花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

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つばめ:「番長共の口調は完全に適当です」

明:「ケッケッケ、だろーな」


〜番長〜

とある平日の放課後、俺は校庭で何やら妙な集団に絡まれていた。

 

「悪いがもう一回聞くぜ。お前ら何モンだ?」

 

「1の番長!BIG大番長!」

 

「2の番長!サムライ番長!」

 

「3の番長!ラーメン番長!」

 

「4の番長!リーゼント番長!」

 

「5の番長!パチンコ番長!」

 

『我ら!荒ぶる番長軍団!!』

 

とまぁそんな感じで背後にドーン!と爆発でも付いてきそうな妙ちくりんのポーズを取りながら威勢良く叫ぶ番長軍団。

 

自慢じゃねぇがこれまで色々な変な輩に絡まれる事はそれなりにあったが、まさかこんなギニ○ー特戦隊みてぇな輩に絡まれる日が来るとはな。

 

こりゃ、今度博士ん家の神社でお祓いしてもらう必要があるかもな。

 

てか、周りの生徒諸君?

心底同情する様な目で俺を見るなら助け…いんや、同情するなら助けをくれ、同情するなら助けをくれってな。

 

「成程成程。番長軍団さんよ?学園見学するなら受付はあっちにあるぜ」

 

「ふむ、そうか」

 

「おう。俺はもうすぐ塾の時間だから帰らせてもらうぜ。ほな、さいなら」

 

「うむ、さような…って待て!逃げようとしてもそうはいかぬぞ!」

 

ケッケッケ、俺の作戦に騙されねぇとは意外にも賢い奴らかもな (笑)

 

「そーかい。なら、単刀直入に聞くが俺に何の用だ? 」

 

「しらばっくれるな!貴様があの伝説の番長が恐れる男だと言う事はわかっている!」

 

「そしてお前を倒せば我らは伝説を塗り替えた番長達となるのだ!」

 

成程、だいたいわかった。

 

かなり前につぼみ達から聞いたばんちょー君についてのアレコレに出てきた奴等はコイツらの事だったんだな。

 

「折角意気込ん出るところ申し訳ねぇが、お前らは俺には敵わねぇよ」

 

「何!?」

 

「悪い事は言わねぇ。お前らもギャラリーが見てる衆人環中で恥かきたくねぇだろ?」

 

一目見りゃわかるがコイツらはドの付く程の素人だし、パソコン野郎以外の4人の図体もただただデカいだけだからな。

 

それに加えてばんちょー君の睨みに尻尾を巻いて逃げた過去があるからか……

 

「どーしたお前ら。そんなにギャラリーの視線が気になんのか?」

 

『…っ!』

 

とまぁ、こんな風に周囲からの視線に敏感になっちまいやがってる。

 

「ケッケッケ、徒党組んで番長軍団って謳ってるが蓋を開けりゃ、本当は一人じゃカチコむ事すりゃ出来やしねぇ臆病モンの集まりって訳だ」

 

『うぐっ…!』

 

「おーおー、何か言いたそうな面だな。いいぜ、今の明さんは親切だからな。お前らの話も聞いてやるよ、だから言ってみな?」

 

 

ーうっはぁ…煽る煽る……ー

 

ーもしかしなくてもご機嫌斜めか?ー

 

ーそりゃそうだろ…。御剣ってああゆう奴らに絡まれるのが嫌いだからなぁ……ー

 

 

ピンポンパンポン、大正解。

 

その証拠に現在進行形で明さんの苛々メーターは上がり続けてるからな。

 

「ほれほれ、どうした、早く言えよ。言わねぇとギャラリーに見られ続けるだけだぜ?いいのか?長引けば長引く分注目の的だぞ?もしかしたら物珍しさにサインを求められちまうかもなぁ」 (悪笑

 

 

ー…ププッ!ー

 

ーおい!笑ったら失礼だろって!ー

 

ーいやでもさ?御剣の切れ味がな?…ぶはぁ!ー

 

 

ギャラリーのそんな会話を聞いた番長軍団は茹で蛸の如くそりゃもう見事にお顔が真っ赤っか。

 

