今回はナイトレイド側のお話でネメシスの出番は少しだけです。
帝都から北に十km離れた山の中。その地点に帝都を揺るがす暗殺者集団 ナイトレイドのアジトがある。
暗殺者集団といっても彼らは反帝国勢力である革命軍の裏部隊でら暗殺のターゲットにしているのはアリア達のような吐き気を催す悪人達。
つまり必殺仕事人である。
昨晩アリア邸での騒動でナイトレイドはタツミを拉致、彼を組織に勧誘する。タツミはこれを承諾しナイトレイドの仲間入りを果たす。
本来なら報告会はこれで終わりだが彼らはもう一つの話題を上げる。
右目を眼帯で隠し右腕が大きな機械の義手になっているイケメンな女性、ナイトレイドのボスであり元将軍のナジェンダが最初に口を開く。
ナジェンダ「さて最後に、先の作戦中乱入してきた....『ネメシス』という男について報告してもらおう。」
突然周りの空気が重くなる。
正体不明の乱入者 ネメシス。任務中に突然と現れた彼は目的不明のまま帝具らしき武器を振るいアカメ、ブラートと戦闘し2人と互角以上...いや圧倒した。
帝都最強の暗殺者 アカメ
百人斬りと呼ばれた帝都屈指の武人 ブラート
この2人はナイトレイドの中でも戦闘に於いては最高クラスであった。その2人すらほとんど苦戦することなく相手にしたネメシスは彼らにとって、嫌でも恐ろしい存在となる。
マイン「アカメとブラートが圧倒されるなんてちょっと強すぎない?何者なのよソイツは」
ピンク色の髪でツインテールの髪型をしたツンツン娘 マイン。
ラバック「おれの糸の結界にも反応は無かったし、どうやって近づいたんだ?とにかくおれはばったり会わなくて助かったぜ」
緑色の髪でネメシスと遭遇しなかった事に安堵する少年 ラバック。
シェーレ「大臣が雇った暗殺者か何かなのでは?」
薄紫色の長髪でおっとりとした顔をしたメガネをかけた少女 シェーレ。
レオーネ「いやそれだったらもっと本気で殺しにかかってきただろうよ。私は間近で見たけど殺意どころか敵意すらなかったよ。」
黄色の髪で昨晩ケモ耳を生やしていた女性 レオーネ。
ブラート「おれはアイツと戦ったがアイツは意外と燃えるハートの持ち主だった。とてもじゃないが大臣の手下じゃなさそうだ。」
そしてネメシスと戦った鎧男....リーゼント頭をした巨体の男 ブラートが自分が感じたネメシスを述べた。
そして一番最初にネメシスと遭遇し、先にしかけたアカメはというと、ネメシスが持っていた不気味な武器について考えていた。
アカメ(あの武器....武器の形状を変化させる帝具と思えるが....とても帝具とは思えない。あれはもっと根源的で恐ろしい何か....)
ほんの少しの擦り傷でも呪毒で相手を死に至らす妖刀のごとき日本刀型の帝具 村雨を手にするアカメですらそう評価するおぞましい武器。そして彼女はそのおぞましい武器すら超える恐ろしい何かを抱えるネメシスに少しながら恐怖を抱いていた。
アカメ(奴はあの倉庫の光景を見ても、まるで普通の景色を見ているかのように平然としていた。おそらくあの光景を見慣れているのだろう。あの男は、一体....。)
ナイトレイドの中でただ1人だけネメシスを真の意味でおそれるアカメ。
そんな彼女を余所にタツミが口を開いた。
タツミ「あの....皆ネメシスを敵視しているのかもしれないけど....あの人は良い人ですよ!おれはあの人に助けられたんだし!」
ナジェンダ「ほう?タツミはそのネメシスとやらについて何か知っているそうだな。是非聞かせてもらいたいな
。」
タツミ「ハイ。といってもおれもネメシスについてはあまり詳しく知ってないけど....。まず最初に出会った時...」
タツミはネメシスについて自分が知っている限りの事を話した。
土竜に襲われた時助けられた事。
途中まで共に帝都までやってきた事。
兵舎までの道のりを教えてくれた事。
そしてほんの少しだがネメシスから聞いた彼の過去の話。
ナジェンダ「....つまりネメシスは11年前に帝都を旅立ち帰ってきたと?」
タツミ「はい。確かにそう聞きました。」
レオーネ「11年も前から帝都にいたのか....。」
シェーレ「でもなんで11年経って今帰ってきたんでしょう?」
