贖罪の紅椿   作:のん

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 オリジナル要素、含みます。


第3話

 ≪白騎士事件≫という歴史的大事件により、世界中がISを≪史上最強の兵器≫であるという認識を持つこととなった。

 

 ≪アラスカ条約≫を始めとするISに関する規則が次々と締結されていき、IS発祥の地である日本にはISの操縦者育成を目的とした教育機関の設立が確約された。

 この教育機関が後に≪IS学園≫と呼ばれるようになるのだが、同時に開かれることが決まったのがそのISを用いた世界大会――通称≪モンド・グロッソ≫の開催。

 

 開催の理由には様々な諸説があるが、中でも代表的な諸説は自国のIS技術力の誇示の為と言われている。

 

 ≪白騎士事件≫によって最強の軍事兵器としての称号を得たISであるが、その有り余るあまりの戦闘力のため≪アラスカ条約≫によって軍事利用は原則禁止とされている。既存の兵器で言うのならば核兵器と似たような扱いといえばわかりやすいだろうか。

 最強の軍事兵器の称号を与えられておきながらこれでは本末転倒もいいところだと世界は思ったのだろう。核兵器は放射能などの問題があるが、ISにはそういった問題がない。

 平たく言えば飛行パワードスーツであるISを≪スポーツ≫として展開することで、兵器として利用せずとも莫大な経済的な利益を得ることができ、同時に自国の優れた技術力を大会時に世界各国に示すことで、有事の際の牽制にもなる。

 無論、世間一般にはこのような情報は決して提示されてはいないが……≪モンドグロッソ≫開催はつまりはそういうことだ。

 

 各国は国を挙げてISの研究・開発を開始した。

 しかしいくら技術力が優れていても、それを扱う操縦者もまた優れていなければ話にならないというのは言うまでもないことだろう。

 

 「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」

 

 日本代表候補生になって早一か月。現在、箒は他の代表候補生の面々と共にISアリーナの周りをひたすら走らされていた。これはIS操縦者としてのトレーニングの一環……ではなくただのウォームアップである。

 

 「ふっ……ふっ……ふっ……」

 

 集団の先頭を走るのが、現時点で最も国家代表の座に近い位置にいるとされている織斑千冬。≪織斑≫という苗字からわかる通り、あの織斑一夏の実姉にして後にブリュンヒルデとして世界最強の座を手にすることになる女性である。

 箒は一夏の幼馴染であったため、必然的にこの千冬とも少なからずの面識があった。再会の当初、一夏のことを訊き、元気でやっていると聞いたときは不覚にも涙がこぼれてしまった。もちろん千冬には「どうしたんだ?」と心配されたが、箒は「少し目にゴミが入っただけです」と誤魔化した。

 

 ――一夏が生きている……時間列的には当然のことのはずなのに、こんなに嬉しいなんて。

  千冬さん……今度こそは一夏を守ってみせます。あなたを泣かせたりは……絶対にしません。

 

 そして千冬の後に続く小柄な女性は――未来において、IS学園でも副担任として世話になった山田真耶。代表候補生止まりではあったがその実力は決して侮ることはできない。なにせあのセシリアや鈴に二対一の状況で勝ててしまうのだから。

 初めて自己紹介をした時、箒は山田先生、この頃から大きかったんだな、と思った。ちなみに走っている今も箒のソレよりも遥かに大きい肉の果実がプルンと揺れている。

 

 「ぜっ……ぜっ……」

 

 箒の少し前を走る黒髪のサイドテールが特徴的な彼女の名は九条瑞樹。箒よりも前に候補生になっており、事あるごとに箒に突っかかって来る人物であった。

 

 『篠ノ之箒……ねぇ? 姉の七光りで候補生になったっていう』

 

 ――アンタには絶対、負けないから。

 

 無論、ISの生みの親である篠ノ之束の妹なのだから、候補生になれば何らかのトラブルは避けられないだろうとは思っていた。ただ、初対面でいきなりこう来るとは正直思っておらず、故にその時は何も言い返すこともできず、ただ茫然と立ち尽くすことしかできなかった。

 だが、その時仮に言い返せたとしても……箒は何も言わなかっただろう。

 なぜなら瑞樹の言葉は篠ノ之束の妹として生まれてきた以上、絶対に避けられない運命であるのだから。

 

