7月5日。現在の時刻は午後8時。
オレはいつものようにリビングのソファーに座ってテレビを観ながらまったりと時間を過ごしていた、のだが……
「うぇっ……えぐ……」
オレの隣には現在、半べそをかきながら美麗と煌牙に抱き付く小鳥が、ちょこんと崩れた正座でじゅうたんに座っていた。その理由は……
「はーい、2人ともお茶が入ったよー」
幸姉である。
幸姉は言いながら丁寧な持ち運びでオレと小鳥のテーブルの前にお茶を置き自らも腰を下ろしお茶を美味しそうにすすり始めた。
「京夜先輩ぃー! 幸音さんにお仕事全部とられましたー!」
「あー、はいはい。明日になればまた小鳥が大活躍できるから、今日のところは我慢してくれ」
「ふんふんふーん」
そうやって仕事をとられたと泣く小鳥をあやしつつ、幸姉が淹れたお茶をすする。
そして幸姉は呑気にテレビを観ながら笑顔全開。あなたのせいで小鳥が泣いてるんですがね。
今日の幸姉は朝から小鳥より早く起きてみんなの分の朝食と昼食の弁当を作り、オレと小鳥が学校に行ってる間に掃除、洗濯、買い物などをそつなくこなしつつ、夕食とお風呂の準備と余念が一切ない完璧家政婦さんぶりを発揮。
今も何かあらばすかさず動ける位置に陣取って座っていたりする。
そのせいで小鳥は朝から何もさせてもらえずに、こうしていま美麗と煌牙に泣きついているのだ。
今日の幸姉は『世話好き』。
読んで字のごとく、他人のお世話が大好きな性格で、ことお世話に含まれることをやらせたらパーフェクトにこなすスーパーメイドと化す。
ちなみにこの性格は他の6つの性格より出現率が圧倒的に低い。
理由はわからないが、幸姉の七変化には出現率にムラがあるのだ。
たぶんだが、世話好きな幸姉は肉体的にも精神的にも相当疲れるのだろう。オレの今までの統計でも世話好きな幸姉は月に1、2回しか出てこない。
ちなみに一番出現率が高いのはフレンドリーな幸姉だったりする。こちらは週2、3回は出てくる。
事実幸姉がここに身を置いてから、フレンドリー、男勝り、真面目、フレンドリー、妖艶、世話好き、ときてる。真面目と妖艶はまぁ、想像の通りになるな。
「ぐすっ……でも幸音さんって、家事もちゃんとできたんですね。今までまったくやってなかったので少しビックリです」
「私もかつては当主となる身だったから、それを支える下の者の大変さを学ぶために一通り習得したのよ」
「あれ? 昔は花嫁修行とか言ってなかったか?」
「それは中等部1年の頃の話よ京夜。あの頃は私も女は嫁ぐものだと思ってたから……良妻賢母を目指してたんです」
「あ、そっか。幸音さんは真田の当主になるから、婿を貰うことになるんですね」
「そうなのよねぇ。私としては京夜を貰いたいところなんだけど……」
「ぶっ!?」
「あら京夜大丈夫? まったくもう」
幸姉は言いながらお茶を吹き出してしまったオレの口元やテーブルを手早くおしぼりで拭いていき、出遅れた小鳥は煌牙の身体にのしかかって崩れ落ちた。
「まぁ、真田と猿飛は絶対に交わっちゃいけないって昔から決まってるから、仕方ないのよね」
「本気で言ってもいないくせに、変なこと口走らないでくれよ幸姉。第一、今はオレも幸姉も家から追い出されてる身だろ」
「そうなんだけどね。まぁそれならそれで京夜と駆け落ちって考えもあるし、私としては願ったり叶ったりだよ?」
「はいはいわかったからさっさと風呂入って寝てください。今日最後のお仕事は小鳥達の洗浄だけなんでよろしくお願いします」
「え? 洗浄って京夜先輩……」
