アカメ「レオーネ、これは一体どうなってる?」
レオーネ「さぁ...。私は医者じゃないからさっぱりわからない。」
アリア邸の離れの倉庫の中に閉じ込められていた少年 イエヤス。この屋敷の夫人はイエヤスを薬づけにして、その日記を書いて楽しむ趣味を持っていた。その日記の内容とイエヤスの容態から予想すると彼はルボラ病の末期、つまり死の病に侵されていたはずなのだ。
だが今彼の容態はどうだろう。まだ斑点こそ残ってはいるが色も薄れており、容態が回復していっている。
一体何があったのか。何もかも知るよしもないアカメ、レオーネ、そしてタツミはただただイエヤス、そして彼に寄り添って診ているネメシスの2人を見ることしかなかった。
ネメシス「......」
イエヤス「あ、あのさ...。心配してくれるのはわかるんだけどさっきからジロジロ見すぎじゃないか?」
ネメシス「...ああ、すまない。だが『もうわかった』。」
イエヤス「え?」
タツミ「ネメシスさん、一体何がわかったんだ?」
まるで状況をわかっていないタツミ...いや、私を除く全員か。その全員の代弁者としてタツミが私に語りかけてくる。
普段ならここで私は『真実』を包み隠さず話しただろう。だが生憎と私には時間がない。すぐに帰ろう。
私をオリを手刀で切断し中からイエヤスを出し、彼を背負い飛び立つ準備をする。
イエヤス「ちょ...?!」
タツミ「ね、ネメシスさん?イエヤスをどうする気なんだ....?」
ネメシス「悪いなタツミ。色々事情があってコイツは私が引き取る。またいずれ会おう。」
レオーネ「...!ちょっと待てぇ!」
アカメ「逃がさない!」
彼女ら視点から見れば怪しすぎる私を逃がさまいと私を止めに走り向かってくる2人の女。
ネメシス「悪いがいい加減お前達の相手はしていられんのだよ。さらばだ。」
ネメシスが地面を強く踏み付けるとその瞬間上へ飛び立ち、そのまま空の向こうに飛び去っていった。
これには3人ともビックリ。開いた口が閉じなかった。
タツミ「と、とんだ...!?」
アカメ「一体何者だ?」
レオーネ「嘘だろオイ...。」
多くの謎を残したまま、謎の男 ネメシスはタツミと彼女ら『ナイトレイド』の前から飛び去っていった。
ちなみにこの後タツミがナイトレイドにお持ち帰りされたのは言うまでもない。
ネメシスの拠点
壊した壁を修復し、一息ついていたアルはいきなり飛んでいった主 ネメシスの帰りを待ち続けていた。
アル「すぐに帰るって言ってた割には遅いなぁ主。
私に土産があるって言ってたけど何なのかなぁ?少し楽しみだな。」
人から何かを貰った経験がないアルはネメシスからの土産が嬉しくて嬉しくて仕方なく、早く帰ってこないものかと待ちわびていた。
直後、天井をぶち破りながらネメシスが誰かを背負いながら降り立った。
アル「....!?!?」
ネメシス「ただいま。」
アル「ただいま...ッじゃないです主!こんな遅くに出ていって...。帰りも遅いし、背中のその気絶してる彼も誰ですか!?」
ネメシス「あ、いきなり空飛んだから気を失ったのか?まぁ細かいことは気にするな。」
アル「いや細かくないですよ?気にしますよ!」
ネメシス「すまないすまない。とにかく彼をベッドで寝かせてやってくれ。容態は良くなっているがまだ快調とは言いにくいんでね。」
アル「よく見たら斑点がいっぱい...。わかりました。ついでに応急処置もしておきます。」
ネメシス「お願いする。」
ネメシスの部屋
...その後もアルに叱られた。この私が人間の小娘に叱咤されるとは...。
それはともかくイエヤスの容態は良好。明日には斑点は消えるだろう。今は体を安静にして眠っている。
さてここでイエヤスの容態が良くなったのか、その答えを言おう。
私は最初、イエヤスと別れる直前にあるものを渡した。そう、「リポ〇タンD」だ。これは帝王がいつ入れたのか私の黒衣の懐に入れたモノで、私には使い道がなかったためイエヤスにあげたものだった。
....これが始まりだった。あの時の私は思ってもいなかっただろう。いや、今でも信じられない。まさかリポ〇タンDでイエヤスが一命を取り留めたなんて...!
思いもしなかった。
あのリポ〇タンDは元々は帝王が買ってきたもの。つまり帝王がその手で持っていたということ。
帝王が小瓶を手にした。それだけでリポ〇タンDに微量ながらも帝王の加護が宿ったのだ。
帝王の加護が宿ったリポ〇タンDを飲んだことによりイエヤスの体を蝕んでいた病は全てが死滅。そしてイエヤスが眠った後で調べたことだが肌、というよりイエヤスの身体機能が常人のそれを上回っていた。
帝王のものにしてはかわいい加護だが何とも恐ろしい。握った程度で付着した微量な力でここまでの力とは。
私が感じ取った「帝王の気」がイエヤスから感じられるのは帝王の加護がイエヤスの身に宿ったからだ。あまりに微量だったためそれ以上の力は宿ってはいないようだが。
...長々しくよくわからない事を述べたがつまり何が言いたいかと言うと。
リポ〇タンDでイエヤスが救われた。
ネメシス「何ともバカバカしい理由だ。
だがいい収穫だった。」
帝王の加護が宿った少年 イエヤス。これ程面白い人材は他にいない。何よりほんの一端にも満たないが帝王の力を研究できる唯一のチャンス。これを手放す理由にはいかない。
後日改めてイエヤスはこの私の従者となって働いてもらおう。
ネメシス「面白くなってきたぞ....。フフフ。」
なにやら悪者っぽく不敵に笑う。(まぁ悪者だったんだが。)
トントン
アル「失礼します主。」
と、アルが私の部屋に現れた。一体何のようだ?もう充分怒られたはずだが?
ネメシス「今度は何の用だアル。」
アル「あの、確か主は私へのお土産を取りに出ていったんですよね?結局そのお土産貰っていないのですが...。」
ネメシス「..................
......あ。」
しまった。忘れていた。アカメとブラートとのたたかやイエヤスの事やらでつい忘れてしまった。私がアリア邸を再び訪れた本来の目的を。
ネメシス「....今頃取りに向かっても、もう腐っているだろうな。すまないアル。」
アル「いや、大丈夫ですよ。それより腐るって....もしかしてナマノモだったんですか?」
ネメシス「あぁ。ある地域で信仰されていた危険種のーーーー
ーーーー目玉。」
アル「め、目玉!!??」
ネメシス「あぁ。その危険種自体が相当珍しい種類でなぁ。その中でも希少種の目玉が宝石のようにとても綺麗で、それを食べるとあらゆるステータスがアップするというスグレモノでな。ぜひ我が従者であるアルに食べさせたかったのだ。」
アル(気持ちは嬉しいけど....うん....。置き忘れてて助かった。)
その日ネメシスとアルは壊した天井を直してから眠りについた。
続く
イエヤス君は帝王の加護を手にいれた!
...という訳でイエヤスは生存しネメシスの従者になりました。