「最低! 女の敵! 変態! 変質者!」
「ケダモノ! 欲望の権化! 煩悩の化身! 淫乱悪魔!」
裸に剥かれた被害者が加害者に向かって容赦ない罵倒を繰り返し続ける。当の本人はその言葉を受け止め、それでも満足仕切った顔をしているが、この場に居る仲間二人からは、罵倒は無いものの冷たい視線を向けられていた。
そのとき耳に直接リアスの声が入ってくる。それは戦う前に全員に配られた通信機からの音声であった。
安否を確認するリアスに一誠が代表して無事であると伝え、戦況もこちらが有利であることも報告する。
双子とミラの『兵士』は全裸にされ羞恥心からその場を動くことが出来ずにおり、小猫と戦っていたチャイナドレスの『戦車』は腹部を押さえて蹲った状態でこちらを睨みつけているが、あくまでそれが虚勢であることが見て取れる。
一誠の報告に満足したリアスは準備が整ったと告げる。それは一誠たちがこの体育館に向かう前に言われた本当の作戦に移ることへの指示。
満足に行動できないライザー達の眷属を尻目に一誠たちは体育館の出口を目指す。
「逃げる気!――っきゃあ!」
一誠たちの行動の意図が掴めず、驚愕した表情の少女たちにシンは駄目押しの『氷の息』を吹きかける。万が一の可能性で追ってくる危険がある為、相手の行動を未然に防ぐ為の措置であった。
「容赦ねえな」
「そういう性格なんでな」
シンの追い討ちに呆れた顔をする一誠であったが、シン本人はさらりと流す。
三人が体育館から飛び出した時、一瞬の空白の後大気を震わすほどの凄音が鳴り、視界を白一色に染める閃光が放たれ、体育館が光に飲み込まれたかと思った次のときには黒く焼け焦げ、廃墟と化していた。
「撃破〈テイク〉」
一誠たちの作戦の成功を告げる声が頭上から降り注ぐ。そこには黒い翼で宙に浮いている朱乃の姿があった。
リアスから事前に告げられていた作戦、それは重要拠点の奪取と見せかけての敵の撃破であった。体育館は今回のゲームに於いて旧校舎と新校舎を繋ぐ無視できない場所であることは全体図を広げたときから把握をしていた。当然、ライザー側もそのことに気付くことを予測し、その逆手を取ってこの場所諸共撃破するというかなりの強硬策であった。それに必要なのは場所の破壊まで威力を高める時間と相手の足止めである。それの役割を担ったのが一誠たちであった。相手も約半数の人員を割いてきたことで下手に疑うことなくこちらの思惑通りに動いてくれた。
『ライザー・フェニックス様の『兵士』三名、『戦車』一名、リタイヤ』
審判役であるグレイフィアが相手の脱落を告げる。体育館一つ廃墟にする雷をその身に受けて無事でいられることは無理であったらしい。
『雷の巫女』。その異名を遺憾なく発揮した朱乃の姿に、一誠は唖然とした表情で廃墟となった体育館を見ていた。その後、微笑む朱乃に笑みを返していたが、シンから見てその笑顔は若干引き攣ったものとなっていた。
何はともあれ無事作戦が成功し、相手を四体も撃破したことは喜ばしいものであり、一誠は喜びを分かち合おうと小猫の肩を叩こうとする。しかし――
「……なあ、間薙。なんで俺の手を掴むんだ」
「つい、反射的にな」
一誠の手が小猫の肩に降ろされる前に、シンの手がしっかりと一誠の手首を掴む。
「……ありがとうございます、間薙先輩」
「なんでお礼を言うの! 使わないから! 俺は絶対に味方に使わないから!」
小猫の冷たい態度に必死の形相で例の技を使う意思はないことを示すが、小猫の表情は変わらない。やはりというべきか敵であろうと同性を全裸にするという技は、小猫にとって許容できるものではないらしく、そのせいか小猫は一誠から距離をとる。
通信機越しにリアスの声が聞こえてくる。それは作戦成功の労いと現在の状況の確認であった。
それを聞きながらシンはあることに気付く。自分でも場違いな考えであると自覚をしつつ、小猫の方へと足を進める。
相手の『戦車』との戦いで制服が所々裂け下着が見え隠れする小猫、少なくとも年頃の少女がする格好では無い。
無視すればいいことだが、一度気になり出すと口に出して言わなければならないという焦燥感に似たものがシンの中で燻り始め、気付けば行動を起こしていた。
「塔城」
こちらに背を向ける格好となっていた小猫に声を掛ける。
「……はい?」
歩む足を止め、シンの声に反応し振り向いた瞬間――小猫のすぐ背後で紅蓮の火柱と聴覚が一時的に麻痺する程の爆音が起こる。
