俺たちがA級となり、エンブレムを決めてから数日が経過した。
部屋もA級になり、給湯室と小部屋が一つ追加され広くなったのは嬉しいことだ。ちなみに小部屋は二人に任せた。化粧部屋なりなんなりするだろう。そして一応扉に鍵をつけさせた。作戦室では酒を飲むこともあるので酔って変なことをしないようにとの対策だ。
で、給湯室には電気ケトルと電子レンジ、冷蔵庫がある。冷蔵庫は結構でかいやつで中は大半が俺の酒である。種類はビールから始まりウォッカ、ジン、ウィスキー、テキーラ、梅酒に日本酒、ワインがある。チューハイも缶でいくつか入っているが、それは大体他のやつが飲む用だ。そしてもちろん酒を割るためのものも各種揃っている。
それ以外はいたって普通で、オヤツになりそうなものなどが結構入っている。ちなみに暗黙の了解として1番上が俺、2番目が狭霧ちゃん、3番目が彩香ちゃんのスペースとなっている。そして4段目は共用スペースで、5段目の野菜室は料理はしないのでフルーツが入っていることが多い。カクテルのためのレモンなども常備されている。
ちなみにこの暗黙のルールはプリンを誰が食べたかでケンカになりかけたから生まれた。やはりオヤツはこの子たちの年代では死活問題らしい。あと冷凍庫には氷と間食用の冷凍食品が入っている。といっても食べるのは俺だけなんだが。二人は体重を気にするお年頃だしあまり食べない。
そして部屋のレイアウトは少しの変わった。前はテーブルの四方にソファを置いていたのだが、それじゃあ部屋が狭くなりすぎるということでソファを2個に減らしテーブルも前のより少し小さい長方形のものに変えた。テレビは壁掛けのモニタータイプで、52型。俺たちの隊はゲームをする人間がいないためもっぱら映画用である。
他には俺がゆったり読書したいからという理由でリクライニングチェアを、そしてその横に小さいテーブルを置いている。
他二人は俺のような大きなものは置いていない。沙霧ちゃんは私物を持ってきても、オペレータールームを作ってあるのでそこの棚に収納している。彩香ちゃんも大部屋にある自分用の棚に入れられるくらいしか持ち込んでいない。ちなみにあとは食器棚が一つ、俺の使う棚が一つで、大部屋には計3つの棚が置いてある。ロッカーはどうせ戦闘員を四人も揃える気がないのでベイルアウト部屋に3個置いてある。むしろこれから増やすかどうかすらも怪しい。
ちなみに二人に与えた小部屋の中は俺は知らない。が、あの二人のことだ。あまり汚れてはいないだろう。
そんなこんなでA級となり部屋の模様替えも終わったある日、やることもなくなった俺が帰ろうとした時間にそいつらは現れた。ちなみに二人は先に帰っている。
「真田さーん!A級昇格おめでとー!」
「おめでとうございます」
「おめでとう!」
などなど、ボーダー戦闘員において比較的年長者が集まってきた。
「お、おう。どうしたんだお前ら」
「真田さんのA級昇格のお祝いに来たんですよー!」
などと言って作戦室に許可もなく入っていく面々。年齢上から東さんに諏訪、風間。太刀川に二宮、加古ちゃんに堤だ。どういう括りなんだろうか。年齢的には木崎や来馬などがいてもおかしくないと思うんだが。
そしてよく見てみるとみんなが何やら差し入れ的な袋を持っていることに気付いた。匂い的に食いものだろう。なにしに来たんだ?
あ、席がたらん。
「よくわからんけど東さんたちはそのソファでお願いします。加古ちゃんは椅子たんないから沙霧ちゃんのオペん時の椅子ね」
「あ、じゃあ取ってくるわね」
そう言って奥に取りに行く。そして俺は俺用のリクライニングチェアを持っていく。というかなんの集まり?マジで。
そしてよくわからない間に色々準備が進んでいく。
食べ物は皆が持ってきたものが色々拡げられていく。寿司やらピザやら、あとチキンとかサラダとかも。
「真田、飲み物はあるか?」
「いや、まあ各種取り揃えてますけどコップ足んないと思いますよ?8人もいますし」
「缶のは?」
「あります」
「なら問題ない」
んー、なら問題ない。問題ないのか?
「まさかこれ飲み会?」
「真田さん今気付いた?」
「え?でもみせい「そんなものはいない。みんな大学二年生だもの。ね?」はい」
分かった。これ何かにかこつけて飲みたいだけのやつだ。
だけどこれだけは言っておかなければならない。
「お前ら少しでも汚そうもんならぶっ殺すぞ。いいな?」
「「「はーい」」」
返事だけはいいやつらめ。まあそうと決まれば適当に持ってきてやる。
俺は冷蔵庫から缶ビール、缶チュー、日本酒にテキーラ、ついでに牛乳を持ってきた。グラスは4個。お猪口3個にショットグラスを3個持ってきた。
「真田さん、この牛乳は?」
「いや、風間はどうすんのかなーって」
「さすがにそんなに空気の読めないことはしない」
「さいですか」
そんなこんなでみんなに飲み物が渡りきった。
……?
