緋弾のアリア~影の武偵~   作:ダブルマジック

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Slash13

 

『まったく、面倒な人間に絡まれたものだな』

 

 人魚の存在が確認できそうなところまで踏み込めはしたが、綱渡りな駆け引きをしているのは否めず、そのままの状態で指定した時間にレス島の南の海岸に羽鳥と一緒に行くと、どこからともなく頭の中に直接響いた女の声にオレも羽鳥も顔を見合わせる。

 羽鳥にも聞こえたということは幻聴などではなく現実に起きてることと認識し、かなり大人びた感じで気の強そうなその声は英語で喋ってはいたが、オレよりも拙さを覚えるくらいのものだった。

 そこに謎の親近感が湧いたのも一瞬で、言葉の後にはオレと羽鳥の近くの海面に人が1人すっぽりと入れる程度の渦潮が静かに発生し、それが明らかに自然なものではないと確信しながらどうすべきかと思考。

 

『そこに入れ』

 

 意味がある渦潮ならといくらか思いつく手前でまた女の声が頭に響いて、どんなものかもわからないあの渦潮に飛び込めとか怖いことを言ってくる。

 真夜中の海に発生した底も見えない渦潮に飛び込むとかマジで怖すぎて鳥肌モノだったが、隣に立つアホがいきなり懐から拳銃を抜いてオレの後頭部にあてがうという暴挙に出てくる。

 

「行きたまえよ、モルモット君」

 

「オレに味方はいないのか」

 

「何を言ってるんだい。君の『能力』を信頼してやっている。早く行きたまえ」

 

 こいつがやることはいつも突飛で説明もないから困るが、そうやってオレが先に行くことで『死の回避』が発動するかどうかを1つの判断基準にしようとしているのだ。

 この渦潮に即死性の何かがあれば、オレの体は渦潮に飛び込むことを全力で拒絶するはずで、それがなければとりあえずの即死は免れられるというわけだ。

 どうせ撃たれても勝手に避けてしまうだろうが、人としても見てない羽鳥のオレの扱いには無事に戻ったら猛抗議してリバティー・メイソンに損害賠償を求めるとして、腰の辺りにまで浸かるところで発生していた渦潮の前まで来てから、真っ暗でほとんど何も見えないその中に入ろうと身を乗り出す。

 死の回避の発動は確認できず、直前でピタリと止まって羽鳥に振り返り問題なさそうなことをアイコンタクトすると、安心した羽鳥がにこやかな笑顔で拳銃を仕舞ってから「ならさっさと行きたまえ」とオレの尻を蹴って前に押し出しやがった。

 それに備えなしだったオレは頭から渦潮に突っ込んでしまって、反射的に目をつむった状態で渦潮に流される。

 だが渦潮には不思議な超能力が働いているのか、渦巻く水の影響を受けることなくウォータースライダーを滑るように渦潮の中を移動していき、真っ暗な渦潮のトンネルをかなりのスピードで通り抜けて放り出されたのは、どこともわからない空洞空間。

 しかし渦潮はその出口がほとんど真上の方向に設定されていたのか、勢いで空洞空間の天井付近に投げ出されて、10m近い高さから今度はゴツゴツした岩場に叩きつけられる事態が発生。

 

「って、おいおい!」

 

 とんだ欠陥アトラクションだなと悪態をつく間もなく対応に追われたオレは、右腕のミズチからアンカーを天井に発射して取り付けて岩場への激突を天井からぶら下がることで回避。

 岩場から3m程度の高さでぶら下がっていたら、同じように投げ出された羽鳥が落ちてきたので、蹴ってやろうかと思ったが50%は優しさで出来ているオレは仕方なく落下してきた羽鳥の腕を掴んで勢いを殺してから岩場に下ろし、アンカーが自然に取れたところで巻き取りつつ着地。

 

「少し暗いね。空間の全容が見えない」

 

