ある哺乳類職員の一日   作:C-K

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ある哺乳類職員の2日目

 花形養成部隊と言えど持久力は大事です。

 

 たまには監督するだけでなく、新人君達の後ろを爆走する事にしました。

 

 ぱおお――んぱおお――んと一緒に走る。

 

 みんな必死に距離を空けて行くのはどうしてだろうか?

 

『マスター、提案があります』

 

 どうしたの、珍しいねパンドラ?

 

『マスターが比類なきゾウである事は皆が承知であると思います』

 

 うん。

 

『ここはひとつイメージチェンジを兼ねて咆哮を変えてみてはいかがかと』

 

 そうかもしれないね。ゾウだからってぱおおんと鳴かなければいけない規定ないもんね。

 

『既に幾つか候補はピックアップしております』

 

 変声機能を使うんだね。任せるよパンドラ。

 

『一命に代えましても』

 

 

 

 

 

★★  ある哺乳類職員の1日  Ver.2 ★★

 

 

 

 

 新人君達と朝一番の訓練を終えた後は汗を流す、水を鼻ですくって体に掛ける。

 

 シャワーも良いけど野生って大事だよね。

 

 

 

 高町一等空尉がやって来た。

 

 仕事中なので公私混同はしません。

 

『同感です』

 

「グレイくーん!」

 

「……」

 

『……』

 

 しかし、上官様は無情であらせられました。

 

「ええっ、なんで泣いてるの?」

 

 そういえばこういう人だった。

 

『マスターの決意を折るなんて……、ky』

 

「何で私責められてるのっ」

 

 

「ところで何か用があるのでは?」

 

「そうだった。 隊長さんが呼んでいたよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 隊長さんから別任務を貰い、高町一尉と一緒に朝食です。

 

「え、今日これから?」

 

『廃棄区画で陸士部隊と模擬戦だそうです』

 

 人と違って食べながら会話の出来ないボクに代わり、説明するのはパンドラに任せた。

 

『マスターはどうぞごゆっくり』

 

 キャベツ1玉を口に押し込みつつ頷く。

 

「グレイくん一人と陸士部隊だけで? それちょっとキツくない?」

 

『いえ、もう一人空戦魔導士の方がいらっしゃるそうです』

 

 なんでも模擬戦と同時にビル解体で区画整理も兼ねるとボクの出番だそうだ。にんじんおいしい。

 

「そうなんだ、確かに突進力ならグレイくんの右に出る人ってそういないよね」

 

『それで折角の機会なのでマスターと相談しまして……』

 

 む、ご主人様(アリサ)ってばまたどこかの厳選品の野菜を送ってきたね。 

 

 この歯ごたえのカボチャ、うんまぁい。

 

「ん?」

 

『久方ぶりに『暴れん坊将軍モード』でも使おうと言う事になりました』

 

 ─── かちゃーん……

 

 

 高町一尉の取り落としたスプーンがシーンと静まった食堂に響き渡りました。

 

 あれ? なんでみんな顔真っ青にしてコッチ見るの?

 

 タチの悪い風邪?

 

『空気中における感染症のウィルスは極微量と判断致しますよ、マスター』

 

 そうなんだ、流石の分析力だねパンドラ。

 

『勿体無い御言葉にございます』

 

 

「ね、ねえ……、グレイくん。 そ、それはちょっと酷くない?」

 

『何故でしょうか、高町様? 広範囲のビル街を更地にするのなら此方の方が効果的だと判断します』

 

「更地にすることが前提!?」

 

 残った野菜をひとまとめに食べて席を立つ。

 

「ごめんなさい高町一尉、時間も押してるのでいってきまぁす」

 

『失礼致します』

 

「うん、怪我しないようにね……」

 

「「「………相手が?」」」(←同僚一同)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 たまたま手の空いていた鉄槌の騎士ヴィータは、なんとなく引き受けた仕事にやって来て友人、いや友象に遭遇した。

 

「あれ、ヴィータ?」

 

『御久しぶりにございます』

 

「この前ザフィーラと一緒に会っただろーが」

 

 自分の背丈の四倍以上ある四足獣を見上げながら苦笑いして肩の力を抜いた。

 

 鼻でその辺のガレキを摘み上げているグレイを見ながら、数十m先で唖然と此方を伺う陸士部隊に同情する。

 

「オレらの仕事は分かっているな?」

 

「犯人役だよねー、大丈夫だよー」

 

 意外とどころかとんでもなく忘れっぽい相方から望み通りの答えが返ってきて、安堵の息を付く。

 

『丁度良かったのです、ヴィータ様には此方のサポートをお願い出来ませんでしょうか?』

 

「あぁん? 何をやらかす気だよオメーら」

 

「ええとね、暴れん坊将軍(マンモス)モードを使おうかとおもってー」

 

「ぶふッ!?」

 

 ……付く暇も無く、アイゼンを取り落としかけた。

 

「……あ? ……ええっ?」

 

 思わずつぶらな瞳のグレイと陸士部隊(ひょうてき)との間で視線を泳がせる。

 

『この辺一帯を更地にするにはソレが最適とマスターも判断しております』

 

 訂正、どうやらこの主従は手段と目的が逆転してるようだ。

 

 

 

 赤い魔力光を放出したグレイが全身を覆う鎧を作り上げ、炎に包まれ一回り巨大化する。

 

 審判役の陸士部隊の隊長格が始まりの合図を出すために手を上げるのを見たヴィータは、友人を説得する時間が無くなった事を知った。

 

 遠い空の下、学校で授業を受けているであろう聖王を思い浮かべ、哀れな陸士部隊(こひつじ)に十字を切った。

 

 

 

 

 

 

 

 夕方、なのはちゃんが残業でボクがヴィヴィオを迎えに。

 

 ユーノにでも任せればいいと思うよ。

 

「ねーねー、パパってなのはママとどっちが強い?」

 

「なのはちゃんには勝てないと思うよ」

 

 ボクの欠点は砲撃魔法が使えないことだよねー。

 

『いえ、マスターには堅固な防御力があります。 突撃力は世界一ィィ』

 

 ぶっちゃっけただの弾丸だよね。

 

 <■三 ←こんな感じの。

 

「こんど戦うところ見せてね?」

 

『今日あった模擬戦なら録画してあります。 後で映像に落としましょう』

 

「うん、ありがとうパンドラ!」

 

『恐悦至極にございます』

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──── 本日の被害者達 ──

 

「キシャアアアってキシャアアアアアッって来たんだああっ」

 

「あかい……そう赤かった……」

 

「じ、地面からどーんってっ!?」

 

「マンモスが……、マンモスがあああぁっ!」

 

「ああっ! 窓にっ窓にっ!!!」

 

 

 

 




ちょっと書いてる時間がないので昔のをそのまま続投。
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