「それなら今からやろうとしてました。小鳥ちゃんも美麗達も残すところなくピカピカにしてあげるからね」
それを聞いた昴、美麗、煌牙は何か恐ろしい気配を察知したのか、小鳥を押し退けて脱兎のごとく寝室に逃げ込んだ。
野性のカンってやつか。さすがだ。手抜きを一切しないからな、この幸姉は。
「あ、そうだ京夜。確か明日で武偵高は1学期終わりなのよね?」
唯一捕まった小鳥の首根っこを持ちながら寝室に向かおうとした幸姉は、確認するように立ち止まってそう質問してきた。
武偵高は一般の高校よりずいぶん早い7月7日で夏休みに入るのだ。つまり明日で1学期は終了することになる。
それに肯定を示すよう首を振ると、幸姉は寝室に入って笑いながら100キロはある美麗と煌牙を猫を掴むように引きずり出して、浴室に行くように指示し、昴もそれに恐れをなして浴室に向かっていった。
「じゃあ7月7日の夏祭りに一緒に行きましょ? どうせだから理子ちゃんとジャンヌちゃんも誘ってみんなで。もちろん小鳥ちゃんも」
「え? あ、はい! 私は喜んで!」
「なんで理子達もなんだよ。3人でもいいだろ」
「祭りは大勢の方が楽しいものよ。じゃあ明日は2人をちゃんと誘ってくるのよ? さぁ、小鳥ちゃんは今からピカピカにしてあげるわよ」
拒否権なしかよ。
てかすでに浴室に向かってしまった辺り、最初からオレの返答など聞く気はなかったな。
だがまぁ、オレも別に理子とジャンヌを誘うことに反対する理由もないしいいんだけど。
いや、訂正しよう。理子とはあまり行きたくない。どうせろくなことにならん。
「……そういやジャンヌの連絡先知らないな。明日はまずジャンヌ探しからしないといけないのか。だる……」
そうやってオレは明日の行動予定を決めつつ、テレビを観ながら浴室から聞こえてくる恐ろしい叫び声に合掌していたのだった。
その翌日。
理子は教室で会って早々に話すと2つ返事でオッケーしてきたが、浴衣の中には下着は付けない方が良い? などと聞いてきたので、好きにしろとテキトーに返しつつ、よくよく考えたら朝ならジャンヌも自分のクラスにいるだろうと思いすぐに行動して誘いをかけると、特に予定もなかったらしく、すぐに了承してくれた。
どうやら日本の祭りに興味があったらしく、出店だの花火だのとぶつぶつ言っていた。
そうして迎えた夏休み初日の7月7日。
その夜6時になる10分前にオレは上野駅の出入口付近で待ちぼうけを食らっていた。
今日の夏祭りは上野の緋川神社で行われる七夕祭り。祭りの終盤には派手に花火も打ち上げるとあって、行き交う人もお祭り気分の人達で溢れて賑わっていた。
そしてオレは現在、浴衣のレンタルに行ってしまった幸姉と小鳥、時間にルーズな理子を待っていて、横には……
「猿飛。一応聞いておくが、今日の真田幸音は大丈夫なのだろうな?」
残念なことに武偵高制服を着たジャンヌが松葉杖をついた状態で割と真剣な顔でそう質問してきた。
「今日の幸姉は問題ない。フレンドリーと男勝りの幸姉はジャンヌが苦手っぽいから、気になるのはわかるがな。しかし残念だ」
「何が残念なのだ猿飛。私はまだ何もしていないぞ」
「いや、ジャンヌの浴衣姿を期待していただけに、その期待を裏切る辺りはホントに残念でな……」
「わ、私とて日本の浴衣には興味があったが、この足では仕方ないだろう!」
「あーそっか。そいつは気が付かなくてすまん。ジャンヌも本当は可愛らしい浴衣を着たかったんだよな」
「可愛らしいは余計だ」
などとコントのようなやりとりをしていると、上野駅から出てきた浴衣姿の理子がこちらを発見してパタパタと近寄ってきた。