突然の出来事に一誠は音の方へと振り向いて驚愕し、シンの方もその爆発に僅かの間硬直してしまう。この場で一番早く危機に対して反応したのは、爆発のすぐ側にいた小猫であった。
爆風で前のめりになるも小猫はすぐさま敵の存在が近くにいると推測し、倒れそうになる体を無理矢理立て直して前に走り出し、硬直しているシンの手を掴んで逸早く爆発付近から離れる。
「……間薙先輩!」
「――分かった」
小猫の言葉に含まれた意図を察し、シンは体育館で吐き出したときとは違い、限界まで空気を吸い込むと周囲全てが白一色となる程の広範囲に『氷の息』を吐き出す。
敵への目くらましで放った『氷の息』はシンたちの思惑通りとなり、二度目の爆発は起こらない。小猫も視界が遮られている状態であるが匂いで一誠の位置を把握すると、そこまで全速力で駆け、白い靄の中で忙しなく周囲を見回している一誠を見つけると、空いた方の腕でラリアットでも喰らわすかのように一誠の首に引っ掛ける。カエルが潰れたかのようなグエッという一誠の声が聞こえたが、小猫は構う事無くそのまま引きずっていく。
『イッセーくん、間薙くん、小猫ちゃん聞こえますか』
通信機から朱乃の声が聞こえてくる。
「姫島先輩ですか、今俺たちは攻撃を――」
『分かっています。仕掛けたのは相手の『女王』です――今、目の前に居ますから』
危うく聞き流してしまう程、さりげない口調で敵と相対していることを告げる朱乃に、少しの間言葉を失ってしまう。
「姫島先輩」
『ここからは私の仕事です。皆さんは祐斗くんの下に向かってください。彼女は私がここで足止めします』
その言葉の直後、寒気を感じる程の二つの魔力が場を支配し、白い靄の向こう側で腹の奥底まで届きそうな爆音と雷音が鳴り響く。それは二人の『女王』が交戦状態に入ったことを示していた。
「あ、けの、さん」
喉の絞まった状態の一誠が必死になって朱乃の名を呼ぶ。
『大丈夫です。皆さんも頑張って下さいね』
戦っている最中だというのに朱乃は穏やかな声で、こちらを安心させる為の言葉を残す。
一誠は悔しそうに顔を顰め、小猫は無言であったがシンの手首を掴む手に無意識に力が入る。シンもこの場に居ても何の役に立てることが無いと自覚しつつ唇を噛み、その無力感を心の奥底へと沈める。
「……行きます」
小猫は二人にそう告げると靄の中、走る速度を速める。向かう先は木場のいる運動場、そこに一秒でも早く辿り着くことが、朱乃に対する数少ない自分たちの出来ることであった。
◇
爆炎と雷。その二つの力が空中で衝突し、互いの威力で掻き消し合う。
「ふふふ、運悪く『戦車』は取り逃してしまったけど、それの穴埋めが出来る獲物が掛かってくれて良かったわ『雷の巫女』さん。あなたの噂は聞いているわ、だからこそあなたと戦って見たかった」
「あらあら、私も知らないうちに有名人になったみたいですね、ユーベルーナさん。それとも『爆弾王妃〈ボム・クイーン〉』と呼んだ方が良かったかしら?」
ライザー側の『女王』ユーベルーナは朱乃が異名を口にすると、微かにではあるがその表情に不快感を混ぜる。
「二つ名なんて自分で名乗る訳にもいかないから、一度付けられると撤回するのが大変ね。あなたが口にした二つ名、正直私は好きじゃないわ。センスを感じられない」
ユーベルーナは軽く指を鳴らす。すると朱乃の周囲に無数の魔法陣が浮かび上がる。
「尤も、爆発は嫌いじゃないのだけれどね」
宙に描かれた魔法陣が赤く発光し、そこから紅蓮の爆炎が噴き出す――かと思えた瞬間、魔法陣の変化を事前に察知した朱乃が手を一振りする。すると手の軌道の後に青白く光る球体が発生、そこから周囲の魔法陣に向かって幾つもの稲妻が放たれ、魔法陣を砕く。
続けて朱乃は頭上へと手を掲げると、その手から数本の雷が空に向かって放たれる。それを見たユーベルーナは表情を険しくすると両手を広げ、自分を包み込む魔力の膜をそこから発生させる。膜がユーベルーナを包み込むと一秒も間も無い間隔でルーベルーナの頭上に雷が降り注ぐ。
最初の雷でユーベルーナを守る魔力の膜が激しく揺さぶられるが、その雷はユーベルーナには届かなかった。だが、最初の一発目のすぐ後に容赦なく二本目の雷が降り注ぐ。それは魔力の膜に罅を造りすぐに消えたが、間髪入れずに三本目の雷が降る。
これ以上防御することに危険性を感じたユーベルーナは少しでも雷に脅威から逃れる為に移動しようとするが、移動した場所をあらかじめ知っていたかの様に四発目の雷が魔力の膜に直撃し、膜を砕く。
