ワールドトリガー 全てはこの手で   作:ジュナス

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そろそろ大規模侵攻なんで同時に真田隊三人の設定も投下します


二十話

年に三回あるボーダーの正式入隊日を前に、忍田さんに嵐山隊の手伝いを依頼された。

これは毎回ある行事で、正式入隊をした隊員に入隊指導(オリエンテーション)をするのだが、これは普段なら広報担当でもある嵐山隊が行っている。その手伝いの依頼だ。多分減給くらってる俺に仕事をわざわざ回してくれたんだろう。ありがたいことであるが、木虎とはこの前の件で関わりたくない。まあ佐鳥と一緒にスナイパーの方を担当すればいいか、ということで受けた。ちなみに隊としてではなく個人として、である。

 

 

そして当日になったが、東さんもいるし荒船もいるし佐鳥もいるしで、俺のやることがあまりない。俺って純粋なスナイパーではないからこういう初心者訓練したことも見た事もないんだよな。まあスナイパーとしてのアドバイスは出来るが。

 

「あの……」

「ん?どうした?」

「撃ったあと、走らなくていいんですか?」

「えーと、今は走らなくてもいいんだよ」

 

と、C級らしからぬ質問が、小さい女の子から聞こえた。対応した東さんも少し驚いている。

普通スナイパーは位置がバレると警戒されて当てにくくなるし、接近されると不利になるからその場から離脱するのが当たり前なのだ。

だが実際そんなことを教えるようになるのはB級に上がってからって聞いたことがあるから、あの子の師匠はB級に上がる確信があるのだろう。もしくは映画とかでスナイパー好きなのか。

ちなみに俺が知ってる理由は実戦でやられたからだ。あと俺がスナイパーの場合わざと接近させて逆撃かます事も多々ある。だってスナイパーは近接が弱点だって固定概念があるせいか、油断してる奴が多いから食いやすいのだ。

 

そして訓練は進み、トリガーの説明をしてから試射をすることになった。

種類は、万能型で射程重視のイーグレット。軽量級で弾速重視のライトニング。重量級で威力重視のアイビス。と言った感じだ。俺の場合は普段はライトニングかイーグレットのみ。重量級のアイビスを使うくらいなら接近して旋空弧月の方が楽だ、俺にとってだが。

 

そして先ほどの小さな女の子がアイビスの試射を行うことになった。

 

ズドッ!!

 

……!?なんっちゅー威力だ!基地の壁貫通してるし、まるで大砲じゃねえか…!つーか耳いてえし!こんなこと秘密にしてるなんて絶対に玉狛だろ!?

 

その後その隊員、やはり玉狛支部所属の雨取千佳が土下座して謝り、それに何故か佐鳥が土下座返しをするという場面があった。さらに東さんがさらりと佐鳥に全責任を押し付けた。その手腕はさすが過ぎて年季を感じる程だ。

で、騒動を聞きつけた鬼怒田さんがやってきてめっちゃ怒ったと思ったら、雨取ちゃんが素直に謝ったら態度が軟化。なんか好々爺みたいな感じになった。東さん曰く別れて暮らしてる娘さんを思い出してるらしい。仕方ない、のか?

そしてなぜか知らんが三雲と空閑が駆けつけてきた。なぜに?

まあいい。空閑はボーダーに入隊したみたいだし、挨拶でもしとくか。

 

「よう空閑。久しぶりだな、あの話もう聞いてるか?」

「お。さなだ先輩、久しぶり。話はもう聞いてるよ」

 

そのあと軽く話をかわし別れた。

空閑曰く、雨取ちゃんと空閑、三雲でチームを組むためにB級を目指しているという。まあどうせその程度では収まる奴らではないというのは分かってるし、ホントの目的もその先にあるのだろう。三雲は分からんが雨取ちゃんはトリオン能力やべーし、空閑は黒トリガー使ったといえど三輪隊を撃退する戦闘能力はある。B級ランク戦なら最低でも中位くらいにはなれるだろう。

 

