完全なIFストーリーとして読んで頂ければ幸いです。
ようやく、戦争はなくなりつつあった。
でも、変化があった。
―――生身でオブジェクトを破壊する『ドラゴンキラー』。
それが、時代の全てを変えた。
崩れ落ちる天井の瓦礫の雨から逃れるように、走る。
もうここまで来たら推測も作戦も無い。とにかく走る。ひたすら走る。
死体を飛び越えながら通路を駆け、視界に入った敵兵は、片っ端からアサルトライフルで撃ち抜いていった。
そうして、ようやく非常口に到着する。
最後の曲がり角を左折した瞬間、非常口へ駆ける白衣の男が目に入った。
「―――――ふっ」
ついに、捉えた。
緊張と驚きと困惑と殺意と。
もやもやとそれらが混じる表現し難い感情を、短い吐息で押し沈める。
(慌てず、狙う……落ち着け!!)
これまでの腰だめ撃ちとは切り替え、望遠スコープを覗いた精密射撃。
アサルトライフルの光学照準に補正を受けた彼の瞳が、獲物を狙う鷹の目と化す。
ズガン!!という射撃音と共に、非常口の真上の天井が崩れ落ちた。瓦礫で通路が塞がれる。
亀裂の走る天井の「傷」を、男が正確に狙撃したからだった。
非常口に駆け込む白衣の男が慌てて急ブレーキをかける。
彼は肩を上下させるように荒い息を吐きながら、ゆっくりとこちらを振り返った。
スコープ越しに、こちらと目が合った。
互いの距離は20メートルほど。
現在進行形で崩壊しているこの建物は、コンクリートや鉄筋がひしゃげるけたたましい音が響いていた。
しかし、彼ら2人の間だけは、恐ろしい程の静かな沈黙が流れていた。
互いに一歩も動かない。
互いに言葉を発しない。
互いに視線をぶつけながら、その想いを汲み取っていた。
襲撃者の男は、本当は色々と言おうとしていた事あるはずだった。そのためにここまで来たのだから。
白衣の男も、何か言おうとしていたはずだった。だからこそ、ここまでの事をしてきたのだから。
それでも、互いに目を合わせ、想いを察し、そして、今更言葉を交わす必要がない事に気付いた。
だから、時が止まったかのような長い沈黙の後、男達は搾り出すように静かに呟いた。
「待ち焦がれたぜ、クウェンサー」
「……久し振りだな、ヘイヴィア」
そうして、語られる伝説達が再会した。
かつて命を預け合った
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という訳で、ヘイヴィアとクウェンサーの敵対から始まります。
キャラを貶める意図はございませんので、「アンチ・ヘイト」タグは付けておりません。ご了承下さい。