溜まってたので連投を。
「お前はそう簡単に休めると思うな。まず最初に50光年を二時間切るようなら一分ごとにケツを蹴り上げる、高さ5千Kmの高鉄棒に膝をかけ腹筋一億回、それをやらせる。別にお前らもそれをやりたいならやってもいいんだぜ?」
クライシスは言動に似合った悪人ずらをさせて異次元の扉を開く。
「そうだな、ルネ以外は一度こいつに根本から叩き直されてきたほうがいいだろう、それとクライシス、わかっているとは思うが時間、空間の断絶を行うのは程々にしろ、次元の綻びの原因になる」
「あぁ、それはすまん。ただ何かあっても俺が尻拭いをするさ」
クライシスは分身を創りルネ以外の小隊のメンバーを蹴り入れる。
「それから、お前は能力以外にも魔術を身に着ける必要がある。魔法陣は…確かグレイに教わっているな」
「は、はい!」
「なら話は早い、が。まず魔法陣を展開するのに慣れるには一つ目の段階が居る。あいつは魔術に長けてるからそれを見落としていたんだろう。40億年前にお前にやらせたときは形勢が不充分だった」
そう言ってシャドーは辺りを見回してから地面にチョークで五芒星を丸で囲んだ陣を書きその中に様々な形をした物を置き始める。
「まずはこれに魔力を通してチョークで書かれた文字を動かしてみろ」
「・・・文字をですか?」
「そうだ。最初に空気中の魔素を使い魔法陣を作らせるのではなく、元ある物体を動かす。これが目には見えない魔素と魔素を繋げる訓練になる」
「わ、わかりました」
ルネは言われたとおりにチョークの文字に手をかざし一生懸命に唸る、しかしピクリとも動かない。
「想像力を掻き立てるんだ。陣を動かすイメージを浮かべながら陣に魔力を飛ばす」
楽しそうににやけてから煙草に火をつける。
「む、うぅぅぅぅう!」
何か一生懸命妄想しているようだがやはりピクリとも動かない。
「う~ん、才能がなさげ…?しかしまぁ、魔術は頑張り屋さんの産み出した物だし。いずれコツがつかめてくるだろ」
所変わり異次元の中。
地獄すら生ぬるい訓練の光景が広がっていた。
「おらおら、そんなんじゃお前たちのケツが消し飛んじゃうぜ?」
クライシスは嬉々として全員のケツを強く蹴り上げた。
その中で先頭を走っているのはやはりシャドーだった。二十固めを使えば何とかなったかも知れないが解放させてもらえない。
「くそ…通常状態でこれをやるなんて意味あるのかよ」
「意味はあるぞ。お前らは白兵戦が基本になるんだ、これくらい一瞬でできるくらいのスタミナと瞬発力はないと相手を圧倒的な力で捻じ伏せることはできない。無なんてこんなの余裕でやってくるかもしれないしな。常に最良、最高、圧倒的。これは大事だ」
クライシスはそう語り終えた後煙を吸って、数秒味わってから吐き出す。
「まぁ、そろそろコツを教えてやってもいいだろう。動かす筋肉の場所と力量を考えろ、以上だ」
そう言い終えてからまた強く蹴り上げる。
「くっ、ここまで鬼畜な修行だったとは・・・」
「ふんぬ!!!」
中でもガルトーラは二人に比べ人一倍に努力している。
「これが鬼畜?笑わせるな、無の世界で三年間過ごす方がどれほど恐ろしい物か…エロ本読む余裕くらいしかなかったぞ」
クライシスは一番先頭を切って…歩いていた。
「そもそもなんでお前は歩いてこの速さを出せるんだよ」
「そら、コツを完璧に扱えているからな。お前は体の構造を完璧に理解し扱えた気でいるようだが?まだまだだ。恐らく今の俺ならお前ら全員を筋繊維一つの動きで殺せる」
そう言ってタバコを深く吸う。
「こんなのが俺だなんて信じたくない…」
「速度という概念の外にいる気がするよ・・・」
「しかし、ハァ、音を上げては、ハァ、いられない・・・!!」
「その調子だ。ガルトーラ、お前は努力する奴だからきっとどういう方向かは知れずとも強くなるぞ。俺も宇宙空間を歩くために鍛えたからな」
「う・・・む!」
「それにしても、僕は体力面では二人より乏しいから、やっぱり辛いなぁ」
