Bullet63
文化祭が終わった翌日の夜。
ようやく落ち着いたかと思った矢先に出くわしたのは、いつかの宣戦会議でその存在だけを認識して、無所属という括りに収められたジーサードと呼ばれた男。
まるで挨拶でもするようにオレの後頭部を狙って放たれた銃弾を死の回避で躱して振り向いた先には誰もいなく、だがケラケラと笑うジーサードの声だけが鮮明に聞こえて不気味な光景を作り出していた。
「それよォ、どうやってるか教えろよ。実際に見ても不思議でならねェや」
依然、視界にジーサードの姿がないまま、声のする方向だけを見るオレにジーサードは楽しそうにそんなことを言ってくるが、その後またもオレに向けて銃弾を発射。
今度は額を狙って撃ったようで、オレの首が左へクンッ、と傾いてそれを避ける。
だが今の発砲でマズルフラッシュと硝煙を視認し、ジーサードがいるであろう位置はほぼ掴んだ。
「正面でも反応速度に差はねェな。んじゃ次はやり方変えっか」
オレを殺そうとすることにためらいのないジーサードは、撃った後にそんなことを言いながら持っていた拳銃を放り投げたようで、手放した先から拳銃だけがその姿を現して近くの茂みへと落ちる。
そして次にはジジ、ジジジ、と奇怪な音を発しながら、ジーサードのいるだろう場所の景色が歪み、そこから唐突に胸部と関節部にプロテクターのような物を取り付けたジーサードが姿を現して、プラプラと何も持たない両手を振って動く準備をする。
見たところ得物は持ってないみたいだが、油断は禁物。
それで何か仕掛けてくることは明白なことに警戒し構えた途端、ジーサードは予備動作なしで弾丸のように急接近してきてオレの顔面に右拳を叩き込もうと振りかぶって、突進の勢いに合わせてバックステップと体を後ろへ反らすスウェーでジーサードの拳を躱すが、空振りした拳がブウンッ!
とてもじゃないが人間の繰り出す拳の音をしていなくて寒気を覚える。
ジーサードの拳に戦慄し本能的に距離を取ろうとしたオレに対して、ジーサードは笑いながら距離を詰めて追撃の拳の連打。
溜めもほとんどないのに威力が落ちないのは怖いが、拳だけならなんとか……
そうして冷静になれてきた瞬間、ジーサードに集中しすぎていたオレは背中に突然ぶつかった外灯の柱に完全な隙を作られてしまい、そこへジーサードが高速の左回し蹴りを放ってきたため、左腕をガードにして右手でふくらはぎの部分を捉えて威力を軽減させてみる。
が、ジーサードの蹴りがオレに当たったところで、オレの視界は天地がひっくり返った。
続けて両腕が折れたのではないかという痛みと共に体の『左側面』が地面へと叩きつけられる。
「ハッ! 軽いなァおい!」
何が起きたか思考が追い付かないところに、頭上からジーサードの嘲笑うような声が聞こえて顔を向けるが、そのジーサードよりも先に目に入ったのは、オレの背後にあった外灯の柱がゆっくりと倒れていく様だった。
その倒壊に巻き込まれないように痛む体を無理矢理に起こしてジーサードの脇を通り立ち上がると、ドガシャン!
外灯が倒れてそれを背景にジーサードがこちらへと愉快そうにケラケラと笑いながら笑顔を見せる。
どうやら今の蹴りでオレはガードの上から威力で押されて体を上下逆さまにされ、1回転するところで地面に叩きつけられたようだ。
腕の骨が折れてないのも不幸中の幸い。おそらく背後にあった柱がジーサードの蹴りの振り抜きを妨げた故のラッキーだが、ただの蹴りで柱を折りやがったジーサードにはもはや恐怖しかない。
「今ので踏ん張ってくれりゃその腕ポッキリやれたんだがよォ。直感的にダメージを最小にしたってことか? それとも単に目測を誤ったか?」
「……お前の目的は、何だ」
オレに攻撃を仕掛けてくるジーサードは、どうやら死の回避の性能を確かめているような節を見せつつも、可能ならば殺しても構わないくらいの気持ちのようでどこかそれを楽しんでいた。
だがそれだけの目的でこいつが接近してきたような気がしないオレがそんな質問をぶつければ、鼻で笑ったジーサードはつまらないとでも言うように返答。
「お前はオマケだ。『フォース』にばかりやらせてたら俺が暇だったんでな。もののついでに『あいつ』が興味を持ったお前にちょっかい出しに来た。それだけだ」
フォース? あいつ?
