緋弾のアリア~影の武偵~   作:ダブルマジック

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 何気に3学期の初登校だったため、理子とのバカなやり取りをしてからは不知火とかその辺が一言二言の挨拶をしてきて、代わり映えしない面子に安堵していたら、武偵高では珍しいロングスカートをはいた女子が近寄ってきて挨拶するので誰かと思ったら、リサだったのでちょっとビックリする。

 

「メイド業だけじゃないのか」

 

「リサもまだ学生の年齢ですし、ご主人様と一緒にいるためにはここへの編入は必須でしたので。専門は救護科ですので、今後ともよろしくお願いいたします」

 

 極東戦役の停戦の際にキンジと一緒に日本に行ったことは聞いていたのだが、てっきり専属メイドとして居候すると思ってた。

 だが冷静に考えたら武偵高生でもないやつが寮にいたら問題があるよな。納得だ。

 

「ああ、よろしくな。それよりそのご主人様はどこにいるんだ?」

 

「ご主人様は今、お仕事で学園島の外におられます。お戻りになられる日は未定とのことです」

 

「仕事? アリアが入院してる時に別件……は考えにくいか」

 

 未だにリサのメイドとしての能力くらいしか知らないオレだが、救護科でやっていけるならそれなりのものは持ってるのだろうと判断し、特に何も言わずに挨拶を返してから、まだ姿の見えないキンジについて尋ねると、あんまり正直に答えられるのはどうかと思ったがどうやらアリア関連ですでに動いているらしいな。

 そう話してるとHRの時間になって、綺麗なお辞儀をしてから自分の席に戻ったリサを見送って、自分の席でこれからの予定を立て始める。

 アリアの入院してる病院は港区白金台の医科研病院だと理子が言ってたな。

 そっちは放課後にでも様子見に行くとして、まずは確実に消化できる案件を片付ける。

 昼休みにレキから璃璃色金についてを。それからジャンヌから停戦交渉の詳しい結果を聞いておく。

 放課後にはあややの工房におそらくは出来てるだろうミズチを受け取りに行ってから、アリアの病院にって感じだな。

 

「それから、猿飛君」

 

「ん、あ、はい」

 

 思考のためにあんまり重要なことは言ってないだろうHRは話半分で聞いていたのだが、何かのついでで高天原先生がオレを名指しで呼ぶので何事かと思いつつ即返事。やべぇ、ちゃんと聞いてない……

 

「ちょっと大事なお話があるので、お昼休みに教務科に来てください。都合が悪ければ放課後でもいいですが」

 

「あー、大丈夫、です。昼休みにお伺いします」

 

 聞いてなかったが、直前の話とは無縁だったっぽいので安堵するも、ここで放課後に回す勇気はなかったので、立てていた予定を速攻で崩して高天原先生に返事。

 それを聞いた高天原先生はいつものニコニコ笑顔でそのままHRを終えて教室を出ていってしまった。

 

「おいおいキョーやんや。今度は何をやらかしやがったんで?」

 

「知らん。というか常習犯みたいなこと言うな。キンジじゃあるまいし」

 

 それからすぐに後ろの席の理子が失礼な質問をしてくるが、オレにも呼び出しの理由はわからないのでそう答えるしかない。

 だがそうなると全てを放課後に持っていかないとダメだろうから、もう手は打たなきゃな。

 そう思ってウザい絡みになりかけた理子から逃げてレキのいるC組に顔を出して放課後に時間をもらう約束を取り付け、B組にも寄ってジャンヌに話を通すが、何故か帰ってきたことを知らせなかったことをプンスカ怒られてしまった。義務ではないはずなんだが。

 ついでのついでであややにもミズチを受け取りに行くことを伝えて教室へと戻ると、今度はワトソンが絡んできて何事かと。

 

「先に言っておくんだけど、これは強制ではないから気に入らないなら無視して構わないよ」

 