「まぁ、この訓練は基本的には無意味だしな。宇宙空間を歩けるようになって利点はない。とはいえあと2光年だ行けるさ。腕の真ん中の筋繊維と脹脛の中央の筋繊維、そして土踏まずに力を流した後地面に接触してる場所へ強く放出しろ」
「簡単に言ってくれるねどうも」
「あと少しだ、ハァ、やりきることにも意味はある!」
「う、うん、そうだね」
「俺は言ってくれてありがたいけどな」
シャドーは意外とすんなりできたのか速度が大きく上がるが…一瞬で悲鳴を上げた。
「力み過ぎだバカ、負荷をかけ過ぎたら千切れるだろうが」
薄ら笑いを浮かべてシャドーを小ばかにする。
「まぁ、うちの連れはお前より馬鹿だが」
悲しい目をして後ろで死にそうになりながら走ってる呼姫を見る。
「なんで、妾が、こんな目に・・・」
「ほら、可愛い奴はいじめたくなるってあるだろ。お前はその対象なんだよ小動物」
クライシスは慈愛に満ちた顔をする。
「お、覚えておれ、いつか必ず、仕返ししてやるぅ!」
「そんな仕返しは俺の左腕が消してくれるからな。あ、間違えてお前を左手で撫でないようにしないとな。はっはっは」
無感情な乾いた笑いを最後に入れてからタバコを咥える。
「そろそろ、限界、なんだけど」
「シャドー、は、よく、息が上がらないな」
「バカ言え、頑張ってるだけだ。スタミナなんかとっくに切れてる」
「まぁ、あと1光年、手伝ってやるよ。歯ァ食いしばれ」
クライシスが呼姫を抱きかかえて全員のケツを思いっきり蹴り飛ばす。
「おめでとう、今からお前たちのスタミナと体力を全回復させる。そうしたら次は高さ5千Kmの高鉄棒に膝裏をかけ腹筋一億回だ。呼姫は可哀想だから俺の茶相手だ」
それらを約14時間ほどかけて終わらせて異次元から放り出した後、外の時間が動き始める。
「あれが本当の…地獄…」
「流石クライシスさんです…惚れてしまいそうですね…」
イカラは少し楽し気だった。
「まさかとは思うがマゾ気質…?い、嫌だ…こんな抜け殻嫌だ…」
「・・・・・・。」
文字通り洸天は抜け殻のごとく死んでいる。
「・・・わ、我は希望神なり・・・我は・・・我は・・・」
あのガルトーラですら精神的に壊れてしまっている。
「み、みんな・・・だ、大丈夫?」
「お前らお疲れ。今度俺が相手することがあったらそれは俺との組手だから安心して死んでくれ」
呼姫の頭に腕を乗せて肘置き替わりにしながら楽しそうに言う。
そしてそれを聞いたシャドーは保っていた平然を打ち砕かれたのか震えながらイカラに抱きつき少しの涙を流す。
「いじめてやるな、心を折るのも一つの修行ではあるが・・・まだこいつらには必要ない」
「…?虐めじゃないぞ。こいつらに本当の最強を見せてやろうと思ってな。一度見れば動き方も変わってくるだろうし。一対五だ、多少はハンデになるさ。それともなんだ?パンツを何回も見られるからやめとけとでもいうのか?」
クライシスはニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべている。
「・・・お前の力はこいつら、いや、世界的に見ても影響面やエネルギーが違いすぎる、だから”手を出すな”と言っている」
声を荒げながら円を展開させる。
「悪かったからそう怒らないでくれよ。詫びに今度なんか奢るか一つ貸しにしてやるからさ」
急いでそれを無にしてからなだめようとする。
「いいだろう、おい!貴様ら!情けないぞ!それでも神か!さっさと立って飯でも食ってこい!!」
オウネは男ども三人を外に掴み投げる。
「お前は飯どうするの?何なら俺が作るけど」
裏ポケットから中華鍋を取り出して笑いかける。
「いや、私はいい、しかもお前の料理の腕は認めているものの安全性は保証できないしな」
「いやなんでだよ。あぁ、でも地球の飯だからな。量はいくらでも作れるし…俺だって旅館では板前やってたんだ、料理はしっかり作ら居ないと無礼だから変な事はしないさ」
目の前に中華鍋に対応したコンロを作ってチャーハンを作っていく。
「ならお言葉に甘えよう」