いったい誰のことかさっぱりだが、そのフォースとか言うのがどうやら今、このジーサードと同じようなことをしていそうなのはわかる。
「オマケで殺されそうになるってのは笑えないな」
「死んでねェんだからグチグチ言うなよ小せェな。ただ殺す気でやってんのに死なねェってのは腹立つから、とりあえず次で倒れるくらいはしてくれや。そろそろフォースの方も終わるだろうしな」
あっちの事情は知らんが、どうやら次で終わらせる雰囲気を出したジーサードに、オレはチャンスと見る。
だがしかし、これは賭けだ。1歩間違えばオレは確実に死ぬ。
綱渡りは嫌いだが、この状況で生き延びるにはやるしかない。
言葉の後にゆったりと構えたジーサードの動きを極限の集中力で観察するオレは、その挙動の全てを余すところなく見極めようとする。
そして負傷したオレの反応速度をわずかに上回る速さで接近され、髪を右手で掴まれてそれとほぼ同時に腹へと右膝蹴りをお見舞いされ、その威力で体がくの字に曲がってわずかに浮き、そこにとどめの左回し蹴りをもらって吹き飛び、近くのベンチへと叩きつけられて粉々にしそれで終わり。
オレの意識は倒されてからすぐにプッツリと途切れてしまったが、その直前にどこか納得いかないような、満足していないようなジーサードの微妙な表情を見て、オレの賭けが失敗に終わってしまったことをなんとなく理解し、自分の死を本能的に悟ってしまった。
人間の死ってのは、本当にあっけなく訪れるもんなんだな。
――ああ……幸帆は何してるかな。小鳥は……今頃夕食を作って待っててくれてる頃か……幸姉は……理子は……ジャンヌは……どうしてるんだろうな――
深い深い闇の中を目指すべき場所もわからないままさまよい歩いているような不思議な感覚の中で、唐突に見えた小さな光の輪を目指して、その輪を潜ったところでオレの意識は覚醒した。
目を覚ましてまず目に入ったのは、見事なまでに真っ白な天井。
次いで臭覚を刺激する消毒液の臭い。それだけでオレが寝かされている場所が病院であることを理解し、同時にどうして生きているのかと疑問が生じた。
オレは賭けに負けた。それは確実。ならどうして生きているのか。
「やっと起きたか」
天井を見ながら意識が途切れる前までの記憶を掘り起こしていたら、おそらくずっと横にいたのであろう人物が口を開いて存在を知らせてきたので、その声に聞き覚えのあったオレはそこにも疑問が生じる。
「……何でお前がいるんだ、羽鳥」
「何でとはずいぶんな言い草だね。
どうやらオレが意識を失ってから、羽鳥のやつがここまで運んでくれたようだが、それがそもそもおかしい。
思いつつ顔を羽鳥へと向けてみると、何故かその羽鳥は黒のマントを羽織ってむき出しの鋭い犬歯をつけ足を組んで椅子に座っていて、ふざけてるのかと一瞬その頭を疑ったが、少し考えて翌日は文化祭でズレたハロウィンの催しでそれらしい仮装をしろと教務科の通達があったことを思い出す。
ということは意識を失ってからまだ1日以上経ってないってことか。
「どうやってだ」
「それは車で運んだに決まってるじゃないか。まさかここまでおぶって来たとでも思うのかい?」
「そうじゃない」
色々と情報を取り入れたところで改めて羽鳥へと質問したのに対して、そんな単純なことを聞いてないことはわかってるはずの羽鳥は、遮るようなオレの言葉で短い息を吐いて口を開いた。
「……サードには私から進言して『退いてもらった』」
「何でお前にそんなことができる」
「私を誰だと思っている。交渉で私がしくじるわけがないだろう。まぁ今回は交渉ではなく『1度きりの権利』を使ったに過ぎないわけだがね」
