緋弾のアリア~影の武偵~   作:ダブルマジック

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 オレ達の奮闘も割と虚しく、本物のアリアを見破られてしまって現在進行形で外務省に追われているっぽい。

 依頼的にもこのまま終わっては申し訳ないので、8割ほど変装を解いた理子と何かできないかと思って現地へとバイクで向かっていたのだが、アリア達が新宿で捕捉されたと聞いてから、オレはそこにちょっと推測が立ち、そこへ向けて理子にバイクを走らせてもらう。

 

「理子もその推測はいい線いってると思うけど、今から向かっても移動してると思うのもあるしね」

 

 途中の赤信号で待つ間にオレの推測に賛同してるようなことを言う理子だったが、同時にド正論をぶつけられて、そうなんだよなぁと思ってしまった。

 

「それでも新宿ってだけで探すのは無理があるだろ」

 

「それもそうだね。ジャンヌ達との通信も切れちゃったし、本格的に暗くなってきたから直接で見た方が情報も入ってくるでしょ……ん?」

 

 すでに渋谷駅の近くにまで差し掛かっていたので、ジャンヌと中空知との通信可能な距離を離れていたこともあってオレ達の目が頼りになる。

 だからこの辺からオレも感覚機能を割とフル活用して、視覚、聴覚を鋭敏にしていたのだが、理子の話の途中にそれが反応すると、理子もそのオレの反応に気づく。

 

「……ヘリの音だ。それも複数。雑音が多くて方向しかわからないが」

 

「どっち?」

 

「向こうだ。あっちは表参道の方か?」

 

「オッケー。んじゃ行ってみよっか」

 

 ヘリなんてしょっちゅう飛んでるし、たとえそれが何か起きてることでもアリア達と関係がある可能性の方が低い。

 それでもスルーしていける違和感ではないと判断した理子は、オレを信じてその進路を表参道の方に変えてバイクを走らせ、理子の耳にも届くようになったヘリのプロペラ音を頼りに正確に近づく。

 目視でもヘリが確認でき、ガヤガヤと騒ぎになってる表参道の道路の中心。

 その手前の人の波で足止めを食らったオレと理子は、バイクを降りて少し高い場所に移動して表参道を覗くと、ドギャン! バウゥゥウン! と嫌な音が炸裂する。

 

「――アメリカである(I'm U.S.A.)

 

 その現場ではなんか3メートルに及びそうな人型ロボットが周囲を取り囲む外務省であろう車とエージェント達に威嚇。そんな言葉まで発して君臨する。

 そのロボットの近くには島が運転する車に乗るキンジとアリアの姿も発見。

 

「あっ! 錢形も発見!」

 

 オレが現場の状況を観察する中で、理子も同じように周りを見て、憎らしそうにその錢形とやらを指差すのでオレも見るが、身長140センチに満たない本当のちびっ子だった。あ、あれで事務官……オレより大人なのか……

 いや、前例がないわけでもないが、やはり健全そうな人間があのサイズで大人になるということが不思議でならない。雅さんは事情があるしな……

 と、今は錢形はあまり関係ないので、状況の整理に入ると、キンジとアリアの乗る車にかなめの姿まであって、人が乗って操縦してるのであろうロボットがアメリカと名乗ったからには、ジーサードの連中が割って入ってきたのかと予測。

 何故このタイミングで来れたかはわからないが、それでも外務省もまだ引き下がれないのか抵抗しようとしたところで、いきなり鉄串のようなものでエージェントが牽制で攻撃され、例の先端科学兵装である消えるあれを解いてエージェントの近くに現れた包帯まみれの天然パーマ黒人男性。あれもジーサードの仲間ってことか。

 それらジーサードの仲間達の登場で錢形が何やら慌てた様子で周囲に喚いて撤収を始めて、エージェント達も武器を収めて引き上げていってしまう。すげぇなアメリカ……

 

「おっと。こうしちゃいられないだろ」

 