マイン「そもそも旅をすることにした理由も不明ね。そこんところは聞いていてないの?」
タツミ「いや、聞いてみたんだけどスルーされて....」
ナジェンダ「フム....とにかく11年前の資料を探ってみよう。何か掴めるかもしれん。
タツミが言う通り、敵ではないかもしれんが味方とも思えん。とにかく警戒しておこう。」
一旦ネメシスについて話題は終えだ所でラバックの帝具 クローステールの糸が反応し始める。
ラバック「侵入者だ、ナジェンダさん!おれの結界の反応からすると、恐らく8人!」
ナジェンダ「ここまで嗅ぎつけてくるとは.....おそらく異民族の傭兵だろう。
....仕方ない。」
ーーーーー全員生かして帰すな。
ナジェンダが鋭い視線で冷たく命令を下す。
するとナイトレイドのメンバーの表情、雰囲気が急に変わる。
その雰囲気の変わり様はタツミの背筋が凍る程だ。
そしてその直後にタツミとナジェンダを除く全員が一斉に外へ走り去っていく。
あまりに早く物事が過ぎていくのでタツミは棒立ちしたままだった。
自分はどうすればいいのか..そう戸惑っているタツミの頭を後ろから叩きナジェンダは命令を下す。
ナジェンダ「何をボヤボヤしている。
初陣だ。始末してこい!」
かくしてタツミの初陣、初めての人殺しが始まる。
Drスタイリッシュの研究所。
普段客など来ない所であるが今日は珍しく、久しぶりの客が訪れていた。
ネメシス「久しぶりだなスタイリッシュ。」
スタイリッシュ「久しぶりねネメシス。んもぅ、あれから連絡一つもよこさず11年も人を待たせちゃって、イケナイ人♪」
ネメシス「....その性格も相変わらず....だな。」
スタイリッシュの変わらない性格と謎のポーズに苦笑しつつ、コーヒーを飲み干すネメシス。
彼とはそれなりに話が合っていたので遅れてしまったがネメシスは今こうして挨拶にきていた。
ネメシス「さて、11年も経てばさすがに研究内容も以前より向上しているようだな。」
スタイリッシュ「当然よぉ!しかもあなたが旅立って数年後私はこの 神ノ御手 『パーフェクター』を手に入れたのよ。これがもう最高にスタイリッシュな帝具でね。
これのおかげでこれまでではできなかった研究もできるようになったのよ。」
ネメシス「ほう。帝具とは何も戦闘用のものだけでは無いのだな。知らなかったよ。」
スタイリッシュ「....ま、私の目標、帝具を超えるものを造ることはまだまだ至らないけどね。
そういえばネメシスは世界中を旅してたらしいけど、西の王国には行ったの?」
ネメシス「もちろん。この帝都ほどではなかったが錬金術のおかげか発展していた国だった。(まさかそこで弟子を取るハメになるとは思わなかったがな)」
ネメシスがそんな事を思っているそばでスタイリッシュは羨ましそうな表情を上げていた。
スタイリッシュ「羨ましいわぁ....。錬金術の技術を私の研究に加えれば更に発展しそうなんだけど。」
スタイリッシュの研究に錬金術が加わる。(この世界にとってだが)オーバーテクノロジーな品物ができそうだ。
「失礼します!Drはいらっしゃいますか?」
ふと出入口から元気で活発な声を上げる少女が現れた。よく見ると足下に犬らしき何かが立っていた。
スタイリッシュ「あら今日も来たの?いらっしゃい、お茶でも出しましょうか。」
「ありがとうございます!....あれ?他に客人が?」
少女はネメシスを見つけ、ネメシスの方に近づいていく。
ネメシス(......ん?この娘...どこかで?)
「初めまして、私はDrにお世話になった帝都警備隊の、セリュー・ユビキタスといいます!」
ネメシスの前までやってきた少女 セリューはネメシスに挨拶をする。
そこでネメシスは思い出した。
ネメシス「セリュー?お前...リュートの娘のあのセリューか?」
セリュー「えっ?.....もしかして....ネメシス、さん....?」
ネメシスに名前を呼ばれたことで、セリューもまた彼が父の友人であったネメシスであることに気づいた。
こうしてネメシスとセリューは思いがけぬ場所で思いがけぬ再会を果たすのであった。
続く
あまり話が進まなかった&セリューとの再会でした。
次回の更新もまた遅れそうです。それではまた。