咄嗟に空中で身を捩り回避しようとするが僅かに避けるタイミングが遅く、降り立つ雷はユーベルーナの左手をかすり、そこから電撃が浸透しユーベルーナの体内を蹂躙する。雷の強烈な電力はユーベルーナの肉体を焦しローブ越しに白煙を上げさせる。掠っただけの左手の被害は特に酷く、炭化している箇所すらあった。
「くうっ!」
苦痛を帯びたユーベルーナの声。朱乃の雷の威力は彼女の想像を上回るものであったらしく、鋭い目つきで朱乃を睨みつける。しかし、そんな敵意に満ちた視線を受けても朱乃は柳に風といった感じでいつもの笑顔で受け流していた。
「……流石、『雷の巫女』。噂に違わぬ威力ね」
「あらあら、ありがとうございます。それで、まだ続けます? 続けるなら私は全く構いませんが」
見せつける様に掌から青白い雷を見せつける朱乃。しかし、ユーベルーナはそれに恐れる様子も無く、むしろ朱乃の態度を鼻で笑う。
「まだ、勝ちを確信するには早計過ぎない? 『雷の巫女』さん」
そう言ってユーベルーナは右手の袖の下から小瓶を取り出すと、自分の頭上で握り潰し、その中から零れ落ちる透明な液体をその身に浴びる。すると液体に触れた箇所の怪我が瞬く間に塞がり始め、一番怪我の大きかった左手もまるで怪我など最初から無かったかの様に治り、白く滑らかな肌を朱乃に見せつける。
「……フェニックスの涙ですか」
「ふふふ、そうよ。これで振り出しに戻ったわね」
笑顔を潜め、苦い物でも噛み潰した様な表情となる朱乃。
フェニックスの涙。それは伝承の中で不死鳥の涙がいかなる傷も治すという記述があるように、どんな傷もすぐに癒す最高峰の治療薬。
与えた傷が全快するという事態も想定の内という考えはあったが、実際に目の前で行われると、その精神的負担は朱乃の想像を上回るものであった。ましてや朱乃は先程の大規模な魔術を使用した為、ユーベルーナには悟られない様にしているものの、肉体的にも余裕は無い状態であった。
「それにしてもやるわね。私の障壁を力押しで破るなんて、ライザー様以来だわ」
「あらあら、お褒め頂き光栄ですわ」
ユーベルーナの言葉に朱乃は笑顔で礼を言う。しかし、その笑みには華やかさの裏に相手への敵対心を潜ませ、見る者に威圧感を与えるものであった。
「その齢で本当に見事だわ。……流石、混血であるけれど血筋が良いだけのことはあるわね」
その言葉に朱乃の笑顔は瞬時に凍り付き、そして剥がれ落ちる。笑みの下から現れたのは朱乃という人物を知っていたのならば別人かと錯覚する程、感情を排した能面の様な表情であった。
「――いま、何て言いました?」
「あら、聞こえなかったのかしら? ならもう一度、今度は丁寧に言ってあげましょう。混血であるけれど素晴らしい力ね。流石はバラ――」
言葉を言い終える前に朱乃の全身から夥しい程の電光が奔り、空間を青白い光で染めていく。
「ふふふ、あなたはもっと冷静そうだと思っていたけど意外と青いのね」
「私の前でその名を出すなぁ!」
オカルト研究部のメンバー誰もが聞いたことが無い朱乃の激昂の叫び。ユーベルーナの頭上まで飛翔すると雷が発光する両手を重ね合わせ、嘲笑を浮かべるユーベルーナに突き出す。
「本当に青い」
全てを飲み込む程の巨大な光の柱と化した雷がユーベルーナの体を掻き消し、それでも威力を衰えさせることなく地面を穿つ。体育館を消し去ったのと同等以上の雷を受けた地面はその衝撃で土砂を巻き上げ、大きく、深いクレーターを造られ数え切れないほどの亀裂を刻みつけられる。
巻き上がった土砂が砂埃となって視界が悪くなった空中で、朱乃は肩で息をしていた。その顔は疲労の色が濃く出ており、汗も滝の様に流れている。只でさえ消耗していた体を酷使し、限界ギリギリまで魔力を振り絞った朱乃。今、空中で飛んでいることも辛うじてといった状況であった。
「……はぁ、はぁ……早く、イッセーくんたちと合流を――」
「それは無理ね」
朱乃の言葉を遮る声。それと同じくして朱乃の体は球体上の障壁に包み込まれてしまう。
「そんな――」
朱乃が目にしたのは、倒したと思っていたユーベルーナの無傷の姿であった。
「ふふふ。言ったでしょ、あなたは未熟〈あおい〉って。あなたが攻撃したのは魔力で創った私の囮〈デコイ〉よ。もう少し冷静だったらすぐに見抜けた筈なのにね」
朱乃の失態を笑うユーベルーナ。朱乃はその屈辱に唇を噛み締める。
「あなたは本当に才能がある悪魔だわ。でもね、それでも私には勝てなかった」