 外務省が引き上げたことで場は落ち着きを取り戻し、残されたアリア達と合流するタイミングはここしかないので理子と一緒にバイクに戻って近づこうとしたが、それより早く上で停滞していたらしいジーサード側の見えなくされたヘリにロボットが回収され、アリア達まで梯子でそれに乗り込んでしまったため、合流のタイミングを逃す。

 

「素直に連絡とるか……」

 

「そだね……」

 

 その様子を見送りつつ、ヘリのプロペラ音が遠ざかるのを耳にしながら呆然としていたオレと理子は、どこかへと行ってしまったアリア達がどこか遠くへ行ってしまう前に合流するため、各々でアリアとキンジに連絡を取っていった。

 それで連絡のついたキンジの話によると、日本に来ているらしいジーサードが丁度キンジに用事があったから今に至るとかなんとかを聞いて、そっちの状況は把握してるからと合流したいことを告げ、どうやらキンジの実家に行くとかなので、以前にかなめを尾行した時に巣鴨で所在を覚えていたため、理子と一緒にそこを目指してバイクを走らせていった。

 

「うらぁあ!」

 

「ぶはぁ!!」

 

「ぐへぇえ!!」

 

 それでいざキンジの実家に辿り着いてみれば、玄関で待ち構えていたアリアがいきなりオレと理子にドロップキックをかましてくれやがって、2人して不意打ちで後ろにぶっ倒れる。何事か!

 

「あんた達! もう少し頑張んなさいよ! 何で依頼して1日ちょっとでバレてんのよ!」

 

「外務省もそうバカじゃなかったってことではないでしょうかね……」

 

「だいたいアリアがこのタイミングで外務省に動きがモロバレなお母さまに面会とかしなきゃ、もう少し踏ん張れたと思いますがね!」

 

「なんですってぇ! これだからリュパン家の人間はぁ!」

 

「家は関係ないでしょうがぁ!」

 

 グギギギギィ!

 会って早々で文句を言われたのは仕方ないと思ったが、新宿にいて居場所がバレるところと推理できるのが、かなえさんのいる新宿警察署だから理子もそれが迂闊だったと喧嘩腰に。

 そんないつもの調子のアリアと理子はとりあえず止めても意味がないから無視して、オープンな玄関から中にお邪魔しようとする。

 が、その前に「あらぁ!」とかいうオカマ口調の男の声が横から割り込んできて、庭方向からのその声に振り向くと、例の包帯男がオレを見て頬に手を当てていた。

 

「あなた、サードが面白いって勧誘した子よね。映像で見るよりイケメンかもぉ」

 

「そりゃどうも……」

 

 どうやら少し怖い印象の見た目とは裏腹にオネエな中身の包帯男は、羽鳥との戦闘映像でも見ていたジーサードの部下らしく、オレのことも知っているような素振り。

 その包帯男の声を聞きつけて庭からまた顔の濃い白人マッチョが爽やか笑顔で現れたが、こっちはたぶん、表参道で見たロボットに乗ってた奴だな。

 

「あら、あらあら。どうしたのその右腕。怪我しちゃったの?」

 

 そのマッチョが「アトラスだ。豪快によろしくっ!」とか言って握手を求めてきて、それに左手で応じたら、右手を差し出したところに左手を差し出したからか、包帯男が右腕の怪我に気づいて心配してくる。

 

「それは大変だ。コリンズくん、怪我を診てやってはどうかな」

 

「言われなくてもやるわよ。まずはお家に上がってじっくり診ましょうね」

 

 暑苦しい感じのアトラスがなんとなくオレと合わない気がする中で、背中を押して家に押し込むコリンズと呼ばれた包帯男は、そのまま居間までオレを運んでしまう。

 居間にはキンジの祖父母の姿があって、軽く挨拶だけするとかなりオープンに受け入れられてくつろがせてくれたので、医療品を持ち出したコリンズに合わせてミズチを外して右腕を診てもらう。

 

「おう。来たか、京夜」

 

