あー、頭いてー。サイドエフェクトの使い過ぎか?
まあギリギリ、ホントにギリギリで勝てたからいいか。
さて、今回黒トリガーを鹵獲できたのはデカいな。それにこの黒トリガー、アフトクラトルでは国宝らしいしかなり強力なんだろう。
で、たしかこっちに現れた人型は今んとこ四体だったな。ということはこれで半数を撃破、おそらく残りは二、三人だろう。大分こちら側に戦況を傾かせることが出来たな。
「いやはや、長生きはしてみるものですな。まさかこれほどの戦士が現れるとは……」
「ふん。取りあえずお前らは捕虜だ、特にお前は黒トリガー使い。色々と使えそうだから悪いようにはしないとはいえ、いい扱いをされると期待すんなよ?」
「ええ存じてますとも」
『真田さん!回避を!』
通信が入った瞬間思考加速を再び使い、テレポーターを発動させその場から離れる。
「……鳥?沙霧、情報は?」
『鳥の方はわかりませんがそれが現れた黒い穴は相手の女の黒トリガー使いのワープ能力です。米屋さんたちが倒した人型もそれで回収されました』
マジか……そしてこの鳥はさらに新手の敵のものか……
とりあえずその鳥に向かってアステロイドを放つ。すると当たったものがトリオンキューブへと変わってしまった。
それを見た瞬間思考加速を最大まで上げ、思考を開始。
トリオンキューブになったのはおそらくあの鳥の能力だ。そしてそれに共通するものに一つ思い当たるものがある。新型だ。あいつは捕獲した隊員を腹ん中でトリオンキューブに変えてた。
そして黒い穴から新たに現れたのは黒い角をした二人のネイバーだった。
黒い角、ということは二人とも黒トリガー使いか……そしておそらく男が鳥を出した黒トリガーの使い手なのだろう。
そしてあれが黒トリガーということは新型の能力もこいつの黒トリガーから作り出されたという事だろう。
「まさかヴィザがミデンの戦士に負けるとはな……」
「いやはや、申し訳ない」
などと言っているがどことなく嬉しそうに見えるのは気のせいだろうか?
「だがやつを連れていければ相当な戦力になるだろう」
俺はその瞬間嫌な予感がしたので再びテレポーターを発動し移動する。すると今までいたところに今度は魚が穴から出てきていた。そして角度が変わったことでわかったが、男の背後に女が穴を作りそこから男が魚を送り込んでいた。
「初見で今のを躱すか。流石はヴィザを倒しただけある」
連れていく、さらにアステロイドをキューブにする能力。おそらくあいつは俺を捕獲しようというのだろう。キューブにされればベイルアウトも出来ないのは諏訪の件で分かっている。
少しでも情報を収集するか?だけど両足斬られたのとテレポーターの乱発で殆どトリオンが残っていないぞ?ミスってキューブにされたら俺を助けられる奴はいないだろう。
……しょうがない、逃げるか。
だけど一撃はかましてからじゃないとな。
すぐさま残りのトリオンの大半を使ってトマホークを合成。
「爺さん、捕虜に出来ないのは残念だけど勝ち逃げさせてもらうわ」
言うなりトマホークを鳥篭のようにして放ち、着弾も確認せずにベイルアウトする。
「引き際も弁えているか。本当に惜しい人材だったな」
最後にそう聞こえたような気がした。
そして俺は本部の隊室のベットに横になっていた。それにしてもベイルアウトでこの部屋に戻んのも随分久しぶりだな。
だがそれよりも情報を共有しないと。
すぐに部屋を出て沙霧のオペレーションルームに行く。
「あ、真田さん。お疲れさまでした」
すると沙霧ちゃんが安心したような顔で労ってくれる。だけど俺の戦いが終わっただけで全体の戦闘は終了してないんだ。
「とりあえず最後に出てきた黒トリガー使いの情報を他に回しといて。あとレイジに繋いでくれ」
「了解です」
そして言うなりすぐに繋いでくれた。
「レイジか」
『真田さん』
「まずは援護ありがとう。あれがなかったらどうなっていたことか。
あとすまんなベイルアウトして。まともに戦闘できるほどトリオンが残ってなかったんだ。あの後どうなった?」
『はい。あの爆撃は防がれましたがその煙に乗じて狙撃し女の腕を一本取りました。ですが敵も警戒していたため追撃は断念。二人は黒トリガー使いを連れて帰還しました』
「そうか。……ん?角つきの方は?」
『連れていきませんでしたのでまだ残っています。現在は潜伏しながら動向を観察していますが特に動きはありません』
ん?一体どうしたんだ?仲間割れか…?