 言い返している暇があるなら努力しろ。

 そして自分が決して姉の七光りでこの場所にいるのではないということを証明しろ。

 

 一夏を救うためならば……ああ、この程度の試練……難なく乗り越えて見せるさ。

 

 かつての想い人を救うという確固たる意志がある箒は元来の負けず嫌いさが表に出そうになるのを歯を食い縛って堪え、この一か月間、ただ黙々と己がすべき鍛錬をこなし続けた。

 

 「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」

 

 ISアリーナ外周一周のウォームアップももうすぐ終わる。

 箒は前を行く柚希を追い抜くべくラストスパートをかけた。

 

 +++

 

 「ぜぇ……ぜぇ……」

 「はぁ……はぁ……」

 

 十分後、ISアリーナにて箒と柚希は二人して大の字で倒れていた。

 タイムは十七分三十七秒五六。候補生になった当初と比べれば幾分かはマシであるが、このタイムでは……アウトである。

 

 というのも教官から≪ウォームアップ≫と称されているこの訓練は一周五キロあるISアリーナの外周を十五分以内にゴールをしなければ重いペナルティが課せられるという鬼畜仕様であったからだ。

 

 なお、今回制限時間内に間に合ったのは織斑千冬のみ。それ以外は皆――箒もまた例外なくアウトであった。

 

 「十五分以内に走り終えなかった者は直ちに腕立て三十回×十セットを行え。いいな?」

 

 このトレーニングメニューを組んだ教官――桐谷怜悧の容赦のない言葉に、箒は素直に従い、腕立て伏せを開始する。それを見た瑞樹がギリリと歯を食い縛って箒に続く。

 

 しかし、そんな二人をよそに制限時間内に間に合わなかった他の候補生から悲鳴があがる。

 

 「え~!?」

 「無理ですよ、そんなの!」

 「大体、無理な話なんですよ! 十五分以内に五キロなんて……」

 

 一般女性の五キロの平均タイムがおよそ三十分前後……一流のアスリートでも十五分を切ることができればそれなりのタイムと言えるであろう。

 だが、あくまでも彼女たち候補生は走ることを専門としたアスリートではない。そういう観点からしてみればたしかに彼女たちの言うことももっともであるのかもしれない。

 しかし、教官の言葉は容赦がない。

 

 「お前たち候補生は通常の人間をはるかに越える実力を身に付けなければならないということは始めに言っておいたはずだ。――無理だというなら結構。何時だってここから抜けてくれて構わない。やる気のない奴は帰れ」

 「「「ぐっ……!」」」

 

 その言葉を聞いて何も言い返せなくなった他の候補生たちは疲れ果てた身体をどうにか奮い立たせ、渋々ながら腕立て伏せを開始する。

 

   

 『お前たち候補生に示す道はここで無様に挫折してIS操縦者としての道を諦めるか、それともこの試練を乗り越え人の限界を越えた力を身に着けるか――この二つに一つだ。それ以外にはない』

 

 

 この言葉は桐谷怜悧の口癖であった。

 彼曰く、最強の兵器でありながらも今、世界に存在するISは467機しか存在しておらず、それらをさらに世界で分割している。

 つまり有事の際、ISは一機――よくて数機展開できればいい方で、IS操縦者はそんな僅か数機しか展開できないISを以て……究極的な話、たった一人で国を守らなければならないのだ。

 

 現実的に考えるのならば有事の際は戦闘機や戦車、ミサイルなどの既存の兵器がメインとなるだろうが……ISは原則ISでしか倒すことができない。

 もし仮に国の国家代表が負けるようなことがあれば、戦場の雌雄は一気に決することは明確であり、有事の際のIS操縦者の実力はそれだけ重要な要素であるということがわかるだろう。

 つまりIS操縦者というものはそれだけ責任(プレッシャー)が付きまとう。そしてそれだけの責任(プレッシャー)のある立場を、普通の人間の範疇の実力ほどしか持たない者に任せていいわけがない。そう考えると、桐谷のこの言葉も無理もない言葉なのかもしれない。

 

 無論、箒はそんな桐谷の思惑など知りもしないが……一夏を守るには≪力≫が必要である事実は変わりはない。これまでも剣術など一通りの武道を嗜んだ箒であっても、ここまでハードな訓練は経験したことがなかったが、それこそ箒の望むところである。

 

 ――過去の己を越えるためには……まだ足りない! もっと……もっとだ!!

