花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

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年内最後の投稿です。

みなさん、一年間ご愛読ありがとうございました!

また来年も、明達のドタバタ劇をよろしくお願いします (^ ^)

因みに年始の投稿は以下の通りです。

1日:正月ネタ
2日:お休み
3日:通常投稿開始


〜試作〜

とある休日の夜、俺は家で料理のレパートリーを増やしていた。

 

「おーおー、中々いい感じの匂いがしてきやがったぜ」

 

きっかけは今日の昼にはらやでばんちょー君やオリヴィエと甘味を食ってる時に料理のレシピの話になってな?

 

んで、明さんはその話の中で出たヤツを今現在実践中って訳だ。

 

上手い具合に冷蔵庫の中に材料があって良かったぜ。

 

「さてっと、ダークは……オーケーオーケー、食う準備は出来てやがるな」

 

「くっ!当然だ!でなければ今頃は煎餅と茶セットでテレビを見てたりダークさんラッシュに磨きをかけてたり寝てたりと忙しいからな!」

 

てな感じで妖精態のダークはそう言ってるが、いつの間にか用意したナイフとフォークで効果音(…そうさな、この場合は…シャキーン!か?)が付きそうな構え方をしてる時点で最初から食う気満々だよな。

 

ケッケッケ、相変わらず食い意地張っていらっしゃるぜ。

 

あ、因みに言っとくとダークさんラッシュってのは俺がだいぶ前にダークにプレゼントしたスナッキー型のサンドバッグに拳打を打ち込むことの事を言ってるから、そこんとこよろしくな。

 

「それで?明はいったい何の料理を作ったんだ!早く食べさせろ!」

 

「へーへー、わーったよ。まぁ、フォークは兎も角ナイフは使わねぇけどな」

 

「む?そうなのか?」

 

「そうなんです。てな訳で…」

 

ほれ、とダークの前に置いたのは無難な白い皿にこれまた無難に盛り付けられたペペロンチーノ。

 

ぱっと見、ただの具無しペペロンチーノだが……さてさて、ダークの反応は如何にってな。

 

「一品目…。ふむ、確かにこれならナイフはいらないが明よ、パスタ以外に具が無いとはどうゆう意味だ?」

 

「ケッケッケ、気になんなら食ってみろ」

 

「成程。それもそうだな。では!実食!」

 

普通に“いただきます”って良いと思うが…まぁ、そこはある意味俺の分身であるダークなりの遊び心ってな。

 

「(ズズッ、ズズズッ……!)」

 

なんてこった、ダークさんってばギャグ漫画のキャラクターがラーメン食ってる様な食い方しやがる。

 

場所が家で相手が俺でなかったら泣けるぜ。

 

「(もぐもぐ)……ふむふむ、成程成程。シンプルな見た目だが塩胡椒以外にもちゃんと味が付いているな。これは……ニンニクか!」

 

「正解だ。因みに後もう一つ味付けに使ったのがあんだが何かわかるか?」

 

「む、少し待て。…(ズズズッ……!)」

 

おーおー、一口目と変わらぬ吸引力。

 

流石は大食いキャラだぜ。

 

「(もぐもぐ)……くっ!もう一つはアサリか!」

 

そして此方もまたまた正解。

 

流石は(以下略)

 

「まぁ、より正確に言うとアサリの煮汁だけどな」

 

「成程。と言うか明、思ったのだがコレはアレか?コンビニに売ってる某パスタの真似か?」

 

ケッケッケ、バレたか。

 

「まーな。買うのも良いが自分で作れる様になればレシピが増えるし場合によっては独自のアレンジが生まれるから良いと思ったんだよ」

 

それこそ、俺が作ったこのペペロンチーノみたいにな。

 

アサリと一緒に先に火を通した上で麺と絡ませたから臭みもそれなりに抑え込んだと思ってるぜ。

 

まぁ、実際のところはわからねぇけどな。

 

「そうかそうか。私にはイマイチわからぬが作る側だからこその拘り…もしくは何かなのだろうな」 (うむうむ

 

「ケッケッケ、わかってねぇなら無理してそれっぽい事言わなくてもいいぜ?」

 

「くっ!わかってはいるが上手く言葉に出来ないだけだ!」

 

「へーへー、そーかい」

 

下手に突っつくと一を十に盛った上でゆりに泣きついて面倒極まりねぇからな。

 

ここは素直にダークさんの言う通りにしとくぜ。

 

「くっ!わかればいい。それよりも明!」

 

「ん?」

 

「さっき明は“一品目”と言ったな。ならば!」

 

「成程、だいたいわかった。三品目はあと少しで完成だが二品目は一品目と同時進行で作ってたから直ぐに出せるぜ」

 

「よし!早速頼む!」

 

「へーへー、りょーかいだ」

 

三品は流石に作り過ぎかと思ったがどうやら杞憂だったみてぇだな。

 

ケッケッケ、流石(以下略)。

 

頼りになる&作り甲斐のある気持ちいい食べっぷりだぜ。

 

あ、そーだ。

 

折角だからばんちょー君とオリヴィエにもお裾分けしてやろっと。

 

「こりゃ明日の放課後はゆりとももかを巻き込んでスーパー行き確定だな」

 

そんで言い忘れてたが……

 

「ダーク、二品目はネタ料理だが良いよな?」

 

「わたしは一向にかまわんッッ」

 

「おーおー、なんてこった。急に烈○王になりやがったぜ」

 

ダークも随分と俺のノリに染まったな。

 

ケッケッケ、明さんは嬉しいぜ。

 

 

【終わり】




オマケ1

〜二品目〜

明:「んじゃま、二品目の“なんちゃってアクセル丼”だ」

ダーク(妖精):「(もぐもぐ)…うまい!(もぐもぐ)…うまい!」

明:「ん?」


オマケ2

〜三品目〜

明:「そんでもって、三品目は“さつまいものプリンケーキ”だ」

ダーク(妖精):「(もぐもぐ)…わっしょい!(もぐもぐ)…わっしょい!」

明:「あーなるほど。二品目の時からあのネタだったのか」


オマケ3

〜翌日の昼休み・屋上にて〜

明:「ほれ、明さん特製“なんちゃってアクセル丼・弁当ver”だ」

番:「す、凄い……!」

オリヴィエ:「ほんと、明って才能が色々と振り切ってるよね」

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