緋弾のアリア~影の武偵~   作:ダブルマジック

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Slash31

 

 6月4日。金曜日。

 来たる藍幇の会議を明後日に控えたこの日。

 Nによる暗殺の気配も毒殺未遂以降は全くなく、オレもメイファンさんから発勁の功夫を仕込まれながらにこの日を迎えたのは喜ぶべきところ。

 劉蘭も未だ健在だし、このまま会議も無事に可決して終われば万々歳。それが最良ではあったが、そこに至るまでの盤石な体制を整えつつあったこちら側にわずかなほころびが生じることとなる。

 あの『神龍(シェンロン)』と呼ばれる武神、趙煬が会議の前には合流するはずだった予定が狂って、当日も来られなくなったと言うのだ。これは正直かなり痛い。

 

「趙煬は何て言うてたんや?」

 

「なんでも自分を売り込むためのパフォーマンスショーが急遽開催されることとなって、そこで演武を披露したところ、何人かの映画監督が起用に前向きになってくださったようで、そのための話し合いが連日で組まれてしまったようです」

 

「そういや趙煬って今どこにいるんだ?」

 

「アメリカのハリウッドです。帰国しようとすればまだ間に合いますが、優先されるべきは趙煬自身のお仕事ですから、素敵なお話を棒に振るようなことだけはさせてはいけません」

 

 趙煬1人でオレ何人分の戦力か考えるのもバカらしくなるほど圧倒的。

 その戦力ダウンは劉蘭としても本心では不安になる事態のはず。

 話の規模で言っても中国全土を巻き込む可能性のある大計画と一個人の将来で、本当なら天秤にかけても劉蘭に傾くものなのに、個人を優先させる辺りは異常にも見える。

 でもそんな劉蘭だからこそ惹かれる人が多いのだろうし、趙煬がいなくてもオレやメイファンさん達が必ず守ってくれると信頼しての判断であることは目が語っていた。

 

「なってしもたことを嘆いてもしゃーないな。趙煬のおらん分はワイが気張るとして、気落ちするんだけはやめや」

 

「要はこれまでと変わらないってことなんですから、そういう意識でいればいいってことですよ」

 

 それを汲み取ったメイファンさんも早々に頭を切り替えて趙煬なしの護衛で継続することで納得し、オレも今までと同じなんだと言い聞かせることで気を引き締め、ココ姉妹と猴も余計なことを言わずに頷いてくれた。

 

『……匂うな』

 

 その夜。

 劉蘭に対するバンシーの死の宣告による保証も残すところあと1日となったタイミング。

 護衛シフトの休憩中に接近してきた陽陰に日中の趙煬の話を報告してみると、少し思考に入ったあとに何やら不穏な空気を察したようでそれを伝えてくる。

 

「趙煬のこれは意図的だとでも?」

 

『断言はしない。だが奴らにとっても神龍の存在は無視できない障害であることに違いはない。神虎と並べば物理的な手段での殺害は不可能になっていたはず。そこを防いできたと見るのが妥当だろう』

 

「なら何でそうなる前に暗殺を実行しなかったんだ? チャンスならあの毒殺未遂以外にもあったかもしれないのに」

 

『確実に仕留められる機会にしか動かないような連中だ。何らかの条件が整うのを待っていたのかもしれんな。だがそれもこの辺りで終わりだろう。神龍が足止めされた以上、会議の前に奴らは動くぞ』

 

 あくまで陽陰の見立てでしかない推論ではある。

 オレも鵜呑みにするつもりはないとはいえ、このタイミングで趙煬を引き離しにきた可能性を考えると警戒厳重になる会議当日を除けば、今日と明日にでも仕掛けてくる読みは的外れではない。

 ただしバンシーの死の宣告は明日の夜9時まで有効なのを考慮すると、明後日の昼に開催される会議までの間なら約15時間の空白がある。

 確実性を持って仕掛けてくるなら、ここが正念場と見ていい。

 

