そのためいくつかの設定などがBullet101からと違うところがありますが、そういうものだという認識で読んでください
Landing
「ん、今回もなかなかの出来だ」
金三……ジーサードのやつが品種改良しただけあって、敷地の一部を使って開拓した自作菜園の色々な野菜・果物は夏に差し掛かる時期の収穫期で概ね満足のいく仕上がりとなっていた。
「最近思うのだが、京夜はもう農業に転職してはどうだろうか」
「ですのー! 苺ちゃんは苺ちゃんの栽培を担当してもいいですの!」
「し、島さんはこの前、発芽で失敗してたのでや、やめた方がいいかと……」
「お、ブロッコリーなんてしっかりしてるな。これならセーラもモリモリ食べてくれるか」
その収穫の作業をしていたら、何やら一緒に作業していたジャンヌや島、中空知がやいややいやと騒いでいたが、毎度のことなので軽くスルーしつつ同業のよしみと要望で育てたブロッコリーを収穫。
東京武偵高を卒業して3年。
卒業後すぐに武偵チームでヨーロッパに移住をしたオレ達コンステラシオンは、とある重要拠点で長期に渡る極秘任務を遂行するために、イタリア、オーストリア、スイス、ドイツに囲まれたリヒテンシュタインのライン川が望める都市、シャーンの町外れに少々贅沢なくらいの土地を借りて活動していた。
いつ終わるかもわからない任務のせいで、食料の自給自足を目的に半年ほどしてから始めた菜園も今やジーサードの協力で1年を通して安定した収穫が出来るようになっていた。
「あーそうそう。午後からロカとコリンズが来るよな。交渉は大丈夫か?」
「抜かりはない。そのためにわざわざリサを呼び寄せておいた」
そのジーサードから毎度、様々な品種改良した種を購入していて、その都度でジーサード・リーグから寄越される奴との値段交渉が今日あるのだが、そこは策士ジャンヌ。事前にキンジに話でも通していたのか、そのお付きのメイドである最強の会計士リサをレンタルしていてオレに親指を立ててみせる。
ロカとコリンズには悪いが、リサがいればこちらの勝ちは確定。泣いて帰す羽目になるな。
長期任務とはいえ、それだけをやっていても生計は立てられないので、当然のごとく他の依頼をジャンヌ辺りが取ってきて、ヨーロッパ諸国を中心にそれなりに成果は上げているが、その仕事は面に名前すら出ない秘匿性の高い依頼ばかりで、ジャンヌの祖国であるフランスの裏では『コンステラシオンは影の英雄』とか囁かれているらしい。
オレとしても堂々と名を売って武偵業をやるのは避けたいのでありがたいが、それで有名になるのはリーダーであるジャンヌという構図は如何なものかと思う。
少しくらい中空知と島と京極に譲ってやれと口には出さないが思っている。
他には個人的な繋がりを通して、イギリスからはよくフローレンスが使者として嫌々ながら依頼を持ってきたり、中国でも劉蘭や諸葛が時々どうだろうかと案件を運んでくる。
ジーサードとはその辺でも協定があり、互いに交互に協力要請を出せる援護システムが交渉の結果採用された。
今は向こうがこちらに協力を依頼できる立場だったかな。今日の交渉で一緒に持ってこなければいいが……
そうこう考えながら収穫を終えて昼食の準備でもしようかと、武偵高の学生寮のような造りの住居施設にみんなで入ろうとしたところで、豪快な運転で敷地内に入ってきた大型ワゴンが施設の玄関前でドリフトを決めて停車。
特徴のあるその運転には覚えがあったので誰が来たかはすぐにわかるが、中のやつらは絶対酔ってるな。
「先輩方、ちょっとぶりです!」
「貴希さん、急に運転荒くしないでください……」
「警察に見つかったら減点ものですよもう……」
「最悪……」
「……リサは貴希様の運転を好きにはなれなさそうで……す」
停車したワゴンからはまず我先に運転席から貴希が元気よく挨拶してきて、それに続いて助手席と後部座席に座っていたやつらがヨロヨロと降りて出てくる。