「よし任せろ」
するとクライシスは大食い大会が6回はできそうな量を作る。
「・・・別に大食いじゃないんだからそんなにいらないがな」
オウネはそう言って飯に手を付ける。
「宇宙を彷徨っている途中で闘食と言うのをやり始めたんだがな、それ以来俺が喰うときは馬鹿みたいな漁を喰うようになったんだ。普通に金を使って買ったら悲惨になるが…幸い俺のアジトの星で育ててたからな。いただきます」
そう言って一瞬のうちに40皿が空になって食器の山となった。
「・・・私は時間まで少し寝るよ、おやすみ」
オウネはそう言うと座ったまま一瞬で眠りにつく。
「ふむ…少し重いだろうが、何もないよりましだろ」
自分のコートを背中にかけてからすぐにチャーハンを平らげる。
時を少し遡りシャドー達。
「追い出されたが…俺ん家行こう、飯作ってやる」
立ち上がってほこりを掃ってから歩き始める。
「う、うん、そうしようか」
「助かるシャドー・・・」
家についてから手際よく準備を整えて生姜焼きの定食を人数分作る。
「おかわりも用意できるからな。キャベツもあるぞ」
広い桶に相当細かいキャベツの千切りで埋め尽くされている。
「へぇ、宇宙にはこんな料理もあるんだなぁ」
「俺の星では家畜などは死滅してしまっていたからこういうのを食べるのは初めてだ」
「ルネは分かるがイカラまで残すとは…あいつは女であって女ではないだろ」
シャドーが舌打ちをすると悪寒を感じる。
「だれが女であって女でないですって?」
イカラがにんまり笑顔でシャドーの真後ろから首に腕を回して絞めている。
「うお!?イカラさん!?いつのまに・・・」
「私はシャドー様の従者なので、どこにでも付いて行きますよ。それこそあらゆる物の果てまでも」
「俺には似つかわしくない従順な奴が生まれたもんだ。何をどう間違えたのか」
不思議そうに考えながら漬物を口に運ぶ。
「・・・人とは命とは、古来からその素体によって、宿命によって、命によって決まる、お前から生まれてとしてもそれは全くの別人ということだ」
後ろからションが腕を組んで椅子に腰を掛けながら言う。
「うおい!?どうしてみんないつの間にいるんですか!」
「ふむ。まぁ俺としては扱いやすいからいいがな」
「お嫁さんの代わりに泣きつけますからね」
「黙れ、壊すぞコラ」
食べ終えたシャドーはクローゼットから四丁のフリントロックを取り出して胸に二つ、腰に二つ掛けて椅子に戻る。
「てか、どうしてションさんがここに?」
「緊急だ、お前たちにも言っておきたくてな」
「緊急?」
「まぁシャドーも無関係ではないだろうが・・・お前アンドロメダ銀河って知ってるか?」
「地球がある天の川銀河の隣人だろ、そこに何か問題でもあったのか?」
「まあな、本来星の寿命というのは変えられぬ運命であり命と同じ定めではあるが、どうもおかしな星の最後を迎えたアンドロメダ銀河があるんだ、それがお前の居た宇宙のアンドロメダ銀河だシャドー」
「…ふむ。それと俺に何の関係が?まさか同じ宇宙に居るだけではないんだろう?」
「そうだな、簡単に言えば世界線の根絶だ。アンドロメダ銀河及びお前の宇宙がアンドロメダ銀河消滅と同時に世界線から拒絶され出入り不能になった、お前の地球だけは俺達がなんとかこっちにつなぎとめたがな」
「つまり世界線を弄って元の世界線に戻せばいいのか?ならば別世界線の俺に意識を入れ替えるか命令を送ればできそうだが。お前達も行く場合は俺の目の能力で入れ替えればいいしな」
「残念ながらそういうことではないのだ、この世界がこの世界から根絶した、要は未来も過去も世界も個人も完全に意識体に拒絶されたということだ」
「それならその世界はこの世から消えてしまったということですか?」
「古来から意識体の意思の相違に合わない世界、個人は、「考えられない」世界として世界から拒絶される、しかしそれは死ではない、考えられない世界でも『存在してはいけない』世界ではないからだ、しかし拒絶されたということは『否定された』ということ、創簡単に意識体がそう言った結論には至らない、シャドー言いたいことはわかるな?」