「おやおや、お2人さんは制服ですかい。つまらないですなぁ。まっ、らしいっちゃらしいけどねぇ。それでどおどおキョーやん、理子のゆ、か、た、す、が、た、は?」
理子は合流するや否やベラベラと喋り出し、紺色の生地に花柄をあしらって紅の帯で着付けてフリルで盛ったミニスカ浴衣をくるりと可愛らしく回ってオレに見せてきた。
悔しいけど可愛いんだよなぁ、こいつ。浴衣の概念はだいぶ崩れてるがな。
「おお、可愛いぞ理子。惚れちゃいそうだ」
「あー! キョーやんそれだと今まで理子りんに惚れてなかったみたいに聞こえるんだけどぉ」
「いや、実際惚れてないし」
「ぶー! 理子りんはこーんなにキョーやんのこと好きなのにー!」
言った理子は人目もはばからずにオレの左腕に抱きついて、左手に自分の右手を絡ませて俗に言う恋人つなぎをしてきた。
「今日はこのまま祭りに行くのか?」
「もっちろん! あ、でもキョーやんが嫌だって言うなら……」
なんでそこで乙女っぽい反応するんだこいつは。キャラじゃないだろうが。
「理子。そのような策に嵌まるほど猿飛はたやすい奴なのか?」
……しまった!
よく考えたら理子の常套手段だこれ!
ジャンヌに言われるまで気付かんとは……オレも気が抜けてたってことか。
「ジャンヌはわかってないなぁ。キョーやんは意外とこういうのに引っ掛かるんだよぉ」
「そうなのか。女に弱いとは情けないな」
「好き勝手に言うな。今日くらいはいいかとか考えてただけだ。だから理子の策に嵌まったわけじゃない」
そういうことにしておこう。そうしよう。
「ただ、今日の幸姉がなぁ……」
「そいえば今日のゆきゆきはどのゆきゆき?」
「そうだ猿飛。私もまだそれを聞いていないぞ」
お前が話を逸らしたんだろ。まぁいいけど。
「京夜。お、おまたせ」
そうこうしてると、丁度やってきた当人の声に反応して、そちらを振り向くオレ達。
そこには白地に桜をあしらった淡いピンクの帯で着付けた浴衣で、長い黒に近い髪を後ろの上で結ってかんざしを刺して留めている幸姉と、ゴールデンウィークの時と同じ浴衣を着た小鳥が並んで立っていた。
「わあ! ゆきゆき超美人さんだぁ! ことりんもかっわいい!」
「うむ、こういうのを大和撫子というのだろう? 橘も愛らしいな」
「そんな可愛いなんて滅相もない! 理子先輩の方がずっと可愛くて綺麗ですし、幸音さんとはもう天と地ほどの差がありますから!」
「こ、小鳥ちゃん! そんな担ぎ上げないで! 凄く恥ずかしいから……」
「あれ? もしかして今日のゆきゆきは『お姉様』か! ムハー! 興奮しますなぁ!」
「一番まともな真田幸音か。これなら私も安心だ」
お姉様ってなんだ理子よ。
そうして小鳥達に褒められた幸姉は顔を真っ赤にして俯いて恥ずかしがっていて、見てるこっちが恥ずかしくなる。
そんな幸姉にオレはつい言葉も出ないまま固まってしまう。
可愛い……というか、凄く女性らしい幸姉に見惚れてしまったのだ。
今日の幸姉は『乙女』。
男性から見たら可愛いと思える言動や仕草を超自然的にやってのける、ある意味では一番危険な幸姉である。
しかも何故かこの幸姉。恥ずかしそうにしながらもオレに対して昔から……
「あ、あの、京夜? ど、どうかな私、変じゃない?」
そう思って固まっていたオレに幸姉は胸の前に手を持ってきて顔を赤くしてモジモジしながらオレにそんな質問をしてきた。やめてくれホントに。
「大丈夫だよ幸姉。凄く似合ってる」
「そ、そう? 嘘じゃないよね、京夜?」
今度はぐいっと顔を近付けてのうるうる涙目。ヤバいっての!