「お前はどうするつもりだ」

 

『俺は直接手を下す手段は好かん。それで少々手痛い目にも遭わされているのでな。接近に関しては報せてやるくらいのことはしてやろう』

 

「オレ達が悪いみたいな言い方だな」

 

『事実だろう』

 

 そこで話すだけ話して別段なにをするわけでもない陽陰の動きを把握しようと質問を投げ掛けてみるも、やはり自分で手を下すような行為には及ばず、あくまでオレやメイファンさんを動かしてNの企みを阻止することに終始するつもりらしい。

 その理由をオレ達のせいにされても言い訳にしか聞こえないが、何を言ったところでこいつが動くことはないだろうから、最初から戦力外として考えておく方が精神的に良いだろう。

 まだ陽陰の思惑や真意は見えていないから、引き続き警戒だけはしておきつつ、話すだけ話して消えていった式神を見送って護衛の任務に戻っていった。

 

 翌日。

 この日は朝から空には暗雲が立ち込めていて、夜からは雨も降るとの予報がある。

 決戦の前日にこの天候は少し縁起が悪いようにも思えるが、こればかりは人の手が及ぶところではないのも確かなので気にするだけ無駄と割り切って、朝から機嬢と会議でのプレゼンの段取りやらを確認し始めた劉蘭を警護。

 その間もメイファンさんにやっておけと言われていた功夫もやってはいたものの、水が半分入ったペットボトルの中の水を発勁で動かせとかいう難易度が爆上がりしたことをやらされて困っている。

 メイファンさんが言うには短期間で使い物にするためにはある程度の割り切りは必要で、最低限で使えるようにするためにイメージしやすい手の平から気を放出する感覚を磨くべきだと。

 全身から自在に気を放出できるメイファンさんと比べれば天と地ほどの差がある現状で、ここで文句を言うようではお手上げってことでやっているが、未だに成果はない。

 水なんてピクリともしないんだが。ペットボトルの壁1つ隔てただけで次元が違うんですけど。

 色々と愚痴は出そうと思えば出てくるのが悲しいけど、実践ならこのペットボトルは相手の体に見立てることができ、この壁を越えて気を送れない限りは外気勁も内気勁もお話にならない。やるしかないんだよなぁ。

 これも劉蘭を守るためだとやる気だけは失わないように黙々とやり続けるオレに対してメイファンさんは……あ、欠伸をしてらっしゃるぅ。見る価値ないですかそうですか。進化しろオレぇ! うおぉお!!

 まぁ気合いでどうなるわけもないので、精神統一の妨げになる感情は早々に捨て去って護衛と功夫を並行して続け、気づけば日も傾いて外も暗くなっていた。

 さらに本降りの前兆なのか霧も発生していて、それと合わせて極細の霧雨も降っているようだ。

 室内にいてもじっとりとした湿気が感じ取れるほど湿度が高いことはわかり、ジワジワというよりも急激に来たようなそれには少しだけ違和感があった。

 そこで一応の確認のために劉蘭にテレビを点けてもらい、天気予報をやっているチャンネルに切り替えてもらうと、ここ上海の天気は雨。今が本降りなはずだった。

 その事実によってかどうかはわからないが、ずっとオレの近くでちょこちょこしていた猴が長い尻尾をぴーんと立てて何かに反応。

 超能力者というか化生の類いの猴は超常の気配にも敏感らしいのだが、これはそっちの反応だ。

 

「こんなことがあるですか……」

 

「どないしたんや、猴」

 

「囲まれてるです……蘭盛街だけでなく、この辺の区画を丸ごと呑み込んで……この霧は降ってる雨を霧散させて作り出されてるです」

 

 驚愕の表情をしながら窓の外を見て感じ取ったものをそのまま伝えてきた猴の言葉に、オレ達も驚きを隠せず同じように外の景色を見る。

 光源だけが見えるといったほどに濃くなってきた霧はもう、どのくらいの範囲に展開されているのかわかったものではなく、これが敵によって作り出されたものなら逃げ場はない。

