とんでもない数だ...。未だに信じられん....!
と、いうわけでこれからも楽しんで見ていってください!
ブラートという名の鎧男と戦い始め数分程が経過した。柄にもないが...私はブラートとの戦いを楽しんでいた。
あのアカメという少女も相当の実力者であったがアカメはブラートのような真正面から戦うスタイルではなかった。それに対してブラートは次元戦士達に非常に似た性格と戦い方で懐かしく感じてくる。
というものの、この世界において私とまともに戦えたのが超級危険種のみだったため、アカメやブラートのような人間の強者と戦えるのが嬉しくて仕方ないだけなのだが....。
ブラート「何か考えてる暇なんかないぞ!」
ブォッ
おっと危ない。私が考え事をしているほんの僅かな隙をついてくるとは。彼は相当修羅場をくぐった戦士のようだな。こういう真っ直ぐな戦士は....闇の王を思い出させてくれる。
戦いも白熱し始めた時、何かを感じ取った。
オーラとも波動とも思われるその力は今いる場所から近い所から感じる。ただの力ならとりあえず放置しておいたがこの感じられる力は別。微量なものだが...このエネルギーは私をこの世界に送り込んだあの絶対存在、『帝王』のものと非常に酷似していた。
まさか帝王本人が?いやそれはありえない。だとしたらこの力は一体?
帝王の力、倉庫.....。
ネメシス「まさか....いや、そんなバカな....。」
ブラート「隙だらけだぞ、ネメシス!」
ネメシス「だまれ!!」
グォッ
もはやブラートは眼中にないとでも言うかのように暗黒の腕を巨大な大縄のような鞭に変え、その大鞭を向かってくるブラートの腹部をクリーンヒットさせる。
ブラート「ごはぁ!?」
分厚い鎧を着込んでいるはずなのにネメシスに与えられたその衝撃は鎧を通り中の本体まで響き、ブラートは後方まで吹っ飛ばされていった。
ネメシス(この力の正体....確認せねば!!)
さっきまでの戦いの楽しみも一瞬で忘れ、ネメシスは倉庫の元へ直行していった。
まるで飛ぶように走り、そう時間もかからず倉庫の所まで辿り着いたネメシス。しかしその場所の光景は穏やかなものではなかった。
ネメシス「どういう状況だ、これ。」
いざ着いてみると、先程戦ったアカメとタツミが相見えていた。
タツミ、生きていたんだなぁ。と最初に思ったがその後で一体どうしてこうなったと思った。
...よく見るとタツミの後ろにはアリアがいた。なるほど。タツミはあのアカメによって殺されそうになったアリアを庇おうとしているのだな。
健気なものだ。あの娘の正体を知らず。
まぁそれを抜きにしても2人がこのまま戦ってもタツミに勝ち目はないだろう。タツミ、哀れ。
ふと、タツミの目と私の目が合ってしまった。まずい。
タツミ「あ....、ネメシスさん!」
あぁやっぱり。タツミの性格からして私を見かけた瞬間に呼びかけることは目が合った瞬間に察していた。
アリアはともかくアカメがこちらに向きを変え殺気を向けてくる。さっきは気づかなかったがアカメの仲間であろう黄色い獣女もこちらに対して警戒し始める。
アカメ「お前....、ブラートはどうした!?」
ネメシス「アイツなら強く吹っ飛ばしてしまった。まぁ生きてはいるだろう。多分。」
雑な答えだが仕方ないだろう。確認してないんだもの。
「ブラートを倒すなんて....アンタ一体何者だ?」
獣女がこちらに質問してくる。まぁあちらからしたらそう思うだろうがそれはこちらの質問でもある。
だが今はコイツらに構ってる暇はない。と言うことで獣女の質問は無視した。
「オイこらぁ!!」
タツミ「ネメシスさん、勝手に出ていったりしてどこに行ってたんだよ!?い、いやそんなことよりお願いだ!おれの代わりにアリアさんを逃がしてくれ!」
ネメシス「...それでお前はどうするんだ?」
タツミ「アイツら....ナイトレイドを食い止める!おれなんかじゃ相手にならないだろうけど....。
それでも、おれに親切にしてくれたアリアさんを殺させやしねえ!」
大した信念だ。やはりコイツは次元戦士の資格があるかもしれない。ただ一つ欠点があるとすれば...人を見る目だな。
ネメシス「『親切にしてくれたアリアさん』ねぇ...。
タツミ、お前は少し勘違いしているぞ?」
タツミ「え?ネメシスさん、何言って...。」
「...いや、そこの男の言う通りだよ少年。」
先程無視した獣女がタツミに語りかける。
タツミ「....あ!?アンタはあの時のおっぱい!?」
「そうだよ、美人のお姉さんだ。」
どうやらタツミと獣女は顔見知りらしい。そういえば女に金をだまり取られたとか言っていたが....。
獣女....レオーネは倉庫の扉に向かい歩いていく。
レオーネ「少年はソイツを親切な人やら罪のない女の子と言っていたが...。」
レオーネは扉の前に立つとその瞬間に扉を蹴破る。
ネメシス(あの細身でなんという怪力。やはり獣人か?)