「なら別にもう無かったってことでいいじゃないか。地球は何とかなったんだし」
「それが問題なんだよ、地球はなんとかなったがお前の歴史が消えた、つまりお前の存在も危うい」
「存在がですか?」
「原因は不明だ、しかし歴史とは個人を形つくるもの、それが消えたとなると妖怪、そして1つの神であり、人であるこいつもまた拒絶される可能性がある、すぐにでもあの世界を元のレールに乗せなければならない」
「まぁそれが命がけってのは承知だが、俺達はお前の先輩なんでね」
シャドー達が話していると部屋の入口からAdvanceが顔を出す。
「俺ら先輩方が道を少しだけ整えてやらないとな。俺はシャドーの兄貴だし?ただ、情けは人の為ならず…行く行くは俺に帰ってくる情けは貰うからよろしく」
クライシスもイカラのスカートの中から顔だけ出し、爽やかな笑顔で優しくない言葉を付け足す。
「なんだクライシス、行くのか?」
「あぁ。九十九隊の名義で護衛として付き添う」
「そうか、それなら助かるが、あまり世界に干渉するなよ、お前が居るだけですでにイレギュラーなんだからな」
「今回の件ももしかしたらお前のせいかもな!」
アドバンスはケラケラと笑いながら言う。
「なに、いずれこの第六宇宙も俺に逆らえなくなる。俺が万物を創っちまえばいいのさ」
クライシスは寂しげで不敵に笑う。
「まぁせいぜい頑張れ」
「それに俺は無の体を別部位に移動をできるようになったからな。前よりも少しは強くなったはず…。とりあえずシャドー達はここで大会に備えろ。この問題は俺たち教師に任せろ、まず俺の責任である可能性が高い」
「その報告だ、クライシス、アドバンス、行くぞ」
「おう」
クライシスはタバコの煙を吐いてから空間に裂け目を作り呼姫を引きずり出してからションの後に続き、四人は部屋を出ていった。
「・・・いいのかいシャドー君」
「あぁ、あいつなら何とかしてくれるだろ。俺たちが最優先すべきものは大会だ」
シャドー達は教室に戻る。
「戻ったか、それじゃこれから理論の授業をやるぞ」
「はい」
シャドー達は席につき授業を始める。
「理論、神理論はまぁこの世界を構築する物だ、これ無しでは世界のバランスは取れない。しかしたまにそれをぶっ壊して新しい理論を作ったりする輩もいるがな」
オウネはシャドーを横目で見ながら言う。
シャドーといつの間にか隣に座っているクライシスも目を逸らす。
「何故お前がいる」
「おいシャドー、怒られてんぞお前」
ケラケラと笑って黒板に目を移すクライシス。
「一番危険なのはお前だ」
オウネはため息をつきながら言う。
「それで、今日は神理論のどの部分を勉強するんですか?」
「そうだな、率直に言うがお前たち『仏』という物を知っているか?」
「あれだろ、薬師如来とか。俺の居た国では仏教が盛んだったからな、多少は」
シャドーがペンで遊びながら答える。
「少し違うな、薬師如来やその他の如来とはその次代に生まれた『菩薩』だ、仏じゃない、仏とは簡単に行ってしまえば生命を『成仏』という物にするという使命を持った集団、或いは命のことだ、古来より神理論と深い関係にあると言われている『仏理』の論を持った一族だ」
「めんどくせぇ奴らだな…」
シャドーがつぶやき、クライシスはもううたた寝していた。
「そうでもないさ、神のように争いを仕掛けたり問題を起こしたりは一切しないからな、彼らはあくまで命持つものを『成仏』させるのが使命だからな、それにお前の世界のGODやゼウスなんて言う限られた命の神にとっては必要だが我々のように別次元の、更にはこの世界に要る神には必要ないものだ、死ぬときは世話になるかもしれないがな」
「クライシスはともかく俺らはまず死なないんじゃないか。あるとしたら消滅辺りだろ」
シャドーは頬杖をつく。
「そうだな、命の終わりという物は我々にはないからな、まぁ今日はその仏が使う『仏理』の勉強だ」
