ちなみに最近やっとルビのやり方を知りました。
「ガァアアアアア!!!」
影より現れた怪物、殺鬼が自身の剣のような、鎌のような二つの形状をした腕を倍以上に伸ばし、タツミに突き刺していく。
しかし突然のことではあったものの攻撃そのものは単調であったためタツミは自分の得物である長剣で殺鬼の攻撃を防いだ。
タツミ「危なッ!なんなんだコイツは...?」
突然背後から現れ異民族の男の体を両断して殺した謎の黒い怪物。頭に生えた4本の触覚のようなものに5つの鋭い目。まず人間ではない。
だが、人型の危険種というのも聞いたことがなかった。
タツミ「....考えるのは後にしよう。このまま何もしなかったら殺される...!」
先程から感じられる敵意、殺意...。常人の放つものとは比べ物にならない程おぞましい。そして怪物は今にも再び襲いかかってきそうだ。
応戦しなければ死ぬ。異民族の男のように。
タツミは剣を構える。それとほぼ同時に怪物、殺鬼が目にも止まらぬ速さでジグザグとこちらに向かってくる。
タツミ(速すぎる....!動きが読めない!?)
目で追っていくだけでも精一杯の速度であっちこっち動きながら来るので対応に困ってしまう。気づけば既に殺鬼の剣はタツミの胸もとまで迫っていた。
「カカァ!」
タツミ「ーーーッ!!」
ガキィン
何とかギリギリ剣で防いだ。これは体が自然に動いた結果だろう。
しかし相手は敵を殺すためだけに行動する正真正銘のバケモノ。タツミが剣で防いだ直後、足で蹴り飛ばす。
タツミ「ガハァッ!?」
防御をしたまま吹き飛ばされたはずだが思っていた以上に殺鬼に馬力があったようでタツミは吐血し数十m程後ろに吹き飛ばされる。
何とか生きてはいるがどうにも身動きが取れない。多分アバラが折れているのだろう。
「カカカ。カカカカカカ!」
殺鬼の表情は喜んでいた。その笑みは不気味に思えるほどでタツミの背筋に気持ち悪く冷い汗が流れた。
そして殺鬼はその笑い声を上げながら身動きができないタツミのもとへ近づいていく。腕の剣同士をこすりつけながら。
トドメを刺すつもりだ。
もはやこれまで。タツミに抗える策は何一つなかった。
タツミ(クソ....このまま何も成せないまま、訳も分からず死んじまうのかよ....。
どうせこのまま惨めに死ぬなら.....無駄な抵抗ぐらいして死んでやる!!)
死を覚悟したタツミは剣を握りしめ剣先を向かってくる殺鬼へ向ける。
タツミの覚悟の行動を見て殺鬼はほくそ笑む。殺鬼に人間と同等程度の知性があるかは不明だが、タツミの覚悟をバカにする程度の知性はあるようだ。
無駄なことを....。言葉を話せたらそう言っていただろう。殺鬼は自らの剣をタツミの顔へ突き刺していく。
キィン
「!?」
突如現れた乱入者の手によって殺鬼の攻撃は止められた。その乱入者は髪も服装も漆黒で瞳は赤色の少女に手にした日本刀のような得物で殺鬼の剣を止めたのだ。
タツミ「あ、アカメ..!」
アカメ「...無事か。」
少女、アカメは今日仲間入りしたタツミの無事を少し安堵する。
一方の殺鬼はいきなり現れた奴に自分の行動を邪魔されたので非常にイラついており自分を邪魔したアカメも殺害ターゲットにした。
殺鬼は防がれた腕の剣とは違うもう一方の腕の剣をふるいそれをアカメに突き刺そうとする。
「おらぁあああ!!」
ドォッ
「ガッッ!!!?」
ドゴォォォン
またも邪魔をされ殺鬼は草影から現れたもう一人の乱入者の拳の一撃をモロにくらい、自分がタツミを吹き飛ばしたように今度は自分が数十m程後方に吹き飛ばされた木に強くぶつかった。
タツミ「アニキ...!!!」
ブラート「無事みたいだなタツミ!遅くなっているすまなかったな!」
もう一人の乱入者。鎧を身につけた大男、ブラートが駆けつけてくれた。
アカメにブラート。暗殺集団ナイトレイドのメンバー内で戦闘においては右に出るものはいない実力者達がタツミの前に立ち、代わりに殺鬼と相対する。
