 

「深爪、今回の買い物は普段頑張っている自分への細やかなご褒美と言ったところか?」

 

「まぁ、そーゆーわけだ。てか、ダーク?深爪じゃなくて差し詰な?」

 

「知っている。今のはDARKジョークだ!」

 

「なんてこった、AUOジョークみてぇに言うなっての」

 

「フッ、やはりバレたか」

 

「おう、バレバレのバレだ。てか、いい加減明さんは中に入りてぇんだが?」

 

紙袋に入ってるとは言え、握りっぱなしだから器具の重さで地味〜に指にダメージがががが。

 

「おっと、それは失礼したな。ならば話はここでお終いだ。私は草刈りをするから明はその器具を使って早速何か作れ!」

 

おーおー、ダークさんってばもう食う腹積もりでいらっしゃるぜ。

 

「ケッケッケ、草刈りに対する褒美ってか?」

 

「そうだ。何を作るのかは知らないが楽しみにしているぞ!」

 

「へーへー、わーったよ。ならそっちも草刈り頼むぜ?」

 

「任せろ、今のダークさんのクラスは庭師だからな。…別に雑草を全部刈り取ってしまっても構わんのだろう?」

 

「おう、やっちゃえダーク。…あ、作業が終わった方が声をかけるでいいか?」

 

「ガッテンテン!」

 

「オーケー。んじゃま解散だ」

 

「くっ!覚悟しろよ雑草共!」

 

ほんと、相変わらずダークさんは立派な食い意地の持ち主でいらっしゃるぜ。

 

「んじゃま、俺も台所に行くとしますかな」

 

ケッケッケ、今日はーーーー祭りだぜ。

 

 

【終わり】




オマケ1

〜1時間半後〜

明:「ダーク、草刈りは終わった……ん?」

ダーク(妖精):「…明、この大蛙は何者だ……」

大蛙:「グェ〜ゴ!」

明:「ケッケッケ、ダークも遂に我が家の主と対面したか」

ダーク(妖精):「この家の主…成程、通りでただの大蛙とは違うとは違うという訳か……」

明:「そーゆーことだ。今後の我が家の安全の為にちゃんと挨拶しとけ」

ダーク(妖精):「くっ!…私はダーク。とある縁の導きで生まれ変わり今は明の世話になっている。我が家の主よ、これからよろしく頼む」

大蛙:「グェゴ!」


オマケ2

〜待望の褒美〜

明:「ほれ、明さん特製クレープ祭りだ」

ダーク(妖精):「なん…だと……!?」

明:「ケッケッケ、念願のハンディクレープメーカーを買えたからな。テンション上がってかなり作りました (笑)」

ダーク(妖精):「…成程、フライパンみたいな見た目のクセに中々の高性能だな……」


オマケ3

〜そういえば…〜

明:「なんで妖精の姿で草刈りしてたんだ?人間の姿の方がやりやすいだろ?」

ダーク(妖精):「くっ!修行だ!」

明:「ケッケッケ、成程な」

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