オウネはそう行って黒板に『エネルギー属性・十界』と書いていく。
「これは簡単に言ってしまえば血液型ということだ、そのエネルギーの質によって変換や属性にも影響してくる」
「はいはい質問!俺はそれに含まれるんですか~?」
クライシスはニヤニヤしながら手をビシッと上げる。
「当然だ、が、まぁお前の場合変換自在なんだろ?あまり関係なさそうだな」
それを聞いて一瞬嬉しそうにしてすぐにしょげる。
「はぁ…最強ってつまらん。守りたい物も居なくなったっていうか自分で壊したし…」
クライシスは現代のシャドーにも度々見られる鬱オーラを出す。
「自業自得だな、お前たちはこんなバカのようにならんことだ」
「なろうと思ってなれるようなものでもなさそうですけどね」
「そうなんだがなぁ…まぁいい、止めて済まなかった。続けてくれ」
懐からタバコを取り出して、何かに気づいたようにタバコをしまう。
「そのエネルギーの質をこれから調べる、でも他の属性のように相性といったものではないからあまり気にする必要もない、が、その質によって生成量や自然回復量も変わるし持っている能力にも影響してくる、わかったか?」
「あらかた把握はできた」
シャドーはうんうんと頷く。
「それじゃこの陣に乗れ」
オウネはそう行って隣小さなに魔法陣を展開する。
皆列になりシャドーを始めに乗っていく、すると赤黒く陣が光る。
「お前は餓鬼界と呼ばれる種類のようだな、アトランテ名でアルエリオンという」
「餓鬼…ねぇ。低級の鬼じゃないか…」
「次は僕ですね」
洸天も陣に乗る、すると緑色に光る。
「お前は声聞界か、珍しいな」
「そうなんですか?」
「四聖界と呼ばれる位の珍しい種類だな、大抵の命は四悪界の命から修行や転生によって変えていくんだがな」
「へぇ」
「次は俺だな」
ガルトーラが乗ると紫色に光る。
「お前は修羅界、闘神だからな、当然といえば当然か」
「ふむふむ、なるほど」
「つ、次は私だね」
ルネが乗ると暗い黄色に光る。
「お前は畜生界だな、簡単に言ってしまえばお前は臆病だからな、精進しろ」
「は、はい・・・」
「今度、俺の家にでも来るといいさ。恐怖なんて感じないレベルの恐怖を教えてやろう、と言っても体験談だが」
クライシスは不気味に目が笑っていない笑みを浮かべる。
「クライシスさんは今度私と遊んでくださいよ」
そう言って陣の上に乗ると赤黒く光る。
やはりだとか、あたりまえだとかそんな声が聞こえてきそうだった。
「私の虐めてもらいたい欲求がいけないんでしょうか…」
「・・・お前の場合、元々のその体の持ち主のせいでもあるかもしれないけどな」
「いーや、俺の所為が入っていたとしても、こいつの虐めてもらいたい欲求は異常だろ。クライシスに扱かれてる時なんか俺は本当に心から軽蔑したよ。こんなのが俺の前の体の持ち主になったことを非常に後悔している」
残念そうにため息を吐く。
「よし、一通り調べ終わったな、今度からはそれらを元にいて戦況や状況を判断するのも悪くないだろ、それと確かに種類によって量や自然回復量にも影響してくるとは言ったがそうは言っても個人差はある、シャドーのように無尽蔵にあるようなやつも居るからな、しかし基本値がわかっていればそれも相手を観察するときには役に立つ、それに新しい力を手に入れるときにも相性を確認できるしな」
「なるほど・・・」
洸天は頷きながらメモをとる。
「区切りがついたようなので、異端俺の自己紹介をさせてもらってもいいかな。まだしていないのを思い出した」
「そうだな、お前も今や立派な先公だからな、生徒に自己紹介も大事だろ」
「俺が特殊遊撃部隊、九十九隊隊長兼、特別教師の
「きょ、狂人・・・」
「一言に言って邪神だな」
「う、うん」
「俺はもう神じゃないしな。自分がなんなのか良く分からない。一つ言えることは俺が本気を出した場合勝てない物は何もない。俺こそが№1だからな」
「そうなんですね」
「かっこいいな!」
「そうは言っても結局は理論の外にいる異端者という事だ、この境地に至ることはおすすめしないというかなる事自体やめたほうがいいな」