ケッケッケ、元気いいな。

何か良い事でもあったか? (悪笑

 

「お、おのれ……!」

 

「言わせておけば……!」

 

どうやらプッツンしなさったリーゼント番長はズボンのポッケに手を入れ、そしてある物を取り出した。

 

「ケッケッケ、メリケンサックじゃねぇのな」

 

出したモンは指抜きグローブだったが……不良といい番長といい、こうゆう奴らはテメェらで因縁つけてきてどーしてこうも短気なんだろうな。

 

明さんは悲しいぜ。

 

「食らえぇ!」

 

グローブをはめて気合いが入ったらしいリーゼント番長が殴りかかろうとしてきたが、さっきも言った様にその動きは素人丸出しの動きなんで鈍過ぎる。

 

「泣けるぜ」

 

だから俺は即座に距離を詰めて寸止め一発。

 

見た目の割に肝っ玉が小ぇリーゼント番長はそれだけでそれまでの威勢が明後日の方向へサヨナラバイバイ&腰を抜かしやがった。

 

「ひ、ひぇ…」

 

「ケッケッケ、情けねぇ奴だぜ。お前らもそう思うよな?」

 

『ひぃ、ひゃい……』 

 

なんてこった、自他共に認める目つきを更に鋭くしながら尋ねたら腰を抜かしてはいないものの、残りの番長共も見事にビビっていらっしゃいやがるぜ。

 

「んで、どーする?まだやるか?」

 

『い、いえ…!』

 

「だよなぁ」

 

このまま苛々メーターが上がり続けるとコイツらだけじゃなく周りのギャラリー達にも苛ついた目で見ちまいそうだからな。

 

流石にそりゃ俺にとってもギャラリー達にもよろしくねぇぜ。

 

「今回はこのまま見逃すが次は容赦しねぇ。そこんとこオーケー?」

 

『は、はい…!』

 

「よし。なら明さんの気が変われねぇうちにとっとと……“失せろ”」

 

『はい…!すいませんでしたあ……!』

 

ケッケッケ、最後にサービスで某赤髪の様に声を低くして脅したら今日イチのビビり具合で腰抜かしていたリーゼント番長を回収して帰ってったぜ。

 

「ふぃ〜…、番長軍団も帰った事だしお前らも解散しろよ?」

 

 

ーおーっすー

 

ーお疲れ御剣〜ー

 

ー災難だったな。明日購買のいちご牛乳奢ってやるよ〜ー

 

ーバイバ〜イ!また明日〜!ー

 

 

「おーう、またな〜」

 

さてっと、んじゃま俺も帰るとしますかね。

 

 

ーう〜ん…明さんが番長になったら王狼番長?いや、黒狼番長も似合うな……ー

 

 

ケッケッケ、聞こえてるぜばんちょー君?

 

こりゃ帰りははらやで仲良く茶でも飲んでくか。

 

 

【終わり】




オマケ1

〜その後・はらやにて〜

番:「それにしても明さんも災難でしたね」

明:「だな。まぁでも、釘を刺しといたからもう大丈夫だろ。いくらアイツらがアホでもな」

番:「あはは……」

明:「んで?なんでお前らも来たんだ?」

ダーク:「無論冷やかすつもりだったが……この抹茶パフェを奢ってくれると言うから止してやろう。ダークさんは理解力がある女だからな!」

オリヴィエ:「僕はたまたまダークの近くにいたから巻き込まれた。ごめんね明。それと白玉餡蜜ご馳走様」

番:「えっと、俺も羊羹セットありがとうございます……」

明:「気にすんな。誘ったのは俺の方だからな」


オマケ2

〜同時刻〜

ももか:「明君って番長って言うよりも用心棒よね〜♪」

つぼみ:「学園の用心棒……」

えりか:「生徒会長が陰で頼ってそ〜!」

いつき:「でも、それなら用心棒よりも風紀委員の方が良いんじゃないかな?それなら堂々と活動出来るよ?」

ゆり:「ふふふ、暗躍するからこそ強い抑止力になるのよ」

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