「ホントだから! だから離れて!」
「あっ、ごめんね京夜。そっか、似合ってるか。ふふっ」
言われて幸姉はすぐに離れてくれたが、何故か嬉しそうに笑うと、突然オレの右手を取って左手を繋いできた。
「じゃ、行こっか」
「あー! お姉様ずるーい! 理子もキョーやんと手ぇ繋ぐぅ!」
「あ、あ、ああ……」
「残念だったな橘。猿飛の手は2つしかない」
「い、いえ、私は別にそんなことはないですはい!」
なにやら後ろでジャンヌと小鳥が話をしていたが、両手を引っ張って先に進む幸姉と理子のせいでよく聞き取れなかった。
というか2人とも、ジャンヌが松葉杖なんだから歩くペースくらいは合わせようぜ? 誘ったのは幸姉なんだしさ。
今日の幸姉は乙女な性格なのに意外と積極的なんだよな。
理子も何故か負けじと張り合うし意味わからん。
右手を幸姉、左手を理子に取られてしまったオレは、少し後ろを歩くジャンヌと小鳥に歩幅を合わせながら、緋川神社までの道のりにある屋台の通りに差し掛かった。
「祭りって言ったらまずはわたあめだよねぇ」
「えっ、最初はたこ焼きじゃないんですか? 理子先輩」
「私はりんご飴と呼ばれるものを食べてみたいのだが」
「私は……京夜が食べたいのでいいよ」
「うーん、とりあえず食べたいやつ食べればいいんじゃないか? というかみんなして食べ物ってどうなんだ? 他にも射的とか金魚すくいとかあるだろ」
「射的なんて理子達がやったらチートだよキョーやん」
「ですねぇ。いつも本物振り回してますし」
「金魚すくいか……」
「ジャンヌは金魚すくいをやりたいのね」
「ち、違うぞ真田幸音! 私は別に金魚すくいなど……」
「しばらくしたら花火も始まるらしいし、それまではじゃあ、順々にやりたいもの食べたいもの回っていくか」
「じゃ最初は理子りんねー。理子りんはわたあめ! キョーやん買ってー」
「自分で買え」
「お姉様ー、キョーやんが意地悪言います!」
「理子、京夜を困らせちゃダメよ。京夜だってギリギリの生計で生活してるんだから」
いやいや、わたあめ1個奢れないほど生計苦しくないって幸姉。
「……わたあめだけだぞ」
「いやたー! さすがキョーやん!」
「む、理子だけ奢りとは少々ズルくはないか?」
「ジャンヌまでそんなこと言って。京夜は優しいから断れないのよ? ごめんね京夜」
「あのさ……幸姉が色々言うから後に退けないんだけど……。もういいよ。1人1品奢ってやる」
「うむ、それが最良の選択だな。橘もたこ焼きとやらを奢ってもらえ」
「すみません京夜先輩。私まで奢ってもらってしまって」
「ご、ごめんね京夜。私が余計なこと言っちゃったから……」
「小鳥も気にしなくていいぞ。幸姉はもう謝らなくていいから、祭りを楽しんでくれ」
「ほらキョーやん、早くわたあめ買ってー」
話がまとまると、理子はさっそくグイグイとオレの左腕を引っ張ってわたあめ屋台に連行し始め、みんなもそれに続いていった。
その後はたこ焼き、りんご飴、焼きそば、フランクフルト、かき氷と食べ物尽くしの屋台回りを繰り広げていき、初めての日本の祭りの雰囲気と七夕の話を堪能したジャンヌは満足そうな表情を浮かべていて、小鳥なんかは留守番をしている昴達動物組のお土産をすでに手に提げている。
理子は新たに買ったチョコバナナをむしゃむしゃと食べていて、わざとか何か知らないが口の回りにチョコがついてるし。
そして幸姉はといえば、常にオレの隣をキープしつつ終始みんなの顔色をうかがう謎行動をしていた。
どうやら周り優先な性格は変わってないらしいが、それでもたまにオレにドキリとする行動や言動をするから質が悪い。
オレが武偵高の制服を着てなければ、今頃幸姉はナンパの嵐に遭っていただろうな。
幸姉だけじゃなくてジャンヌと理子もそうか。小鳥は……まぁ可愛いんだけどな。
それから道を進行する御輿も観賞し、これから始まる花火をゆっくり見るために、ひとけがあまりない緋川神社付近にあった見晴らしの良いベンチがある空間に移動した。
ベンチには3人しか座れなかったため、オレと幸姉が遠慮する形で後ろに立って花火を見始めた。
ドン! パァン!