「お前が目に見える怪我してくるなんて珍しいな」

 

「イギリスなんかに遅れを取るなんてダッサーい」

 

 その治療中に別の部屋にいた遠山兄弟がゾロゾロと居間にやって来てそれぞれ口を開いたが、お前ら超人兄弟と一緒にされても困る。怪我する時はするんだよ。

 

「はい終わりっ。4、5日は安静にしてないとダメよ」

 

「悪いな、コリンズ」

 

「いやんっ。お礼ならこ・こ・に」

 

 何やらオレよりも重症なジーサードは意外とケロッとしてるのでとりあえず無視しつつ、丁寧に三角巾での固定までしてくれたコリンズの見た目でそのくらいの安静は必要と言われて処置を終えるが、そのお礼をほっぺを差し出されて言われるとちょっと困る。感謝はしてるが……

 そうしてオレがためらっていると、アリアとの喧嘩を終えて居間にやって来た理子が割って入ってくれて、その理子にコリンズが「女持ちだったのね」とか誤解はしたものの、この程度の処置で報酬を求めるほど悪い性格はしてないとだけ言って居間から出ていってしまった。

 

「んで、何がどうしてこうなったんだっけ?」

 

 そうして話の中心にいる人物の顔が揃ったところでオレから切り出して説明を求めると、オレと理子がここに来るまでに事態を把握していたらしいキンジが代表して口を開く。

 

「えっとだな。まずはさっきまで対立してた外務省はアリアが話をつけてなんとかなりそうだ」

 

「その代わりにあたしは事実上の強制送還。ついでにあたし達より先に外務省と喧嘩してたあんた達もお咎めなしにしてあげたから感謝しなさい」

 

「そりゃ感謝はするが、いいのか? 自由に動きたいからオレ達まで使ってたわけだろ?」

 

「いいのよ。ママとの面会であたしはメヌと……妹と会わなきゃならなくなったし、キンジもジーサードの方について回ることになったしね」

 

 なんだか話が飛んでてよくわからないが、アリアはメヌエットに会いに行くから強制送還も構わないんで、外務省とのいざこざをそれで収めてオレ達を自由にしたってことか。

 んで、これから別行動になるらしいキンジは、何やら丁度よく問題を持って帰ってきたジーサードの方について行動すると。

 

「となるとオレ達はお役御免か。理子、どうする?」

 

「帰ろっか。疲れたし。それにいつまでもアリアと同じピンク髪も嫌だもんね」

 

「なんですってぇ!」

 

「なによぉ!」

 

「喧嘩なら表でやれ」

 

 それならもうオレ達はあれこれしなくてもよさそうで、2人もお疲れさま的な空気を出したのだが、そこに割り込んで「ちょっと待て」と声を出したのはジーサード。その目はオレをまっすぐに見てる。

 

「やることなくなったならスカウトだ。京夜、お前もこっちを手伝え」

 

「…………これ見てもか?」

 

 何をやらせるつもりなのかわからないが、今の見てくれからもこいつが手伝わせることに荒事が絡まないわけがないので、右腕を指してやんわり辞退する。

 しかしジーサードはオレよりも重症の体をドンと叩いて「そんなの怪我に入んねェよ」と説得力あるんだかわからない返しで構わないと言ってきた。だから超人と比べるな。

 

「キンジは納得した上でなんだな?」

 

「一応はな。弟をこんな風にしたやつをぶっ飛ばす約束もしちまったし、アリアの緋緋色金とも関係なくはない案件でもある」

 

「緋緋色金と? ジーサード、お前ここに来る前はどこにいたんだよ」

 

「ネバダのエリア51さ」

 

 エリア51って確か……宇宙人が運び込まれたとかそういうキナ臭いオカルトがある空軍の基地だったかな。

 色々と機密の多かったところだが、今は宇宙人とかは否定もされてたりでキナ臭さは薄れてる。

 しかしそこに行って迎撃されてって、やっぱり何かあるのか。いや、アメリカで緋緋色金と縁がある物って……

 

