偽史・恋姫無双――乱世を照らす太陽――   作:味噌の素

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注意:ギャグ短編です。

普段の雰囲気が壊れますので、お読みの際はご注意ください。

起こる事件や戦は、年数が変わっていますが、ご了承ください。



幕間 袁瑰の養育帳

昭寧元年(189年)9月

 

今日で紅羽が生まれて、2ヶ月程です。

 

今日から紅羽の成長の記録をつけてみようかと思います。

 

やはり、紅羽の可愛さは私達だけで独占するのはもったいないですからね……

 

あの子の可愛さを是非とも!広く知ってもらおうと思って始めてみました。

 

妻にそのことを話すと「……勝手にすればよかろう」なんて、素っ気なく言われてしまいました。

 

まあ妻も普段は素っ気ない態度ですが、甘えてくるときは凄く可愛らしいので、それで満足ですがね。

 

……なんでも、そういった人物のことを、倭の国の方では「喰出零(クーデレ)」というらしいですね。

 

 

 

おっと、話が逸れてしまいましたが、そういった次第で明日以降から、紅羽の成長の記録を書き連ねていきましょう。

 

 

 

 

 

 

永漢元年(189年)9月

 

大変です!驚きです!大事件です!

 

紅羽が、紅羽が喋り始めました!まだ生後3ヶ月も経っていないのに!

 

……一体どういうことなんでしょうか?いくらなんでも速すぎです。

 

まさか、第二回にしてこんなことが起きるとは……

 

あの子が「ぱ……、ま……」と喋り出した瞬間は、あの妻でさえも心底ビックリしたような顔をしていましたからね。

 

私と妻も大慌てしながらあたふたとしていると、またしても紅羽が「ぱ……ま……!」

 

と言いながら、きゃっきゃっと小さい手を叩きながら笑うのを見ていると。私も妻も、ようやく落ち着きました。

 

「ぱ! ま!」

 

そんな紅羽の様子を見ていると、先程まで慌てていたのもどうでもよくなり始めました。

 

……まあ、可愛いからいいよね?と妻に聞くと「……うむ、別に悪いことが起きた訳でもないし、まあ大丈夫であろう」と言っていたので別に大丈夫でしょう、うん。

 

別に喋り始めたのが嬉しいからどうでもよくなった訳じゃないですよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

永漢元年(189年)10月

 

今日は麗慈(袁成)兄さんと、兄さんの娘さん、麗羽ちゃんが遊びに来ていました。

 

なんでも紅羽が喋り始めたことを兄さんから聞きつけて、連れていけ!と駄々をこねられて、渋々連れてきたそうです。

 

「いやー! 武勇で鳴らすわしも、愛娘のお願いとあっては断れんわい!」

 

といって、隆々とした筋肉をピクピク震わせながら、豪快に笑います。

 

「ほれ! わしが今日仕留めた猪じゃ! 土産にもってけ!」

 

そう言っておもむろに放り投げられたのは巨大な猪でした、てゆーか兄さん今どこからそんなもん出したんですか!

 

……相変わらず脳みそまで筋肉でできてるんですか?貴方と言う人は。

 

可愛い紅羽に、脳筋(バカ)が移ったら大変です。それに貴方これから仕事があるでしょう。

 

その旨を兄さんにやんわり告げると。

 

「おう! そうじゃったな、今度は烙徒(袁逢)の奴も顔を出すと言っておったぞ!」

 

と言いながら帰り支度を始めています。

 

ですが、いざ帰る段階になると麗羽ちゃんが、紅羽を連れ帰ろうと駄々をこねています。

 

何でも、麗羽ちゃんが「姉さんですわよ! 姉さん。さあ言ってごらんなさい!」と話しかけたところ、「ねえ! ねーねえ! ねぇねぇ!」と喋り返す紅羽を大層気に入ったらしく、どうしても連れ帰りたいらしい。

 

私が、連れ帰らせてあげるのは無理だけれど、いつでも家にきて遊んであげてください。

 

と、伝えると麗羽ちゃんも渋々ながら納得したのか、兄さんに連れられて、名残惜しそうに帰っていった。

 

あの子も我が儘なところはあるけれど、根は優しい子なので、是非ともこれからも紅羽と仲良くしてあげてほしいと思う。

 

 

 

永漢元年(189年)10月

 

またしても驚くべきことが! 次はなんとあの子が歩き出した!

 

 

 

 

永漢元年(189年)10月

 

またしても驚くべきことが! 次はなんとあの子が はっきりとした言葉を喋るようになった!

 

 

 

 

 

永漢元年(189年)11月

 

またしても驚く……もういいか、今度は字が書けるようになりました。

 

ほんとにこの子の成長の速さには驚かされるばかりです、さすがに私も妻も心配になり、一度名のある医者に見せたのですが、首を捻るばかりでした。

 

ただ、これと言って身体なんかには変わったところは無いそうなので、それには安心しましたが、どうにも符に落ちませんね。

 

まあ、考えても仕方ありません、神からの授かり物とでも思っておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

永漢元年(189年)12月

 

今日は烙徒(袁逢)兄さんと、娘さんの美羽ちゃんが遊びに来ました。

 

兄さんは家へ入ってくるなり、壺一杯の蜂蜜を土産だ、といって寄越してきました。

 

……貴方どんだけ蜂蜜持ってるんですか?と私が尋ねると。

 

「まだまだ屋敷の倉庫に入っているぞ。これが無くては頭が回らんでな……」

 

くくくっ、と人の悪そうな顔で笑っています。

 

しかし、美羽ちゃんに「お父様ー」と呼ばれると、人が変わったようににこにこしながら去っていきました。

 

(あの人も大概親バカですね……)

 

なんて考えていると、隣の妻から「お前も言えたことではないぞ……」と冷めた目で言われました。

 

別に、私は半日紅羽の顔が見れなくなると動悸が激しくなり、吐血するくらいのもので大したことはないでしょう。

 

全く、人聞きの悪いことですね。

 

 

 

 

 

 




今回は幕間ということで短めです。

これからもちょいちょい入れていこうかと思います。
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