タツミ「アニキぃ...すまねぇ。おれ結局1人も殺せなかった....!」
ブラート「何言ってんだタツミ。確かに1人も殺せなかったかもしれないがお前は1人であんな怪物と戦って無事だったんだろう?それだけでも大したもんだ!」
アカメ「アイツは私とブラートが相手する。
準備はいいかブラート。」
ブラート「もちろんだ。ところでアカメ、気づいたか?あの怪物....」
アカメ「ああ。奴は正体不明の存在だがかなり強い。そしてなにより
『ネメシス』と似た感じがする。」
アカメは以前相対した謎の怪人物、ネメシスと目の前の怪物を見て、そう感じてしまった。同じくネメシスと戦闘したブラートもそう感じているのだろう。
果たしてコイツは何者なのだろう?しかし奴の正体を詮索するのは後回し。奴はもう起き上がってきて、今にもこちらに襲いかかってきそうだ。
ブラートは巨大な槍 ノインテーターを手に取りアカメは帝具 村雨を構えあの言葉を唱える。
アカメ「葬る」
2人は同時にかけだし、殺鬼もまた真っ直ぐ走ってくる。
間もなく両方はぶつかり、アカメ、ブラートと殺鬼は目にも止まらぬ早さで各々の得物による連撃を繰り出す。
2対1で一見殺鬼の方が不利に見えるが殺鬼は2度も行動の邪魔をされ怒りが限界点まで突入している。そのためか攻撃の速度も力もさっきまでの倍以上となりアカメとブラートとも互角以上に渡り合えている。
しかし今は互角でもアカメとブラートはいずれスタミナが尽き果ててしまうだろう。一方の殺鬼は生物兵器。スタミナ切れはまずない。
長期戦は危険だ。
まるで機械のように正確で疲れの様子がない殺鬼を見てアカメはそれを自然と察知する。
アカメ「(戦いを長引かせたら危ないかもしれない。ここは一気に叩く!)ブラート。一瞬でもいい、奴の動きを止めてくれ。」
ブラート「わかった!!」
ブラートは一旦後ろへ引き下がり大槍、ノインテーターを大きく振りかぶり投降、勢いよく投げされたノインテーターは殺鬼の右肩に突き刺さり、そこを中心に殺鬼の体がごっそりえぐられた。
「ギガァアアア!!?」
自分の体の半分がえぐり取られ動揺、そしてその痛みにより殺鬼の動きが止まる。
その大きな隙を暗殺者が見逃すはずがない。
アカメ「....葬る!」
ザンッ
アカメは村雨で殺鬼の体を斬る。両断はできなかったが斬り傷ができただけで充分。帝具 村雨の刃に少しでも傷つけられたらその傷口から『呪毒』が流れ込みそれが心臓に到達、そして相手を死に至らしめるのだ。まさに文字通り『一斬必殺』。
村雨に斬られた殺鬼も例に漏れず呪毒が流れ込み死ぬはずだ。
ブラート「アカメ!避けろ!!」
アカメ「!?」
突然ブラートが大きな声を上げてくる。いったいどうしたのだ...と一瞬考えたが直後に背後から殺気を感じその場から一瞬で離れる。
「ガァ!!!!!」
ドッゴォォォォン
さっきまでアカメがいた地点に殺鬼の腕の剣が振り落とされ地面が大きく裂けられ砕かれる。
......どういうことだ?奴は斬った。村雨に斬られた擦り傷だろうか呪毒が流れ込み、死は避けられないはず。
何故この怪物は生きているんだ!?
「ガァアアアアアアアア!!!!」
何故か生存している殺鬼に再び戦闘態勢を取るアカメとブラート。
そんな彼らの様子を少し離れた所から見ていた人物がいた。
「『一斬必殺 村雨』....なかなか面白いものね帝具とやらは。でも残念。『心臓がない』闇の怪物相手に村雨の能力は発動しなかったようね。
さて、今度はどうする?ナイトレイド....この世界の主要人物達。」
ボロボロのマントを着込み顔を隠している謎の人物。口調からして女性だろう。
その謎の女性。彼女の右腕には以前ネメシスの館に入り込んでいた賊達が所持していた腕と一体化している剣のようなあの謎の武器と酷似していた。
続く
村雨の呪毒が通じない殺鬼。
そして暗躍する謎の女性。
一体この世界で何が起きているのか....。次回も更新遅れそうです。