今や両親と同じく世界中で引っ張りだこの特殊武偵、小鳥は貴希の運転に文句を言いつつ相棒の昴を頭に乗せて割と元気そう。
武偵高を卒業後に正式に月華美迅の雅さんに弟子入りした幸帆も、もう慣れ始めたのか少しの元気を残した状態でスピード違反でもしてきた貴希を咎めるが、当の貴希に反省の色はない。
貴希も運び屋として営業地域を転々としてるし、1つどころに留まれない感じは落ち着きがないのか旅好きなのか未だにわからない。
そして貴希の運転に明らかに不慣れで具合の悪そうな顔色をした銀髪ロングストレートのちょっと目付きの悪い少女セーラは、同じくフラフラな薄い金髪ロングヘアーのわがままボディを持つキンジのメイド、リサと肩を寄せ合って座り込んでしまった。
2人とも元々は極東戦役においてはオレ達師団と敵対した眷属所属の戦士でイ・ウー主戦派残党だったが、リサは戦地で出会ったキンジに運命的なものを感じてそのまま流れやらで仲間入り。今も公安0課の仲間入りしたキンジを影で支える功労者の1人。
セーラも元々一族の生業として義賊をしていて、報酬の良い眷属にいただけだったので、オレ達に含むところはなくその後はちょっとした交渉でここを仕事をする上での仮拠点として提供していて、こうして月に1回程度で顔を出して何泊かしていく。
セーラは本名をセーラ・フッドと言い、ロビン・フッドの末裔にして魔女の血まで持つスコットランドの超能力者。『
リサもリサでその正体はオランダの伝説にある『ジェヴォーダンの獣』という人狼で、イ・ウーでもアリア、パトラ、ブラドと並ぶシャーロックの後継者候補にまでなっていたとんでもない子だ。
そんな2人も普段は可愛いし美人だしで人畜無害で仕事とプライベートをきっちりしてるタイプ。
リサは人狼化に条件があってほとんど戦力外だからちょっと違うが、具合の悪そうな2人を小鳥と幸帆が介護してみんな揃って1階にある食堂へと移動。その途中でリサとセーラは空港で鉢合ったから拾ってきたと説明されて納得。
一応、全員が今日来ることは連絡が来ていたが、いつとは聞いてなかったので偶然って怖いな。
食堂のテーブルでグッタリするセーラとリサを横目に昼食作りを開始したオレ達は、こういうことに昔から積極的な小鳥と幸帆が率先してテキパキやってしまうので、厨房での仕事はほとんどなく皿出しくらいしかやれなかった。
武偵高を卒業してから髪を伸ばし始めた小鳥は、今や肩甲骨を隠せるほどの長さにして、在学中の子供っぽさがだいぶ抜け、母親の英理さんに似て美人になりかけている最中といった変化の時期に差し掛かっていた。
そんな小鳥が3年生になり徒友の契約期間が切れて解消された日に告白してきたのは今でも鮮明に覚えている。
精一杯の言葉で、噛み噛みだったが真剣な気持ちを伝えてきた小鳥に、オレもちゃんと気持ちを伝えてやったら、その時はさすがに泣かれてしまったが、その後も先輩後輩の関係は問題なく継続している。
幸姉からの情報で最近、誠夜とお見合いさせられたとか聞いたが、それは完全に幸姉が小鳥を使用人として家に引き入れたいある種の政略結婚だと思われる。
結果についてはなんか複雑な気持ちで聞いてない。小鳥からお義兄さんとか呼ばれる日が来るかもと思うと色々と、な。
幸帆は逆にどんどん幸姉に似てきて、周りからそう言われるのが少し嫌だったのか、その髪をセミロングに切ってひとまとめにしている。
それでも今の小鳥よりもずっと大人びていて、雅さん曰く「師匠が弟子に見られて不快である」とのこと。
その幸帆もオレの卒業と同時に再度告白してきたが、オレの気持ちはその時にはもう決まっていたのでキッパリと断ると、それで未練もなくなったのかアッサリと身を引いて、今は不知火となんちゃらーとポロッと言ってたようなそうでないようなだ。