まあいい。もうオリエンテーションも終わりだ、意外に楽だったな。

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

後日、再び会議のため呼び出された。

俺が会議室に入ると、何故か空閑のランク戦の映像を城戸さんたちが見ていた。しかも城戸さんの口ぶりから空閑の親父さんとは知り合いであったらしい。それなのに敵視するような厳しさはいったいなんなのだろう。

そしてその空閑の動きを見た城戸さんは風間にどの程度のものか聞く。そして風間さん曰く戦い慣れた動きで、戦闘用トリガーを使えば8000点以上のマスターレベルの実力があるだろうとのこと。

そういえば俺も結果しか聞いてないからまとも、といえるかわからないが戦闘を見るのは確かにこれが初めてだな。たしかに戦闘慣れしているのは分かる。でもこっちのトリガーを使うならまだこっちの上位陣には勝てないだろう。まあ結構戦闘経験があるからすぐにこっちのトリガーに慣れるだろう。その時が楽しみだ。

そして城戸さんは空閑と、この前の訓練場に穴を開けた雨取ちゃんを組ませること林藤さんの企みだと思ってるかのように聞く。で、林藤さん曰く組むのは本人たちで決めたことらしい。そして本当の目的としては雨取ちゃんの兄貴と友達がネイバーに攫われたから、二人を取り戻すため遠征部隊選抜を目指し、三雲と空閑は力を貸しているらしい。

やっぱりこの前空閑から聞いたのは、嘘ではないが本当でもなかったらしい。

まあその辺はどうでもいい。俺からすれば味方になってくれたなら問題はないし、多分その理由なら裏切ることはあまりないだろう。

ちなみに城戸さんはその考えを子供の想像で世界はそんなに甘くないと否定する。たしかにさらった国を特定するのは今のボーダーにはほぼ不可能だ。さらに生きているかもわからない。だがだからといって諦めるのは納得できん。所詮やる気が出るポイントは人それぞれだ、俺だって誰かの役に立ちたいからこうしてここにいるだけで、こちらが攻める側だったら絶対にボーダーには所属していない。あいつらはそれをモチベーションにこれから頑張っていくのだろう。否定的では別にいいが、あいつらの前では否定しないでもらいたいものだ。

 

 

その後遅れていた迅が到着し、予定メンバーが集まったので会議が始まる。議題はネイバーの大規模侵攻だ。

まず最初にこの前俺がレポートで提出した、例のゲートの原因と予想されるトリオン兵と新型である爆撃型のトリオン兵のものが出席者に回された。そしてそれに付随するように実際に解析したデータも。いやー、改めて見ると俺の予想けっこう当たってんな。

全員に行き渡ると、そのレポートの説明を忍田さんに振られたので、レポートでは省略した考え方も交え説明した。あと爆撃型は情報が少な過ぎるので、専門のやつに聞けばいいと最後に締める。

 

「専門?誰のことだね」

「ネイバーのことはネイバーに。つい最近まで向こうにいたんだから空閑に聞いてみましょうよ、ダメもとでいいんで。いい情報がもらえりゃ儲けもん、もらえなかったらこれまで通り。それでいいじゃないですか」

「ふむ、真田の言うことも尤もだ。彼らを呼んで話を聞かせてもらおう」

「そうだな。迅、探してきてくれ」

「りょーかいです」

 

俺の意見に賛成した忍田さんと林藤さんが迅を空閑捜索に送り出す。さっきランク戦やってたしまだやってるだろ。

それにしても、城戸さんはプライド的な理由で聞いてないのは分かるんだが忍田さんはなんで聞いてないんだ?まあ本部長だし忙しかったのかもな。ちょうどボーダー隊員の入隊の時期でもあったし、今回のネイバーの侵攻の可能性も出たのだ。一介の戦闘員の俺にはわからない苦悩もあるだろう。

 

そしてまた話を進めていると、風間から欠席と聞いていてた三輪が来た。まあ体調不良は嘘だとは思っていたが、今頃くるとは。何か心境の変化でもあったのか。

 

そして少しするとまた会議が止まる。今度は空閑が駿を圧倒していた。なんでC級とA級が戦っているのかは分からないが、端からみればA級同士のハイレベルな戦いに見える。

正直あいつは強いんだが精神的に未熟なところがあるからそこをうまくつかれたのだろう。少し精細のかける動きであったがなんとか修正し今は互角、とは一歩及ばないくらいのレベルでやりあっている。

