「さーて、何としても無象を助けないとなぁ。できれば無のお姉さんも出したいんだけど、他に方法ないかね」
『僕も助けてよ~』
『お兄ちゃんが死んだら私死ぬぞ~』
「ちっ、不本意だが有象も助けてやるよ…」
『やった~』
『おじさん優しいね~』
「おじっ!?お兄さんって言って欲しいんだけどなぁ」
『そんな歳じゃないでしょ?』
『顔をちょっと老けてるし』
「はぁ…俺も年を取ったよなぁ…今度また体つくり変えようかな」
『で、これからどうするの?』
『どうやらあちらさんはこっちに気づいているわけではないみたいだけど』
『結構近づいてきてるよね』
『バレるのも時間の問題』
「なら自分から行くか?殺されに行くようなもんだけど」
『死にたくはないね』
『死は怖くないけど』
「呼んだか?」
突如声が聞こえる、なにもなかったはずの後ろに一人の男が居た、先程クライシスが座っていたイスに座って紅茶を飲んでいた。
「おや、俺と趣味が合いそうじゃないか」
前に座ってコーヒーを飲む。
「どうも、私はディレンデル、そこの無を消すように依頼されてきた」
『コンニチハ~!』
そして先程まで上に居た気配がいつの間にか男の後ろに転移しており肩から顔を出して挨拶をする。
「おお、これはご丁寧に。俺はシャドーエッジ・クライシス。上であった半無の知り合いだ。そしてそこの二人の臨時用心棒だ、女の方に惚れちゃってね、殺させるわけにはいかないんだ、ここはどうか引いてはくれんかね?」
「では敵対勢力か、俺は戦は余り好きじゃないんだが、どうだ?話し合いで解決するというのは?」
「おぉ、それはうれしいな。それと…そこの男の子はあれだな、レミーの弟さんだな。悪いが俺の仲間を殺されるわけにもいかないんだ、ごめんよ」
「いいぜ、ならこうだ」
そう言って男はオセロを取り出す。
「おー、庶民的でいいな。ガキの頃よくやったよ。あ、タバコ吸っていい?」
「構わないぜ」
『僕達ヒマ~』
『私達ヒマ~』
『なら僕と遊ぼうよ!』
「殺すなよ?」
『わかってますよ~』
「よーし、あんま得意じゃないがやってみるか」
お気に入りのタバコに火をつける。
「では、開始だな」
お互い調子よくぱちぱち打っていくといつの間にか綺麗に十字が出来ていた。
「十字の中にやじるしと小さい十字が出来てるじゃねぇか、すげぇ偶然だな」
その後は気合を入れて打っていく。
そこからは角を三つ取られながらも多少余裕をもってクライシスが勝利する。
「・・・この俺が負けるとは・・・・」
男はかなり悔しがって頭を下げる。
「俺もまだまだできるもんだな」
足元に置いた灰皿用のバケツがもう山を作っていた。
「くっ。今回は俺の負けだ、約束通りこいつらは殺さん」
「おー、助かった。あ、そうだ。お前ら俺と来る気はない?俺は学園を潰すって名目で犯罪やってるんだがね、裏では仲良くって訳じゃないが普通の奴らじゃこなせないレベルの任務を俺らが受け持ってるんだ。元々学園の理事長の教え子だしな俺は。ってわけで、どうかね?」
「俺はレン星の殺し屋だ、主に神と神話生物と無の討伐を請け負っている、もっともめんどくさいからいつもこうやってゲームで片をつけてるんだがな、お前の誘いが依頼なら俺は受けよう」
『嘘ばっかり~、僕を助けようとしてレン星に追われる犯罪者になったくせに~』
「うるせ」
「なら交渉成立だ。それもレン星出身の犯罪者ならなおさらだ。それに君も姉貴に会えるじゃないか。…殺すなよ?」
『さあ?どうしようかねぇ?』
男の子はニヤニヤしながら言う。
「それとさっきの神と人間、あっち行ったけど大丈夫なのか?」
「あー、そうだな。無象たちはどうするよ。これから」
『僕たちはここにいるよ』
『シャドーがもう一度ここを訪れるまでね』
「じゃあいくぞ、あいつらが死ぬ前に」
久々に翼を使って素早く移動する。