暗黒が行く!   作:廉造

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第7話 暗黒は気になることがある

帝都から少し離れた森。危険度の高い危険種がおらず静かで穏やかな森である。

 

時は動物達も眠る深夜。その森に『次元の歪み』が現れ、空間がガラスのように割れ亀裂ができる。

 

その亀裂の中から異形の影が現れた。

 

『ギ...ギギィィ』

 

異形は現れるや否やすぐに素早く行動し、近辺で一番人間が集まる場所....帝都へと向かっていった。

 

 

 

そのころ、

アカ斬る世界でもかつてネメシスがいた世界でもない、小さな空間....それでいていかなる神も干渉できない特別な空間。

 

この空間に完全消滅したはずのネメシスを復活させた『帝王』がそこにいた。

 

 

帝王『おやおや.....まさか『奴』があの世界に来るなんてねぇ....なんやかんやネメシスにも『主人公補正』みたいなものを持ってるんじゃないだろうか.....。

 

まぁネメシスがどう対応するか....見させてもらおうか。」

 

 

神、悪魔はおろか、概念、因果、理....全てを超越した圧倒的存在『帝王』は娯楽の更なる展開に期待してたのしみにしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『異形の影』が入り込んだ次の日、ネメシスにとっては公園のピクニックから一週間と経った日のお昼前。

 

ネメシスは気になることがあったためアルを連れて朝早くからお邪魔していた。が、

 

 

ネメシス「何故こうなった?」

 

朝早くから来るのはいいもののリュートはすぐに出かける準備をしていた。

 

どうやら帝都である事件が起きていたらしくこんな早くから出勤することになったという。

 

 

それまではいいがリュートに「帰ってくる間に娘の面倒を見ていてほしい」と頼まれ共に留守番することになってしまった。

 

 

ネメシス「どうして私が子供の面倒を....」

 

ネメシスら頭をかかえ、ため息を吐く。

しかしよく考えればリュートの娘 セリューはアルと一緒に遊んでいる。

 

ならばセリューの相手はアルに(勝手に)任せ、ネメシスは自分の用事を済ませることにした。

 

 

 

ネメシスは本棚を探っていた。以前ネメシスがこの世界のことについてリュートに説明された時リュートは帝都や帝具についてのことが記された本を持って説明していた。

 

 

その本に書かれていたあるページか気になり改めて調べに来たのだ。

 

 

ネメシス「えーと....お、あった。」

 

ネメシスは古びた本を手に取る。帝都についての歴史が記されたその本を開くとネメシスは気になったページを探す。

 

 

ネメシス「...見つけた。」

 

ネメシスはそのページを見つける。それは帝都の歴史....というより神話めいたものが記されていた。

 

 

ネメシス「...『神具』、そして『神と悪魔の戦い』か....」

 

 

そのページに記された文によれば

 

 

帝都が生まれる遥か以前の世界、人を守る神々と悪魔達の大きな戦いがあった。戦いは続く度に激化し神々が押され始めた。味方が欲しかった神は守っていた人間達に自らの力が宿った武具を与え味方に加えた。

 

結果神々と人間が勝利し世界に一時の平和が訪れたという。

 

 

 

 

この神から与えられた武具こそが『神具』であり、その名の通り神の力そのものを扱える武具で天地を裂き、次元を歪め、万物を生み出すとも言われている。

 

 

しかし所詮は神話....作り話であろう。だがネメシスは気になった。この『神と悪魔の戦い』、『神具』....とくに本に描かれた『神具のイラスト』に。

 

 

 

ネメシス「これは....まさか....」

 

描かれたイラストの1つ。それがネメシスが知っているものと酷似していた。

 

 

 

それはネメシスの宿敵でもある1人の英雄がある神から与えられた鎧。

 

白銀に輝き、変形して大きな武器にもなる神々しい鎧。

 

星を切り裂き全ての次元を行き来できる力を持つその鎧はまさにこの本に記された『神具』該当するだろう。

 

 

ネメシス「だがそれはありえないだろう....ありえたとしたら『あの神』がこの『神と悪魔の戦い』に参加したことがあるということになる。

 

私が知っている限り『あの神』が参加した大戦といえば『第二次幻想大戦』以外に他無い。」

 

 

『第二次幻想大戦』

 