「あぁ、俺からもおすすめしない。俺はただの犯罪者だからな。強くはなっても俺みたいにはなってはいけない。いずれ大切な人を無くし、何のために強くなったのかわからなくなる」
「・・・お前の口からそういう言葉が聞けるとはな、どっかの誰かさんも見習ってほしいものだ」
「う、うるせぇ。俺はまだ余裕が持てるほど強くなってないんだ」
「余裕・・・か?」
クライシスを見ながら言う。
「まぁ、この第六宇宙は俺が知っている物とはまた幾つか違う所があって、俺も本気を出せないから焦ることはあっても基本的には余裕だな」
ニマニマ笑っている。
「そういう余裕・・・か、まぁいい続けるぞ」
それからは先ほどの授業の補足的な内容が長々と続いた。
「お疲れ。さて、今度は俺から補足だ。とりあえずお前ら、場所を変えて本気で俺を殺しに来い」
「また戦闘訓練ですか?」
「そうだ。最強を身をもって知ることで俺の世界に片足突っ込めるってのは貴重な体験だぞ。オウネ、転送頼む」
「わかった、場所はどこでもいいな?」
「問題ない。俺は対応できる。呼姫は周りを見て、異常があったら俺にそれを伝えてくれ」
「了解じゃ」
「それじゃ転送するぞ」
オウネがそう言うと森が生い茂る森林にチームごとに飛ばされる。
クライシスはその場で椅子に座ってコーヒーを飲む。
一方洸天達はその場で作戦を立てる。
「とりあえず彼を倒すのはほぼ無理だろう、なら一か八か彼に唯一対抗できるシャドー君を彼と一騎打ちに状況に誘い込んで後方からイカラちゃんの後方援護と言った形のほうがいいと思うんだけど、どう思う?」
「俺はあの小さな女の子も危険と見ているぞ、あれはまだ未知数だ」
「呼姫こそ弱いが能力が危険だ。世界線に干渉でき、別空間に物を出し入れできる倉庫能力も持っている。危険なのは前者だ、クライシスの力と合わせると脅威になる。俺やクライシスは別世界線の自分が見ている物は全て見えるんだが、それに加え呼姫の能力を混ぜて錬創術を使うと認識できる別世界線の事象の中で自分に好都合な物だけをこの世界線に捻じ込める。それをどう阻止するかだが、俺もまだしっかりとは使えないが錬創術を扱ってみようと思う。呼姫が居ない分錬創術でいじるところが多いせいか相当な集中力が必要になるが問題はない。むしろ俺のやる錬創術の正確性こそ弱点となる」
「なら俺がその間の時間稼ぎをしよう」
「それじゃあその辺はシャドー君に任せよう、イカラちゃんはあの小さい子の足止めでもお願いしようかな?それとルネちゃんはガルトーラくんについていって、彼をサポートするんだ」
「う、うん」
「僕はそれぞれのサポートに入るよ、とりあえず今僕が一番回らなきゃいけないところは・・・シャドー君、何か手伝えることあるかな?」
「そうだな、イカラのへまをサポートしつつ、俺の攻めにもう一手決めてくれると助かるが、余裕が無さそうなら構わん」
「錬創術に関しては少し助言が。シャドー様の負担を減らす考えです、錬創術は相当な集中力を要します、呼姫さんとクライシスさんの二役を担うのは相当の重荷になる筈です、ならその二役をするよりもその二役の案を否定した方が早いと思うのです。方法としてはシャドー様が『二人は世界線を干渉することが出来ず、また事象も引き出せない』と否定してそのあとクライシスさんがそれを書き換えられない様にせめて思考を別の者に変えるのですよ」
いい笑みを浮かべていい案を出す。
クライシスに虐められた所為か頭のキレもそれなりにいいらしい。
「それはいい案だね、シャドー君は錬創術を成功させる自身はあるのかい?」
「全く無い。錬創術はクライシスの見よう見まねでやってみる、最近その禁術を知ったばかりだからな」
シャドーは強く両手を打ち合わせて、莫大な量の妖力や神力を外ではなく体内で増幅させる。
それを合図にイカラが物凄いスピードで呼姫にかかと落としを繰り出すがそれはクライシスのスプーンで受け止められ、そのスプーンで腹を突くと血を吐きながら飛ばされる。