「……瑠瑠色金……」

 

「おっ、兄貴より察しが良いぞ。この推理力が普段の兄貴にも欲しいところだ」

 

「余計なお世話だ。だが何で瑠瑠色金だとわかった?」

 

「ん、瑠瑠色金が人の管理下にある可能性には辿り着いてて、欧州西部か北米にあるかもってところまでは特定してたからな。あとはジーサードの目的が色金関係にあるのも加味してか」

 

 加えてここにいる理子の両親が盗みに入った警戒厳重な場所ってのもあるが、オレの推理なんてどうでもいいのでそれらしいことを並べて話を進める。

 

「そういうことなら行くのもやぶさかじゃないが、結局は盗みに入るんだよな」

 

「そうなるな」

 

「なら理子、一緒に行くか?」

 

「んお? どして?」

 

「お前の両親が辿った道だ。聖地巡礼ってことで」

 

「聖地でもなんでもないだろそれ……って、猿飛お前、それって理子の親が……」

 

「ジーサード、軍の記録とかにないのか?」

 

「あるぜ。だがよく知ってんな。調べなきゃわかんねェぜ?」

 

「情報収集は物事の基本だろ」

 

 口で言うよりも多くの情報から推測してるが、多くを語るなは武偵の基本だし、これ以上は引っ張る意味もない。

 なのでオレに同行するかを問われた理子はアリアとの喧嘩を中断して悩むが、ジーサードが微妙な表情をするのでそちらにはオレが対応しておく。

 

「オレを連れていくなら理子もオプションでつけろ。観光目的じゃなく、リアルにオレよりも有能だからな。盗みに関してはってのがいただけないが」

 

「確かに理子は俺や猿飛よりも堅牢な守りをどうにかする手段は持ってるな」

 

「…………ちっ。あんまゾロゾロと連れんのは柄じゃねェんだが、兄貴もそっち寄りなら仕方ねェ。だが本人の意思は尊重してやれ」

 

「金三のツンデレぇ」

 

 渋い顔をするジーサードだったが、オレも考えなしで理子を連れていきたいわけではないことを言えば、キンジも賛同したことで了承してくれ、かなめが最後に余計なことを言って胸ぐらを掴まれていたが、金三って……ゴールデン・サードからか? 直球すぎる。

 それから話も大体ではあるがまとまったので、明日には帰国するアリアは1度学園島に戻って準備を進め、オレと理子も外務省との対立がなくなったことで安心して学園島に戻れた。

 しかし学園島まで戻って、島にコレクションのバイクを返却した帰路。まだ自分の意思を主張してなかった理子が何を悩んでいるのかわからなかったので、言い出しっぺとして勝手にやった手前、聞かなきゃと思う。

 

「行きたくないのか、アメリカ」

 

「うーん……そういうことじゃないんだけど……てゆーか、キョーやんに言われて気づいたよ。お母さま達がこれを盗りに入った場所がエリア51だったんだなって」

 

「それに関しては理子より情報を持ってたってだけだし、気にすることでもないだろ」

 

「うん。まぁそれは置いといて。理子がバカ正直にオッケーって言わないのは……なんていうのかな……こう……頼りにされることへのプレッシャーってやつ。そういうの今まで感じたことなかったんだけどねぇ……京夜に頼りにされると、胸を張って任せろって無責任に言えなくなっちゃった」

 

 それで話を聞くと別にアメリカに行くこと自体には抵抗はないようだったが、らしくなく頼りにされることのプレッシャーで結果を気にしてると話す理子はなんだか気弱だ。

 まぁ無責任に出来ないことを出来ると言って「失敗しちゃったテヘペロッ」は確かに困るが、オレは出来ないことをしてと頼ってるわけでは決してないし、理子もそれはわかってる。

 プレッシャーとしてるのはおそらく『役に立てないことへの不安』だろう。

 

「んなプレッシャー、犬にでも食わせてこい」

 

「無理を言うなバカ。だって京夜があたしを頼った段階で、京夜の中であたしへの期待値ってのが確実にあるわけでしょ。それを下回る可能性って考えたら不安しかないって」

 

「期待値ねぇ……確かにこのくらいはってのが存在するけど、下回ったからってオレはなんとも思わんぞ」

 

「嘘はいけませんー」

 

 ――ぐににぃ!