「おい、二宮。お前持ってんのなんだ?ビールか?」
二宮の手元のグラスには褐色で半透明な液体が注いである。しかし泡の具合がどうもおかしい。炭酸のような……シャンパンなんてあったか?
「ジンジャエールだが」
「やっぱりか!諏訪ー!ウォッカとレモン、それと氷!冷蔵庫から取ってこい!」
「うす!」
氷を入れたグラスに諏訪に取ってこさせたウォッカとレモン果汁を追加し、二宮の注いであったジンジャエールを追加し、マドラーでかき混ぜる。
「おら!これでも飲んどけ!」
「いいなー、真田さん何それ」
「モスコミュールだ」
「私もそれがいい!」
「メンドクセーな」
言いつつ速攻で作る。乾杯するなら早くしてえんだよ!酒を待たされるのは嫌いだ!
「よし!みんな持ったな!?」
「じゃあ真田さんのA級昇格を祝ってー「「「「かんぱーい!」」」」
そして飲み会が始まった。
「ん!この日本酒美味しいですね真田さん!」
「堤!?え、いきなり日本酒!?いや、美味いならいいんだけど……」
「ゲホッ、ゲホッ、真田さん、何すかこれ。喉焼けそうなんすけど」
「テキーラをグラスで飲むやつがあるか!ショットで飲めショットで!」
「真田さーん!お代わり〜」
「早!?ちょっと待ってろ、今作っから!」
「真田、他には何かあるか?」
「ジンとウィスキーが冷蔵庫にあります。ワインもありますけどワインオープナーはないんで今は無理です」
「あ、私それなくても開けられるって動画で見た!」
「それ俺も知ってるけど失敗すると大惨事なやつ!絶対やんなよ!?フリじゃねーかんな!?」
「……スコーピオンならいけるか?」
「やめろ!お前は常識人枠だろ!?」
「真田さん、チーズないっすか?」
「冷蔵庫の2段目3段目以外のとこにあれば食っていいぞ」
「あざーす」
「二宮、何してんだ?」
「真田さん、ジンってあるか?」
「お、ちょうどとってきたぞ。ほら」
「ありがとうございます」
◆◇◆◇◆
「諏訪ー」
「何すか?」
「俺お前が常識人枠だなんて知らなかったぞ」
「そうっすね、俺も意外でした。というか堤……」
その言葉に反応してくれたのは諏訪だけだった。他の連中は酔っ払って大変なことになっている。
まず飲みなれていないのか堤は日本酒で潰れ、太刀川も最初のテキーラをグラスでいったのが響いたのか、早い段階でいき、二宮は俺が適当に作ったカクテルが気に入ったのか、自分に合ったものを作り続け黙々と試行錯誤。加古ちゃんはハイテンションでだる絡み、諏訪はビール好きを公言しているだけありビールばかり飲んでいたが、まだほろ酔いくらいで全然いけそう。風間は黙々と飲みたまにぶっ込んでくる。顔に出ないが相当酔っているだろう。そしてそれを年上の余裕か、東さんが見守っている。
どうやら俺の味方はこいつだけのようだ。
「諏訪ー、俺の失敗は何だと思う?」
「酒をいろんな種類準備してあったことっすね」
「だよな〜」
あの量の酒、こんなに早く飲み干す予定なんかなかったんだけどなー、どうすればよかったのか……
まあ冷蔵庫に入れてあるのは別にそこまで大事な酒じゃないしいいか。
「ねー真田さーん。彩香ちゃんちょうだいよー」
「えーい鬱陶しい!欲しけりゃ本人に言えっていつも言ってんだろ!拒否られたなら素直に引きさがれ!」
「真田さん、筧と付き合ってるんですか?」
「「ぶっ!?」」
その風間のボケたセリフに素面の諏訪と東さんが飲み物を吹き出した。まあ多分俺も飲みもん飲んでたら噴き出してた。
「え?あんたは那須と付き合うんじゃないのか?」
「二宮も唐突にブッ込むなあ!?2人ともただの弟子だよ!」
「ホントか?」
そこ!ニヤニヤしながら火に油を注がない!あと諏訪、助けろ!
「なになに二股?真田さん最低だ!」
「なんでそうなる!?」
混沌としていく…!誰か、まともな奴はいないのか!
「すいません、遅れました」
…!救世主か!?
「木崎!助けてくれー!」
遅れてきた理由なんかどうでもいい、とにかく俺を助けてくれ!
「「なんだ、そっちだったのか」」
「いー度胸だ!そこになおれ!」
ここに第一次酒戦争が勃発した。
なお勝者はいない模様。
今回は最初の方に作戦室の中を描写しようとしたんですがなんか無駄に長くて読みにくい感じです
精進しようと思います
あとこの話の季節は一体いつなんでしょうね?作者にはわかりません(すっとぼけ
そして最後に、お酒は20歳になってから!