 となればこの建物も安全とは言いがたい場所になったと思った瞬間、フッとこの建物の明かりが静かに落ちて真っ暗になる。

 不意打ちの暗闇だったせいでオレも暗対応が遅れて目が適応できず、咄嗟に携帯を取り出してライトを点けて周りを確認。

 劉蘭はメイファンさんに抱かれてしっかりと守ってもらっていて、ココ姉妹と猴も各々が武器を取り出して構えていた。

 そして心許ない光源に頼るのは危険だと判断して改めて暗対応するために消灯のタイミングを合わせて目を暗闇に対応させる。

 

「外の明かり、消えてないみたいヨ」

 

「ではこの建物のブレーカーを落とされたのでしょうか」

 

「大規模停電となると事が大きくなるからな。襲撃者がNなら余計な問題は起こしたくないだろう」

 

 しっかりとは言わないが暗闇でも劉蘭達の顔くらいは認識できるくらいの視野で警戒するオレ達は、どこから来るともわからないNの襲撃に対して有効な対策が取りづらい。

 劉蘭には部屋の中央にいてもらって狙撃などからも守っておくが、この霧と停電から狙撃というのはいまいちピンと来ないな。オレの死の予感への対策としても意味はあまりないし。

 ならこのお膳立てのような霧と停電は何のためにやっているのかと考えたところで、窓を警戒していた狙姐と炮娘が大きく跳び前転して窓から離れてオレ達の方へと転がり込んできて、それとほぼ同時に両開きの窓の隙間に水の刃がズバッ! 下から上へと振り上げられて錠を破壊し窓が開けられる。

 その窓枠に静かに着地したのは、あの霧雨の中でも全く濡れた気配もない金髪ロングの白の一枚布を服に仕立てた古代ギリシャ人のような女性。

 初めて見る人物に間違いはない。しかしオレはこの女が初対面とは思えない。何故なら今の水の超能力は、スペインで見たものと同種のものに思えたからだ。

 

「こんな遠方まで我々を追ってきたか、小僧」

 

「英語……やっぱりお前はモニカだな」

 

「それは偽名に過ぎん。貴様からはバンシーの情報を引き出さねばならんが、それが終われば用済みだ」

 

「ちょうど良かった。オレはお前に用があるんだよ、モニカ。いや、『シャナ』」

 

「貴様……あの人に聞いたのか」

 

 それを証明するようにオレを見て最初から英語で話しかけてきたのは、以前スペインでオレにスペイン語が通じなかったことからで、確認のためにモニカの名前を口にするとズバリ。

 もう隠す気もないのかバンシーの名前を堂々と出してオレを脅してくるモニカに対して、オレもオレでクエレブレからの依頼として接触の必要があったから好都合とばかりに会話に興じる。

 その中でまだ名乗っていないシャナという本来の名前を出したことでシャナの表情が変わり、それだけでオレがクエレブレと何らかの繋がりを持ち続けていることを察したようだ。

 だがオレとの会話で注意が逸れた瞬間を見逃さなかったメイファンさんが、有無を言わせるよりも早くその場で右の掌打をシャナのいる方向へと放ち、間違いなく気を飛ばしたその一撃は反応の遅れたシャナに命中。

 確実に体の中心に当たったとわかる変化がシャナに起き、胸に直径20cmほどの穴が穿たれて、一見すると絶命したようにも見えるが、窓枠に立っていたシャナは幻であったかのように揺らめいて消えてしまう。

 おそらくカツェが香港で使った水の分身のようなものだろう。攻撃性まで持たせるのはカツェ以上と見ていいだろうがな。

 

「ちっ。本体やないんかい」

 

「ずいぶんなご挨拶だな、神虎」

 