ユーベルーナが指を鳴らす、すると朱乃を閉じ込めている障壁に魔法陣が描き始められる。朱乃はそれを見て脱出を試みようとするも、消耗した体から放たれる雷は見る影も無い程に弱々しく、障壁を破ることが出来ない。だが、ユーベルーナは僅かな可能性すら摘み取る為に、包み込む障壁に更に二重、三重と障壁を張る。
「少し予定とは違ったけど、まあいいわ。一人目――」
障壁に魔法陣が完全に描き終わる。そして魔法陣に描かれた文字が赤い輝きを放ち始める。
力を削がれ、逃げ道を絶たれる。最早朱乃に成す術は無かった。
(みんな……ごめんなさい)
障壁の中が紅蓮の爆炎によって埋め尽くされ、その中に朱乃は覆い被さられその姿が見えなくなる。
「『撃破』」
◇
運動場近くまで走ってきた小猫は周囲を確認した後、掴んでいたシンの手と一誠の首を放す。首が絞まった状態から解放された一誠はしばしの間喉の手を当てて咳き込み、涙目になった顔でシンたちの方に顔を向ける。
「……朱乃さん、大丈夫だよな?」
「信じるしかないだろ、今は」
合宿で朱乃の実力は把握はしているが、肝心の相手の実力の方については未知数であった。故にどうしようもない不安が一誠の言葉に含まれていた。シンの方も安心させるような言葉の一つでも言っておくべきという心境もあったが、自分の中の楽観視を許さない部分がその言葉を言うのを阻む。
「……私は朱乃先輩のことを信じます」
この中で最も朱乃との付き合いが長い小猫は、小さな声ではあるが確固たる信頼を持って言う。それは同時に一誠とシンの不安を払拭させようとする気遣いも含まれていた。
「小猫ちゃん……分かった!」
一誠は唇を真一文字に引き締めている姿を見た後に己の頬を両手で張る。赤くなった両頬のまま一誠は気持ちを切り替え、自分のやるべきことに意識を傾けた。
「塔城」
シンが小猫の名を呼ぶ。シンの方を見た小猫が目にしたのはシンが制服の上着をこちらに差し出している姿だった。
「とりあえず羽織っておけ」
「……あっ」
そこでようやく小猫は、自分の格好が客観的に見てどういった状態であるのかを認識する。小猫は無表情ながら少し恥ずかしそうに頬を赤め、素直にシンの制服の上着を受け取った。
「……すみません。……それとありがとうございます、間薙先輩が声を掛けてくれた御蔭で助かりました」
「……只の偶然だ。礼を言う様な事じゃない」
小猫の格好が気になって偶々声を掛けたことで起こった、偶然の産物でしかない先程の出来事。理由が理由だけに礼を言われるとシン自身どういった反応をすればいいのか迷ってしまい、結果としてそっけない態度となってしまう。
『ライザー・フェニックス様の『兵士』三名、リタイヤ』
聞こえてくる校内アナウンス。チャイムが鳴った瞬間一誠たちの心臓は不安から跳ね上がったが、続く報告によってその不安も一気に消え去る。
敵が一気に三名脱落。これによりライザー側の戦力は約半数となったことを示している。消去法からいって相手を脱落させたのは間違いなく木場であり、一誠たちは改めて木場の実力を実感する。
しかし、敵の数が減少したということは相手の方にも余裕が無くなり、これまで以上に必死になって戦ってくるということを暗示していた。徐々にこちらの勝機が増えていくことがプラスに作用するかマイナスに作用するか、実戦経験の少ないシンにとっては未知数の領域の話である。
アナウンスを聞き終えるとその場に居る全員は木場の勝利を追い風にしようと急いで運動場へ向かい駆け始めるが、すぐに小猫が立ち止まる。
「……待ってください」
小猫の制止に一誠とシンは足を止めた。すると運動場からやや離れた位置に建てられている体育準備室の物陰から木場が姿を現す。いつもの爽やかな笑みを浮かべる木場には目立った外傷も無く、精々制服の一部に裂傷や土の汚れが付いている程度であった。
「なんだ、こっちにいたのか」
「うん。みんな特に怪我も無さそうで安心したよ」
「……木場先輩も無事で何よりです」
「さっきの放送の相手はやっぱりお前がやったのか?」
「まあね。偵察だと思われる『兵士』を一気に片づけたけど、肝心のリーダー格が中々こっちに出向いてこないんだ」
もしかしたらあの『兵士』三人は自分の実力を測る為に寄こされたのかもしれない、と最後に付け加える。自分の駒を使って相手の実力を測る、もしかしたら先の体育館内の戦いについても相手に筒抜けとなっているかもしれない、という危惧が小猫、一誠、シンの中で共有される。
「ちなみに相手は残り何人か知っているのか?」