まあいい、その辺の細かい指示は忍田さんから貰うだろ。とりあえず放置されてんのは何のためか考えるのは俺の役目ではないな。
「わかった。レイジはこの後も頼んだぞ」
『はい』
そしてそこで通信は終わった。
「沙霧、現在の情報を把握したい。画面に片っ端から映してってくれ」
「了解です」
そしてそれを素早く把握するために思考加速を使う。
「ぐあ!?」
「!?真田さん!」
しかし突然激しい痛みが襲った。おそらくサイドエフェクトの使い過ぎだろう。今まではなかったことだが、それ程苦戦を強いられたという事か……
おそらく本当に限界なのだろう。
「すまん、俺はもう完全に戦線離脱だ……あとは頼む」
「任せてください!真田さんは寝ててください!」
「ああ…」
クソ……不甲斐ねえ。これからはサイドエフェクトの強化を考えなきゃな……
そして意識が落ちた。
◆◇◆◇◆
その後、俺が寝ている間もボーダー隊員の奮戦がありアフトクラトルの人型を撃退することに成功、捕虜も一人得た。
しかしボーダー本部への侵入を許してしまい死者や重傷者が出てしまった。
他にもC級隊員が攫われたり街や市民への被害もかなり出てしまった。
結果は以下の通りとなった。
民間人 死者 0名
重傷 19名
軽傷 62名
ボーダー 死者 6名
重傷 4名
行方不明者 27名
ネイバー 死者 1名
(ネイバーの手による)
捕虜 1名
被害だけを見れば防衛失敗に見えるが、第一次侵攻との兵力差を考えるとそうとも言い切れない。
だが納得できるものと言えるかと言えばそうでもない。
まだまだ力は不足していることに変わりはない。
そして敵の星も離れたと判断され厳戒態勢も解かれ論功行賞が行われた。
それは以下の通りとなる。
◆◇◆◇◆
論功行賞
特級戦功 報奨金150万円+1500ポイント
真田真哉
三輪秀次
太刀川慶
天羽月彦
空閑遊真
木崎レイジ
一級戦功 報奨金80万円+800ポイント
三雲修
東春秋
出水公平
米屋陽介
緑川駿
筧彩香
風間隊
迅悠一
小南桐絵
嵐山隊
二級戦功 報奨金30万円+350ポイント
烏丸京介
当真勇
奈良坂透
古寺章平
諏訪隊
村上鋼
東隊
来馬隊
荒船隊
柿崎隊
茶野隊
◆◇◆◇◆
俺は特級戦功をもらった。
戦果として、
基地南西部で人型に奮戦。二体を撃破し一体を捕虜にした。
と言ったところだ。
ちなみに彩香ちゃんだが、米屋達と共に人型を倒したらしい。なかなかの活躍である。
あとここまでで分かるだろうが、俺たちは隊としては戦功をもらっていない。二人とも個人としてもらったのだ。だけどそれでは申し訳ないし、情報支援もとても役に立ったので報奨金は等分した。だが数が半端だったため俺が80万、二人が75万ずつとなった。ちなみにこれは話し合った結果である。
これで改めてひと段落だ。
とりあえず今回の件で俺の実力は黒トリガーにも引けを取らないということが分かったので―――といっても相手はこちらの情報をあまり持ったなかったからなのだが―――自分の技量を磨くのはもう十分だろう。
これから鍛えるとしたら作戦などの戦術、戦略的思考か。あ、あとサイドエフェクトも鍛えなければ。もし限界が来るのがもう少し早ければ俺はやられたり捕まったりしていた可能性があったのだ。
方針は決まったな。
これからも精進していこう。
遅くなりました
昼頃に投稿しようと思ってたんですが、現在大学のテスト期間中なもんで。予約を忘れてました
あと今回で大規模侵攻編はひと段落です
そして今回書いてないですがまだ記者会見前です
絡むかどうかはまたおいおい……
で、また色々考えながら書くんで間が空きます
それに今はテスト期間中なんで確実に一週間は空きます
ではまた次回
追記 1/28
感想より、報奨金の配分が間違っているとの指摘がございました
ただの計算ミスでしたので修正しました