今回、小鳥と幸帆と貴希が一緒にいたのは偶然ではなく、れっきとした武偵チーム『
小鳥は自分の能力を生かして、遭難救助や犯人追跡。主に捜索関係の依頼を受けて動く武偵の中で特に注目株のようで、森や山での遭難者捜索においては生死に関わらずほぼ確実に探し出すことから『女神の千里眼』とか欧州諸国では呼ばれ始めてるっぽい。
幸帆も雅さんの教授の甲斐あってか、日本の武偵庁からスカウトの話が来ていて、コンピュータセキュリティーや情報管理での仕事をさせてもらえるみたいだが、本人はまだ迷っていることをオレに話している。
貴希は3人の中で1番大人びた女になったが、その中身はあまり変わってない。今も兄妹仲良く世界中のあらゆる乗り物を乗り回してハッスルしている。
オレ達コンステラシオンも島だけで足りない足を確保する時の候補にしてやってるが、豪快な運転で何度中空知が吐きそうになったか。実際吐いたこともあるけど。
そんな憐花のメンバーの活躍を先輩として喜びつつも負けてられないと対抗心を燃やしたこともあるが、こうしてプライベートで会うとついつい和んでしまうのは後輩に甘い証拠なのかわからん。
とかなんとかやってたら昼食もあらかた出来上がってセーラとリサも復活してきた頃に突然、外の方にヘリっぽいモーター音が聞こえてきたかと思えば、食堂の扉を勢いよく開けて入ってきたのは、
「よう京夜ぁ! 邪魔すんぜ……って、なんかゾロゾロいやがんな」
このあと来る予定だったジーサード・リーグのトップ。ジーサードが部下を引き連れてやって来た。相変わらず派手で騒がしいやつ。
「今日はロカとコリンズだけじゃなかったのか、金三」
「その呼び方マジでやめろよ。家族以外に呼ばれるとイラッとすっから。ちょいと欧州に用があってついでに寄らせてもらった。それよりメシか。京夜、トマトだトマト。採ってあんだろ」
我が物顔で食堂に入って、周りの雰囲気でこれから昼食なのを察してドカッとテーブルについてトマトを要求するので、厨房にあった洗っただけのトマトを投げて渡すと笑顔で受け取りそのままムシャムシャ食べ始める。
なんかこいつの
それからジーサード・リーグの面々、超能力担当のロカ。支援・資金調達担当の黒人オネエ、コリンズ。前線担当のマッチョ、アトラス。ジーサードの腰巾着、玉藻様と同種の化生の幼女、
これだけの来客にも平気で対応できるこの施設は、実は武偵専用の宿泊施設という側面も持っていて、知人関係に限られてはいるが、基本的に来る者拒まずで宿泊料金を取りつつで副業している。
欧州諸国に用があるやつらは下手にホテルを取るより安いからと武藤やら不知火やらまで遊び感覚でやって来てはお土産話を置いて行っていた。
スイスのチューリッヒ空港もそれなりに近いから、時差ボケ直しとかで意外と利用するやつは少なくない。
ジーサード達の来訪で一気に賑やかになった食堂はワイワイやりながらのランチとなり、回復したセーラも大好物のブロッコリーのサラダをモリモリ食べて表情にこそあまり出ないがレキ系統なのでなんとなく雰囲気を読んで幸せそうにしているのを悟り、リサも回復さえしてしまえば小鳥や幸帆を退けるほどの超人メイドと化すので、テキパキと率先して給仕をしては軽やかなトークまでこなしてみせていた。
マジ優秀。ここで働いてほしい。実際ジャンヌが今もキンジと交渉中なのは本当の話。
基本的に女子率が高くなってるこの施設でオレはちょっと普段から気を遣うことが多い。それが問題で何やらというのは……まぁ……無きにしもあらずだが、その都度で適切な対応をして切り抜けている。
ほとんどが向こうの不注意なのが不満ではあるが、それを言うとジャンヌ辺りは尚のこと怒るから、事が面倒になる前に終わらせているのが現状。
オレの立場は年々地に落ちてきているが、まだ家事全般と依頼で役立つから地の底は見えていない。