「ここがどこかって疑問は後回しか」

 

 助けてやったのにお礼の1つもなしに平然とこの場所の考察に入っていった羽鳥が気になるが、別にオレが助けなくても自分でどうにかできたとか思ってるんだろうし、オレもツッコミは入れずに懐から自前の閃光弾を投げ放って辿り着いた空間の把握にかかる。

 炸裂した閃光によってこの空間が幅20m。奥行き30m。高さ10m程度の狭めの空間であることはわかり、オレ達が出てきた海面は空間の端に池のように佇んでいた。

 

「察するにここは、レス島の南の小さな浮き島の下の空洞空間かな。移動の際にざっと速度と距離と方向を測った程度ではあるけど、潮の満ち引きで海面が上下するんだろうね。酸素もあるなら天井に小さいながら外気を取り入れる穴もあるはずだよ」

 

「まともな出口はそこの穴だけってことか。実質的に閉じ込められたわけだ」

 

「言い方が悪いね。私達が彼女らに招かれたと解釈すべきだよ。何事にも敬意は見せないと痛い目を見る」

 

 羽鳥の推測ではここは魔界とかの異世界ではないとのことだが、どのくらい進めば出られるかわからない穴から脱出するのは冒険になるので、そこしか出入りができなさそうなここはほとんど密閉空間と言っていいだろうな。

 そんな空間にオレと羽鳥を招き入れたからには、向こうにも半端なことはしないという明確な意思があると判断できるし『どうやってここに来たか』を不明なままにされているのも上手い。

 

『さて、お前達をどうしてくれようか』

 

 これなら今まで人魚伝説が伝説止まりなのもいくらか納得がいくことかもなと考えていたら、またも女の声が頭に響いて身構えると、オレ達が出てきた海面からガバッと何かが出てきて、傍の岩場にその体を乗り上げさせる。

 それが連続して3回ほど起こるが、暗がりで何かハッキリとしないため羽鳥が温存すべきと使わずにいたペンライトを点けて海面の方に光を向ける。

 するとそこにはオレが想像する通りの姿があって、さすがに慣れてはいても驚きで言葉を失ってしまう。

 人間と同じのような上半身に巨大な魚の下半身を備えた女性。

 その幻想的な姿はまさしく伝説の人魚そのものではあったが、貝殻の胸当てとかそういうところまで幻想的かと言うとそんなこともなく、3人もいた人魚達は全員が人間から盗みでもしたのかTシャツやらビキニを着用して体の局所を隠していた。

 長い金髪のロング、ウェーブのかかった金髪ロング、黒髪のポニーテールと三者三様の髪型にも、いくらかアクセントとして人が作ったような髪飾りが取り付けられている。

 よく見ると着ている服や髪が全く濡れていないのもわかったが、そういうものなのかととりあえずは無視。

 誰が序列で上かや、頭に響いた声の主が誰かさえもわからないが、直前に響いた声に不穏な気配もあったのでまずは交戦の意思がないと見せるために羽鳥と一緒に膝をついて頭を下げる。

 

「昨夜の我々の無礼な振る舞いに対して怒りがおありならば謝罪します。ですが我々の目的はお伝えした通り、あなた方を白日のもとに晒すことにはありません。いくつかのお話をうかがえれば、すぐに引き上げる所存です」

 

 こういうことを言わせると弁が立つ羽鳥がスラスラと用意していたような言葉で向こうの警戒心を解きにかかり、オレも余計なことをして事態をややこしくしないように黙っておく。

 すると言葉だけではやはり警戒は解いてはくれないか、代表するように金髪ロングの人魚が話の前にとオレと羽鳥に肉声で警告をしてくる。

 

「お前達は今から話が終わるまでその場から1歩たりとも動くことを許しません。それが破られた時には即座にその命を奪います」

 

「一応、外にはオレ達の仲間が待機して……」

 