 そう言いながら折り畳まれたA4の紙を渡してきたワトソンは「人目に触れさせないように」と言ってすぐに離れてしまい、何だろうと思いながら次の授業の最中にコッソリと紙を開いてみる。

 

「…………無視決定」

 

 そこにはうんたらかんたら書いてあったが、要約すると『お前の能力は高く評価されたからリバティー・メイソンのメンバーになる権利をやる』ってことだ。

 おそらくは欧州戦線での活動をカイザーとか羽鳥経由で報告が上がって、どこかに取られる前に取ってしまおうってことなんだろうが、オレは羽鳥達のように二足のわらじを履けるほど器用ではないし、無視していいなら無視する。紙は後で焼いて処分だな。

 そして報告を上げたとおぼしきカイザー、ワトソン、羽鳥には恨みを1つ持っておこう。

 いつか文句と一緒に蹴りをお見舞いする。ワトソンにはすぐにでもくれてやる。

 そうした念を前の席のワトソンにぶつけて震えさせてからは、比較的まったりと時間が過ぎていき、あっという間に昼休み。

 教務科からの呼び出しなのでそれはもう脇目も振らずに直行して静かに入室すると、高天原先生が一般教科の授業からまだ帰ってきてないようでそれまで綴先生の愚痴に付き合わされる羽目になる。くっそ……

 

「あら、猿飛君。早いのね」

 

 その猛毒の愚痴を聞いてぐったりし始めた頃に天使のように舞い降りた高天原先生が到着。

 その高天原先生の手招きに応じて舌打ちしやがった綴先生とはおさらばし別室に2人で入り座らされると、何かの文書が入った茶封筒を2つ持ってきてテーブルに置かれる。

 1つはイギリスかな。英語だから確定ではないが多分そうだ。送り元にロンドンっぽい地名が見えるし。

 もう1つは読めないが文体がイタリア語っぽいからイタリアだな。

 

「はい、とても良いお話ですから、そんな不安そうにしなくても大丈夫ですよ」

 

「良い話、ですか?」

 

「どちらも猿飛君が修学旅行Ⅱの補習でいない間に送られてきたものですが、どうやら猿飛君はずいぶんと先方に好かれたようですよ。先生としても喜ばしいことです」

 

 海外からの文書のせいか、戦役のこともあったので変に身構えてしまっていたオレに対して、いつものニコニコ笑顔を崩さない高天原先生は説明しながら封筒を開けて中に入っていた用紙を取り出して見せてくれた。

 片方は英語でそれとなく読めるが、やはりイタリア語はわからん。

 

「猿飛君は英語の成績が良いからこっちは読めると思うけど、一応は書いてることを要約すると、両方とも交換留学をしないかって言うことなの」

 

「交換留学、ですか」

 

「声をあげてくれたのはロンドン武偵高とローマ武偵高の2校。期間は3年次進級から8ヶ月間。前者は公用語が英語ですから問題はないとは思いますが、後者はイタリア語を学ばないと授業にも支障が出るでしょう」

 

 という高天原先生の話を聞きながら、英語の方の紙を読んで詳しい内容を確認する。

 それによるとロンドン武偵高の方は住居の賃貸が確保されたり、授業料の一部が免除されたりと割と良いことが色々と書かれてはいるのだが、ロンドン武偵庁という不穏な単語が所々にあるな。

 つまり「そっちにアリアを取られてるんだから、こっちにもそっちの戦力を寄越せ」みたいなニュアンスだろう。

 おうおう。とんだとばっちりだぜ。

 

「それでは猿飛君が困るので、学校側としても予習としてイタリア語を学ぶ講習への参加を義務付けなければなりません」

 

「今のところは3択ということで良いでしょうか」

 

「そうね。このまま進級してここで残りの1年を過ごすか。どちらかの武偵高に留学に行くか。先生としては見聞を広げて若いうちから海外への耐性をつけておくのが後々に有利だとは思うけど、決めるのは猿飛君よ」

 

「正直な話は?」

 

「留学に行ってくれたら、先生もボーナスがもらえてハッピーかなぁ、なんて」

 

