緋弾のアリア~影の武偵~   作:ダブルマジック

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Slash7

「くっそ……気分が悪い……」

 

 突然の屋敷の火事でシルキーが消滅しかけてしまったが、寸でのところで屋敷所縁の銀の杯に依代を移すことで屋敷からシルキーを引き剥がすことに成功。

 その依代となった杯を持って燃え盛る屋敷の中から命からがらで脱出して、一酸化炭素中毒の初期症状である頭痛や吐き気が襲う。

 軽度のものなので自然回復で十分だが、それよりも気になる屋敷を見てみると、オレが出てきた正面入り口もすでに炎に包まれてしまい、屋敷全体が焼ける大惨事となっていた。

 この火事は当然ながら街の人も気づいて野次馬として集まっていたが、大半の人は屋敷よりもシルキーが無事なのかを心配する声をあげている。

 

「ちょっとキョーヤ! 何してたの!」

 

「大事なことだよ。この街の人にとってもな」

 

「……はぁ?」

 

 その野次馬の中から出てきたヴィッキーが心配しながらも怒ってるような声色で迫るが、何をしていたかハッキリしないオレの答えに首をかしげる。

 その後すぐに消防が駆けつけて屋敷は鎮火されて周囲の家々には被害が出ずに済んだが、鎮火されたとはいえ屋敷はほぼ全焼。

 辛うじて残った屋敷の輪郭も吹けば崩れるほどに脆くなってしまっていた。

 消防のあとには警察もやって来て、屋敷跡地の現場検証が始まってしまったが、オレとヴィッキーもそれに参加して諜報科らしく観察してみれば、この火事の真相というものが見えてしまう。

 屋敷は無惨な姿になってしまっているが、その周囲の敷地が少し不自然な焼け方をしていて、ある境界を作るように焼け方にムラがあった。

 

「……放火」

 

「屋敷を円陣にガソリンを撒いて、そこから着火したみたいね」

 

「……ヴィッキー」

 

「報酬はどうする?」

 

「6:4でいいから、頼む」

 

「まっかせなさい」

 

 直前にしたガソリンの匂いとも無関係ではないことは間違いないので、この火事は間違いなく放火によるもの。

 なら誰がという疑問にぶち当たった時に挙がるのは、街の代表だろうな。

 オレ達も曲がりなりにも武偵の卵。放火したとして焼け死ぬようなヘマはしないと踏んでいただろうし、シルキーがオレ達の相手をし、酒まで飲めばその警戒はほとんど外には向かない。そこを狙ったんだ。

 酒が入ったのはおそらく予定外ではあっただろうが、街の安全を守る義務がある代表としては、感情論よりも優先すべきことがあった。

 その事がわかってしまったオレとヴィッキーは、それを責めることはできないとその咎を負って『自分達が街に頼まれて安全確認をした上で行った』と申告。

 ただ街への周知が不十分で消防や警察が駆けつける騒ぎになってしまったのだと説明するヴィッキーを横目に、焼けた屋敷を呆然と見つめる街の人達に近寄っていく。中にはあの酒店のお婆さんの姿もある。

 

「ああ、アンタ。シルキーは? シルキーは無事なのかい?」

 

「……はい。なんとか屋敷から連れ出すことはできましたよ」

 

 オレが近寄ると真っ先にお婆さんがオレに詰め寄ってシルキーの心配をしてくるので、安心させるように声を落ち着かせて、懐に入れていた銀の杯を取り出しお婆さん達に見せる。

 

「今はシルキー本人が姿を見せたり喋ったりすることはできないと思いますが、あなた方の声はちゃんと聞こえています」

 

 出来るならとっくに自分で姿を現してお婆さん達と話をしているはずのシルキーが、今も杯から出られないならと察して、シルキーの言葉を代弁してお婆さん達に見えるように杯を持つと、オレの話を聞いてお婆さんを皮切りに街の人がシルキーに声をかけ始め、その言葉は一様にこの火事の謝罪だった。