「『騎士』、『戦車』、『僧侶』の三人だよ。でも、イッセーくんたちが来てくれたおかげで数の不利は無くなった。だから、僕たちの方からも仕掛けられる」
四対三。数だけを見ればこちらが上回っているが相手にはまだ余力が有り、こちらの方はほぼ全兵力を注ぎ込んだ状態。朱乃と交戦中の敵方の『女王』が新校舎への侵入ルートである運動場に向かっていることを仲間に連絡していることを想定するならば、時間も掛けられない。
「……一気に攻めるか」
「何か案はあるのかい?」
「作戦なんて立派なものじゃないがな。木場、相手がどこに居るか大体分かるか?」
「おそらくあの辺だと思うけど」
木場が野球部のグラウンド辺りを指差す。
「分かった。……お前の出番だな」
シンが一誠の肩を軽く叩く。
「えっ! 俺?」
「……イッセー先輩がですか?」
いきなりの指名を受け、一誠は驚いた顔でシンの方を見る。
「あの辺りに向かって、合宿で見せた魔力の塊を撃ち込んでくれ」
山を消し飛ばす一誠の魔力波。現状の戦力を考えるならばこの中で一番の火力を誇っているのは間違いなく一誠であった。
「『ドラゴンショット』をか……」
「……まあ、名前の方はいいとして、校舎を巻き込まない程度の魔力でグラウンドに放ってくれ。それを合図に残りの三人が攻める。――どうだ?」
「うん。相手の出鼻を挫いてこちらのペースに持ち込むのなら、それかな。僕は特に異論は無いよ」
「……私も無いです」
木場、小猫はシンの案に賛成する。最後の一人である一誠の方を見ると若干ではあるが顔色が悪い。
「おい」
「んっ! ああ、別に俺もふ、不満は無いぞ!」
「緊張しているのかい?」
「あ、当たり前だろ! 戦闘経験なんて無いに等しい俺が、いきなり作戦の要みたいなもんになるんだから」
図星を木場に突かれ、顔を紅く染めながら一誠はそれを誤魔化す様に一気に言葉を並べていく。
「それは当たり前のことさ、僕だってほら」
そう言って木場は剣の柄を握っていた手を皆に見せる。その手は汗で濡れ、細かく震えていた。
「イッセーくんに比べたら僕の方が戦闘の経験はあるのは間違いない。でもね、レーディングゲームは君や間薙くん、小猫ちゃんと同じで初めてだ。初めてのゲームなのに部長の為にも負けられない……正直言うとね、僕の人生で一、二を争う程の緊張を感じているよ。だけどね同時に思うこともあるんだ、この戦いを終えた後自分はどうなっているのかなって。僕はね、きっとこの経験は自分の糧になると思っている。だからねイッセーくん、成功しても失敗しても構わない、その全てを受け入れて強くなってくれるかな――お互いにね」
木場が言い終えた後、一誠は一瞬体を震わせた。だが、それは恐怖から来る震えではない。何故なら、緊張に満ちていた筈の一誠の顔は、木場に刺激され決意と闘志に染まっている。あの震えは戦う者としての武者震いであった。
「んじゃあ、期待に応えるとしますか、……一分待ってくれ。一分後にはでかいの一発かましてやる。その後の展開を決めておいてくれよ」
気合を込めて一誠は『赤龍帝の籠手』を起動させ、倍加を開始する。
「それじゃあ、僕と間薙くんが一気に攻めるから小猫ちゃんは少し遅れて来てくれるかな。もしもの場合もあるし」
「……分かりました」
「木場と間薙のコンビか……女子が喜びそうだな」
「うーん、でも両方『攻め』だよ?」
一誠の場違いな感想に木場も何故か真面目に返す。
「――お前ら何言っているんだ」
「……木場先輩、毒され過ぎです」
シンと小猫はそんな二人に呆れた様子で見るのであった。
『Boost!』
三回目の倍加を告げる声が一誠の籠手から聞こえてくる。まだ三十秒程しか経っていないが、ただ時間が来るのを待つという行為は時間の感覚を遅延させる。
残り三十秒の中、一誠はただひたすら時間が経つのを待ち、木場は何度も柄を握って放すということを繰り返し、入念に剣を握る感触を確かめている。小猫は両手を固く握り拳をつくったまま表情と同じく微動だにしない、そしてシンは軽く指先を曲げて指の関節を一本一本鳴らしていく。
『Boost!』
五回目の倍加。後十秒後には突入することとなる。皆の自然に頭の中で残り秒数がカウントされていく。
10……9……8……7……6……5……4……3……2……1――
「リアス・グレモリーの『騎士』! そして近くに居る筈の他の眷属たちよ聞いているか!」
残り0となるかと思われたその瞬間に、野球グラウンドから聞こえてくる勇ましい女性の大声。最大まで高まった緊張を一気に破裂させるその行為に、誰もが弾かれた様に野球グラウンドを見る。