 留学に関しては強制ではないっぽいのでいいのだが、生徒の意思を尊重してるような口ぶりをする高天原先生の笑顔がちょっと悪い方に見えたので本音を聞き出すと、やっぱり裏があったな。

 まぁ、こういうタイプの笑顔は圧迫感とかがないからまだいいが、これが蘭豹先生や綴先生なら有無も言わせずに「ボーナスのために逝け」と命令するだろう。それを考えれば天国のような状況だ。

 

「一応、先方の方でも手続きとかあるから、お返事は今月までには絶対にしてください。両方の文書を日本語訳した文書も作成してありますから、ちゃんと読んで決めてください。お話は以上ですが、質問はありますか?」

 

「……いえ。何かあればその時に尋ねようと思います。ありがとうございました」

 

 最後に返事の期限を言って解放してくれた高天原先生は、書類をしまってオレに渡してきて、なんともし難いそれを受け取って教務科をあとにし教室に戻ると、興味津々な理子が待ってましたと言わんばかりに絡んできてうるさい。

 

「ねーねー! 何の呼び出しだった? ねーねー!」

 

「さぁな。この昼休みの記憶が曖昧で覚えてないわ」

 

「なんというバカな返し……それならその封筒に答えありだね。ちょっと見ーせてっ!」

 

「断固として拒否する。だーもう! うっぜぇ!」

 

 オレのことになると妙に知りたがりな理子は、はぐらかすオレを無視して封筒の強奪に走ってくるので密着度がハンパないが、リーチやら何やらの差は埋められないので取れずにブーブー文句を垂れるに終わる。

 別に誰かに見せたり教えても問題はないんだが、理子の場合はオレがどちらかに留学することを決めれば「理子も行くー」とか言いかねない。

 いや、完全なる自意識過剰なんだが、その可能性を捨てきれないのだから黙っておくのが良いだろう。

 よくカップルとか仲の良い人同士が一緒の大学を目指す、みたいな話は聞くが、オレはそれを必ずしも良いとは考えないわけだ。

 一緒、という条件を満たすためには、誰かの本当の意思が尊重されないことにもなり得るから。

 だからオレの決定で理子の今後を左右するような何かを起こすのは、可能性であってもなるべくなら避けたい。理子にも理子の人生があるんだから。

 そうした理由で誰にも留学の話は言わずに理子から逃げるように専門科の授業に逃げ込み難を逃れ、適当に過ごした放課後。

 ようやく自分がやりたいことに取りかかれるとあって足取りも軽く、まずはレキを迎えに狙撃科の専門棟に行ってみると、すでにオレを待ってたのか出入り口の前でハイマキと一緒に待っていてくれた。

 そのレキとハイマキと適当に落ち着ける場所に移動して飲み物を1つ奢ってやってから話をする。

 

「レキ。答えられないならそれでいいんだが、最近『風』は何かお前に言ってきたりしてないか?」

 

「いえ。修学旅行Ⅰの後からは特に」

 

「そうか。この際だから聞くけど、その風に対してレキから意思を伝えることはできないのか?」

 

「試したことがありません。する必要がなかったので。ですがおそらくは無理です。すみません」

 

「いや、謝られても困るが」

 

 なんかかなりナチュラルに風について話しているが、オレが風についてその存在を認知してることにはツッコまないのな。

 だがそうだからレキとは話しやすいのかもしれん。余計なことを言わないで聞いたことに答えてくれる。黙ってくれるからな。

 

「となると風と話をするって手も無理そうだな……」

 

「風は『人の感情』を嫌います。たとえ私にその意思があっても、風は拒むでしょう。ですから京夜さんでも風と話すことは叶わない」

 

「だから一方通行なわけか。了解。聞きたかったのはそれだけだから。時間を取らせて悪かったな」

 

「いえ」

 