「英語はわからん。中国語か日本語で話せや。まっ、おどれと話すこともあれへんけどな」

 

 不殺のオレとは違って最初から殺す気でいたっぽいメイファンさんの冷酷な一面が垣間見えながらも、用心していたシャナはそれを躱して窓の外から姿を見せずに話しかけてくる。

 しかしメイファンさんとでは言語での会話は不可能とわかると沈黙し、姿を見せるのも危険と判断したか本体が入ってくる気配はない。

 だが攻撃はする気は満々で、窓の外には霧雨を凝縮して直径1mほどの水球があっという間に形成されて、それがゆっくりと室内へと侵入してくる。

 水球は球体を保つわけではなく、その表面を波打たせてグニョグニョと動いていて、まるで中でエネルギーが暴れているかのように見える。

 ──ゾワッ!

 その水球に変化が起きるかもというタイミングで、オレの死の回避と死の予感が同時に発動。

 室内の全員が死の危険に晒されてしまったことを認識するよりも早く劉蘭を背に水球に接近。

 何をすべきかはほとんど本能に近いもので理解していたオレがしたのは、うごめく水球の表面に触れて抑え込むことだった。

 物理的な手段で抑え込めるなら苦労はないが、オレがこうしたということは何らかの方法があるという証明になり得る。

 死の回避と死の予感が導いた手を止めるわけにはいかないので、ここから何が出来るかを高速で思考し、そして行き着く。気による水の流れのコントロールだ。

 

「メイファンさん!!」

 

 水球に触れた直後くらいに叫んだオレに応えるより早く同じように近寄ってきたメイファンは、どうやらこの水球が触れても問題ないものかを見定めていたような節が見られ、オレが躊躇なく触れようとしたことで決断したみたいだ。

 

「自分には無理やろ! 劉蘭守れや!」

 

「はい! ココ! 猴! 部屋の外に出ろ!」

 

 自分の気のコントロールの影響を水を伝って受けないようにオレの手を退けつつ水に触れたメイファンさんは、水球に何かさせるつもりもないだろうが、もしもに備えて劉蘭の退避をオレ達に任せる。

 その判断は冷静にして的確で異論もなかったオレ達はすぐにこの部屋からの脱出のために扉を蹴破って出ていく。

 オレは殿を務めつつ最後に部屋を出ようとして、そこで見たメイファンさんの気のコントロールであれだけ荒ぶっていた水球が強引に流れを変えられて大人しくなっていくのが目に見えてわかった。

 おそらくあの水球はシャナの合図か何か時限式かで周囲を爆発して攻撃する密閉空間用の爆弾だったのだろう。そうじゃなきゃ全員に死の予感が働くなんてない。

 その処理の判断があと少し遅れていたらどうなっていたかわからなかったことには肝が冷える思いがするが、メイファンさんの行動がとにかく早かった。さすが神虎だ。

 水球は中のエネルギーを抑え込まれたことで勢いを失い爆発することなくただの水へと変わって床にぶちまけられ、そこで安堵する隙を突くように窓の外から水のつぶてが散弾のように襲いかかってくる。

 

「はよ行けや!!」

 

 それにさえ油断1つ見せなかったメイファンさんが自分に当たるだけの水のつぶてを気で弾きながらオレに行くように叫び、ここでシャナ1人を食い止めるつもり……いや、倒すつもりでいる。

 それならオレは邪魔でしかないと判断するのは容易で、すぐに下の階に逃げようとしてる劉蘭達を追って走り始めた。

 3階から下への階段は1つしかないため、迷いなくそこまで走って劉蘭達に追い付くことは出来た。

 しかしその階段の手前でココ2人と猴に制止させられる劉蘭と、階段の下でサブマシンガンの連射音が響き、金属が硬いものに打ち付けられた音も聞こえた。

 人選としては近接戦闘担当の猛妹と銃器担当の炮娘が出て応戦してるんだろうとその音で判断は出来たが、相手は……

 そう思いながら階段横まで付けたオレがその先を覗き見ると、その時には短い悲鳴を上げて猛妹と炮娘が踊り場で倒されてしまい、意識がハッキリとしながら動けない様子には見覚えがあった。