「私はライザー様に仕える『騎士』カーラマイン! 互いに探り合うのにはもう飽きた! リアス・グレモリーの『騎士』よ! お前にも剣を持つ者としての誇りがあるのならば尋常に勝負! もし出てこられないのならば我が侮蔑は避けられないと思え!」
野球部のグラウンドの上で古の戦場に出て来る様な甲冑を身に纏った、ライザーの『騎士』ことカーラマインは、その出で立ちに沿う様な古めかしさを感じさせる口上でこちらを挑発する。
相手方の大胆不敵な態度に一誠、シン、小猫は、感心するべきか呆れるべきか何とも複雑な感情を抱いた表情をしたが、唯一名指しで呼ばれた木場だけは笑みを浮かべている。しかし、その笑みはいつも浮かべている爽やかな笑みでは無く、口の両端を吊り上げて笑う好戦的な笑みであった。
「ああ言われたら、『騎士』としても剣士としても黙って隠れているわけにもいかないかな」
そう言って木場はシンの方へと顔を向ける。その顔は笑みを潜め、代わりに申し訳なさそうな表情となっていた。
「ゴメン。間薙くんの考えた策を僕が台無しにしてしまう」
「素人が考えた三流の策如きで一々謝る必要も無い。――それでもまだ悪いと思うなら勝ってこい」
「……うん。僕の剣に誓って勝ってくるよ」
木場が建物の物陰からグラウンドへと向かって行く。
「全く、カッコつけやがって。これだからイケメンは……」
一誠の口調は木場の行動を非難する様なものであったが、口元には笑みの形が作られており、あくまで建前であり本心では木場の行動を認めている様子であった。
「人には人の矜持ってやつがあるということだ。俺たちも出向くとしよう」
「……私が先陣を切ります」
小猫が一誠とシンの前に出る。背後から見れば小さな背中であるが、その背には頼もしさが感じられた。
「まだ倍加は続いているか?」
「ん? ああ、続いているけど。でも、そろそろ止めないと俺の限界ラインを越えちまいそうだ」
「出来るだけギリギリまで持たせておいてくれ――万が一、相手がこっちを嵌めてくる様な真似をしてきたのなら、お前の力で消し飛ばしてやれ」
「偶に思うけど、お前っておっかない奴だな……」
「……いきます」
シンと一誠の話を区切って、小猫が体育準備室の陰から出ていく。それに遅れない様に残りの二人も後を追う。
グラウンドに着くとカーラマインは四人の顔を見て満足そうに笑う。
「ふふふ、私の呼び掛けに応えて、まさか全員姿を現すとは……自分でやっておいて言うのもなんだが酔狂な者たちだ。レーティングゲームを知る者ならおまえたちの行為は異常とも言えることだ……だが、その精神、私にとっては非常に好ましい!」
カーラマインは嬉々として目を細め、手に持った鞘から剣を抜き放つと一誠たちに突き付ける。
「名を、聞かせもらえるか?」
それに応えて木場もまた鞘から剣を抜き放つ。
「リアス・グレモリーの眷属、『騎士』木場祐斗」
木場が名乗ると同時にカーラマインは一歩踏み込む姿が見えたとき、その身は霞み閃光の速さで木場の眼前へと現れた。
「リアス・グレモリーの『騎士』よ! この一時愉しませて貰うぞ!」
振り下ろされる斬撃を木場の剣が受け止める。互いの均衡は一瞬、次の時には両者の間に無数の火花が散り出す。二人の剣を振る速度は人外の目を持ってしても完全に追うことが出来ず、剣戟が止んだかと思えば次は互いの身体の速度を競い始めた。
切迫した『騎士』同士の戦い。残った三人が介入しようにも、無粋という以前にその速さに入る余地が無かった。
黙って戦いを見ているしかない三人に背後から声が掛けられる。
「暇そうだな」
「全く、頭の中にまで剣が詰まった輩はこれだから困りますわ。レーティングゲームは個人の力では無く『王』としての実力と戦略を競うものなのに、カーラマインったらそんなに戦略というものがお嫌いなのかしら? お好きな剣だって腕力だけで振るうものではなくって?」
顔半分に仮面を付けた女性と西欧風のドレスを纏い、金髪を縦に巻いた髪型をした少女。
仮面の方は『戦車』、そして金髪の少女は『僧侶』。木場が言っていた相手の眷属が、全員この場に姿を現したことになる。
金髪の少女はよほど『騎士』の女性の行動が納得出来ないのか、姿を現した後も一誠たちのことを眼中に入れず、ぶつぶつと文句を言っている。しまいにはそれに応じた木場のことも文句を言い始めた。
ある程度文句を言い終えると、一誠たちの方を値踏みするかの様な視線で見る。