 やったのは自分ではないのかもしれないが、そうしなきゃならないところまで責任を感じていた代表を止められなかったのは自分達のせいで、シルキーのためにしてあげられることが何もなかった自分達への怒り。

 どれを取ってもシルキーへの強い気持ちが込められていて、手に乗る杯はその言葉の1つ1つを噛み締めるように小刻みに震えて何か言いたそうにする。

 そしてそれが臨界点を突破したのか、残りの力をいくらか振り絞って声だけは届けようとしたか、シルキーの優しい言葉が街の人達にかけられた。

 

「皆様、本当にありがとうございます。そしてごめんなさい。わたくしがわがままを言ったばかりにこんなことになってしまって。全てはわたくしの至らない行いが悪かったのです。ですから皆様が謝ることなど、何ひとつありません」

 

 ほとんど一方的な言葉で、そんなことないと返した街の人の言葉にももう言葉を返すだけの力を出せないようで、どれほどの余力を残しているのかわからないオレは、まだ話をしたい街の人達には申し訳なく思いつつも早急に取り組むべきことを伝える。

 

「あの、すみません。この街にあの屋敷のような古くからある建物はありませんか? こうして杯に移していられる時間も限られていますので、そうした建物があるならそちらをシルキーの新しい家にしてもらいたいのですが」

 

「この街にはもう……あの屋敷の他にシルキーが住み着けるほど古い建物はありません……」

 

 この杯への引っ越しのような処置はあくまで緊急措置であり、シルキーも長くはこの状態ではいられない。

 だから新たな依代となる建物が必要になるのだが、シルキーは本来、何世紀も続く屋敷に住み着くものなので、最低でも築100年は経過した建物でなければ依代として機能しない。

 しかしその新たな依代となれるだけの建物はこの街にはもうないらしく、シルキーもあと1日持つかどうかわからないくらいには力を消耗しているはず。

 

「このままじゃシルキーは……」

 

「じゃあキョーヤの住んでるところに運んであげなさいよ」

 

 これではシルキーはただ消えるタイミングがズレただけで解決とはならない。

 それに今からそんな建物を見つけるのはなかなかに難しいことで、その建物に住む人がシルキーを受け入れられるかの問題が出てくる。

 そこで行き詰まって思考が止まりかけたところで、警察に状況説明をしていたヴィッキーが戻ってきて、話が漏れ聞こえていたか、いきなりそんなことを言い始めてマジでビックリする。

 だが冷静になって思い出してみると、確かにオレの住むマンションは築150年とかそんな感じの数字があった気がする。

 今は増築とか改築とか色々とされてて、そこまで古い建物な印象がなかったこともあるが、探す手間が省けるならヴィッキーの提案は良いものだ。

 元々が死神が住む事故物件みたいな扱いだし、今さらシルキーみたいなのが増えたところで気にするヤツもいないだろうしな。

 そうと決まれば善は急げ。

 シルキーもいつ消えるか判断が難しい状況なら、今夜にでもロンドンに戻って朝には引っ越しを完了させたいところ。

 しかしそれをオレの一存では決められないだろうと街の人達に目を向けてみるが、オレを見る街の人達の顔は安堵と諦めの色を含んでいるのがわかった。

 

「連れていってあげてください。私達はシルキーに許されないことをしました。この街にシルキーの居場所がないのなら、シルキーが安心して住める場所があるのなら、そこに住まわせてあげてください。私達は、シルキーさえ元気でいてくれるなら、それ以上なにもいりません」

 

 その気持ちについて代表するようにお婆さんが口を開いて、それに賛同するように他の人達も頷いてみせる。

 そう言ってもらえるならオレもシルキーを連れていくことに抵抗はない。むしろ連れていって消滅を阻止しないと街の人達に恨まれるまであるので、オレにはもう選択権などありはしない。