同時にガルトーラがクライシスに突っ込む。
「ふむ…」
クライシスは立ち上がりスプーンをソーサーに置いて袖をまくってからガルトーラにそれ程速度の無い蹴りを繰り出す、それをガルトーラは全力で受け止め足を掴んで砲丸投げの容量で空の彼方に吹き飛ばす、するとそこに急に亜空間が出現しクライシスを飲み込む。
「ナイスだ洸天」
「どうせすぐ出てくるよ!イカラちゃん!今だ!女の子を仕留めて!」
「行きますよ~」
イカラが剣を持って先程よりもさらに速度を出して呼姫に居合いを放つ。
しかしいつの間にかイカラは走り出す前の場所に居て、呼姫はクライシスの肩に乗っている。
「ダメだ、錬創術失敗したみたいだ」
シャドーが舌打ちをする。
「プランBだね」
洸天がそう言うとシャドー達全員を自分の後ろに転送する、同時に全員の後ろに巨大な燃えるように赤いアリが現れる。
『なにようか』
「ここら一体を吹き飛ばしてほしいんだけど」
『承知した』
それは一言そう言うとクライシスに向かって高密度の炎のレーザーを放つ、同時にシャドー達は遠くに避難する。
「足止めくらいになってくれればいいけど・・・」
「こんなので俺を止められるとは思わないほうがいい。なぜなら君たちは全ての物質で一番強い物の前に立っているのだからな」
特に表情を持たない無機質な顔が少しだけ焦げた右手から煙を出しながら近づく。
「でしょうね、シャドー君達は下って作戦をねってくれ、ここは僕が足止めするよ」
「どうするシャドー?」
「力は十分高まった。後はそれぞれが出来るだけの動きをして奴が錬創術を使ったら俺も使って阻止する、何回かやっていれば俺だってできるようになるはずだ、さっきは少しできそうだったんだ」
「見様見真似の錬創術、ね。やっぱり俺なんだなぁ…面白い好きなだけ来ると良いさ」
シャドーの蹴りよりも幾分か素早く鋭い蹴りを洸天に繰り出す、それは洸天に当たる瞬間に足ごと亜空間に移動する。
「舐めないでほしいね」
片足が亜空間にあるクライシスに向かって再びアリがレーザーを放つ、同時にガルトーラが必殺を放つ。
『デザスター』
光による膨大なエネルギーを圧縮した金属のようなものを作り出し、腕部分に装着する。それは光の力を持った強力な篭手型の武器となる。
それを用いてクライシスに殴り掛かる。
イカラもそれに続いて猛攻撃を仕掛け、シャドーは錬創術に失敗する。
「ちっ、なにがいけないんかなぁ…」
クライシスは涼しい顔で素早く攻撃に対処しながらシャドーの方をちらりと見て何かを思いつく。
「少し、手を貸してやるか」
力を高めてからシャドー以外のすべてを蹴り飛ばして瀕死にさせる。
「おやおや、仲間はみーんなやられてしまったな。そして、甘えるなよ。味方に守ってもらい、不確定要素である錬創術に頼るな、そのせいで俺はこいつらを瀕死にさせてしまったじゃないか。そして、見よう見まねで錬創術をやるのはいいが…なぜお前はそんなにも余裕なんだ?錬創術でしか対処法がないと思いながらもまだどこかで別の方法があると期待しているんじゃないのか?だとしたら…俺は今からお前を消す」
クライシスは黒い癪気を揺らめかせながらゆっくりとシャドーに詰め寄ってくる。
「ち、畜生!!!」
シャドーは今自分が出せる力全て開放してがむしゃらに、でたらめに攻撃を放つがそれ等は全てクライシスに掠ることはなくクライシスに腕を掴まれて地面に叩きつけられ、足は踏みつぶされ、内臓は全て破裂させられ、全ての神経は切断されるが、それらはすぐに修復され、そしてまた先程の痛めつけが繰り返される。
それが50回繰り返されたころクライシスが口を開く。
「さぁ、お前は今どんな気持ちでいる?絶望してくれているなら俺は嬉しいね。そして、この痛みを忘れないほうがいい。これは…仲間を失った心が受ける痛みよりも優しい…オウネ、戻すんだ」
「いいかお前たち、これがお前たちが歩もうとしている世界だ、こいつのようなやつが世界にはごまんと居る、精進しろ」
そう言って全員を回復させると当時に教室に戻す。
