魔法少女には使い魔がつきものです。
「なのはママの小さい時にはパパが使い魔だったの?」
「あー、ママのパートナーはユーノ君が変身したフェレットだったのよ」
「なのはママのバカああぁぁあぁっ!!」
「なんでっ!? あ、こらちょっとヴィヴィオ待ちなさーい!」
★★ ある哺乳類職員の1日 Ver.4 ★★
ひっく、ぐす、うぇぇ……
「それでなのはちゃんと喧嘩してボクんトコ来たの?」
「……うん…、ぐす……」
『市街地とは言え、宵闇に少女一人とは危ないですよ』
家にしてるガレージ前にヴィヴィオが居たから何かと思った。
なのはちゃんがさっき念話で『ご免なさい、今夜はグレイ君の所に泊めてくれる?』って来たんだけれど。
今日ボクが夜間訓練だと忘れてるでしょ?
一人で泣いてる少女留守番させる訳にもいかないしなぁ。
鼻にしがみついたまま、目尻に涙浮かべて心細さそうに此方を見上げるヴィヴィオ。
『仕方有りませんマスター。連れて行きましょう』
「隊舎なら少なくとも誰か居るから此処よりはマシかな」
「いいの?」
『はい』
隊長さんに事情話してちょっと置いて貰おう。
しかし、ユーノのフェレット時代か。
PT事件の時、ボクは海鳴には居なかったからねー。
『マスター、次元漂流者ですものね』
「えっ! パパ迷子さんだったの?」
そうそうバニングス家の庭にどーんと落っこちたんだよー。
『懐かしいですねー』
その頃パンドラ居なかったでしょ。
『そうでしたね』
隊舎に着いて隊長さんに事情を話す。
許可は貰ったけど『家庭の事情は持ち込むな』って、注意された。
高町家の事情なんだけどなあ。
待機室に戻ったら、生徒達に囲まれていたヴィヴィオがボクの後ろに隠れちゃった。
『誰かヴィヴィオ様をいじめたりしましたか?』
パンドラの誰何に全員が一斉に首を振る。
「高町教導官のお子さんじゃないですか、そんなこと自分達にはとてもとても」
「可愛いんで愛でていただけです」
「なんでバニングス教官がその子連れているんですか?」
「ちょっとねー、色々事情があるんだよー」
『はいはい、今夜の訓練を始めますよ。 さっさと外に出て準備する事です』
「「「「「了解!」」」」」
「パパ行っちゃうの?」
「ごめんね、ヴィヴィオ。 これでもお仕事だからねー」
『……ふむ、そうですねー』
や、だから尻尾から手を離してくれると嬉しいんだけど。
『マスター、連れて行きましょう』
「…………は?」
おいおいパンドラさんや、空中遊泳じゃありませんのことよ?
訓練ですよ訓練、どっかんどっかんばっびゅ──んなんですよ。
『どうでしょうヴィヴィオ様、ここはひとつマスターの御仕事を手伝うと言うのはいかがですか?』
「そうしたらパパ喜んでくれるの?」
『ええ、きっと。 おやすみからおはようまで一緒にいてくれるに違いありませんよ』
「やる!」
こらこらー、主無視して話を進めるんじゃありませんよー。
『実は以前レイジングハートから砲撃魔法の術式を頂いたので、これをヴィヴィオ様に使っていただきましょう』
─── なんですとっ!?
『ひよっこ共にマスターの防御陣は抜けられる事はありません。これで攻守共に完璧です』
ふむふむ、それだと飛んで轢く以外攻撃手段が確保できるね。しかし聖王の砲撃かあ。胸が熱くなりますね。
ヴィヴィオの頭を軽く鼻で撫でると満面の笑みを浮かべた。
「とりあえず、無理の無いくらいでね。疲れたらすぐ言う事」
「うん!」
『これで『
まあ、それ以外の攻撃方法だと投げるか打つしかないからしょーがない。
その晩の訓練生には予想外の効果を得られたようで、いつもよりボロボロになる率が酷かったと記そう。
仮眠室の床で毛布に包まったヴィヴィオと寝てしまい、翌朝出勤してきたなのはちゃんに叩き起こされました。
ところでそもそもの家出の原因はなんだったのか、後日ヴィヴィオに尋ねてみたんだけど。
本人が綺麗さっぱり忘れていたので、永遠の謎に。
今見直すとひじょーに短いですね……。