 半ば押しつけられた形だが、それに嫌悪感を抱くことなど全くない清々しさもある中、ヴィッキーがニューカッスル・アポン・タインからロンドンに向かう便の確保に動いて、ここからニューカッスル・アポン・タインまで車で送ってくれるという人が手を挙げてくれる。

 それらの準備が整う間に、シルキーにお別れの言葉をかける街の人達は、その言葉の中に色々と思いを込めるが、皆が等しく口にしたのは「ありがとう」の感謝だった。

 

「本当に、ありがとう。シルキー」

 

 ある時は家出した子供を匿い、寂しくないように話し相手となり寄り添ってあげて、またある時は人生の先輩として悩む人達の相談相手になってあげて。

 そうやってシルキーが見返りも求めずに善意だけでしてきたことが、こうして今、感謝という形となって返ってきた。

 それに感激したのか、もう声を出すのも危険だろうにカタカタと震えていた杯から、これで最後だと言わんばかりのシルキーの震えた声が響く。

 

「皆様も、いつまでもお元気でいてください」

 

 柄じゃないが、こういうのは涙腺を刺激して涙が出そうになるな。泣かないけど。

 感動のお別れはそうして幕を閉じ、車も準備ができて先に乗り込んだヴィッキーに呼ばれて車に乗り込んだオレは、街の人達に手を振って見送られて、1日といなかったヘドン・オン・ザ・ウォールの街を離れ、今夜の最終便でロンドンへと戻っていった。

 

 帰りの飛行機の中でようやく腰を落ち着けられて気が抜けかけ、ヴィッキーは実際に気を抜きまくって睡眠モードに突入しようとしていたが、今回の依頼には未だ残る違和感が拭えていなかったため『わざと』寝ようとしているヴィッキーに話しかける。

 

「それで、お前はどこの差し金だ」

 

「……あらぁ、やっぱりバレたかぁ」

 

「バレたかぁ、じゃねぇんだよ白々しい。仮にもA評価を貰ってる武偵がこんなに無能なら、オレはロンドン武偵高の評価を疑う」

 

 そうやって最後まで『キャラ』を貫こうとしていたヴィッキーだったが、オレが言及したことで観念したように装着しかけたアイマスクを取って可愛く笑ってみせる。

 今回の依頼、ヴィッキーは終始して並みの武偵以下の活躍しかしていない。

 それがヴィッキー本来の実力なら残念極まりないが、そうではないと気づいたのは火事の直前。

 オレが油断しているところをピンポイントで補うように危険を察知して警告をしてくれたのは、並みの武偵にはできないこと。

 なら何故、実力を隠してまでそんなことをする必要があったのかと思考すれば、ヴィッキーがオレの実力を見るためにしていたことだと察することができ、今回の依頼もどこかで手を回して仕組んできたことで、個人ではなく組織が絡んでいると読んだのだ。

 何よりシルキーの引っ越し先となるオレの住むマンションが条件を満たしていることを何故ヴィッキーが知っているのか。それは事前にこうした結末を描いたヤツが裏にいるんだ。

 

「いやはや、恐れ入ったねぇ。さすがに報告書だけじゃ計れない部分があったし、その辺を自分の目で見ようって思ったけど、予想以上だこりゃ」

 

「それらしい理由で役立たずになるのに幽霊が怖い設定までやるんだから、お前も大概だぞ」

 

「迫真の演技だったでしょ。CVRってそういう授業もあるのよ」

 

「それでどこの差し金なんだよ」

 

「それも予測できてるんでしょ。でもまぁ、私も演技で疲れたし早めに切り上げて寝たいから答えてあげる。リバティー・メイソンよ」

 

 ……しっつこいなぁこの組織は!

