ワールドトリガー 全てはこの手で   作:ジュナス

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三話

「…とまあ作戦としてはそんなもんかな」

「はい…」

 

結構ダメ出しし過ぎたかな?でも強くなるためには必要なことだし、玲ちゃんたちは師匠とかいないみたいだから言っとかなきゃいけないと思うんだよな。…あれ?これじゃ俺が師匠になってね?俺チームすら作ったことないんだけどなー。まあいいか。

 

「じゃあ次は個別にいこっか。まずはスナイパーの…日浦ちゃん?だっけ」

「はい」

「あの子はちょっとメンタル面で不安定っていうか成熟してないのかな?だから狙撃も中々安定してないし、失敗の後かなり動揺しちゃってる」

「…真哉さんはどうしたらいいと思いますか?」

「ん〜、俺後輩の面倒をメンタル面までみたことないからな。取り敢えず何かで自信をつけさせるとか?あと玲ちゃんに頼りきりなところもマズイかな?まあ自信ないうちはしょうがないのか。やっぱり場数を踏む以外方法は思いつかないかな。あと今思い出したけど、確かあの子奈良坂の弟子だったはずだからそっちとも話してみたらいいかもね」

「そうですね。透くんと話してみます」

「ん?仲良いの?」

「ええ、同い年で従姉弟同人ですから」

 

ほー、そんなこと初めて聞いたわ。というか家族関係とかあんまり聞かないからな、相手JKだし。それに奈良坂ともそこまで仲良くないしな。

 

「じゃあ次な。アタッカーの熊谷ちゃんは弧月使いのスタンダードタイプだから、こっちも普通に場数を踏んで強くなるしかないかな。トリッキータイプはいきなりは無理があるし、何よりそれやると連携の仕方を組み直さなきゃいけないし。今は前衛後衛と2人が組んでる感じだったから止めたほうがいいね。その辺はランク戦が終わった時に練習する方がいいよ。でも相手がトリッキータイプだったらそれを潰せるような技量が欲しいね」

 

こう言っちゃなんだが、熊谷ちゃんは本当にシンプルなタイプの孤月アタッカーだから教えにくいんだよね。ソロランク戦なら戦うこともできるんだけどね。

 

「はい。そこらへんはまた話し合ってみます」

「うん、そうしなさい。みんなでチームなんだからね。で、最後玲ちゃん」

「はい」

「まあバイパー使った連携とかは結構良くなってきたし、臨機応変な対応も出来てたから問題はないんだけど、やっぱり司令塔とエースの兼任は難しいねえ。特に玲ちゃんたちみたいなチームだと」

「やっぱりそうなりますか……」

 

そりゃそうだ。エースが全力で行くべきところと司令塔として指示出しすることを両立するのは今のレベルではまだ無理がある。それこそ玲ちゃんがボーダートップレベルになるか、他のメンバーが指示されなくても的確に動けるようになるかが必要だろう。

 

「まあこれも経験を重ねるしかないかな。特に人に指示出すとか、根っからのリーダー体質じゃない限り難しいからね」

「そうですね、これからも頑張っていきたいと思います」

 

そこで今日見て気付いたことの話は終わった。

その後はシューターの技について軽く話した後、普通に雑談をする。

んー、和む。

 

「真田さーん!」

「うお!?」「きゃ!?」

 

突然扉をブチ破って入ってきたのはさっき別れた駿だった。

というかなんで扉をいきなり開けて入ってきたんだよ。

 

「真田さん!ランク戦やらないんですか!?まだならオレと先にやりましょうよ!」

 

あんだ、そんなに戦いたいのか。というか、

 

「駿。お前さっき用事が終わった後でいいって言ったよな?約束も守れないのか?あ?」

「あだだだ!?い、痛いです真田さん!頭われるぅぅー!」

 

取り敢えずお説教しながらアイアンクローをお見舞いする。こういう子供、特に生意気な男の子は体で覚えさせた方が手っ取り早い。実際俺も体で覚えた口だ。

 

「ご、ごめんなさいぃぃ…助けて…」

「謝る相手が違う」

「な、那須先輩すいませんでしたー!」

 

涙目になって本気で謝っているようなので一応離してやる。

玲ちゃんも少し戸惑っているが、まあこんなことあんましねえしビックリしたのかね。

 

「いったー、このバカ力……」

「反省が足りないかな?」

「ごめんなさいごめんなさい!オレが悪かったですー!」

 

そう言って部屋から走り去っていった。慌ただしいやつめ。

 

「あの、真田さんいつもあんなことを…?」

「ん?あー…まあ生意気な男に対しては基本体罰だな。まああいつみたいなそこそこの仲じゃないとやんないよ。仲良くない人にやるとかただの危ない人だし。あと女の子にもやらないよ?あんま生意気だと面倒くて距離置くけど」

「そ、そうなんですか」

 

玲ちゃんは少し引き気味だが仕方ない。だって俺も人間だもの。嫌いなやつがいたっていいじゃない、聖人君子じゃないんだから。

 