「了解した。ただ姿勢だけは少し楽なものへとさせてもらいたい。要らぬところで動いたと見なされるのは不本意なので」

 

 頭に響いた声と全く同じ声だったので金髪ロングの人魚が3人の代表と判断しつつ、約束を違えたらオレと羽鳥を躊躇なく殺すことを宣言され、さすがに簡単に殺されるのは嫌だとこっちも用意していたカードを切りにいく。

 しかしそれを羽鳥が制して丸呑みしてしまい、姿勢を崩す要求が通ったことでその場に楽な姿勢で座ることはできたが、何故止められたのか。これでは相手に主導権が一方的に渡ってしまう。

 

「ペースは私が作る。君はない頭をフル回転させておけ」

 

 それでは引き出せる話も信憑性が失われることになりかねないが、考えがあって制止した羽鳥はそうはさせない算段があるみたいだな。

 まぁカードっていうのは取っておく方が良い場合が多いから、オレもオレで展開を見ながら動きを変えるしかない。

 羽鳥のやつがあまりに逸脱した行動をしなければ問題はないはずだ。

 

「まずはそうだね。お互いに自己紹介でも……」

 

「お前たち人間に興味はない。だが我らを呼称するならば話に支障はあろう。我らはセイレーネス。人間からは人魚などと呼ばれているが、この尾は本来あるべき姿ではない。故に我らは人魚ではない」

 

「……なるほど。ではセイレーネス。あなた方それぞれに呼称は?」

 

「私がテレース。こちらがライドネーとモルペー。言った順番に人間が言うところの姉妹になるわね」

 

 話を始める前に向こうの呼称を定めようと順当な運びをすると、意外にも目の前の人魚は人魚ではないらしく、だったら何なんだといきなり疑問が口から出そうになった。

 だがこっちが抱えてる問題はそこではないので、羽鳥も目の前のセイレーネスという種族? らしき括りの3人から個別の名称を聞き出す。

 それによれば話をしている金髪ロングの女、テレースが長女。ウェーブのかかった金髪ロングの女が次女で、黒髪ロング女が三女ってことみたいだ。

 言い方からすると彼女達には姉妹とかの関係性は簡単には結びつけられない何かがあるのかもしれないが、それも今は気にするだけ無駄なので呼称も決まったところで主導権はないまま羽鳥が進行する。

 

「ではテレース。これからいくつか尋ねるけど、答えたくないことには答えなくても構わない。だからといってこちらも収穫なしでは困ってしまう。なので出来る限りの協力を頼みたい」

 

「殊勝な態度だな人間。陸に残してきたであろう仲間を守ろうとしたか。はたまた我らの力を見抜いたか。どちらかな」

 

「女性に隠し事はしない主義なだけさ」

 

 羽鳥にしてはかなり頭の低い姿勢で話してはいたが、その理由について勘繰るテレースもまた侮れない。

 どうやら最初から他の協力者の存在には気付いていて、オレが出しかけたカードは悪手になりかねないことだったことがわかる。

 それにいち早く気づいていたっぽい羽鳥はいつもの調子ではぐらかしてみせ、未知の能力を匂わせた相手に不敵な笑みを浮かべる。

 

「ただそうだね。あなた方がそうして我々を拘束する時間が多ければ多いほど自分の首を絞めることにはなるね。確かに陸には我々の仲間が待機してはいるが、仮にあなた方の力とやらで仲間を消される事態になっても、我々にしか解除できない装置が時限式で作動中だ。それが発動すれば、このレス島周辺に人の手を入れるよう指示を出すメッセージが重要な機関に送られる。つまり──」

 

「……お前達を殺してしまえば、我々は住処を失い、このまま拘束しても同じというわけか。だから人間は嫌いなのだ」

 

 そんな装置を作動させた記憶は全くありませんがね。

 と、口からでまかせを言ったであろう羽鳥の命がけの胆力には恐れ入るが、オレがそんなことを思ってもセイレーネスの3人は余裕を崩したので、別に思考を読み取れるといった超能力があるわけではなさそうだな。