 その2人のそばでは闇に紛れるように漆黒のコートを身に纏った男が立っていて、暗闇の中に浮かんだその顔は紛れもなく霧原勇志さんだった。

 

「勇志さ……」

 

 シャナが来たならもしかしたらと思っていたことが現実になって胸が苦しくなったオレが判断を遅らせると、炮娘が持っていたサブマシンガンを拾い上げてこちらに躊躇なく撃ってきた。

 角度的に引っ込めば当たらなかったから、それ自体は何てことはなかった。だがここで隠れていれば足元にいる2人が人質にされる。

 

「狙姐、機嬢。2人の首の後ろに物凄く細い針が刺さってて、それが動きを封じてる。オレが隙を作るから助け出して針を抜け。猴は蘭を頼む」

 

 勇志さんが交渉に出てくる前に手を打たなきゃならないと瞬時に考えたオレの指示に無言で頷いた狙姐達と行動を開始。

 暗闇を利用して閃光弾を最大威力で使えるので、それを階段の方に放って炸裂させる。

 ただし閃光弾は予想されている可能性があったから、炸裂の寸前で飛び出して勇志さんが何らかの閃光対策──目をつむったり顔を覆ったりだ──をするのを防ぎに行き、しっかりと勇志さんと倒れる2人の位置を確認した上でクナイを投げて牽制。

 オレか閃光弾かクナイかの取捨選択には勇志さんも迷ってくれてると信じて閃光弾の炸裂と同時に目を閉じながら単分子振動刀を抜き、光が収まる寸前で目を開き、同じくらいのタイミングでクナイを最小の動きで避けて目を守っていた勇志さんの持つサブマシンガンを真っ二つに切り裂く。

 間髪入れずに振り抜いた単分子振動刀をその場で投げて床に刺して無手になり、ナノニードルと動きを封じるために両手首を掴んで拘束する。

 その隙に狙姐と機嬢が飛び出して倒れる2人を素早い身のこなしで救助し踊り場を駆けて2階へと逃げ切る。

 これで人質に取られることもなくなったかとほんの少し気を緩めた瞬間、拘束する腕の間から勇志さんの右足が鋭く振り上げられてオレの顎を掠める。

 直撃すれば一撃で意識を持っていかれそうだったそれをほとんど本能で避けたオレにさらにかかと落としをしようとしてきた勇志さんに思わず両手を放して距離を取ってしまった。

 そうしなければ当てられていたのは確実ながら、あの距離であの蹴りを放てる柔軟性と脚力はオレ以上。

 思わぬ反撃で状況を五分にされてはしまったが、それも一時的なものだ。下の階にはココ姉妹が。すぐ上には猴もいるこちらの有利は揺るがなくなった。

 それは勇志さんもわかったか少し落胆したような雰囲気を出したから、このまま撤退の方向になれば拘束することも十分に可能かと考えた。

 が、勇志さんはすぐにコートのポケットから小型のスイッチを取り出して躊躇なく押すと、踊り場の先。つまり下の2階の方からドゥゥウウン!

 相当な量の爆薬が炸裂した音と共にその黒煙が踊り場まで入り込んできた。

 

「数的不利など想定済みだ」

 

「ちぃ、猴! 行け!」

 

 どこでどのくらいの規模を破壊したかわからないが、下の階に逃げたココ姉妹が安全無事などという希望的な推測はすべきではないと判断し、劉蘭を守りながらの2対1は状況として五分よりも勝算が低いので猴には劉蘭を連れて逃げてもらい、オレは勇志さんの足止めに専念。

 ……マズいぞ。確実にこっちの戦力を削られてきてる。

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