 歴史の裏で暗躍する秘密結社リバティー・メイソン。

 構成員の数は不明ながら、ヨーロッパを中心に勢力を持つ彼らは、常にその力を維持・増幅しようと有能な人材を発掘し勧誘している。

 すでにそのメンバーであるエル・ワトソンや羽鳥(はとり)・フローレンスといった奴らとも繋がってしまっているオレは、現在は無期限で停戦中の『極東戦役(Far East Warfare)』で味方として力を貸し、その実力を残念なことに認められてしまっている。

 その頃からワトソンとか経由で勧誘があったのだが、秘密結社とか言いつつ羽鳥とかを見るとブラック企業スレスレな労働を強いられる可能性があるので、断固拒否していた。

 それなのにまだオレを狙ってるとかストーカーで訴えたいね。ワトソン殴りに日本に行こうかな。あ、違う。もっと近くに殴れるヤツがいた。

 そう思って隣のヴィッキーに対して無言で頬を指でグリグリするという行為に及び、まだ優しいオレの拒絶反応にヴィッキーは振り払いつつ話を続ける。

 

「ちょっと待ってよ。まだ勧誘するなんて言ってないでしょ」

 

「しないのか?」

 

「……するけど……や、やめてぇ」

 

 少なくとも今回のことはリバティー・メイソンの意思で、ヴィッキーは改めてオレの実力を確認し勧誘するに値するかを判断する人材として選出されたもの。

 それがわかってるからヴィッキーの言い分はもう組織の代弁なので、それらしい発言に問答無用で頬をグリグリを実行。

 

「もう……何でそんなに嫌がるかな。キョーヤが思ってるほど悪い組織じゃないんだよ? 私も仕事は選ぶけど、ちゃんとリスクマネジメントもされてて人材を大事にしてる組織なんだから」

 

「……どのみち、オレはリバティー・メイソンに入るつもりはない。リバティー・メイソンが先の戦役で最初、どんな動き方をしたか。それを知ってるからこそ、そういう生き方はオレには合わないって思った」

 

 それでも勧誘を諦めないヴィッキーが聞こえの良い言葉を並べて食い下がってくるが、戦役においてリバティー・メイソンは、最初に『師団(ディーン)』と『眷属(グレナダ)』の2つの勢力に分ける段階で中立を選択し、情勢有利になった眷属に取り入ろうとした。

 その後、ワトソンの進言でオレ達の側の師団に変更したものの、そうやってリバティー・メイソンは『勝算の高い側に後出しじゃんけんすることを厭わない組織』ってイメージがオレの中で固まってしまった。

 同じように敗者にだけはならないようにと裏で動いていたバチカンもオレは好きではない。

 もちろん、個人としてなら組織にいる祝光の魔女、メーヤ・ロマーノさんなんかは嫌いじゃないが、それはそれなのだ。

 

「……あーあ。そこまで意思が固いと無理っぽいなぁ。こりゃ賭けも私の負けか」

 

「羽鳥だな。このシナリオを書いたのは」

 

「まぁね。『この結末に持っていけないようなら、彼もその程度さ』って。フローレンスって会った頃からよくわからないヤツだったけど、キョーヤのことになるとやたら楽しそうにするからビックリしたわよ」

 

「オレで遊ぶのが生き甲斐みたいな性根の腐ったヤツだからな」

 

 事前に聞いてはいたのだろうが、実際に勧誘してみてヴィッキーも諦めがついたのか、羽鳥と賭けでもしていたようなことを漏らしつつ、始めから解決していたようなこの依頼も羽鳥の筋書き通りだったと知り舌打ち。

 相変わらずオレに対してだけ『人の苦悩は蜜の味』みたいに思ってる羽鳥の性格は歪んでるし嫌いだが、人を不幸にするシナリオを書かないだけマシだろうな。

 

「あー、でもこれって私がキョーヤが留学中って期間で承った仕事だから、これからもちょいちょい勧誘はさせてもらうわね。その気になったらいつでも声をかけて」

 

「そんな日は来ないがな」

 