 これがジーサードの仲間のロカ相手ならオレが戦犯になるし損な役回りだが、こうやってオレが試すことで羽鳥の言動に信憑性を持たせることには繋がる。

 仮に思考を読まれていたとしても羽鳥はオレが疑われることは痛くも痒くもなく切り返せるからな。酷い話だが。

 

「状況が理解できたところで話を始めましょう。先にお伝えしましたが、我々は話がしたいだけなのですから」

 

「我らに関することには極力ではあるが伏せるぞ。それでも良いのなら尋ねるといい」

 

 心臓に悪い綱渡りにはどうにか成功し、立場もほぼ対等となったのは素直に驚きで、知能も高いセイレーネスには細心の注意は必要だが、これでやっとスタートライン。

 オレ個人としては昨夜の催眠術みたいな超能力についての情報くらいは今後の対策として引き出して欲しいところではあったものの、羽鳥の話術でもそう簡単なものではなさそうなので、ここは本来の目的にのみ集中した方が良いだろうな。

 

「我々はあなた方に大いに興味はあります。が、その好奇心は秘めておくとして尋ねましょう。まずはそうですね……我々の調べでは、我々よりも前にあなた方に接触してきた存在が確認できているのですが、その履歴についてはどうでしょうか?」

 

「履歴だと? そんなものが聞きたいことなのか」

 

 羽鳥もオレの内心を代弁するように言葉を紡いで、今回の目的をズバッと直球で尋ねると、聞かれたセイレーネス達は顔を見合って不思議そうにオレ達を見た。

 そりゃそうだ。ここまで手の込んだことをして自分達にあまり関係なさそうなことを聞かれたらそうなる。

 

「生死を問わぬのなら、その数は少し多くはなるが」

 

「我々が知りたい情報はおそらく、あなた方が生かした者になると思います」

 

「ふむ……そうなるとお前達を除けば、60年ほど前に我々に『同志になれ』と接触してきた者達がいた。後にも先にも我々の力で消すことができないと確信したのはあやつらだけだったものだが……」

 

「情報とも符合する時期だね。その接触者について尋ねたい」

 

 人間もそうだが、自分に関係ない話になるとわずかながらに口が緩む。

 その心理はセイレーネスにも通用するのか、口が固そうなイメージとは打って変わって簡単にポロリと情報を吐いてくれる。

 60年前ならバンシーが逃亡していた時期に聞いたという話とも合うので、その接触者がバンシーの追跡者だとほぼ断定して更なる情報の引き出しにかかる。

 直接顔を合わせたなら、もたらされる情報もより確実なものになるしな。

 

「我らを引き入れようとした者達は、3人。グランデュカと名乗る獣人に、ヴァルキュリヤと呼ばれていた女の騎士。ハルピュイアと呼ばれた鳥人だ。見たところ我らと『祖を同じくする者』であるのは間違いないが、我らの言語が通じなかったために話をしたのは人の言語を習得していたグランデュカのみだ」

 

 話し方からしてセイレーネスとしてはその話を断っているっぽいが、接触してきたというやつらはどうやらセイレーネスと同種の人外の存在だったようだ。

 ヴァルキュリヤとかいう女はまだ人の可能性もあるが、テレースが『同族』みたいなことをひとまとめに言ったなら違うんだろう。

 

「話からするとあなた方はその話は断ったようだが、接触者達の目的についても聞いてのことでしょう。彼らは何をしようとしているのか、その手がかりになることは?」

 

「話の内容については我らとしても今のこの状況を変革し得るだけの物を持つことはわかった。賛同する理由も確かにあっただろう。だがそれが我ら3人が同志となる理由にはならなかった。それだけの話だ」

 

「……その目的については話せないってことで良さそうだな」

 

