フォースの暗黒面に堕ちた黒鉄一輝の話   作:A4

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 元々見切り発車で始めた話なので一輝の設定や性格がブレブレかもしれませんがご容赦ください。
 
 スターウォーズ見てきたんですがあのファーストオーダーの最高指導者って何者?


6話 シスの寺院

ある邸宅の地下室にて一輝は一人坐禅を組み瞑想状態に入っていた。地下室と言っても広さはかなりの物であり2,30人は優に入れる広さである。

 「……」

 かなり長い間瞑想状態に入っていたが無言のまま立ち上がる。瞑想状態に陥る事によりフォースは未来を伝えると書かれていたのを試していたのだがフォースは何のビジョンも見せてはくれなかった。一輝は今までフォースの未来視に成功したことはない。

 (これがフォースの導きという物だろうか?)

しかし一輝は何故かある場所に行かなければ、そんな思いを抱くようになった。そこが何処か具体的な座標はわからない、しかし行き方はわかっている。

 そう考えるなり一輝は地下室を出た。

 

 

 

 

 「しばらく留守になさると?」

 「はい、しばらくは。その間大丈夫です?」

 一輝はパンダの檻の前で笹を差し出している。このパンダは売られるまで少し時間があるらしくよくここを訪れていた。

 「それに関しては問題ないかと。組織も安定に向かってます」

 「そうですか」

 組織の運営を任されている男は慇懃で冷酷で同じ人間とは思えない一輝がこういう時だけ同じ人間のように感じられた。

 「……動物お好きなんですか」

 「一時期野良犬相手しか話し相手がいなかったので」

 パンダが手から笹をもぎ取った。

 

 

 

 

 

 

 「いや、しかし頼んでみるものだな」

 道場を出て武家屋敷風の門をくぐり抜けた。門に綾辻一刀流という看板がかかっている。

 一輝はフォースの導く場所に行く前に武者修行をしようと考えていた。彼の剣にまず欠けていたのは圧倒的な経験である。黒鉄の家にいた時は一人で修行するしかなかったので理論、技術はあれど実際の立ち回りについてはさっぱりであった。事実父や兄に勝てたのはフォースの力押しと底上げされた完全な未来予知があったからに他ならない。それ故経験を積むために行く先々で道場破りをしよう、そう言う考えである。

 もちろん殆どの所で断られた。そこを札束やフォースの暗示による穏便な方法で解決し病的な集中力でそれらの技を見、取り込んでいった。もちろん一時の試合で完全に習得できることはたかが知れていたので断片的にはであったが。

 

この綾辻一刀流の現当主である綾辻海斗は非能力者でありながら能力者にも打ち勝ったこともある上に日本において権威ある大会を総嘗めにした経歴を持つ日本武道界においての権威と言える人物である。そして一輝の憧れであった人物の一人であった。

 しかしこの人物は公式試合以外では一切試合に応じないと専らの噂であったので受けてもらえるか不安ではあったが物は言ってみるもので少し悩んでいた様子だが受けてもらえた。体調が思わしくないようで立ち合いは中断したが得る物は大きく有意義な時間であった。

 

 高地にある長い石段を降りていると途中で破軍学園の制服を着た黒い長髪の少女とすれ違う。

 「こんにちは」

 「…こんにちは……?」

 

 

 

 

 

 

 

 「……若くしてあそこまで歪むとはな」

 綾辻海斗は今さっき道場に来た青年の事を思い出す。今は門下生は出払っていて道場に彼一人だけである。

 

 

「手合せ?」

 海斗は道場に来た青年を珍しげに見た。その青年は黒を基調としたレザージャケットにデニムを身に着けているのを見るからにバイク乗りのようにも見える。

 (上背は結構あるがまだ子供か…)

 顔は青年のそれであるがまだ少年らしい幼さが混じっている事からそう判断する。

 「是非とも綾辻先生に一手御教授をお願いしたくここまで来ました」

 青年がそう言い深く一礼する。言い分から察するに道場破りなのだろうがこんな穏便なものは初めてであった。

 「…遠い所から申し訳ないが今私は……」

 そこで言葉を止めた。彼は人の心や生き様というのは様々な物に現れると考えている。例えば太刀筋や顔などに。目の前の青年は一見すると穏やかな表情を浮かべているがその眼の奥には狂気、渇望、諦め、そういった物が渦巻いているように感じられた。