どうにもわからないことが多いが、オレが生かされたのはやはり羽鳥の力あってのことらしく、しかしその1度きりの権利とやらを使ってまで何故オレを助けたのかという次の疑問が浮上。
それを言葉にするより早く再び口を開いた羽鳥に半ば黙らせられる形にはなったが、オレの聞かんとすることはわかってるとばかりにピンポイントで話をする。
「君には1度、命を助けられた。正確には君1人にではないが、命の借りは命で返す。私はただそれを実行したに過ぎない。だがこれで私と君はまたイーブン。次にサードに殺されそうになろうと、もう私は君を助けない。そんなことしようものなら、今度は私がサードに殺されかねないしね」
羽鳥の言う助けたと言うのは、先日の依頼の時のことであることは明白だが、その時の借りを昨夜返しただけだと話す羽鳥は、これ以上この話を続けるつもりはないらしく強引に次の話題へと移っていき、ジーサードとの関係について問うタイミングを逃してしまった。
この辺はさすが尋問科。話の主導権はオレに渡すつもりがない。
「正確な情報としてまずは現在、君が意識を失ってから約21時間が経過した16時32分。体の方は腕と腹と背中を打撲。骨には異常はなかったが、あのサードの攻撃を受けて骨が砕けなかったのは正直に言って信じられないよ。君がどんなマジックを使ったかは知らないが、安静にしていれば1週間ほどで本来のスペックまで回復するだろう」
淡々と告げられた羽鳥のその情報を聞いて、オレは寝たままの状態で腹を触って具合を確かめると、鈍い痛みが各部に残っていて今日はこのまま寝たきり状態が続きそうなのは直感的にわかる。
そして羽鳥の言うようにあのジーサードの攻撃を受けてこの程度のダメージで済んだのにはちょっとした技術があった。
技術と言ってもそれほど高度なことではないが、ジーサードの攻撃が当たる瞬間に自らの手を狙った箇所との間に挟んでクッションの代わりにし伝わる衝撃を腕へと分散させたのだ。
それを膝蹴りと回し蹴りでやって片腕ずつ。結果として握力が著しく落ちるほどにダメージを負っていたが、それのおかげで骨折にまでは至っていなかった。
しかしこれは賭けだったのだ。
昨夜ジーサードはこれを実行する直前に「次で倒れるくらいはしてくれ」と言って攻撃を仕掛けてきた。
そこには依然としてオレを殺そうとする意思があり、最悪それを『まともに受けて』倒れるくらいはしろと言ったようなもの。
そこでオレがジーサードの攻撃を『まともに受けず』に生き残ってしまえば、前言を撤回してあれよりも強力な攻撃を仕掛けられていたかもしれない。
そうなればもうオレは確実にあそこで死んでいた。だからこそオレはその防御を悟られることなく倒される必要があった。
だが結果としてジーサードにはその防御は看破され、意識のないところでとどめを刺されそうになっていたはず。
そこに羽鳥が割って入って現在に至るといったところか。助けられた手前、どうやって防御したかを教えるのもやぶさかではないが、こいつ自身がイーブンだと言うならみすみす手の内を明かす必要はないな。
「そしてここからが本題だ。実は君がサードに襲撃されたのと近い時間に、遠山キンジ以外のバスカービルメンバーがジーフォース――サードの部下に襲撃され撃破された。今は君同様にここで入院しているが、何故だろうね。もうみんなピンピンしているよ」
「昨日、ジーサードにも違う意味で聞いたが、目的は何だ」