全ての幻想世界の命運を懸けた大戦でありこの第二次大戦は何億何兆、何京何該年以上前に起きた神々が率いる幻想存在と絶望の魔神率いる全てを貪り喰う悪魔による戦いだ。

 

 

だがこの大戦を知るのは神と概念存在、そしてネメシスのような例外のみであり大戦に直接関係ないこの世界が知るはずない。

 

 

 

 

ネメシス「全ては偶然似ているだけだろうが....後で調べておくか。」

 

セリュー「ネメシスさーん!」

ネメシス「ん?」

 

セリューがアルと一緒にこちらに駆け寄ってくる。ネメシスは嫌そうな顔をする。

 

ネメシス「一体何のようだ?私は私事で忙しいのだが。」

 

セリュー「うそだぁ、本読んでただけでしょ!私達と遊ぼうよ!」

 

ネメシス「断る。子供も遊ぶほど私は優しくない。」

 

セリュー「そんなぁ...」ウルウル

アル「主ぃ...遊ぼうよぉ...」ウルウル

 

ネメシス「.....」

 

 

セリューとアルがつぶらな瞳で問いかけてくる。

 

 

ネメシス「....あぁ、クソ!しょうがない...1回だけだぞ。」

 

アル「主....!」

セリュー「やったぁ!じゃあ私達が正義の味方でネメシスが悪者ね!」

 

ネメシス「えっ」

 

 

セリュー「帝都を壊そうとする悪者め!私達正義の味方が倒すぞ!」

アル「覚悟しろー♪」

 

ネメシス「....フフフ」

 

よりによってヒーローごっこ、しかも本物の巨悪だったこの私に悪役をさせるとは....後悔しても遅いぞ、おちびさん共。

 

 

 

ネメシスは尋常じゃないオーラを纏い、表情も不気味に歪む。

 

 

「「ひぃ!?」」ビクッ

 

 

ネメシス『正義などという脆いものを背負う愚かなる者共....この私に戦いを挑んだことをあの世で後悔するがいい....!!!』

 

ゴオオオオオオオオオ!!!!!

 

 

 

「「きゃあああああ!!」」

 

 

結局セリューとアルが泣いてしまいヒーローごっこは中断した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところ変わりリュートはというと、今現在彼は帝都でパトロールをしていた。

 

昨日の深夜から帝都で殺人事件が起きていたのだ。

昨日から起き始めたのだがその死者はなんと20は超えておりその全てがバラバラに切り刻まれている。

 

とても人間にできるとは思えないが、犯人を野放しにする理由にもいかず帝都警備隊が総動員でパトロールしているのだ。

 

 

「先輩!こっちは問題ありませんでした!」

 

リュート「そうか...くそ、ここまで探しても尻尾も掴めないとはな....」

 

「あの....ホントに人間なんですかね?もしかして危険種だったり....」

 

リュート「いや、それはありえない。ドイルの件のように外とほとんど変わらない郊外はともかくこんな中心に危険種は入ってこられない」

 

 

「そうだ、ありえねぇよ。」

 

リュート「!」

「あ、ああ....!」

 

 

後ろから現れた巨体の男。顔つきからしてまるで鬼のようなその男の名はオーガ。リュートと同じ帝都警備隊の1人で彼の同期である。

 

 

「お、オーガ先輩....」

 

リュート「オーガか。そっちはどうだった?」

 

オーガ「いやこっちもほとんど収穫なしだ。だが1つ妙なことを聞いたな。『人じゃない気配を感じる』ってな。」

 

リュート「人じゃない気配...?」

 

「ま、まさかホントに人外が...?」

 

 

オーガ「バーカ、んな訳ねぇだろ。所詮は老人の戯言だ。気にすんな。」

 

リュート「そうだな。とにかく犯人確保のためにパトロールを続けよう。」

 

 

そうしめリュートらは場所を変えパトロールを続ける。

 

 

 

『....コカカカ....』

 

影から自分達を見つめる異形に気づけぬまま。

 

 

 

続く




ちゃっかりオーガ登場&謎の存在の乱入!

この謎の異形はネメシスと深い関係があります。


ちなみにオリジナル設定の『神具』についても今後のストーリーに関わってくるキーワードですが今のところは関わりません。
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