「…いや、入りたまえ」

彼は武芸者ではなく一人の大人としてこの青年に接しなければ、そう感じた。

 

 

 

 

 (…剣筋は真っ直ぐであるにも関わらず心根が歪んでいるか…)

 そんな事を思いつつ青年の名を反芻する。

 「黒鉄の者だったか」

 非能力者の海斗でも黒鉄の家の事は知っていた。その旧家故の徹底した能力主義と陰湿さも。

 「…それにしても妙だった」

 彼とは確かに会話をしていたはずなのだがまるで透明な壁を一つ隔てているようであった。まるで彼が殻に籠っているような。

 「ただいま。父さん」

 娘の綾辻綾瀬の声で物思いから覚める。そういえば今日は娘が帰ってくる日であった。

 「ああ、おかえり」

 「そういえば誰かお客さん来てた?何か男の人とすれ違ったけど」

 「……手合せを望む奴が来ていてな」

 「試合したの!?」

 それを聞いて娘が憤慨し始めた。綾瀬は綾辻一刀流の方針と自分の身体の事を思って自分が試合をするのをあまり快く思っていなかった。

 海斗はますます亡き妻に似てきた娘を見てため息をついた。

 

 

 

 

 

 一輝は日本の最西端の島周辺の海中に潜っていた。幻想的な光景に目を奪われるが気を取り直し足ヒレを履いた足を蹴り視線の先に見える岩壁に向け近づく。

 微かに浮かんだ光景と引かれる様な感覚に従い南方にある巨石の海底遺跡まで来たがそこで手詰まりであった。巨石の周辺を探せども何も見つからず時間が過ぎていく。

 (困ったな。酸素にはまだ余裕はあるけど…)

 そんな事を思いつつマウスピースをより深く咥える。このマウスピースは小型の水中呼吸装置であり内蔵された小型圧縮空気タンクは2時間の水中行動を可能としていた。

 鏡のように継ぎ目の見られない巨石に手を当てつつふと思いつく。

 『……開け』

 フォースを介し念じる。しかし何かが起きた様子は見られない。虚しさと共に取り敢えず一度上に上がろうとした時であった。

 「!」

 水を介して振動が伝わる。その元を探ると6m程右斜め下の岩床に長方形の穴がぽっかりと空いている。

 「……」

 一輝は水を蹴りその方向へ進んだ。

 

 

 

 

 

 ざばりという音と共に石段に手を掛け陸に上がる。

 「こんな場所があったとは…」

 濡れた髪を掻き上げ思わず呟く。どういう材質なのか周囲の石材が薄く青白く光っている。防水性のポーチからマグライトを取り出し前を照らす。

 重厚な石造りの通路が奥まで続いている。これまた壁も床も継ぎ目が見られない、一体いかなる技術で作られているのか。

 腰のライトセーバーの感触を確かめると奥へと進んでいく。

 

 

 

 

 幾つかの部屋を通り過ぎとりわけ大きな広間に辿り着く。左右には一定の間隔で僧衣を纏った8m程の石像が立ち並んでいる。気になるのはその石像の中に明らかに人と違う異形の者が混じっている事であった。

(寺院みたいだ)

その独特の雰囲気に寺を連想する。広間の奥には円柱形の台座がありそこに置かれている者に見覚えがあった。

 「……ライトセーバー?」

 その時ふわりとライトセーバーが浮き上がりその金属製の円柱を掴む青白い手が浮かぶ。次に腕が、胴体が、両脚が、左腕が、最後に頭が浮かび上がる。幽霊という物が存在するならまさしくこれだろう。それは少しの間青白く揺蕩っていたが徐々に色と存在感を取り戻していく。

 禿頭に昏い眼、修道士のような黒衣を纏っている。禿頭の男がライトセーバーを起動し左手を横に突きだす。すると鈍く銀色に輝く片手盾が飛来しその手に収まる。

 禿頭の男が薄く笑い構える。

 「……」

 一輝はライトセーバーを起動する。両者の間合いが歩数にして20歩になってから一輝も構えた。

 

 

 

 

 ライトセーバーで何合も斬り合った後に禿頭の男が大きく振り上げる。その一瞬を狙い一輝が踏み込む。

 (盾ごと叩き斬るッ!)