「そっちの『兵士』さんがリアス・グレモリーさんが可愛がっている眷属でしたわね。正直、少々趣味が悪いというのが感想ですわ。そっちの『戦車』代理さんは綺麗な顔立ちをしていますわね。でも、なんでしょうか、あまり心惹かれるものを感じませんわ」
部室であっていたとはいえ、ほぼ初対面の相手に対する容赦ない言葉。シンの方は大して気にはしなかったが、一誠の方は若干頬を引き攣らせる。
「……余裕ですね」
他人の容姿を評価している敵の『僧侶』に小猫が距離を詰め、小さく握りしめた拳をその身体に突き出そうとする。
「そういう野蛮なのは主義ではないので。イザベラ」
避ける動作も見せずイザベラという人物の名を呼ぶと、小猫の横から現れた仮面を付けたライザーの『戦車』が小猫の拳を振るおうとする腕に瞬時に数発の拳を当てた。
幼い体型ながらも屈強な肉体を持っている筈の小猫の拳はそれによって無理矢理止められ、小猫も一旦距離を取る。距離を取った小猫が構えをとる、構える腕には青痣が数か所浮かんでいた。
「ふむ。折るつもりで数発叩き込んだが、その程度で済むか。うん、同じ『戦車』としては複雑だが、少し誇らしい気持ちにもなるな」
ライザーの『戦車』イザベラは、半分だけ見えている顔に微かな笑みを浮かべると、左手を軽く拳を握った状態で力を抜いた感じで垂れ下げ、振り子の様に揺らす。
「次はキミを潰すつもりで叩き込むとしよう」
イザベラが間合いを詰める為に歩を進める。しかし、小猫は相手にペースを握られない為に小猫の方からも距離を詰め、イザベラよりも先手を放つ。
捻りを加えられた小猫の拳がイザベラの顔面を破砕する為に最短の直線距離を突き進む。が、イザベラはその拳が到達する前に鞭の如くしなる左拳で瞬時に小猫の腹部、側頭部、胸部へと三発拳を叩き込む。先程の宣言通り、一撃の重みが増したのか攻撃を喰らった直後に小猫の体勢が崩れ、突き出していた拳も引いてしまう。
『戦車』としての速度は小猫よりもイザベラの方が優れていた。
その隙を逃すことなく小猫の無防備となった脇腹に蹴りを放つ。だが、小猫もすぐさま体勢を戻し、片膝を上げ脹脛付近でその蹴りを防いだ。
「良い反応だ」
相手の動作を褒め、すぐにイザベラは左手の甲を小猫の横顔目掛けて振るった。小猫はその動きを冷静に観察し、最小限の動きで避けた後に反撃に転じようと考え、イザベラの左手が小猫の頬に触れるか触れないかの寸前で、首から上を後ろに逸らす。
「……うっ!」
小猫は小さく呻くと反射的に目を押さえる。小猫が避けたと思った直後、イザベラは握っていた手を開き、指先を小猫の両目に掠らせていく。目を攻撃されたことで反射的に閉じてしまった瞼のせいで、イザベラを完全に見失ってしまうという形となってしまった。
「すまない。少々姑息とも言える手段であったが、まあ、これが勝負というものだ」
既に背後へと回っていたイザベラは軽く握っていた手を強く握り直すと、小猫の後頭部に向けて振り下ろす。
「やめろぉぉ!」
だが、その一撃は間に入った一誠の籠手によって阻まれた。イザベラの拳を叩きつけられた一誠の左腕はその威力に跳ね上がるが、イザベラの左腕もまた一誠の籠手に当てた反動で跳ね上がる。
「小猫ちゃん! 大丈夫か!」
「……イッセー先輩――ありがとうございます」
目を押さえたまま一誠へと礼を言う小猫。目を押さえる小猫の前に一誠が立ち、イザベラと対峙する。イザベラの方は左手を何度か開き状態を確認した後、一誠に向けて薄く笑う。
「先程の一撃、並みの『兵士』だったのならば防いだ腕ごとその『戦車』も潰せたが、どうやら私は『戦車』どころか『兵士』も侮っていたらしい」
イザベラは構え直し、一誠へと殺気を放つ。
「小猫ちゃん、バトンタッチだ。こいつの相手は俺がする」
『Explosion』
一誠は倍加を止め、限界まで高まった身体能力を維持した状態でイザベラへと拳を向ける。
「……イッセー先輩」
閉じた目のまま小猫は一誠の名を呼ぶ。その声には一誠を心配する気持ちと満足に戦えない自分の現状を悔やむ気持ちが混ぜられていた。
「大丈夫! 任せとけって!」
小猫を安心させるように明るい声を出した後、すぐさま表情を引き締めイザベラを睨みつける。
「ふふ、『戦車』を守る『兵士』か……面白い」
イザベラを一誠のその姿を楽しげな表情で見ると、一足で自分の間合いの中に一誠を引き込む。
「どれほどのものか見せて貰おうか」
「来い!」