「強さの誇示と、私達にはわからない目論見があるようだが、今はあちらも戦う意思を見せてはいない。と言うのもサードは昨夜、敵意を無くしたフォースを私達の目の届くところへと置いて消えた。そのフォースは現在、何事もなかったように学園島を出歩いている」
強さの誇示、となるとこちらに戦う意味はないと知らせてきたことになるが、そのジーフォースとかいう人物を残していったのも気になる。
だが問題なのはやつらが極東戦役において無所属であることだ。
無所属は敵ではあるが、眷属のような明確な敵対勢力ではないこと。この辺の対処は慎重にやらないとダメだろうな。
「それでジーサード達の対応について師団で話し合いはしたのか? お前をそもそも師団に数えるかは知らんが、その辺も聞いてはいるんだろ?」
「戦役においての私は一応、エルと同じリバティー・メイソンの
無所属という立場上、やはり取り込む方針になったのは納得のいく流れだな。
というかこいつ、リバティー・メイソンの一員だったのかよ。ワトソンもそうだが、リバティー・メイソンって変装が流行ってるのか? そんなわけないか。
とにかく、今後は療養に努めつつそのフォースとかいうのの動向も探っていく感じで動けばいいのか?
まずそのフォースがどんなやつかもオレは知らないわけだがな。
「差し当たっての話はこれくらいだね。今後どうすればいいか迷うようなら、君が信頼する人物に意見をもらえ。あと君が負傷して入院したことは小鳥ちゃんと幸帆ちゃんに今朝方伝えておいたよ。うっかり階段から滑り落ちたんだ、ってね」
それで話すことを全部話した羽鳥は、これ以上オレと2人でいるのが嫌らしく、さっさと席を立ってサードの件をボカす理由を小鳥と幸帆に説明してくれたようだが、そんな間抜けな理由があるかクソが。
と、オレが文句を言うより早く部屋を出ていった羽鳥にいつか仕返しは考えておくとして、まずは体を万全に戻すことが最優先。
そう思った矢先、羽鳥と入れ替わるようにしてノックの後に部屋に入ってきたのは、見舞いの果物セットと花を持ってきた小鳥と幸帆。
2人は部屋に入るなり心配そうにオレに近寄ってきたが、ことのほか元気そうなオレを見てホッとひと安心。
早速小鳥が持ってきた花を花瓶に飾るために水を汲みに行き、幸帆が果物セットからリンゴを取り出して手際よく切り分けていく。
「京様が無事で本当に良かったです」
「たかだか階段から落ちた程度だ。そこまで心配することなかったろ」
「……小鳥さんはどうかわかりませんけど、姉上のこともありますし、私は今回のお怪我がそんな理由ではないことはわかってます。フローレンスさんに口裏を合わせたと言うことは、私や小鳥さんを関わらせたくないから」
リンゴを切りながら、幸帆は今回の怪我の理由が嘘であることに気づいていることを正直に話してくる。
それがわかった上で自分が関わってはいけないと悟り、それ以上は何も聞かないと雰囲気で知らせてきた。
「それに私の知ってるカッコ良い京様は、階段から滑り落ちて怪我なんてコメディーのようなこと、絶対にしませんしね」
そして嘘だと気付いた最大の理由を顔を少し赤くしながらに話した幸帆は、オレに屈託のない笑顔を見せながら恥ずかしそうにする。
そんな幸帆にもっと近くに寄るように言ってから、痛む腕を多少無理して動かして低くなった幸帆の頭を優しく撫でてやると、何で撫でられたのか不思議に思う表情を浮かべたが、すぐに気持ち良さそうにしながら照れていた。
幸帆は昔から頭を撫でられるのが好きだからな。
それから戻ってきた小鳥も交えて切り分けられたリンゴを食べながら今後の話を少しだけして2人を帰したオレは、どうにも動けないということが久しぶりのことで何をしようか真面目に考えてしまう。