レオーネ「これを見てもまだそんなことが言えるのか?」
レオーネが蹴破った扉の先...そこには数時間前ネメシスが来た時と全く同じのあの地獄絵図が広がっていた。
タツミ「な、なんだよ....コレ...!?」
やはり驚きを隠せないようだな。私と違ってタツミはこういうのとは、縁がない人間だったため初見でこれは信じられんだろう。
ちなみに先程からアカメの視線が凄い。さっき戦ったこともあるしこの光景を見て顔色一つ変えないから余計警戒を強めてしまった。
仕方ないじゃないか。私はこのような光景は飽きる程見てきた上2度目なんだから。
レオーネ「地方から来た身元不明の者達を甘い言葉誘い込み、己の趣味である拷問にかけて死ぬまで弄ぶ...。
これがこの家の人間の本性だ。」
タツミ「そ、そんな....。
......ぁ..。」
タツミの瞳に全裸で吊るされた少女の死体が映る。その少女はタツミと同郷の友で共に旅立った仲間の1人であるサヨその人だ。
タツミ「サヨ...?」
タツミが弱々しい声で呼びかけるも返事はない。当然だ。全身生々しい傷跡が残り片足も千切れている。とても生きているとは思えない状態。いや実際既に死んでいるんだが。
タツミ「おいサヨ....、サヨ...!」
レオーネ「知り合いがいたのか...」
倉庫に響くタツミの悲愴の呼び掛け...。その隙にアリアがコソーッと逃げようとするもネメシスがアリアの腕を掴み止める。
アリア「ちょ、何するの!?」
ネメシス「往生際が悪いよアリアお嬢様?いい加減観念したらどうだ。」
アリア「ーーーーッ!!!
た、タツミ!ウソよ、私はこんな場所があるなんて知らなかったわ!
タツミはあなたを助けた私とコイツら、どっちを信じるの!?」
ここまでくると流石に呆れる。悪ならここで観念し、反撃なりするがこの娘はどうやら悪というよりクズのようだ。
そんなアリアに呼びかけられるもタツミは沈黙。すると、近くから第3者の声が響く。
「タツミ....?タツミだろ?...オレだ!」
タツミ「い....イエヤス!?」
第3者はあのイエヤスだった。あの状態から数時間持つとは....大した気力だ。どことなく元気そうだ。まだオリの中だが。
タツミ「お前まで...な、なんで....。」
イエヤス「おれとサヨはその女に声をかけられて、メシを食ったら意識が遠くなって気がついたらここにいたんだ...!」
タツミ「!?」
イエヤス「その女がサヨを....サヨをいじめ殺しやがった!!!」
タツミ「...」
アリア「...何が悪いって言うのよ!!」
被害者本人からのカミングアウトを受けたことでとうとう観念したのか、アリアは腕を強く振るい私の手を外しついにその本性をさらけ出す。
アリア「お前達は何の役にも立てない地方の田舎民でしょ!?家畜と同じ!それをどう扱おうがアタシの勝手じゃない!!」
ネメシス「...。」
アリア「だいたいその女家畜のクセに髪サラサラしてて生意気なのよ!私がクセ毛で悩んでいるのに!!だから念入りにせめて上げたのよ!?むしろこんなに目をかけて上げたんだから感謝すべきだわ!!!」
さっきまでの可愛らしい少女はどこへやら。まさかここまで汚いとは。娘がこんなんなら両親は一体どれほどのものだったのか。
レオーネ「善人の顔を被ったサド一家か。邪魔して悪かったなアカメ。」
アカメ「...葬る。」
アカメがあの日本刀を構える。アリアを斬り殺すつもりなのだな。
レオーネ「少年とアンタも...とりあえずそれでいいな?」
ネメシス「私は一向に構わない。」
タツミ「待て」
私はアリアを殺すことに同意したがタツミだけがそれを静止した。
ネメシス(タツミ?....まさか。)
レオーネ「まさか、まだかばうつもりなのか?」
タツミ「いや、」
タツミがアリアの前に立ち、背中に背負っていた長剣の持ち手を強く握りしめる。そして鞘から剣を引き抜きーーーー
タツミ「俺が斬る」
間もなく、タツミはアリアの体をその剣で両断する。何のためらいもなく。
レオーネ(憎い相手とはいえ..躊躇わず切り殺したか。)
憎きアリアを斬り殺した一部始終を見ていたイエヤスの表情は喜びそのものであった。
イエヤス「へへ、さすがはタツミ。スカッとしたぜ!」
タツミ「イエヤス、お前....大丈夫なのか?」
イエヤス「ああ。こうして座るだけの元気は残ってるさ。」
元気そうなイエヤス。その姿を見てアカメとレオーネ、そして私すらもありえないといった表情を上げていた。
イエヤスは確か何かしらの病気が全身に回りいつ死んでもおかしくない程衰弱していた。それから数時間後、もう死んでいるか奇跡的に生きている状態でいるはずがピンピンしている。
いくら気力が凄まじくともいくらなんでも元気すぎる。....そういえばイエヤスから何かしら強い力を感じる。
まさか!!??
私はイエヤスの近くに走り寄りイエヤスの体の状態、そして気を探る。
イエヤス「あ、アンタは確かネメシス...戻ってきたのか?」
ネメシス「不本意だがな。...それよりこれは....どういうことだ?」
イエヤスの体を確かめてみると体のいたる所にあったあの毒々しい斑点が大幅に消えていたのだ。しかもまだ存在している斑点の色も薄くなっている。
何故?普通はどんどん酷くなって死に絶えるはず。何故治っていっているんだ?
そして何故....『帝王の気』がイエヤスから感じられる!?
続く
少し長くなりましたが、イエヤスの容態が快調に進んでいる!つまり生存確定。
何故治っているかその理由はまた次回。