 

 数十分の後、ペナルティである腕立て伏せを終えた箒は次なるトレーニングメニューをこなすため、休む間もなく立ち上がった。

 

 +++

 

 ウォームアップを終えた後はいよいよISを用いた訓練に移っていくことになる。

 しかしISは登場して間もない為にこれと言って確立されたトレーニングメニューは確立しておらず、これから模索していく段階にあった。

 とは言えISを用いた戦闘というのは言ってしまうのならば、戦場が空中という場所に移り変わってしまっただけで基本は地上で人間同士が殴り合うのと変わりない。

 つまり重要視されるのは銃を用いた射撃の腕や剣や槍などを用いた武術の腕。無論、空中というこれまでにない戦場で戦うことになるのだから、地上でそれらを振るうようにはできないだろうが、ISでの戦い方が既存の戦いの技術を応用させて行えばいいということに変わりはない。

 

 そういう観点からしてみると幼少の頃より父親が開く剣術道場に通っており、未来においてISを操縦してきた箒は他の代表候補生と比べると大きなアドバンテージを持っているということになる。現に代表候補生となってまだ一か月しか(もう一か月というべきかもしれないが)経っていないが、箒の実力は候補生の中では上位の位置にいる。

 

 しかし、そんな箒の細やかなアドバンテージなど何の気休めにもならないほどの実力者が存在するには存在しており、例えば織斑千冬には純粋な剣術、操縦技術においても負け、山田真耶には近接戦闘における技術では負けていないが、銃なども用いた幅広い戦術を得意とする彼女に対し、持ちうる手数の差で負けてしまっている。元から真っ向勝負を得意とする箒に対し、真耶は相性が悪いのかもしれない。

 

 そして九条瑞樹。年齢的に見るのならもっとも箒に近く、実力的にもそう大差のない彼女である。ことごとく周囲に突っかかってくる彼女であるが、その実力は決して口先だけではなかった。

 しかし、総合的な観点からしてみれば、自分の実力は瑞樹に負けてはいないと箒は思っている。刀を用いた真っ向勝負を戦闘スタイルにしている点からしてみても瑞樹と箒は似ていると言えば似ている。

 

 しかしただ一つだけ、瑞樹と箒には決定的な違いがあった。

 

 「はあああああああっ!!!」

 「せいやぁあああああっ!!!」

 

 現在、箒と瑞樹は互いにISを展開し、一対一の実戦形式の訓練を行っている。空中でぶつかりあい、刀と刀を打ち鳴らす。

 篠ノ之流剣術を修めている箒とこうも刀を打ち合わせられるその時点で瑞樹の剣の腕もかなりのモノであることが窺える。

 九条瑞樹は何か武道の心得があるのか――かつて箒は候補生で先輩である織斑千冬に問いかけたことがある。千冬は熱心なものだなと感心したように箒を見やった後、よくはわからないのだがなと言いながらも教えてくれた。

 

 ――九条もまたお前と同じように≪九条流≫と呼ばれる江戸時代前から存在する剣をメインとした古武術を修めているらしい。ああ見えて家のほうは古くから代々続く由緒のある名家なのだそうだ。

 

 何かしらの武術を修めているというのは箒の予想通りであったが、由緒のある名家と聞いた時は驚いた。由緒ある名家の女性といったらもっとこうおしとやかというか……そういうものを想像していたからだ。普段の瑞樹の様子から見ると現代的というか挑発的というか……とにかく名家生まれのものとは思えない立ち振る舞いである。

 

 (……っと、そんなこと考えている場合ではないな)

 

 鍔迫り合いよる硬直から一旦距離を取り、仕切り直す。呼吸を整え、余計な思考を外に絞り出す。これまでのパターンから考えると、そろそろ()()()を使ってくる頃だからだ。

 

 「ふっ……!」

 