いや、動けないから何かを考えることしかできないんだけどな。
なのでとりあえず天井のシミでも数えてみるかと目を凝らし始めたところでいきなり部屋の扉が開け放たれて、なんか知らんがたくさんのお菓子を両手で抱えた理子が来訪。
昨夜ジーフォースとやらに襲撃されて負傷したとは思えないほどのテンションでおいっすー、みたいな挨拶と共にベッドにお菓子を下ろしつつ自らもオレの上に馬乗りしてくる。
オレの怪我の具合を知ってるのか、腹は避けて太ももの辺りに座ってくるが、普通に椅子に座れバカが。
「キョーやん動けなくて大変だ。これは介護する人が必要だよね」
「ああそうだな。しかしここは病院。人手は足りてるから心配いらないぞ」
「大変だからチョー特別にコイビトである理子りんがこのお見舞いのお菓子を食べさせてあげる。もちろん、く、ち、う、つ、し、でね。この前の逆パターンだよ。くふっ」
人の話を全く聞かない理子さんは、オレが動けないのをいいことに糞みたいに可愛くも怪しい笑顔でボール型のチョコを袋から取り出して口で軽くくわえると、ぐいぐいオレに顔を近付けてきた。
が、その顔が、口がオレと重なるより早く、ぐわしっ! と理子の頭を両側から手で挟んで防ぎ、万力のように締め上げていく。
「お、おかしいなキョーやん……確か両腕は死亡してるはずなんだけ、どぉ!!」
「いま退院が延びる覚悟でお前を阻止してるから、な!」
オレの決死の反撃によって理子はせめてもとオレの顔を両手でタップ&ビンタしてきて、これ以上は不毛な争いになりかねないので仕方なく後ろへ頭を投げるように解放してやると、万力をかけられた頭を擦りながら頬を膨らませてお決まりの「ぷんぷんがおー」をしてくるが、想像以上に元気そうだと改めて思ってちょっと安心してる自分がいて複雑である。
「お前は体を休めるってことを知らないのか?」
「んー、キョーやんほどボロクソにやられてないしダイジョブ……あ、でも今クラッてなっちゃった」
少し呆れながらにしたオレの質問にグサリと来るものをぶっこんできた理子だったが、急にフラッと体を揺らせてわざとらしく倒れてきて、ぽすんっ。オレの隣に寝そべってくる。
ご丁寧に今度はオレの腕に優しく抱きつく形で妨害まで阻止してきた。
「えへへっ。キョーやんと添い寝って初めてだね。こんな時じゃないとさせてくれないから、今のうちに堪能しちゃう」
「……在学中は絶対にさせないって心に誓ってたのに、あっさり破られちまった……それもこれもジーサードが全部悪いんだな」
「キョーやんがよわっちぃのが悪いとは思わない辺り、意外と負けず嫌いだよねぇ」
抵抗が結構無理っぽかったオレはもう観念して責任の全てをジーサードに擦り付けてみれば、またもグサッと痛いところを突いてきた理子にゴチン。
せめてものツッコミとして頭突きをしてやると、何故か可愛い笑顔とペロッと舌を出す仕草で返されて困る。何だその反応は……
そんな時だった。
不意に部屋の扉が開かれて、その音でそちらを向けば、そこには見舞い用の花を持ったジャンヌが。
「…………またか。またなのかお前達は。いや、今回も私が悪いのだな。失礼した」
その言葉を最後に足下に花を置いたジャンヌは扉を閉めて退室。
こんなこと夏休みにもあったなぁ、などと思い出すよりも早く、オレは体の痛みとか超越して理子を振りほどいてベッドを出て部屋を飛び出し、
「ちょおぉぉおおおっとまてぇぇええええい!! 」
あの夏休みの日と同じように廊下を全力疾走する羽目になってしまった。
これなんてデジャヴ……