「あと誤解がないように言っておくけど、行きの飛行機でのあれは、いちおう私の本音」

 

 性格は歪んでいるが根っこのところは腐ってない羽鳥をなんだかんだで嫌いになりきれないオレの甘さに内心で苦笑して、勧誘もこれで落ち着いてくれるかなと思ったら、なんか留学中は仕事の期限らしくて、まだ勧誘は完全に諦めてない発言をしたヴィッキーに嫌な顔をする。

 その顔を見て笑う辺りは羽鳥と同じタイプの性格で一気に苦手意識が芽生えたが、話の終わりに行きの飛行機でしたあの謎の反応はヴィッキーの本音だったと吐露。

 

「あれって怒ってただろ」

 

「そうよ。そういう女にしたくないとか、カッコつけてなに言ってんだって怒ってたわよ。でも、芯がしっかりと通った男って、それ以上に女は『いいな』って思っちゃうこともあるの。はい話は終了。寝るから着いたら起こして」

 

 あれに関しては深く考えないことにしていたから忘れかけていたのに、何故ここで蒸し返すのかと考えたのだが、少し照れながらどう思っていたかを話したヴィッキーは、それでオレの言葉を待たずにアイマスクをして強制的に会話を終了。

 またなんか女をドキッとさせることを言っていたことに気づかされたぞ。今後は思わせぶりな言葉は慎もう。自覚できてれば苦労はないがな……

 

 ロンドンに着いたのは夜の10時を過ぎた頃で、空港で別れたヴィッキーはシルキーの様子を見ることもせずに「報酬の方は明日にでも渡す」と言い残してさっさと帰宅。

 どうせ近いうちにオレの部屋に色んな理由をつけて遊びに来た時にでも確認するんだろうが、誰が入れてやるか。

 そんなことを決意しながら自宅マンションまで戻って部屋に入ると、シルキーの入っている銀の杯を日の当たらない場所に一時保管して、シルキーには杯からこのマンションに依代を移ってもらう。

 オレの合図で到着したことを察して、杯が淡く光ると、その光が杯から離れて宙に浮くと、部屋の中心で弾けて消えてしまう。

 それから数秒のあとにすぅっと実体化したシルキーがオレの前に現れて、苦しそうな様子もなくその顔に笑顔を浮かべてペコリとお辞儀をした。

 

「本当に、ありがとうございました。京夜様のおかげで街の皆様とわだかまりもなく、正直な気持ちでお別れすることができました」

 

「お礼とかいいよ。それよりこのマンションはどう?」

 

「はい。あのお屋敷ほど年月を経てはいなく、ずいぶんと散らかったお部屋も多いようで、超能力の方は満足に使えないとは思いますが、住まわせていただく以上は、これから誠心誠意、皆様のお力になれるように頑張らせていただきます!」

 

「いきなりはみんな怖がるだろうから、まずは挨拶とかしておいてね」

 

「はい。それは頃合いを見て勝手にやらせていただきますね」

 

 そうした改まった挨拶も済ませて、言ってしまえば寮母さんを雇ったような状況にみんな受け入れてくれるだろうかと少しだけ不安に思うも、シルキーは有名らしいので心配はないかと楽観視。

 夜も遅いので今夜はもう寝ようかと思っていたら、姿を消さないシルキーがマンションを依代にしたことで別の感覚器官が生まれるのか、何かを探るような集中をしだして、次にはオレの部屋にあった刃渡り150cm。幅10cmもある、ジーサードに押しつけられた大太刀の単分子振動刀──大きくて携帯するには邪魔すぎるので基本使ってない──を鞘に納めたまま手に取ると、少し超能力も込めたのか淡く光ったその単分子振動刀で何もない空間をそいと叩く。

 

「あだっ!」

 

 するとその単分子振動刀が振るわれた先で何かに当たったかと思えば、手品のように突然姿を現したボロ布1枚だけ着た白髪の少女が床に転がって倒れたのだった。

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