暗黒が行く!   作:廉造

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第15話 暗黒と従者再会する

数時間前....つまりネメシスがまだ寝ていた時。

 

 

帝都警備隊の屯所。副隊長であるアルは休暇届けを出しに隊長であるオーガの元に顔を出していた。

 

 

オーガ「...別に構わないが、珍しいな。今まで休まず働き続けたお前が急に休みたいとは。」

 

アル「私だって人間ですから。休みたい時には休みます。それでは。」

 

 

オーガに対して素っ気なく返し、それだけ言い残してアルは部屋から出た。そしてこれから出掛ける支度をしようとした時、友人でもあるセリューとバッタリ遭遇した。

 

セリュー「あ、副隊長!」ビシッ

 

アルを見かけて間もなく敬礼するセリュー。その足下にいたコロもセリューに続き敬礼。

 

アル「今日もお勤めご苦労様ですセリューさん。」

 

セリュー「そう言う副隊長は...何処かへ行くんですか?」

 

アル「先程休暇届けを出して、これから屋敷の様子を見てこようと思っているんです。」

 

 

屋敷。帝都から少し離れた森にありアルの主であるネメシスと共に暮らしていた拠点。

『あの日』以降、子供の頃は屋敷を利用していたが警備隊になってからは屯所で泊まり込み生活ばかり続けていたため長い間使用どころか立ち寄る事さえなかった。

 

そろそろ帰って様子を見ないといざネメシスが帰ってきた時にちゃんと管理出来ていないと怒られてしまう。

 

 

セリュー「副隊長の...アルちゃん達が住んでたあの屋敷か...。気を付けて帰ってね?最近あの辺で凶賊が潜んでいるらしいから。」

 

 

屋敷がある森一帯。そこには最近現れた謎の武器を所持している賊のアジトがあるとの噂がある。嘘かまことかは分からないが噂が流れる程度の危険な場所になっているのは確かだ。

 

アル「忠告ありがとセリューさん。それでは行ってきます。」

 

セリュー「はい!行ってらっしゃい!」

コロ「キュー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

離れの森

 

 

森に着いてもアルは終始警戒を止めなかった。最近現れるようになった賊。謎の武器を所持しているこの賊が潜んでいる可能性がある場所で警戒を解く事は死を意味するも同然。

 

だから常に警戒態勢な訳だが...今のところその賊とは遭遇していない。この辺りにはいないのかそれとも?とにかくアルは屋敷に着くまで警戒を解く事は無かった。

 

 

そして森に入ってから間もなく、屋敷が見えた。屋敷を見てアルは不意に涙を流した。懐かしい。かつて主と過ごした場所。主が不在な今でもその屋敷はずっと主の帰りを待っていたかのようにひっそりと建ち続けていた。

 

 

アルにとっても屋敷は数年振り。懐かしい我が家を前にしてその瞳から涙がポロリポロリと落ち続けた。

 

 

アル「...ただいま。」

 

懐かしの我が家にそう言う。すると背後から人の気配がした。それに気づいた時には既に遅し。何か鈍器のようなもので後頭部を強く叩きつけられアルはその場に倒れ伏し、意識を失ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アル「う、うう...。」

 

まだ頭がクラクラするがアルはゆっくりと目を覚ます。果たしてどれほどの時間が過ぎたのか....体から何か妙な感じがする。

辺りを見回し自分の姿を確認すると妙な感じの正体に気づいた。

 

自分が張り付けにされている。妙な感じはきつく縛られた感じだった。

 

 

何故縛られている?ここは一体?と思ったがよく確認してみるとこの周りの空間に見覚えがある。まさかとは思ったが間違いない。ここはアルやネメシスの住んでいたあの屋敷の中。

 

何故屋敷の中に縛り付けられているのか。アルは自分が考えうる可能性を見出し予想する。そしてその予想は当たることとなる。

 

 

 

「よぉお嬢ちゃん。調子はどうだい??」

 

目の前から数人の世紀末な男らを引き付けた顔や体が傷だらけの大男が現れた。

その男達の右腕には剣が腕と同化したような見たことも無い形状をした武器を身につけていた。

 