「言ったであろう。我らの力ではどうにもできないほどの力を持つ相手。それに歯向かい報復を受けるようなことはできん。お前達が何故やつらを追っているかは知らんが、我らが与えた情報がやつらを刺激する可能性があるならば、与えられる情報にも限りはあろう?」

 

 それで口も軽くなったし、一気に話が進みそうと思ったのは甘かったか、自分達よりも力のある者には下手に逆らわない弱肉強食のルールがあるみたいだ。

 反感を買わないために出せる情報も限られると言われればその通りだから、オレと羽鳥も接触者達の目的に関しては切り上げるしかないと判断。

 ならばとアプローチを変える羽鳥の話術でどこまで引き出せるか。

 

「では彼ら……グランデュカなる人物達の情報を開示した理由は? 場合によってはそれだけでも報復の対象にはなり得るはずだよ」

 

「やつらは名を明かした程度でどうこうなるほど矮小な存在ではない。そのような詮無きことで同族殺しをしていては、やつらの目的にも反する愚かな行為であろうな」

 

「なるほど。それほど過大な評価をしてなお、彼らに協力しなかったのは……あなた方を取り巻く現状を変革し得る計画に乗らなかったのは、それを強く望んでいなかったからかな」

 

「人間とは愚かで弱い生き物だ。だがその弱い人間が今のこの世界を掌握しつつある事実は、度しがたいものではあるが認めねばなるまい。我らがその煽りを受けて肩身を狭くすることになったことにも憤りはある。だがそれは自然の流れが起こした事象。その流れを我らは否定しない」

 

 なんだか難しい言葉で羽鳥の問いに答えるテレースにオレの理解がなかなか追いつかない。

 言語が英語ということもあるのだが、それにしても言ってることが何やら壮大というかなんというかで、接触者の目的が見えていない現状では真の意味で言ってることを理解できない。

 だがそれでも推測できることはいくつか挙がってきた。

 接触者達の目的の中でセイレーネスを殺すことは理念などに反する行為であることから、彼女らのような存在を生かそうというのが計画の中には存在している可能性がある。

 次に人間中心の世の中についてを解いたテレースに意味があるのなら、今の人間が蔓延るこの時代に対する何らかの変化が接触者達の計画ということになるかもしれないな。

 ただその時代の流れは誰かが意図として作り上げたものではなく、いわゆる天然モノであるなら、セイレーネスはそれを黙って受け入れることを選び、協力しなかったってことか。

 まぁまだ確定ではないが、イギリスの黄金を盗んで資金源にしているかもしれない組織がやることなら、それくらいの規模でなければ納得しづらいことではあるかもしれん。

 

「つまりあなた方は『起きた事象は受け入れること』をよしとすると。ならば遠からず彼らが進める計画とやらが遂げられて変革した世界もまた黙って受け入れると?」

 

「それらは大きな流れの中で選択・淘汰され、生き残った流れが本流となるのと同義。故に我らはどのような世界になろうと、それが世界が望んだ姿ならば受け入れるだろう」

 

「正論だね。そこに人為的であったりは関係ないか。では時間もそろそろ危うくなりそうだから、最後にこれだけは聞いておこう。その接触者達は自分達を1つの括り……組織として表す名前を持っていたはず。それは何だったかな?」

 

 どうあれ自分達は時代の流れにただ従うだけだと言うセイレーネスは、現状ではオレ達にとって何か問題があるわけでは全くない。

 傍観者を決め込んでくれるならそれでいいだろうと時間を確認した羽鳥は、ここらが引き際かと話を締めに入り、一番重要なことを最後に尋ねる。

 するとテレースがこれからそいつらと敵対するのかもしれないオレと羽鳥の無謀さを笑ったか、小さな笑みを顔に浮かべてから、やってみろと言わんばかりに答えてくれた。

 

「やつらは自分達をこう名乗っていたはずだ。そう、『N』とな」

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