 この話から察すると、風。璃璃色金にはやはり意思があり、修学旅行Ⅰまでにレキを通して何か動いていたと判断できる。

 だがオレは今、色金の意志の有無と一緒に対話が可能かどうかも調べている。

 それに関して璃璃色金は意思はあるが対話が不可っぽいので、これ以上レキから聞き出せることもない。せめてこっちの意思を伝えられれば進展しそうではあったがな。

 残るは世界のどこかにある瑠瑠色金。こちらに託すしかないみたいだ。

 少しずつ進展してはいる色金の問題についてを考えながら、レキと別れてからあややの工房に足を伸ばす。

 辿り着いたあややの工房は留学に備えてか、かつてないほどに物が少なくなっていて、触れたら崩れるようなタワーはなくなっていたからビックリだ。本当に留学するんだな。

 とかなんとか思いながらあややの留学を実感しつつ奥にいた作業中のあややに声をかける。

 

「あややー。来たぞー」

 

「ん? おおー! さるとびくん、いらっしゃいなのだー!」

 

 もうすぐ3年に進級するというのに、相変わらずの幼児体型のあややを見ると、その成長率に可能性を見出だせないが、本人が気にしてなさそうなのでスルーして、早速だが出来上がったミズチを受け取る。

 

「さるとびくんも聞いてると思うけど、あややは新学期から留学するから発注は受け付けるのですが、送付に時間もお金もかかりますのだ。だから今後は木っ端微塵にされたりするとお高くつくのだ」

 

「あややにとってはそっちの方が良いんだろうが、お財布事情だからオレもあややをウハウハさせたくはないな。ん? なんかちょっと変わったか?」

 

「おお! さすがさるとびくんなのだ! 実は前回のアンカーボール。特許を取れてウハウハだったけど、新調の時に材料が足りなかったから、新しい機構にしたのだ!」

 

 受け取ったミズチをさっそく装備して話を聞きながら具合を見ていたら、アンカーボールの収納がかなりコンパクトになっていたので疑問を口にするとズバリ。何かが変わったらしい。ってかアンカーボール、特許を取ったのかよ。

 

「アンカーボールを前の3分の1の大きさにしたから、効果が5秒に縮んだけど、アンカーを圧縮空気による射出式に変更したのだ。だからいちいち取り出して投げる必要はなくなって、すっぽ抜けない持ち手も折り畳み式から引き出し式に改良したから、袖をめくる必要をなくしたのだ」

 

 という説明を聞きながら新しいミズチの持ち手を手首の横から引っ張り出し、アンカーボールを射出してみると、結構な威力で射出されて工房の壁に引っ付いた。持ち手もかなり頑丈な素材でコンパクトになっても折れたりの心配はなさそう。

 

「圧縮空気は3発までストック可能で、空きが出来たら自動で装填されるようになってるけど、1発の充填には10分はかかるから、ご利用は計画的になのだ」

 

「自動って……お高い機構ですかね?」

 

「そこは特許狙いでちょっとお試しだから、今回はお高くしないのだ。さるとびくんは1号さんなのだ」

 

 ああ、つまり実験台かこれ。嫌だなぁ、あややの実験台。失敗とは言わないけど、本当の当たり引くことが稀だからな。キンジとかアリアを見る限り。

 

「了解。なら留学前にたくさん使って調整してもらうわ。そのくらいの融通は効かせてくれるよな、あやや?」

 

「むむむっ。そうやってあややをざいせいなんに陥れようとするのは嫌なのだ。やるなら留学してからが良いのだ」

 

「ほい、報酬。んじゃ今から酷使してくるから、割引きで調整頼むよ」

 

「さるとびくんが急に意地悪になったのだ! 酷いのだ!」

 

 それでも新調してくれたのには感謝しなきゃならないので文句は言わず、代わりに今後の不具合は割引きするように言って報酬を置いて工房をあとにする。あー聞こえないー。

 そうしてあややからの評価がちょっと落ちただろうことは気にせずに、話すべき相手のトリとなるジャンヌを迎えに行こうとしたら、なんか部屋に来いとのご指示なのでそのまま第3女子寮へと移動。

