ワールドトリガー 全てはこの手で   作:ジュナス

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どうもはじめまして
ワートリは楽しく一人でシコシコ書いてたんですが結構溜まったんで投稿しようかなと


ではどうぞ


プロローグ

ふと夢に見ることがある。あの時、あの場所の光景を。

 

 

あの日、俺は大学終わりにいつもの様にバイトをしていた。

そしてそれも終わった帰りにそれは突然起こった。

初めはただの事故だと思った。なにせ突然轟音が聞こえ煙が見えたのだ。当時の平和な日本ではそれ以外の発想は起きなかった。

だが次第に様子がおかしいことに気づいた。その轟音が止まないのだ。そしてそればかりではなくその音が次第に近づいてくるのだ。俺はなんとも言えない予感を感じてその音源から離れるように走った。その時の判断は今思えば正解だった。

なぜならその原因は、当時では一般人が知るものではなかったからだ。

 

その後、どれほど走ったか分からないが気付いた時は周りの人たちもパニックに陥っていた。そこで俺はようやく我に返り、何が起きたのかを考え始めた。状況を考えるに、暴徒が発生した可能性が高い。だが、ここ三門市には暴動を起こす原因となるものは存在しない。デモでさえ、あまり見ていないのだ。

だが、この可能性が消えると他の可能性がない。いや、これは正しくない。実際にことは起きているのだ。絶対に何かが起きているのだ。

 

その時である。前方上空に、突然黒い穴が開いた。俺は再び嫌な予感を感じ、すぐさま進行方向を変え、また走る。

そしてその穴から出てきたものは、俺の常識内には存在しないものだった。

いや、存在だけならある。だが、それはよくあるマンガやゲームでの話だ。あんなものはこの世界には存在しないはずだった。

だがそんな常識も、この瞬間に終わりを告げた。なんであんなものがとか、一体何処から来たのかとか、何処の技術なのかとか、あの黒い穴はなんなのかとか、疑問は尽きないが、分かることはあれが明確な敵であり、俺たちに危害を加える存在であること。そして何より、ここにいる誰もが明確な答えを持っていないということだけだ。

 

俺は逃げた、ひたすら走って逃げた。途中でおっさんやおばさんが走り疲れていたが、俺は気にせず走り続けた。俺が抜いた人たちは俺たちを追う何かに喰われるのが見えた。それを見て、またピッチをあげる。あんなわけのわからない物に喰われ死ぬなんてゴメンだ。誰があんなのに殺されるか!

その一心で走り続けた。

道ゆく人たちは自衛隊やら警察やら喚いていたが、そんな自分で生き残ろうとしないものは悉く喰われた。だが幸いなことに口から血が出るという、スプラッタな光景はなかったのでまだ精神的には楽だった。

 

どれくらい走ったかもわからない頃、道端で倒れた女性が助けを求める声が聞こえた。

又かと思いつつも視線を一瞬だけ向けるとその人の腕の中に子供がいた。小学生くらいだろうか?生きているのか死んでいるのか、この人はなぜ走らないのか。助けて俺は死なないのかと、一瞬だけ頭を過ぎったが、迷わず脚を動かす。

 

 

「かせ、俺が死なない限り逃がしてやる」

 

 

そう言って俺は手を差し出していた。

自分でもバカだと思う。なんぞ英雄願望でもあったのかと、後になって考えると思ってしまう。まああの極限状態では普通ではいられないから仕方がない。

 

その女性も、一瞬なにを言われたか分からない顔をしていた。きっと助けてくれると思っていなくても、それでも子供のためにと声を上げていたのだろう。

そしてその人はすぐに察して、抱えていた子供を俺に渡してきた。

 

 

「どうか…お願いします!どうか…どうか…!」

 

 

それだけ聞いて俺は再び走り出した。

今は何か言葉を交わす時間ですら惜しい。別れは大切だとか言うやつもいるが、そんなもんは平時だけだ。こんな非常時にドラマみたいなことやればそいつから死んでいく。

それにチラッとだけ見たが、あの女性は脚から出血していた。確実に助からないだろう。そんな人に声をかけて安心させるとか、必要がない。そんなことする時間があるならば走って距離を稼ぐ。あの人にとって、今一番重要なのはこの子供が生き残ることだろう。

 

すると、俺の行くルートではいつの間にか俺が先頭になっていた。なぜ、と思う間もなく何かのせいで脚を滑らせて転んでしまう。その際に子供を庇うため背中から落ちたため、なにで転けたかわかった。何かしらの液体だ。

 

そして顔を上げた俺の視界に入ったのは地獄絵図だった。ここらには人が倒れていた。だが皆胸が赤く染まっている。倒れている人全員がだ。しかも動いている人は誰もいない。おそらく即死だろう。

 

振り向けば、至近距離にやつがいた。さっきまで後ろにいたはずのとはタイプが違う気はするが、どうせ俺たちを殺そうとするのだ。敵であることには変わりない。

 

俺はすぐに、どちらにでも逃げられるように体制を低くし構える。こんな絶望的な気分で相手と相対するのなんて今までにない。というか俺自身死を間近に感じたことさえない。平和な日本に生きていれば当然だろう。だが今はそんな甘えは捨てなければ生き残れない。

 

相対してどれほどたったか、実際には数秒にも満たないかもしれないが、俺にはとても長く感じた。

そしてそいつは動き出した。多脚の足を振るうのが見え、それを余裕を持って躱そうとする。しかしそこでありえないことが起きる。明らかに知覚速度が下がっている。それのせいか体は鉛のように動きが鈍い。そして相手はそんなこと、考慮にいれないスピードで腕を振り抜いてくる。

なんとか体を動かすのが間に合い、回避することが出来た。その代償に上着が少し切れたが、構わない。

それよりも今はこのよくわからない状態になれなければ死ぬ。

 

その後何十分か、もしくは数分かも知らないが、致命傷を受けることなく攻撃を回避できた。だが問題はこのままではどのみち削り殺されるだけということだ。逃げるなり撃退するなりしなければならない。

だが問題は相手がどれ程の防御性能を持っているのか、だ。もし戦車並みなら俺は手も足も出ない。というか道路標識の後ろに隠れたがあの腕はそれをバターのように斬り裂いたので硬度もそれ相応だろう。生身の俺では勝てる見込みがない。

俺の生き残る道はどうやら逃げ切るか、助けが来るまで生き延びるかしかないらしい。この子供を囮にすれば生き残れるかもしれないが、あの母親から預かってきたものを助かるために捨てていくのは流石にありえない。

再び襲いかかってくる相手からの攻撃を避けると、背後のビルから爆発音が聞こえた。

その行動は命取りではあるが、そういう訓練をしているわけではない俺は音源の方を向いてしまう。

するとそこには俺に向けて落ちてくる瓦礫が。

前方の敵(激強)、上空の瓦礫。

あ、これ終わったわ。

 

 

そしてそこで俺の意識は途絶えた。

 

 




どうでしょうか
ちなみにまともなプロローグ書くの初めてだったり
ではまた次回
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