 しばし空中で対峙していると、不意に瑞樹がスラスターを吹かし、斬りかかってくる。

 これまでと何ら変わらぬ太刀筋のその斬撃を箒は半ば無意識的に己の刀で受け止めようとするが。

 

 「がはっ!」

 

 しかし、受け止めたはずのその斬撃は――――まるですり抜けるかのように箒の刀による防御を無視した。

 身体に走る衝撃――誰がどう見ようがクリーンヒットである。

 

 (これだ……九条の防御をすり抜ける斬撃……)

 

 ≪消える刃(バニシング・エッジ)≫。現時点で九条瑞樹しか使用することができず、九条瑞樹と篠ノ之箒の間にある明確な力の≪差≫――。

 九条瑞樹の切り札ともいえるこの≪消える刃(バニシング・エッジ)≫に箒は何度いいようにやられてきたのだろうか。≪消える刃(バニシング・エッジ)≫使用前なら同等程度の実力であるが……≪消える刃(バニシング・エッジ)≫を使用された戦闘において、箒が瑞樹に勝てたことは一度もない。

 

 (今日こそは破ってやるぞ、≪消える刃(バニシング・エッジ)≫を!)

 

 箒は刀を構える。

 どのような仕組みなのかは検討もつかないが≪消える刃(バニシング・エッジ)≫は、相手が剣などで防御した場合、その防御を何らかの技術を以てすり抜けさせる剣技だ。

 つまりこの九条瑞樹を前に防御という行為は無意味であり、対処法としては織斑千冬がそうしていたように瑞樹の斬撃を全て受けることなく回避する他にない。

 

 しかし先にも述べたとおり瑞樹の剣の腕はかなりのものであり、回避するのにも困難を擁する。千冬並の実力があってこそ全ての攻撃を回避するといった離れ業が可能なのであり、千冬並の実力はない箒では千冬の取った戦法を行うのは不可能である。

 

 (せめてその攻撃の仕組みさえ見破れれば、また新たな突破口が開けるかもしれない……!)

 

 こんなところで立ち止まっている訳にはいかないのだ。

 己の罪を償うためにも、一夏の命を守るためにも、候補生相手に苦戦を強いられている……ましてや敗北している場合ではないのだ。

 

 「はぁっ!」

 

 刀がぶつかり、火花を散らす。

 瑞樹は箒を刀越しにじっと見つめていたが、やがてそんな焦る心の内を見透かしたかのように告げた。

 

 「≪消える刃(バニシング・エッジ)≫を破るなんて、できっこないじゃない。アンタは所詮、姉の七光り……それで終わりよ」

 「!」

 

 次の瞬間、鍔迫り合いを起こしていた瑞樹の刃が箒の刃をすり抜けた――。

 

 +++

 

 「やりすぎなのでは?」

 

 時同じくしてISアリーナにて、候補生の訓練を見ていた桐谷怜悧の元に一人の女性が現れた。彼女は桐谷の下で候補生のデータを取ったり、様々なサポートを行っている人物だった。

 

 「いくら一国の代表を鍛えるからと言って、あなたの訓練は常軌を逸しています。このままでは候補生をやめる娘も出てくると思いますよ」

 「……」

 

 そんな彼女――山本の言葉に振り替えることなく桐谷はしばし訓練の様子を見守っていたが……やがて静かに口を開いた。

 

 「……正直いって俺はな、ISなど生まれてこなければよかったと思っている」

 「それはISの登場によって社会が女性優遇のものと変わりつつあることに対する言葉ですか?」

 

 ISは原則、女性にしか動かせない。

 そのことから世界では女性の立場というものが急速に上がってきている。≪女尊男卑≫などという単語が世間を飛び交うようになったのも、もう最近のことではない。

 桐谷怜悧は男であり、そんな世の中が気に食わない上での言葉だとそう解釈した彼女の言葉であったが、桐谷は首を横に振ってその言葉を否定した。

 

 「≪女尊男卑≫などそんなことはどうでもいいんだ。大体、ISは女性にしか動かせないといっても、世界に467機しかないのだからな。IS登場によるこの盛り上がりも、そう遠くない内に冷めていくことになるのは少し考えればわかることだろう」

 「ではなぜ?」

 

 その問いかけに桐谷は複雑な眼差しを彼女に向けた。

 