 まっすぐにジャンヌの部屋に行ってみると、なんかワトソンもいたのでとりあえず今朝のリバティー・メイソン勧誘の件で1発だけ蹴りをお見舞いして、突っかかってくるのを華麗にスルーし停戦協定の結果について尋ねる。

 

「途中まではフローレンスから聞いただろうから、あのあとに決定したことについてを話そう。とはいえ話すことと言えば、ここ学園島周辺に展開されていた玉藻の鬼払結界が解除されたことくらいのものだが」

 

「停戦って言ってんのに警戒してんじゃねーってか」

 

「まぁそんなところだ。だがこれによって少々の問題もすでに起きている」

 

「実は数日前に眷属から物別れになった鬼達が日本に上陸したのを確認した。場所は成田空港だけど、目的はおそらくここ、学園島にあると見ていいかもね」

 

「それからセーラも行方不明でな。腕が立つだけに気質と相まって動向が気になる」

 

 停戦協定の方は大方は聞いていたから真新しいこととしてその程度だと話すジャンヌだったが、ワトソンが写真を取り出して話した鬼達はどうやらすぐ近くまで来てしまってるらしい。

 鬼にとっても鬼払だけに玉藻様の結界は厄介だったようだが、あの化け物相手にどう立ち向かうかは考えものだろう。オレならまず逃げの選択だ。

 あとはセーラだが、そういや連絡先もらったのを黙ったままだった。ここで言うか迷うが、うーん。

 

「セーラなら連絡がつかないこともないと思うんだが……」

 

「なに? まさかお前、私達が必死に戦っている最中にナンパでもしていたのか。油断も隙もないな」

 

「完全なる誤解だ。純粋にビジネスとしての線を繋いだだけ。だからもし連絡するならちゃんとした仕事の話じゃないと門前払いを食らうはず」

 

 言わないと後が怖いから一応は言っておくが、なんかジャンヌからジト目で見られてしまい、弁明と注意はしながらセーラが教えた番号をジャンヌにも教える。

 

「ふむ、そうなると繋がるとはいえ簡単には使えんな。せめて何かセーラを雇うだけの依頼が出来ればいいのだが」

 

「24金、60キロに見合うだけの仕事とかそうないだろ」

 

「それはそうだが……この件はとりあえず保留として、今後は鬼達の動向に注意せねばならない」

 

「了解。んじゃオレはまだやることがあるからこれで失礼するよ」

 

 これ以上はあれこれ言っても仕方ないという判断でオレも状況は把握したから、今日のうちにやっておきたい最後の確認作業をするためにジャンヌの部屋をあとにすると、日も暮れてしまった学園島から出てアリアの入院する病院へと足を運ぶ。

 一応、正規ルートとして受付からアリアの面会を申し入れるが、やはり面会謝絶で門前払いを食らったので、病室を聞いてその近くまで接近を試みたが、理子が言っていたヤバめの気配が近づくにつれて強くなったので、病室に近づくのも断念。

 

「こりゃ難攻不落の要塞ってところか」

 

 まさに囚われのお姫様。ここまでやられるとアリアが緋緋神化しちゃったんじゃないかと勘繰りたくなるが、だったらこんなところで黙ってるわけもないので、とりあえずは楽観視しておき今日のところは退散。長居したところで状況は変わらん。

 なのでその帰り道で完全に後回しにしていた件をどうにかするため、ダメ元で連絡をしてみたら、意外なことに繋がったので話をしてみる。

 

「結構な突っ込んだ話だから、直接会って話がしたいんだが」

 

『えっと……うーん。どうかな。今は難しいかもしれないよ』

 

「お前がいま学園島にいないことは聞いてる。だからそっちに行くから頼む、白雪」

 

 その相手、星伽白雪は話がしたいと言うオレに歯切れの悪いことを言うが、こっちも余裕がなさそうだから譲ってはやらない。

 白雪が来れないなら行ってやるさ。そこがたとえ男子禁制の星伽神社の総本山だとしてもな。

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