「まあしょうがない。もう話すことも話したしランク戦でもするか」

「そうですね。お願いします」

 

そして俺たちはソロランク戦のブースへと移動する。

 

 

 

 

「じゃあ10本勝負、ステージはランダムでいいよね?」

『はい。じゃあお願いします』

「はい、よろしく」

 

今日のトリガーセットはこんな感じだ。

メイン 孤月

旋空

バイパー

グラスホッパー

 

サブ ライトニング

シールド

バイパー

テレポーター

 

そうだ、あれってまだ玲ちゃんにやってないよな。試してみよ。

 

「じゃあ始めるよ」

『はい』

 

そして転送されランク戦が開始された。

 

 

周りは見た感じ民家ばっかだし市街地のどれかだろう。試してみっか。

 

グラスホッパーを使い、空を駆け上って行く。

ビル十階を超える位の高さで玲ちゃんを発見した。距離はざっと120mくらいか。

 

「じゃあいっちょやってみっか」

 

ライトニングを取り出し照準を覗く。思考加速を使い玲ちゃんの様子を覗くがとくに隠れるようなことはしないで打ち合いの構えに入っている。その証拠に玲ちゃんの周りにはバイパーの立方体が沢山浮いている。でも今回は悪手だねー、それ。

 

ライトニングの引き金を連続で引く。別に一発必中が信条の当真ではないので全弾当たるとは思っていないが、今回は見事に片足を吹き飛ばした。

玲ちゃんは機動戦をしかけてくるシューターなのでこれで大分俺が優位に立った。相手も焦りが出て注意が何割かは逸れたのは確実だ。

その隙に手を緩めず次の手を打つ。ライトニングを破棄し、テレポーターを発動させ、玲ちゃんの背後に回り孤月を抜く。

 

「旋空孤月」

 

そして旋空をのせた孤月で切りつけると、玲ちゃんのトリオン体は活動限界でペイルアウトした。

うん。まあまあ使えそうかな?太刀川とかの感覚派には無理そうだけど普通のやつには通じるだろ。最初の狙撃の時に隠れられたらその限りじゃないが。

 

 

その後も色々な戦法を使って翻弄した。次々に変わるそれに玲ちゃんは中々対応出来ていなかったが、まあこれで対応力も上がることだろう。近界(ネイバーフット)からいつ人型が侵攻してくるか分からないし、それに備えることは悪くないはずだ。

まあ玲ちゃんがそこまで詳しく(遠征部隊のこととか)知っているかは分からないが、意義はある。はず。

 

 

そしてラスト三本はバイパー勝負をしたが、一本取られ、計8対2となった。ちなみにもう一本は孤月一本とシールドだけで挑んだが足をやられてから削られて負けた。なぜシューターのトリガーを使わなかったかだが、孤月での自分の対応力を上げるためだ。玲ちゃんほどのバイパー使いは出水くらいなので試せる機会は少ないため、試させてもらった。

 

「いやー、玲ちゃんもかなり力を付けてきたね」

「そんなことないですよ。真哉さんから取れたのはトリガーを限定してる時だけじゃないですか」

「いやいや、もう思考加速を最大までしてあれだからね。随分成長したよ。俺もそろそろ新しいこと試さないと本格的に追いつかれちゃうよ」

 

でも実際、玲ちゃんはシューターだけとはいえセンスは凄いと思う。俺の上達速度はあそこまで早くなかったし。

今度から本気を出してもいいかもしれない。でも知られると煩そうな奴らもいるんだよなー。

あ、そういえば俺のサイドエフェクトはもっと鍛えられるのか?鍛えられるならありがたいんだが方法が分からん。今後何が起きるか分からないためやっておくに越したことはないんだし。いっそ脳科学者のところにでも行ってみるのもいいかもしれんな。

 

まあそれは置いておくとして、実際玲ちゃんは強くなった。前は攻撃を当てるだけだったが、今は何手も先のことを考えて詰めていくし、色々な技の精度もB級上位に到達している。メンタル面も成熟してきた。そろそろマスタークラスの大台にものるだろう。

正直俺から教えられることはもうないかもしれん。ここから先はシューターの技量としては教えることはなくあとは才能の域だし、戦略面は自分に適したものを考える必要がある。俺がいいと思ったことが玲ちゃんにもいいとは限らないし、俺だって戦闘の経験が比較的豊富なだけで戦闘のプロというわけではない。

これから出来るのはランク戦などで戦うことと、その後に何が悪かったかを一緒に考えるくらいかな。

頑張って欲しいものだ。

 

 

その後も玲ちゃんと本日の反省をする。といっても結構わかってるみたいだ、なにが悪かったのかは。まあやられてその意図が分かったという感じなのだろう。今度からはそれが対戦中に看破出来るようになればいい。

 

 

 

玲ちゃんとの反省も終わり、駿とのランク戦もやった。

 

結果?10対0です。

むしゃくしゃしてやった。今は反省している。

 

 




この辺から分かるかも知れませんが作者は那須さんが大好きです
皆さんは誰が好きですかね?
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