恐らくコイツらが噂にあった謎の武器を所持する賊なのだろう。

 

 

「いやぁお嬢ちゃんみたいな上玉が捕まえれてオレ達は運がいいよ。お嬢ちゃんは何の用でここに来たのかな?」

 

 

アル「私は家に帰ってきただけ。ここは私の家。ここから出ていって。」

 

「ははははは!おいおい、どこの立場でもの言ってるんだぁい?」

 

 

大男は身動きができないアルの顔を鷲掴み強く握り始める。

 

アル「あが....!」

 

「残念ながらここらオレ達のアジトになってんだよ...。そんなに返して欲しけりゃオレ達の専用の便所になる事だなぁ!あっははははは!!!」

 

 

 

下衆が。こんなクズ共が私と主が過ごしたこの屋敷を汚していたと思うと反吐がでる。コイツらはこの場で殺す。一人残らず無残に、グチャグチャにして殺してやる。

 

 

 

アルの殺意篭った紅い瞳が男達を睨み、自らを縛っている拘束を無理矢理外し賊を皆殺しにしようとした。

 

 

 

 

ドゴォォォォォォン!!!

 

しかしその時、外から轟音が鳴り響いた。

 

 

 

アル「...え?」

「ちぃ、なんだぁ!?」

 

 

「か、頭ぁ!!!」

 

 

外からボロボロになった男が一人、逃げるように大男の元にやって来た。

 

「何事だ、一体何が起きた!」

 

「し、襲撃者です!黒い不気味な男が突然襲ってきて..」

 

 

ドォオオオオオン!!!!

直後、玄関の扉が爆発し外から黒く禍々しい触手が3本出現した。

 

 

「ひ、ひぃいいいい!き、来たぁぁぁ!」

 

「な、なんだぁ!あのバケモンはぁ!?」

 

 

 

賊が現れた未知の存在に対して腕と一体化した剣のような武器を構え触手に向かっていく。

剣と触手がぶつかる。瞬間剣が折れ...というより喰われ賊達があっという間に斬殺されていく。

 

 

 

「うわぁぁぁ!?」

「なんだコイツはぁぁぁ!?」

 

 

賊達が混乱し正常ではいられなくなり無我夢中で触手に向かっていくも同じこと。あっさりと殺されていき最後に残ったのは大男とはりつけにされたアルだけだった。

 

 

 

「く、くそ...!テメェは何者だ!出てこいぃ!!」

 

 

 

大男が触手の主にそう問いかける。すると意外にもソレは返事した。

 

 

『ククク、まぁいいだろう。』

 

低くて冷たい声。聞くだけで背筋が凍るその声は大男にとっては不気味なものでアルにとってはとても懐かく聞こえた。

 

 

アル(この声...、ま、まさか...!)

 

 

 

煙の中から声の主が現れる。闇のごとき黒衣。光に当たり輝く白髪。褐色肌で右手には三方に別れた触手状の武器の持ち手が握られていた。

 

 

 

アル「ぁ....」

 

 

やっぱりだ。あの人だ。アルはその男の姿を見て涙が止まらなかった。屋敷を見た時以上に流し出す。

 

 

 

「き、キサマは一体...?!」

 

 

「私はこの屋敷の真の主。」

 

 

10数年前突然旅立ち私の目の前から消えた恩人。

会いたかった。ずっと会いたかった。いつの日か帰ってくるのをずっと待っていた。

 

 

ネメシス「名を暗黒エネルギー ネメシス。覚えておくがいい、人間よ。」

 

 

我が主、ネメシスよ。やっと会えました。

 

 

ネメシス「...屋敷を取り戻すついでに後ろの娘も返してもらうぞ。私の従者だからな。」

 

 

 

覚えててくれていたのは嬉しいけど...『ついで』って何ですか主...。

 




ついにネメシスとアル再会!

ネメシスちゃっかりアルちゃんをついで扱いしてるけどネメシスだから仕方ないね!
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