 そんなこと気にするなと言いたいオレの言葉に対して、ネガティブからくる不安でポジティブを打ち消して頬をつねられる。

 だが理子の言うように言葉ではなんとでも言えてしまうし、人間がそれだけで不安を解消できるほど単純な生き物でもないのは自分でも経験済み。

 

「責任を負うのは依頼した側だろ。それに理子が精一杯の行動をして出た結果なら本当にオレはそれを責めるつもりはない。むしろ依頼人がオレだからって変に身構えられても、いつもの理子を頼ってるオレとしては、いつもと違う方が困るんだよ」

 

「……それはわかるけど……」

 

「……この前の欧州でオレは、ほぼ何をすればいいかとか、何をして欲しいとか言われることなく羽鳥のやつに連れ回されたんだよな。だからそこで見聞きしたもので自分なりに考えて行動して、個人の力ってやつの小ささを思い知った。羽鳥がオレに何を求めていたかは今も推測だけでわからないんだが……そうやってオレを頼ってきたのはさ、自分1人ではどうしようもなかったり、自分にはできない何かを補うためだってのはわかったよ」

 

 それでも何かを伝えるためには言葉は必要と思って、なかなか気持ちが上に向かない理子にこの前の欧州での話をしてやる。

 そこでオレは自分の力のなさを痛いほどに感じて、絶望にも似たものを感じた、そんな中でも自分にできることを必死に模索して行動した。

 その時に感じた不安や脱力感を理子はいま感じたくないと踏み留まってるんだ。なし崩し的に渦中に放り込まれたオレとは違って、踏み留まれるだけに悩んでる。

 

「…………何が言いたいんだろうなオレは……つまりだ。オレにはお前が必要なんだ。だから一緒に来い。それでオレを助けろ」

 

 不安なんてみんながいつだって抱えてるんだ。だからその大小にいちいち感情を上下させていたら疲れてしまう。

 だから今、理子が求めてるのだろう言葉を考えて言ってはみたが、なんか告白みたいになってしまってあれだった。

 理子も理子で言われてから目をパチクリさせてちょっと頬を赤らめると、何が嬉しいのか口角を釣り上げた笑みでオレを見る。

 

「そっか……キョーやんがそこまで言うなら行ってやらんでもないぞ。そんでファインプレーしたらほっぺにチューの追加報酬はもらいましょうか」

 

「それは断固拒否する」

 

「じゃあ、おでこにチューでも可で!」

 

「なに? おでこにピン?」

 

「それはデコピンじゃい!」

 

 結局は自分が役に立つかなんて確証を持てる人間はほぼいない。

 だからこそ不安は消えないし、行動の選択の正解もわからない。未来は不確定なんだ。

 だがその未来を明るくするために努力はできる。そのスタートラインに今、理子は立ってくれた。

 そうしていつもの理子になってくれてコントのようなやり取りもしたところで、女子寮の近くまで来たので理子とは一旦お別れ。

 オレも理子が行くことを決めたことでジーサードに連絡を入れてから教務科に寄って『海外行きの依頼』を受けた報告をしておき、出欠の方でも問題ないようにしておく。

 こうしないと無断欠席で留年もあり得る……と思ったが、進級に必要な出席日数と単位は取れてるはず。危ないのはキンジの方かもな。

 

「アメリカか……未踏の地だな」

 

 アメリカ行きは割と性急な明日。アリアも同じ頃にイギリスに発つとかなので、のんびりもしてられないが、このわずかな平穏を噛み締めて、戻ってこれるようにと願い帰路について出発の準備をしていった。

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