ワールドトリガー 全てはこの手で   作:ジュナス

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二十五話

厳戒態勢も解かれ、ボーダーもほぼ通常通りのシフトに移行した。といってもまだまだ被害の爪痕が残っていてこれまで通りと言えないが、それでもひとまず落ち着き始めた。

 

そして俺たちも休みのシフトになったので、タイミング的にもちょうどいいと思い今まで思っていても出来なかったことをする。

 

墓参りだ。

 

 

 

「ごめんね彩香ちゃん。せっかくの休みに付き合わせて」

「いえ。きっとお母さんも喜んでくれていると思います」

 

今は第一次侵攻の時、俺が見捨てた彩香ちゃんの母親の墓参りに来た。

以前から行こうと言っていたのだが中々都合がつかず、お盆も俺の実家の方の墓参りがあったので伸ばし伸ばしになってしまったのだ。

今回は大規模侵攻も終わり、タイミング的にはちょうどいいだろうと思い来たのだ。

 

「あ、ここです」

 

現在は一月、おそらく正月にでも家族で来たのだろう。きれいに掃除されている。

しかし花は少し萎びていたので持ってきたものに刺し変える。そしてその後は墓石の掃除や雑草を抜くことも忘れない。ちなみにその間に会話はなかった。

 

そしてそれも終わり線香に火を付け、半分を彩香ちゃんに渡す。

そして線香を供えると、少しの間祈った。やはり色々思うこともあるのだろう。

 

そして彩香ちゃんと変わり、線香を供え祈る。

 

「(報告遅れましたが何とかあなたの娘さんは助けることが出来ました。まあ知ってましたよね。今はボーダー隊員になり日々精進していますよ。そして今回、あの時以上の規模の侵攻がありました。ですが以前と違い組織力も高く即応出来た事もあり、民間人の死者は出ませんでした。……この力が以前からあればあなたも助けられたかもしれなかったのに……その際、娘さんは結構な活躍をしていましたよ?直接見たわけではないんですけどね。でも母親としては娘が戦うっていうのは嬉しくないかな?これからも精進していきたいと思います。もちろん娘さんが危ない目に合わないように、あっても切り抜けられるように指導していきたいと思います。……では失礼します)」

 

きっと祈りは届いただろう。

まあ届かなかったとしても、これは生きている俺としてのけじめだ。

……助けた子が死ぬのは気分が良くないしな。

 

「じゃ行こうか」

「はい」

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

 

墓参りから数日が経過したある日、玉狛支部の林藤さんから玉狛支部に来てほしいという連絡が入った。

俺としては特に何かした記憶はないので見当が付かないが、林藤さんが呼ぶくらいだからそこそこ重要な用事だろう。

そして後日、指定された日に玉狛支部へと向かった。

 

 

「ちわー」

「あ、真哉さんこんにちわー。どうしたんですか?」

 

俺を出迎えたのは栞ちゃんだった。パソコンでなんかやっていたのは仕事中だったかな?あ、そういや玉狛で2チーム目作ってそれがランク戦出るみたいだからそれでなんかやってんのかもな。

 

「今日は林藤さんに呼ばれててな。いる?」

「あー、多分部屋にいると思いますよ?」

「OK、ありがとね」

 

そこで栞ちゃんとは別れ支部長室へと向かう。ちょくちょくここに来ることがあるので案内がなくても問題なく目的地にまで行けるのだ。

 

コンコン

「林藤さん、真田です」

「おお、入ってくれ」

 

失礼します、と断り入室する。いたのは林藤さん一人だけだった。まあ支部長室に普段から他の人がいるわけはないのだが。

 

「で林藤さん、何かあったんですか?」

「ああ。この前の侵攻の後始末がとりあえずひと段落したろ?だからお前とレイジで捕えた捕虜のことでな」

 

あー、そういやいたなそんなの。戦功ん時にも言われてたけど、ベイルアウトしてたから印象になくてすっかり忘れてたわ。あれ?じゃあ今ここにいるってことか。

 

「なにかあったんですか?」

「いやな。あれは二人で捕まえたようなもんだろ?だからお前にもきちんと話しておこうと思ってな」

 

なるほど。特に問題があったわけではないのね。それにしても捕虜か。俺には尋問も、寝返らせるための話術もないし、捕虜を囲うための場所や食費も負担になってくる……このまま玉狛支部に押し付けた方が無難かな?うん、それがいいだろう。それに迅がいるから変なことしようとすりゃ察知出来そうだし。本部?俺派閥違うんで。

 