 ライトセーバーで薙ぐが防がれる。

 「!」

 見ると断ち切るはずだった盾によって防がれる。そのまま禿頭の男は盾を跳ね上げ一輝の隙を作ると斬撃を見舞った。それに対し一輝はすんでの所で後退し直撃を避ける。

 (一体何の素材で出来てんだよアレは?)

 疑問を胸に肩口の痛みに呻く。避けきれなかった一撃は彼の肉を焼き焦がしていた。ライトセーバーをホルスターに納め『陰鉄』を呼び出す。ライトセーバーの剣術に関しては向こうが上となると固有霊装を頼る他なかった。

 「ッはっ!」

 フォースの砲弾を幾つも放つが禿頭の男もフォースで偏向し逸らし防ぐ。その瞬間フォースで身体を強化し一気に斬りかかる。しかし禿頭の男はすぐにライトセーバーで防ぐ。

 「ッ!」

 陰鉄とライトセーバーでせめぎ合っている中禿頭の男が片手盾を一輝に叩きつける。それを受け地に倒れこむ。

 「クソッ!」

 倒れこんだ一輝に対し連続で繰り出される突きを転がりながら何とか避ける。赤い光刃が石床を焼き貫く音が響く。左手を地面に叩きつけその勢いと腕力で体勢を立て直す。

 (負ける…僕が負ける…?)

 この相手が何なのかは知らない。だがこの禿頭の男は今の自分より遥かに上にいる。

 (…負けるのか……またあの惨めな頃に戻るのか?)

 あの黒鉄の家にいた頃が思い出される。あの苦しく惨めで息をするのもつらかった日々が。

 「認めるか。そんな事が認められるかッ!」

 彼は自分の敗北を否定する。その敗北への恐れと憎しみに呼応し周囲のフォースが揺らぐ。両の掌を広げる増幅されたフォースで石像が崩れる。崩壊した大小の石材が宙に浮き禿頭の男を襲う。

 男はフォースで防ぎ盾で巧みにいなすが石材の飽和攻撃に処理が追いつかなくなっていく。そこに紫電を放ちつつじわじわと歩を進める。男は既に盾の保持を諦めライトセーバーで稲妻を必死に防ぐ。

 「ハァァアアアア!」

 一気に陰鉄を振るい畳みかける。防ぎきれなかったフォースライトニングのダメージが残っているのかその剣技に先程の冴えは見れない。

 「疾ッ!」

 ガードを崩し一太刀浴びせ体勢が崩れた所に心臓に向け刺突を放つ。人肉の抵抗とはまた少し違う感触が陰鉄を通し手に伝わる。

 男は心臓貫かれたにも関わらず薄く笑い霞の如く消えて行った。

 

 

 「何だったんだ」

 陰鉄を消しその場に座り込む。一輝の身体はライトセーバーによる火傷が腕、胴、腿に見られる。特に酷い物は肩口に喰らった物であった。その場に人の肉の焦げる匂いが微かに漂う。

 一輝は顔を顰めながら何とか立ち上がるとふらりとしながらも進み始めた。

 

 

 

 

 

 一輝は奥にある部屋のひとつに入り何やら計器を弄っていた。体には応急手当だけがしてある。

 「ん?」

 機器から立体映像が浮かび上がる。見ると道着姿の男二人がライトセーバーによる剣戟を繰り広げていた。その剣術は今まで目にした事がなく、それでいてライトセーバーえお使いこなしている。

 一輝は周囲の機器を見回した。

 




 感想、批評お待ちしております。
 
 
 この話なのですが元々原作を読まない内から書き始めたので粗が出てきました。正直、原作を読み進めているうちにこれからの展開に行き詰ってしまったのとこちらが深刻なのですがリアル事情が非常に忙しくなりしばらくパソコンを開くのもままならなくなると思うので2月くらいまで更新スピードが非常に遅くなる、もしくは全く更新できなくなることをお許しください。
 
 活動報告などを使って再開時期を載せます。
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