そして勝負はつき、3対7で駿の負けだった。最初の2戦はおそらく駿をのせるため、もしくはクセなどを読んでどう戦うかを考えたのだろう。そう考えられる時点で場数を踏んだヤバイやつだというのが分かる。

まあ駿と張る位だ、こっちのトリガーを使ってる間はそうそう負け越すことはないだろうな。でもあいつスコーピオンだけだったな、オプショントリガー使えばもっとよくなるかな?こりゃ戦うのが楽しみだな。

 

 

そして戦いも終わり、迅も着いたようで俺たちは会議室を変えることになり移動した。そこに鬼怒田さんたちも呼ぶそうだ。まあ空閑も呼んで今まで知らなかったであろうことを聞くんだ、呼んでおいた方が手間も少なくなる。

 

そして迅が連れてきた空閑に話を聞こうとしたら、俺よりも適任がいると言う。すると空閑の服の中から黒いちっこいのが出てきた。

どうやらそいつは空閑の親父さん作のトリオン兵らしい。こんなに受け答えの出来るトリオン兵なんて出来るんだな。人工知能が積めるなんて、向こうの技術力は進んでるねぇ。作り方が分かれば俺も作ってみたいもんだ。色々と役に立ちそうだし。

で、そいつは情報を提供する代わりに空閑の身の安全を城戸司令に約束させていた。まあボーダーの隊務規定に従う限り、という制約がつくが大丈夫だろう。言質はとった。裏切ろうもんなら堂々と俺が裏切ってやる。信用ならないトップの元では仕事したくないんでね。で、そのトリオン兵のレプリカから色々と情報を聞き、攻めてくる国はキオンかアフトクラトルのどちらか、という結論になった。で、対策はトリオン兵団を中心に防衛体制を詰めることとなった。

でも俺としては、空閑の親父さんが知ってる時点ではキオンは黒トリガーは6本に対して、アフトクラトルは13本と言っていたから黒トリガー対策も考えなければならないと思うんだが。多い方のアフトクラトルなんか13本も持ってるので本国の守りに全て費やす必要もだろうし、なにより当時よりも増えている可能性もある。俺としては本当に大規模な侵攻が起きて相手がアフトクラトルなら、黒トリガー持ちは二人以上いると思う。それにやつら人体改造なんかもしてトリオン能力も引き上げているらしいし、ノーマルトリガーでも危険度は高い。

それに以前のイレギュラーゲート騒動もあそこなら黒トリガーを投入する確率はさらに上がる。そんなに事前に下準備していたらそれ相応の戦力でやってくるだろう。俺ならそうする。

まあなんにせよ俺のは最悪の場合の想定だ。これを会議で言って危機意識を高めるのはあまりいい手ではないだろう。なにせ黒トリガーの対策なんて早々できるもんじゃない。だって能力もわかっていないんだし。なら最低でも俺たちのトリガーの上位互換だと思っておこう。当たったら終わり、みたいに。

それ以後の会議ででは俺が発言することも特になく、どのように対応するかだけ聞いた。どうやら今回は最初はトラッパーの冬島さんや鬼怒田さんたちで市街地に出ないよう対策、すぐに隊員は駆けつけられるようにすることとなった。

俺個人としては、大規模侵攻が終わるまでは本部に詰めている予定だ。あと迅には何も聞かなかった。何があろうとも敵を叩き潰すだけだし、なにかあれば先にあいつから言ってくるだろうし。

 

 

とりあえず使うトリガーは決めておかないとな。なにが有効なんだろうな。殲滅速度重視か継戦能力重視か。取りあえず鍛えながら考えるか。

 

 




更新する際、色々いじったため大規模侵攻編はちょっと作り直し中です
なので少し日が空くかも知れません
ご了承下さい


ps
もしそのままのもみたい方がいるなら言ってください
活動報告にでも上げます
あ、その場合は感想欄ではなくメッセージでお願いします
規約的なあれらしいんで
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