ワールドトリガー 全てはこの手で   作:ジュナス

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遅くなりました

昨年末は実家に帰ったんですけどパソコン忘れ、原作もないので続きが書けず。さらに最近は大学のテストが近くなって勉強が忙しくて……

なにはともあれ前回から一か月以内に何とか投稿出来ました。
それではどうぞ


二十一話

あれから少し悩んだが、継戦能力よりも殲滅速度を優先することに決めた。やはり被害を少なくするためにはとっとと雑魚を狩るに限る。なので対人のランク戦は太刀川と二宮に手伝ってもらい限界ギリギリまで練り上げる。

近接戦と中距離戦において、こいつら以上の適役はいない。その合間には風間やカゲ、出水ともランク戦を繰り返す。

太刀川のシンプルながら圧倒的な剣捌き、風間やカゲの変幻自在且つ圧倒的な速さのスコーピオン捌き、そして二宮や出水の多種多様な弾種による制圧力。

これら全てにおいて、今回の特訓ではサイドエフェクトを一切使用しない。たった数日でも、わずかでも技量の向上を望めるなら諦めない。相手の国がどれほどの技量を持つか分かっていないので最大限の警戒が必要だからだ。

俺は今回、最悪の事態を想定をしている。それはボーダーのノーマルトリガー使いでは決して勝てないレベルだった場合だ。本来、そういうレベルの相手には搦め手で挑むものだが、今回はそれすらも通用しないレベルを想定している。

所詮ボーダーのトリガー技術は発展途上だ、それに引き換え攻めてくると思われる国は大国ばかり。なおかつ黒トリガーの投入もありうる。基本スペックで負け、練度も負けている可能性がある。そんな相手にはこれくらいの想定でちょうどいい。

 

そしてさらに時間が空いたら玉狛の栞ちゃんに頼んでやしゃまるブラックとゴールドを何十匹同時や、計百体の普段よりも強化したトリオン兵を相手にした訓練を積み重ねた。

ちなみに玉狛での訓練は栞ちゃんがいなくても出来るようにしてくれた。栞ちゃんマジ有能。

 

そして今日も午前中は玉狛支部で訓練を繰り返し、昼時になったため本部に向かう。今日は本部でメシ食ってそのまま太刀川たちとランク戦をやる予定となっている。

 

 

 

 

それは突然だった。

本部周辺が突如薄暗くなり現れる無数の、ボーダーが誕生して以来の数え切れないほどのゲート。そこから現れるのは一つにつき複数体のトリオン兵。まるで街を埋め尽くすような勢いで増えていく。

ここに戦端が開かれた。

 

 

 

 

俺はすぐにトリガーを起動、トリオン体となる。

オペレーターはなし、援護もなしの孤立無援か。だが戦う力は十二分。四年半前とは全然違う。市民の被害は何としても抑えよう。

……あんな悲劇、一度だけで十分だ。

 

どこの星か知らねえがこの世界に手を出した落とし前はしっかり付けてもらわねえとな。

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

「トリオン兵は幾つかの集団に分かれてそれぞれの方角へ市街地を目指しています!

本部基地から西、北西、東、南、南西の五方向です!」

 

ボーダー本部のオペレーションルームでは既に木戸司令や忍田本部長、他幹部などが既に詰めていた。そして送られてくる情報から的確に指示を出して行く。

迅と天羽が、それぞれ基地の西と北西方面へ。東、南、南西へは現場の部隊がすでに交戦を始めた。

 

しかしそこへ凶報が届く。

 

『忍田さん、こちら東!新型トリオン兵と遭遇した!』

 

そして東から送られてきた情報は最悪の物だった。

曰く戦闘能力が高く、尚且つ隊員を捉えようとする動きがあるとのことだった。

その報告の直後、別のものから通信が入った。

それは空閑の持つトリオン兵、レプリカからのものだった。

彼によるとその新型はかつてアフトクラトルで開発中であったラービットであるとのこと。しかもその標的はトリガー使いだという。かれ曰く、いかにA級隊員だろうとも単独で挑めば食われるほどの高性能であろうということだった。

 

そしてすでに交戦していた正隊員はその新型に掛かりきりになってしまい他のトリオン兵の群れを止められず、警戒区域が突破されそうになっている。

 

しかしその一部である南西方面で、警戒区域の外からトリオン兵の反応が次々と消えていく。

 

『忍田さん、こちら真田。トリオン兵と交戦を開始』

「真田か、新型の話は聞いていたな?」

『はい。ですがこいつらを通すわけにはいきません。近くには嵐山隊もいるでしょう?新型はあいつらに頼みます』

「真田!貴様こんな時になにを!」

『鬼怒田さん、勘違いしちゃいけない。俺が普段からあんたたちの下についてるのは、そっちの方が数多くの命を守れるからだ。だけど今は違う。組織として優先するべきは確実にトリオン兵を倒すことだろうが俺は街の人間を守ることの方が重要なんだ。……あんな死人の山なんか二度と見たくねえ』

「……好きにするといい」

「な、忍田本部長!?」

「ただし負けることは許さん。絶対に勝て」

『了解!』

 

そして真田との通信が切られた。

 

戦争は始まったばかりだ。

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

それにしても流れてくるトリオン兵がかなり多いな。新型がいて抑えられないと言ってもどんだけつぎ込んでんだよ。

でもよかった。対多数訓練をしたかいがあったんてもんだ。

 

トリオン兵を近くのものは弧月で切り裂き、遠くのものはアステロイドとバイパーを操り撃ち抜いていく。

しかしそれでも終わりが見えることはない。それほどの圧倒的な物量だ。

 

