故郷の村を貧困から救うために地方からはるばる帝都に旅立ったタツミ。そのタツミの他に同郷で仲間であったサヨとイエヤスなる2人。
3人の少年少女は最初は共に帝都を目指して一緒に旅していたらしいが道中賊に襲われタツミは他の2人と離れ離れになりそれっきり会えていない。
たったひとりで、何とか帝都に辿り着いたタツミは友人である2人も先に着いているだろうと思い込んでいた。
ネメシス(まさか、仲間が自分を引き取ってくれた家族に捕らえられ拷問を受けていたとはタツミも思ってはいまい。)
屋敷から少し離れにある倉庫(大きさ的に蔵だろうが)。そこにネメシスは忍び込み、まるで地獄のように思える程おぞましい景色が中で広がっていた。
そんな地獄の空間の中にタツミの仲間であるサヨとイエヤスの姿があった。
イエヤスはまだ生きてはいるがサヨなる少女は全身傷だらけで片足も無く一足遅かったのか、既に息を引き取っていた。
イエヤスから聞いた話によれば彼らはネメシスとタツミが着く前に既に帝都に着いていたらしく、その後ネメシスらと同じくアリアに「家に来ないか」と誘われたらしい。
その時もアリアの家族は優しく接してくれたらしいが睡眠薬でも仕込んでいたのだろう。食事を頂いた瞬間意識を失いここに入れられていたらしい。
その後どうなったのかは、今の彼らの姿を見れば一目瞭然だろう。
イエヤス「タツミと離れ離れになって....それでも頑張ってやっと帝都に着いて...これからだって時にこんな事になってよ....。サヨは...あの女にいじめ殺された....。」
それだけ言うとイエヤスは泣き崩れた。
本当に悲惨な人生だ。故郷を救うために夢と希望を抱き遠くの地からやってきたというのにこのような仕打ちを受けるハメになってしまうとは思わなかっただろう。いや、誰も思わない。
ネメシス(10数年...その間にこれほどまで悪化しているとは....。)
ネメシスはいよいよアルやリュートらが心配になり早く帰ろうとここから出ようとした。
....助けようとしないのかだって?普通の人ならせめて生きているイエヤスを助けようとは一瞬思うだろう。だがネメシスは違った。
ネメシスがイエヤスを救った所でなんのメリットがあるのだろうか。確かにネメシスはイエヤスの事は知っていたがそれはあくまでタツミの話に聞いていた程度の事。そもそもタツミ自身が他人であるためネメシスにしてみればイエヤスが死のうが生きようがどうでもいい事なのだ。
とても酷い理由だ。だがそれよりも更に1番優先された確かな理由があった。
それはイエヤスの今の状態。今彼の体のあちこちに毒々しい斑点がついている。さすがにネメシスはこれが何という名の病か知らないが今イエヤスを蝕んでいるものは恐ろしい病でしかも末期であることを見抜いた。
早い話、助けた所で遅かれ早かれこの病に侵され死ぬという訳だ。
一応施設や道具がそれなりに揃ってあるネメシスの拠点に行けば助かる見込みはあるがここからそこまでの距離が結構あり、それまでイエヤスが踏ん張れるとは思えない。
どうせ死ぬのだ。可哀想ではあるがこのまま見殺しにさせてもらう。
...というより、イエヤスもとっくに覚悟を決めていたらしい。
弱々しい体なのに平気そうな表情を浮かべる。
イエヤス「へへ...どうせ助からないって事は分かってる。...だったら、最期ぐらいイエヤス様もかっこよく死んでやるぜ...。」
最期にタツミに会えないのが心残りだけどな...等と笑いながら呟く(←何気にネメシス、タツミがここに引き取られた事を教えていない)
その覚悟はかつてネメシスが戦った戦士達のそれと似ていた。それを見てネメシスは懐かしく感じ少し情が移ったのか、せめて最後何か与えてやろうと自分の黒衣を探り始める。
ネメシス(といっても普段から何か持ち歩いていた訳でもなかったから何かはいっているわけないか...)
その時である。
ネメシス(ぬ?なんだ?内側のポケットに何か入っている?)
ネメシス自身にも身に覚えのない、何か固い何かが内側のポケットに入っていることに気づいたネメシスはソレを取り出す。
それは、なんと....!
『リポ○タンD』!
ネメシス「いや、何でやねん。」
あまりの意味不明さにネメシスがナレーションに突っ込む。
それにしても何故ネメシスの懐にあのリポ○タンDが?我々の世界でも有名なあのリポ○タンDがどうしてネメシスの黒衣に?
ネメシス「ぬ、下に何か紙が張り付いてる...。」
瓶の下に張り付いていた折りたたまれた小さな紙。それはメモだった。一体だれが、いつの間にこんなものを仕込んだのやら。
ネメシスはそのメモに目を通した。
『やぁネメシス。
そちらの生活はどうだい?
エンジョイしてるかい?
おれはね、正直ヒマなのよ。
何でかって?だってお前あんまり大きな事してないんだもん。
てっきり初っ端から何か大事起こすかと思ったら割と普通に暮らしてるし。面白くない。
...まぁおれの愚痴はさておき、そちらの生活を営んでいるネメシスに俺からのプレゼントです。
現実世界のコンビニで買ったんだけどまさかあのサイズで140~150?くらい値段張るとは思わなかったわ(笑)。
それではこれから君が死ぬまで永久に観察させて貰うよ。じゃあね。
帝王より』
オマエかよ!!
い、いや途中...割と最初の方からそんな予感はしていたんだがこのドリンク、帝王が買って私の懐にいつの間にかに入れんだな。
そんな芸当、帝王のように限られた存在にしか出来んな。
....しかし私はこんなものいらん。
と、言う訳でリポ○タンDはイエヤスにプレゼントしました。
イエヤス「あ、あの....ネメシス...だっけ?...これ...なに、これ?」
ネメシス「...栄養ドリンクだ。飲めば少しは楽になれると思うぞ。(ウソだがな。)」
イエヤス「そ、うなの...か??」
かくしてネメシスはイエヤスにプレゼントを渡し別れを告げネメシスは自分が開けた穴を『暗黒の腕』で溶解、壁を元通りにして自分の拠点に帰っていった。
....この時ネメシスがイエヤスに渡したリポ○タンDがある奇跡を引き起こすとは....。この時ネメシスは全く予知していなかった。
徒歩なら数時間はかかる距離だがネメシスには飛行能力なあるためものの数分でたどり着ける。
ネメシス「さて、せめてアルぐらいいてくれればいいのだがな...。」
帝都から少し離れた森の中にひっそりと建ってある館。これがネメシスの拠点である。
10数年振りの我が家。その歓迎は熱烈なものだった。
「おいおい兄ちゃんここに何の用だぁ?」
「ここはオレ達の家だぁぞ。命が惜しければ尻尾巻いてどこかへ消えな!」
「おっと、逃げる前に金目のものは置いていけよな?ヒャハハハハ!」
ネメシス「....。」
10数年振りの我が家...。
久々に帰ってきてみればいつの間にか賊のアジトになっていました。
続く
少しネタを挟みたいと思ってしまったため行ってしまいました。今は反省してる。
でも時々こういうネタ挟んだりするかも。