様々な花火が上がり、小鳥と理子がジャンヌに「玉屋」「鍵屋」を教える中、横にいる幸姉はそっとオレの肩に頭を寄せてきて本気で心臓が飛び出そうになった。
「私今、とっても幸せ」
「幸姉……」
ホントに今日の幸姉は色々危ない。今日だけで何回抱き締めたい衝動に駆られたかわからん。
「あー! お姉様抜け駆けズルい!」
そこで不意に振り向いた理子が言いながら幸姉を引き剥がしにかかる。助かった。
そうして少しだけ孤立したオレは、騒ぐ4人を見ながら花火を見ていたが、耳元に羽を振動させるあの虫特有のブーンという煩わしい音を拾い周囲に目を向けると、突然バチン! というスタンガンみたいな電撃が胸元から発生し、何かを打ち落としたようだった。
発生源は……幸姉のくれたペンダント?
不思議に思いながら携帯片手に打ち落とされた虫を探すと、黄金虫、か?
「どうしたの、京夜?」
そんなオレに気付いた幸姉が素早く反応して近付いてきたので、黄金虫がいたんだと話す。
「……え、なんで……」
すると幸姉は小さな声でそう言った後、少し怒りを含む表情でお手洗いに行くと言ってその場から離れてしまった。
幸姉の変化が気になったオレは、跡を追うようにトイレに行くと言って気付かれないようについていってみた。
その幸姉はトイレには行かずに道から逸れて茂みに入り木に背中を預けると、携帯を取り出し誰かと通話し始めた。
気付かれる可能性もあり、会話はほとんど聞き取れない距離なのだが、幸姉の表情は明らかに怒気が込もっていた。
「パ……あなた……約束……れない……ぶすと言った……ええ……」
ダメだな。ほとんど聞き取れない。
そう思っていると、月明かりで幸姉の口元が見えるようになり、そこから読唇術で読み取りにかかった。
――コンカイ ワ ミノガスケド ツギ ワ ナイワヨ――
おいおい、なんだか物騒な話してるぞ。
しかもあんなに怒りを面に出す幸姉は珍しい。
最後に見たのはオレが真田の家に一時期出入り禁止になった時か。あの時は幸姉がマジギレで真田現当主に牙向いたからな。
そのおかげで出入り禁止は解けたから感謝してるけど、できれば2度と見たくない表情でもあった。
通話を終えた幸姉は、それから道に戻ってトイレに向かい、オレも後から追い付いた風を装いながら幸姉と一緒にトイレに行き、みんなのところへと戻っていった。
その後すぐに花火も終わってしまい、その日はそれで解散。
理子が別れ際にキスしようとしてきたのをデコピンで追い払って、送っていくと言ってみたがあっさり断ったジャンヌを見送ってオレ達も部屋に戻っていった。
気掛かりなのは幸姉のあの言葉なのだが、考えても仕方ない、か……