「そのまま玉狛預かりでお願いします。うちじゃ捕虜の面倒は見れないので。あと聞き出せた情報があれば回してください」

「ん。大丈夫だ。じゃあ捕虜の扱いが決まったところで、会ってくか?」

 

んー、まだ態度は固いだろうし今はいいだろ。情報もくれるって約束してくれたしわざわざ俺が足を運ぶ必要もないだろうな。

……それに大事な情報源を潰すのはマズイしな。

 

「いや、大丈夫です。あいつに聞きたいことは今はないんで」

「そうか。なら話は終わりだ」

「わかりました。じゃ、失礼します」

 

俺は支部長室を退室し、そのまま栞ちゃんに別れを告げ玉狛支部をあとにした。

 

「やあ真田さん、久しぶり」

 

が、出たところで迅と鉢合わせた。

……これもしかして待ち伏せでもしていたんじゃないだろうか。まあこいつのサイドエフェクト的にその可能性は高いな。

 

「何の用だ?」

「やだなー、おれが何か企んでるみたいに……」

 

迅が誤魔化すように続けようとするが、俺の視線に耐えられなくなったのか、誤魔化すのを諦めた。

というかお前には前科が多過ぎるんだよ、何年の付き合いだと思ってる。

 

「正直なとこ、あの捕虜のことで話に来たんです。でも今日のでそれも確定したんで大丈夫かなー、と」

「相変わらずあめーな、お前ら。俺はあいつを使ってアフトクラトルに内乱の火種を作るくらいやってほしいんだがな」

「ははは……」

 

と、俺の言葉に乾いた笑いを上げるだけ。おそらくこいつのことだから俺なら本気でやりかねないと思っているのだろう。まあ実際、俺にその手のノウハウがあれば確実に実行する。もちろん成否は別として。

 

「まああれの扱いは林藤さんに一任してきたから好きにしろ。あと情報は俺にも寄越せよ。色々考えなきゃいけねーからな」

 

三雲が記者会見で漏らしたせいでアフトクラトル遠征は既定路線だろうから、それに参加するか否かの判断材料に必要になる。まあうちの二人を危険に晒したくないから参加には消極的だが、それでも対策は考えておくべきだ。

 

「了解です。ではまた」

「おう。……あとあんま張り切り過ぎんなよ、お前はボーダーには必要不可欠なんだ。その他大勢より断然お前の方が必要なんだ。その辺の見極め、間違えんなよ」

「……はい」

 

その俺の言葉に、落ち込んだような雰囲気を醸し出している。おそらく今回の侵攻でも辛い選択をしたんだろう。それを自分のせいなどと背負い込んでいるのかもしれない。だけどこいつには玉狛の連中がいる、そうそう潰れることはないだろう。俺?そこは俺の管轄じゃねえし。

 

「じゃあまたな」

「はい」

 

 

俺は改めて玉狛支部を後にした。

 

 




どうもお待たせしてしまいました

まずは理由というか言い訳を。
初めに投稿が遅れたのはBBFの発売が近い事を知り、発売まで待つ

BBFの内容を見つつ修正しようか考えたり、ガロプラ戦の展開などを考える

俺史上過去最悪の花粉症になる。毎日風邪のような感じで頭痛もやばかった。この頃は半引きこもり

そして何より 就 活 開 始

まあ完全な言い訳ですね

あとここまでならもうちょっと早く投稿はできたと思うんですが、実はこのSS、初っ端の流れだとチートの兄が、大規模侵攻の際無断でボーダーに入っていた弟と遭遇、ピンチになりなんやかんやあって黒トリになり弟が使って危機脱出とか考えてました
でも実際書いてみるとそのチートの兄が簡単にやられるか?ということになり、じゃあボルボロス奪って弟適合者にしたろ!と書いてたらエネドラッド登場。これは色々あかんという事でまたまた路線変更し、ヴィザ翁とやってもサイドエフェクトあれば勝てんじゃね?と思い投稿した通りに、といった感じに変更
そんなこんなで延期になっていた登場を今話の墓参りの後にし、新しく隊員を入れようとソロランク戦ブースに行き弟を発見、なんやかんやで鍛え始める、とか考えてたけど主人公の性格とかガロプラとか、なんやかんや検討した結果再び弟は退場という結果に……
もう弟は出て来れそうにないな(白目

まあ簡単に言えば迷走し、主人公の強さに頭を抱えてたって事です
ちなみに今も頭を抱えてます

とりあえずこれからは月一更新を目指します

これからもよろしくお願いします
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