「さ、真田さん!」

「あん?三雲と空閑か。どうした」

 

言いながらも攻撃する手は止めず、周りのトリオン兵を殲滅する。

 

しかしそこでビルの中から噂の新型が現れた。おそらくトリオン兵を押しとどめている俺たちの邪魔をしに現れたのだろう。

 

「空閑、ちょっと雑魚の相手をしてろ」

「さなだ先輩は?」

「俺はあいつの相手だ」

 

言うなり俺の元に降ってきたやつと戦闘に入る。

かなりのスピードで突っ込んできたが、当たってやるほどののろまでもない。かわして向き直る。

果たしてこいつの防御性能はいかほどか。

 

「アステロイド」

 

その攻撃をトリオン兵は腕で弱点の頭部を守りながら後ろに飛びずさる。腕を見ると凹みすら見えない。アイビスレベルのトリオンを込めたのにも関わらず、だ。ただし他の箇所はきちんと抉れている。おそらくあの腕だけ異様に硬いのだろう。

色々確認してみてもいいが今回は時間がない。

本気の一撃でぶっ壊す。

 

「アステロイド+アステロイド、徹甲弾(ギムレット)

 

弧月を納刀し、アステロイドのキューブを出し即座に合成、分割し自分の周りに広く滞空させる。

そして開けられた距離分こちらが詰め、多角的に撃ち込む。勿論狙いは弱点の頭部。

 

トリオン兵は再び、今度は二本の腕で頭部を庇うが、今度はそれすらも打ち抜き撃破する。

 

 

一体倒すのに時間もトリオンも消費そこそこかかるのは痛いな。特に相手は数で押してくる。今度から見たら即ギムレットだな。

 

すると今度は茶野隊が現れた。もしかしてこれお前らが逃がしたヤツじゃねえよな?

 

「おい、お前ら何してる?」

「あ、真田さん!そこに人型ネイバーが!」

 

言われた方を向くが空閑しかいない。だが先程と服装が違うのはおそらく黒トリガーを発動したのだろう。もしかして勘違い?

 

「こいつはちげえよ。それよりとっとと合流地点に言ってろ。被害を増やしてえのか」

「は、はい!」

 

少し睨みながら言うと茶野隊はすぐに走ってB級の合流地点である南方面に向かった。

全く無駄に時間を取らせるな。

 

「それより空閑、それ使っていいのか?」

「そうしないとラービットには辛いからね」

「ラービット?」

『新型のことだ、サナダ』

「おお、レプリカ、だっけ?」

『そうだ』

 

などと会話をしながらも殲滅速度は落とさない。思考加速を今できる最大まで引き上げ、攻撃をかわし、敵を切り裂き撃ち抜く。

そしてレプリカからは現在の情報を色々聞く。今は沙霧がいないので情報が少なかったから助かる。

 

すると今度は倒したバンダーの腹から新型、ラービットが這い出てきた。だが登場を悠々待つお約束なんか戦場にはない。腹から出きった瞬間にはもうギムレットを斉射し終え、再び破壊する。

 

『凄まじいトリオンだな』

「ん?まあな。前まではボーダー一って言われてたんだよ。でも多分雨取ちゃん抜かれただろうけどな。流石に俺も基地の壁ぶち抜いた事ねえもん」

 

まあ本気でアイビスを撃ったこと自体ないんだが。というかアイビス自体殆ど撃ったことない。威力を重視するなら近、中距離で、遠距離なら不意打ちでってのが俺の戦い方だし。

 

『真田さん、お待たせしました』

「沙霧か。無事でよかった。早速で悪いがこの辺のトリオン兵のデータを……」

『今送信しました』

「流石。仕事が早いな。つーかちょっと待て、別ルートから突破されそうじゃねえか。つーかまた新型!」

 

クソ!どんだけ新型来んだよ、いい加減にしろよ!あとなんか色違うし!しかも二体!

 

「真田さん加勢する!」

「嵐山か!ならそっちの黄色い方を頼む!」

 

敵増援だけじゃなくて味方の増援も来たか。とっとと終わらせて後ろに下がんねえと!

 

再びギムレットを生成する。すると灰色の方がこちらに向かって口を開く。それを見た瞬間、何があるか分からないので正面からずれる。その瞬間、口から砲撃が放たれたが、それは俺に当たることなく横を通り過ぎていった。

まあ弱点を晒した時点で危ねえとは思ったがバンダーみたいに砲撃を放ってくるとは……

距離を保つのは悪手かな?逆に接近してやるか。

 

そして地面を駆け、接近する。ギムレットの弾は周囲に滞空させたままに。

すると新型は背中からなにかを吹かし突進してくる。かなり危ない攻撃だが、それは普通の人間にとってだ。思考加速している俺には通用しない。突進しようとした瞬間にすでにギムレットを放っている。

相手はそれに自ら突っ込む形となり破壊完了だ。

 

というかあの灰色、ブースターがあるということは確実に能力が違うな。おそらく色によって能力が違うのだろう。

 

「沙霧、おそらく色違いは固有の能力持ちだ。各隊に連絡を」

『ザ――……ジジ』

「沙霧!?」

 

 

何があったのか本部の方を見ると理由が分かった。イルガーの迎撃を行っているのだ。

しかし迎撃に失敗し本部が爆撃された。

 

だがまあ問題ないだろう。本部が破壊されるレベルの予知が見えてれば迅は動く。

俺は俺のすべきことをしよう。

 

 

 

戦況は加速していく。

 

 

 

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