『兵士』と『戦車』の戦いが始まった一方でシンは、近くに居るライザーの『僧侶』を見ていた。シンの存在が眼中にないのか『僧侶』は特に行動を起こす仕草を見せず、戦っている『騎士』と『戦車』を眺めていた。
「戦うつもりは無いみたいだな」
「ええ、私は一対一なんて泥臭い戦いは好きじゃありませんの。それに私と戦ってもあなたにメリットはありませんわ。『不死身』と戦うなんて体力の無駄な浪費ですし」
「――お前、ライザー・フェニックスの身内か?」
『不死身』という単語と目の前の『僧侶』の容姿の特徴から推測し、自分の直感を後押しにして尋ねる。
「レイヴェル・フェニックスと申します。ライザー・フェニックスは私の兄、以後お見知りおきを」
身内を眷属にするライザーの趣味を内心疑うシンであったが、すぐにレイヴェル本人から特殊な方法で眷属という立場になっただけで、兄とはそういった関係では無いという否定が入る。レイヴェルにとっては、シンが内心思った感想を心の裡に抱かれることは不本意らしい。
「それで? ――話を戻すが――そんなことを言って相手が素直に引くと思っているのか?」
「その握った拳があなたの答えですか? 野蛮ですわね、女性を殴る気ですか?」
口に手を当て軽蔑するような視線でシンを見るレイヴェルであったが、シンの方はその視線に意を解せず、表情に何一つ変化はない。
「そんな些細なことがこのゲームでは重要なことか?」
シンの言葉にレイヴェルは軽蔑する様な視線を止める。
「いいえ全く。この場でフェミニストを気取っていたのならば興ざめしている所でしたわ」
にこやかに笑いシンの意見を肯定する。その態度の変化は先程までの言動がシンを試す演技であったことを示す。
「なら……始めようか」
「さっきも言いましたけど、私、あなたと戦う気はありませんので」
笑うレイヴェルの様子に訝しむシンであったが、次の瞬間にレイヴェルの背後から現れた二つの影によってその態度の意味を知った。
◇
「みんな、頑張れホー!」
声が届かないと知っていながらも、ジャックフロストは声を大にして声援を送り続ける。
「うーん、どうなるんだろ?」
ピクシーは声援を送ることはなかったがシンたちの行動から目を離さず、行動する度に一喜一憂をしていた。
「ふむ。ライザー側は七人が落ち、リアス側は一人だけか……数だけを見ればリアスの方が圧倒的に有利ではあるが、一概にこのまま勝つとは言えないな」
状況を分析し、戦いの状況を見通してのサーゼクスの感想。例え身内の戦いであっても情を入れない冷静なものであった。
「お前はどう思う?」
ピクシーやジャックフロストではない相手に尋ねるサーゼクス。返答はすぐにあった。
「大体は魔王様と同じ意見だと思いますが」
背後から突如聞こえた声に驚いてピクシーとジャックフロストは背後へと目を向ける。二人とも気配の察知においては並み以上のものを持っているが、その感覚を以てしてもその存在が声を出すまで気付かなかった。
振り向いた二人の目に映ったのは、白く雪の様な白い肌をした青年であった。黒く艶のある髪を短く切り揃え、顔の下半分を青のマフラーで隠す青年。それでもマフラーから上の容姿は綺麗かつ整ったもので、青年が並はずれた容姿を持っていることを示していた。
身に付けているものは灰色の皮鎧、そして青年の肌と同じ白い色の具足と手甲を付け、その手には装飾が施されていない簡素な作りの槍が握られていた。
「誰?」
「もう一人の連れだ。ようやく顔を見せてくれたな」
サーゼクスの言葉に青年は目を細める。その目には微かに怒りの色が混じっていた。
「何度も何度もしつこく念話でこちらに来るように指示したのは貴方でしょうに……全く、私のような輩が魔王様の側に居ることを誰かに見られたのならばどうするのです」
「相変わらずお前は頭が固いな。この観戦席で見ているのは私とこの子らしかおらんよ」
「万が一があります」
頑なな青年の態度にサーゼクスは嘆息する。
「この人は魔王様の何だホー?」
「ああ、私の眷属ではないが信頼できる友の一人だ。こうやって私の護衛などをしてくれる」
ピクシーとジャックフロストはまじまじと青年を見つめる。その視線に気付いた青年は頭を下げ、自らの名を名乗り始めた。
「申し遅れました。私の名はセタンタと申します。御二人方、どうぞよろしくお願いします」
引き続きレーティングゲーム戦です。
新たなメガテン側のキャラクターも出しましたが、こういったのをちょうちょいやっていきたいと思っています。
二巻の話もまだまだ続きますが、最後まで御付合いして下さるのならば幸いです。