 「ISは≪最強の戦闘兵器≫だ。かつて≪白騎士事件≫の映像を見たことがあるが……まさに圧巻だった。一目見ただけで、このISが一機あるだけで戦況を変えられる性能(ポテンシャル)が秘められているということが嫌でもわかるほどにな」

 

 だが、それを扱えるのは女性だけなんだと桐谷は言葉を続ける。

 

 「これまで戦争となれば戦場に立ってきたのは主に大人の男だった。物事には適材適所というものがあり、戦いはどうしても女性よりも男性の方が適していたからだ。だがこれからは違う。IS登場のせいで、まだこんな大人にもなっていない少女たちを訓練し、戦場に立たせなければならない時代が訪れてしまった」

 「!」

 

 その言葉を聞いて彼女は桐谷の言おうとすることを理解した。

 万が一の有事の際、今この場に集う候補生の何れかは必ず戦場に立たねばならない。その時、桐谷は彼女たちの代わりにISを操縦し、戦場に出ることはできないのだ。

 

 あらゆる≪負≫が蔓延する戦場において――血と暴力のみが辺りを蹂躙する戦場を生き延びるには、何よりも≪力≫が必要なのだ。

 

 「無論、考えすぎだと言われればそれまでだ。だが、それでも俺は候補生たちにできる限りの≪力≫を身につけさせてやりたい。どんなに辛い状況が訪れたとしても、生き延びることができる強さをな……」

 「桐谷教官……」

 

 その言葉を聞いて彼女は自分のことが猛烈に恥ずかしくなった。こんなにも候補生のことを考えていた人間に自分はなんてはしたない言葉をかけてしまったのだろうと――。

 

 「――至らぬ言葉を申し訳ありませんでした。私も彼女たちのために全力でサポートさせていただきます」

 

 その言葉に桐谷はああ、と頷くと「それでどうしたんだ?」と言葉をかける。彼女がわざわざこのようなやり取りを交わす為に自分に声をかけてきたのではないということを桐谷は見抜いていたからだ。

 案の定、山本は思い出したかのように口を開く。

 

 「ああ、そうでした。先ほど≪倉持技研≫から連絡があったのですが……≪完成した≫、と」

 「……そうか」

 

 山本の言葉に桐谷は目を細め、言った。

 

 「ついに代表の選出、さらには≪専用機≫の譲渡の時が来たか……」

 

 一機は十中八九、織斑千冬のモノとなるだろう。その実力はずば抜けており、国家代表選出も異論はない。

 だが残るもう≪一機≫の方は――。

 

 「……」

 

 腕を組んだ桐谷はそれ以上口を開くこともなく、アリーナにて訓練を行う候補生の面々を見つめ続けた。

 




 九条瑞樹
・箒より以前から日本代表候補生。
・何かと箒に突っかかって来る人物。ライバル的な関係?
・箒が代表候補生になったが為に物語に登場することになった人物。もしかしたら原作において織斑千冬の後を継いで日本代表になっているかもしれない?
・≪消える刃(バニシング・エッジ)≫という剣技が使える。現時点で箒より強い。

 桐谷怜悧
・軍上がりのIS教官。めちゃ厳しい鬼教官。
・男であるが、IS知識は豊富。というか指導する立場になってしまったが故にたとえ動かせなくてもとにかく勉強した模様。原作においても千冬や簪が世話になっていた?
・箒が代表候補生になったが為に以下同文。

 山本
・女。簡単に言うのなら男で色々面倒なことがある桐谷のサポーター。
・結構、はっきりとモノを述べるタイプ。
・箒が代表候補生になったが為に以下同文。


 何人かオリキャラを登場させたので簡単に説明しておきました。
 時間列的にはまだ第一回モンドグロッソも行われておらず、本当にISが登場して間もない時期です。ちなみに簪が候補生になるのはもう少し後の予定です。
 原作には描写がない故にオリジナル展開になってしまうことをどうかご容赦ください。
 次回からはいよいよ候補生たちによる専用機争奪戦へと突入していく予定です。箒は専用機を見事勝ち取ることができるのか? ……うーん、わからぬ(オイ)。

 最後まで目を通していただき、ありがとうございました。
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