昼食後は予定通りにロカとコリンズ、ジャンヌとリサによる交渉戦が食堂で開催されたが、そちらはスルーしてジーサードと九九藻、セーラと一緒にとあるもののチェックも兼ねて散歩。
異色な組み合わせながら、三者間で協力体制は万全なので仲が悪いということもない。会話は続かないが。
「んでよォ、最近兄貴がつれねーっつーか、付き合い悪ィのよ」
「キンジももう公安の犬になったしな。弟のご機嫌取りしてる余裕もないんだろ。かなめはお構いなしで構ってちゃんみたいだから、お前も『お兄ちゃーん』ってすり寄ればいいんじゃね?」
「……気持ち悪い」
「サード様にそのようなことをさせるなど言語道断! 猿飛はサード様を何だとお思いか!」
とかなんとかブラコン金三の愚痴を聞いてやってたら、横のセーラも眉をしかめて嫌な顔をして、九九藻もやいやい言ってきたが、九九藻は現在オレに肩車されてる身。
例の匂いのせいでこうしたことはいつものことだが、立場を弁えない九九藻をとりあえず軸回転で目を回しておく。
バスカービルの連中はどいつもこいつも出世頭の有名人になり、元から欧州諸国で有名だったアリアは自らの最重要案件である緋緋色金のあれこれを解決し、かなえさんも無罪放免で釈放させたあとは破竹の勢いで世界中の犯罪者を捕まえて『緋弾のアリア』の異名もずいぶん聞くようになった。
半年に1度くらいこっちに顔を出すが、忙がしさは他の追随を許さないほどだろうな。
キンジも話で出たように東大に合格後にあれやこれやとあって公安0課に配属され、ついに向こう側の人間に昇格。人間やめちゃいました。
レキは、今も時々ふらっとここに現れてはふらっと消える神出鬼没さに磨きがかかり、アリアの仕事の手伝いやら、オレやジーサードの仕事にもたまに付き合ってもらっている。
白雪は緋緋色金の問題が片付いたとはいえ、星伽の掟がまだ厳しいために日本国内での活動が主だが、武偵高と協力した超偵育成の取り組みに参加したりと日本国内の物騒化を援助している。超偵自体の少なさが不幸中の幸いか。
「そういや聞いたぜ? お前にフラれた劉蘭、この前あの『
「何だ、やっぱりお前も趙煬とはやり合ったことがあるのか」
「いや、噂だけで聞いてるがいつか殴り込みに行く予定だぜ。なんせ兄貴が勝てるかわかんねーって言ってた相手だからな」
「一応友好関係にあるんだから問題は起こさないでくれ」
九九藻を黙らせてからこれ以上はいじられると思ったのか愚痴を切り上げたジーサードは、次の話題としてどこから拾ってきたのかオレも最近に本人から報告されたことを引っ張ってきて血の気の多い発言にヒヤッとする。
劉蘭は修学旅行Ⅱの時期の香港で言った通り、オレが卒業するまであれこれとアプローチして告白までしてくれたのだが、その時にはもうオレへと気持ちは整理をつけるためだったのか、フラれてからしばらくしてずっとお付きで側にいた趙煬と正式に交際を開始。
あとから聞いたが2人は小さい頃からの幼馴染みでオレと幸姉みたいな関係だったらしいので、近すぎるのも問題だよなと自分のことのように思っていたら、先週に婚約したことを報告してきたのでちょっとビビった。
「いずれはイギリスのOOシリーズともガチンコやりてェんだけどな。中国の
「死んでも自己責任だぞ……っと、着いたか。九九藻、セーラ、頼む」
何年経っても思考回路がぶっ飛んでるジーサードに諦めの意思を込めて返してから、目的の場所まで来たので九九藻を降ろして超能力専門の2人に調子の方を見てもらう。
施設の端の方に設置してある小さな社のような祭壇。魔的な意味を持つ様々な式には、ここを中心に半径数キロの範囲を覆う玉藻様の『鬼払結界』が常に発動して、ある特定の人物が侵入するとジャンヌやら他の超能力者が気付ける仕掛けが施されている。