「・・・差がありすぎますよ」
「無念だ・・・」
「こ、こんなに強いんだね」
「……」
シャドーは何も言わずただ虚空を見つめていた。
「…オウネ、後で呑みに行かないか…気分が悪い」
「お前が体調不良か?まぁいいけどな、よし今日の授業はここまでだ、明日からは大会に備えてチーム戦を主にした疑似戦闘訓練を中心にする、わかったな」
「すまん、行こうか…呼姫は先に帰っててくれ」
「わかったのじゃ」
二人は個室のある居酒屋に行き、クライシスはテンションがダダ下がりだった。
オウネはビールを片手にキュウリをつまみながら飲む。
「どうした、随分とテンションが低いな」
「まぁ…な。俺はさ、味方を皆殺ししたことがあるんだが。そのあと色々あって味方を傷つけることがあまり好きじゃなくなってな。おかげで味方とやりあった日にはこのザマさ。シャドー…大丈夫かな、やり過ぎたかなぁ…はぁ~…」
ビール瓶を一気に飲み干す。
「そうか・・・その様子だと本当に大変だったようだな、一言で言ってしまえば自業自得ではあるがそれを教訓にこっちではあいつにそれを教えて導いてやるのがお前の罪滅ぼしになるんじゃないか」
ビールの少しずつ飲みながら語る。
「そう言うのはきっかけだけ与えて自分で気づかせないと。そうだ、お前にはいっておこうかな。俺が40億年後のシャドーってことを。理事長から聞いてないだろう?」
「残念ながらお前が未来から来たことは初めてあったときから知っている、それがシャドーの未来の姿ということもな。私を誰だと思っている?」
「…やっぱ、俺の先生なんだな。なら、俺の昔の絶望も、やってきたことも全部お見通しなんだよな」
「残念ながら私が見える未来と過去は私に関する干渉だけだ、だからそっちの私が死んだことは知っているぞ」
「じゃあ…俺の絶望を、少しだけ知ってもらおうかな。といっても、簡単な話だが。理事長から任務を受けて別の星に向かう途中に無が現れてな、そいつがまた強くて俺は18番目当たりの封印を解いて戦っていくと他の奴らの動きは鈍り、終いには爆散。俺の力に当てられ耐えきれずに内部の力が暴走したんだろう。それからは全てを消せば自分も楽になるんじゃないかと思って手始めに学園を潰し、修行のために無の世界に三年の間滞在し、帰り際に無王の左腕を拝借した。その後は全宇宙から最強の大罪人だとか、№1とか言われて首を狙われてはそいつを殺す日々を送っていたって訳だ」
追加のビールも飲み干す。
「力の干渉か、ションがシャドーに気にしていた不安定エネルギーの事かもな、あいつにはそれがないことを祈りたいものだ、それにお前がここに居る意味はきっとある、どんな理由かは知らんが確実に未来は動いている」
オウネもビールを飲み干す。
「シャドーは俺とは別方向に強くなるさ。あいつは守る物をしっかり守ってる。弱さが目立つのはそのせいだ。俺も…そろそろ準備をしなくてはならないかもな。それと先生だって好きな人居るんだし、そっちにすこしくらいかまけたっていいんじゃないか?」
けらけら笑ってタバコを吸う。
「余計なお世話だ!」
オウネもビールを一気に飲み干す。
「そう言うところはまだ子供なのな。それも可愛げがあっていいが…あまり時間をかけすぎると本当に機会がなくなるぞ。俺はもう愛人だとかは考えられんよ」
日本酒を枡に注いでゆっくり飲む。
「どうでもいいだろう、それより元気が戻ったんなら私は明日に備えて寝たいんだが?」
「俺が神力を変換してねじ込み無理矢理起こさせてもいいんだが、それはそれで些か悪い気もするし、悩みを聞いてもらった恩師の為だ。送って差し上げよう」
壁に異空間を開く。
「ならついでにここをおごっておいてもらおうかな」
オウネはそう言って請求書をクライシスに押し付け空間に入る。
「それじゃおやすみ」
オウネはそう言って空間に消えていった。
「…クソが、最初からそのつもりだったさ」
すぐに会計を済ませていつもの学園の公園の木の上で眠る。
次の日早朝に理事長の家に向かう。