実はあの香港での出来事以降、世界最強の式神使い、土御門陽陰は幸姉の張った超警戒網を気にしてか日本に新たな天地式神を設置しに来ていなく、今もその身柄は押さえられていない。
日本では未だに陽陰を警戒した動きが継続されているが、どうにも雲行きが良くないという理由で、オレ達に仕事が来たわけだ。
オレ達が拠点を置くこの場所もまた、かつては陽陰の天地式神が存在した地脈の噴出点であり、日本よりも陽陰にとって痛手となる穴を開けている。
というのもこの場所からカバーされる天地式神の範囲にはバチカンや隣国首都やらが入っていて、欧州に大穴を開けた感じになっている。
特にバチカンは秘匿情報の宝庫とも言われる重要地点。メーヤさんも天地式神の破壊の際には惜しむことなく協力してくれた。
要するにオレ達は今も土御門陽陰の逮捕のために動いていて、痺れを切らせて出てくるのをひたすらに待っている状態。
これがあとどのくらい続くかは陽陰の動き次第ということになり、毎年南北のアメリカ大陸、アフリカ大陸と1ヶ所ずつ大穴を開けてそこにオレ達のように武偵や専門家が駐在し網を張っていた。
「特に不具合はなさそうですね。流石は玉藻様です」
「あと10年は大丈夫」
その対陽陰用の鬼払結界も一応は時々点検してもらっているのだが、2人の口ぶりから問題はなさそうだとすぐにわかり、これを張ってくれた玉藻様には感謝だ。
その代わりにジャンヌが顔を青ざめる要求をしたようだが、オレには関係ないし。
「おおそうだ京夜。今日は泊まって明日には出発するけどよ、お前も来い。今回はド派手に暴れられる一方でお前向きの役割もあってよ。いたらこっちも楽っつーかなんつーか」
「事前の話くらいしてくれ。まぁ、幸いスケジュールは空いてるから問題ないが、ジャンヌには許可貰ってこいよ」
「よっしゃ! 実はお前のコレが持ってきた案件だから、参加させるのもいいかと思っただけなんだがな」
「余計な気を遣うな金三。あいつが持ってくる仕事なんて数え切れないほどあるんだから今さらだボケ」
鬼払結界の点検も滞りなく終わったので施設に戻ろうとUターンしたところで、やっぱり仕事を運んできたジーサードに予感はしていたオレは了承。
元よりあっちには権利もあるし、ここらでこっちに権利を戻すのもいいだろう。
そしてジーサードが余計な気遣いをしてくれたあいつ、理子はその幅広い人脈と情報収集能力で、通常の武偵業もたまにやりながら主に依頼を厳選し最適な武偵に仕事を回す『仲介人』の仕事で荒稼ぎしている。
ヒルダも相変わらず理子に引っ付いて仲良くやってるみたいだ。
結局のところあいつの意外にも一途なところと、一緒にいて自然体でいられる心地のよさがオレには合っていたようで、卒業してからオレが告白し以降付き合いが続いている。
互いに欧州を中心にした活動だが、顔を合わせる機会は月に1回あるかないか程度で、恋人らしいことはほとんどできていないのが現状だが、メールだけは向こうから毎日来るのでコミュニケーションに問題はないはずだ。
近々こっちに拠点を移して仕事するみたいなことを言っていたから、遠距離ももうじき終わりかもな。
と、ジーサードのせいで普段は意識しない理子のことを考えてしまったが、仕事となれば当然詳しく話は聞かねばならないため、施設に戻りながらジーサードから今回の仕事の内容を聞いて頭に入れ始めた。
補足にはなるが、この数年でオレにも非公式で欧州諸国と米国、アジア圏に2つ名を付けられた。
あくまで武偵業界でのみにはなるが、矢面に出ない武偵の中でも特に隠密性に優れて優秀な成果を上げる。
そんな意味合いを込めて『
理子はかっけぇとか言って気に入ってたが、公式になったらもう諦めることにしている。
何にしてもオレの武偵としての道はまだ始まったばかり。世界で活躍するアリア達にも負けないためにも、今日もオレは精一杯頑張っている。
END