ある哺乳類職員の一日   作:C-K

5 / 10
ある哺乳類職員の5日目

 

 

『全魔力をプロテクションに回し、大型回転衝角(ドリル)を作って突撃とかどうでしょう? 名付けてスパイラルアタック』

 

 それ絶対目が回ると思うんだけど?

 

『でしたらマスター自身を鉄球としてチェーンバインドで支え、回転して激突と言うのは』

 

 だからボクが回ったらその後何も出来なくなるじゃないか。

 

「……いまさら君達が無限書庫に居るのは突っ込まないけど、何の相談?」

 

『新しい攻撃方法の構築です』

 

 何か資料がないかと思って。

 

「はぁ……?」

 

『絶・天象抜刀牙とかどうでしょうか?』

 

 だから回るのから外れようよ、パンドラ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★★  ある哺乳類職員の1日 Ver.5  ★★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんにちはですーぅ」

 

「ユーノ君おるかー?」

 

 あれ、八神はやて部隊長が直々にこんな所まで来た。

 

「こんな所で悪かったね」

 

「もう機動六課やないんやから部隊長は勘弁してぇな、グレイ君」

 

 あい、はやてちゃん。

 

「ユーノ君、ちょお資料探してほしいんやけど」

 

「どれどれ?」

 

 二人で相談しながら奥の方へ消えて行った。

 

 

 

 

 

 

 

「グレイさんは何をやってるですか?」

 

「なんか新しい攻撃方法は無いかと資料探しー」

 

 鼻で本を抜き、鼻でページをめくる。

 

 鼻水なんかつけませんよ?

 

「いっそのことヴィータちゃんみたいにしたらどーですかぁ?」

 

「……ヴィータみたいにハンマーを振り回せと言いますか」

 

「鉄球のストレージデバイスを作るですよ」

 

『!?』

 

 その発想は無かった!

 

 

 

『ま、マスター! わ、私を捨ててそっちを選ぶんですか!?』

 

「は? 何を慌ててるの? ボクがパンドラを捨てる訳ないじゃないか」

 

『じゃあそっちを本妻にして私を二号さんにするつもりなんですねっ!?』

 

「落ち着こうパンドラ、キミが何を言ってるのかさっぱり分からないよ?」

 

『この泥棒猫ー!!』

 

「リィンは猫なんかじゃないですぅー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『失礼、取り乱しました……』

 

「この話は止めよう、パンドラがお姑さんになってしまう」

 

「そうですね…」

 

 

 

 

 

 ぺらぺら

 

 一冊一冊読んでいるとリィンが本の上に立った、……こら。

 

「検索魔法を使うか、人型になった方が効率よく探せるんではないですかぁ?」

 

 検索うんぬんは知らないが、変身魔法かあ……。

 

『アリサ様に禁止された禁断魔法の封を解く日がついに……』

 

「ココにはアリサさんは居ませんですよ?」

 

 んー、気が進まないなぁ。

 

『責任はリィン曹長が取ってくれそうですので使いましょう』

 

「そうです、リィンが取るですよ~」

 

 後悔しても知らないよ……。

 

 

 ── そして無限書庫に衝撃が走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、な、なんやこれ……」

 

「ええええーっ!」

 

 はやての捜査資料を探しに奥まで行った二人が戻って見たモノは、あちこちにバタバタと倒れ伏した司書達の姿だった。

 

 時々ぴくびくと震える者も居て、まるで集団食中毒にでもかかった惨状のごとく。

 

「は! リィン!? リィンはどこや!」

 

 我に返ったはやては床に倒れた末っ子の姿を見付け、駆け寄った。

 

 そっと抱き起こす。

 

 彼女は腹を押さえるように体を丸め、顔は赤く息も絶え絶えで涙を流している。

 

「どうしたんやリィンッ! テロでもあったんか!」

 

「は……はやて、……ちゃん」

 

 震える声で薄目を開けたリィンは細々と言葉を紡ぐ。

 

「ぐ……グレイさん、が……」

 

「グレイ? グレイ君がどうしたんや!?」

 

 あんなナリでもはやての知る限りでは管理局で1、2の防御力を誇る魔導士だ。

 

 易々と打ち倒されるとは考えにくい。

 

 

「ボクがどうしたと、ん?」

 

 すぐ近くの本棚の影から現れた人影を目撃した八神はやては絶句した。

 

 

 

 

 ── そして無限書庫に笑撃が走る。

 

「ぶっ、ぶわはははははははははははははっ! あは、あはははははははは!!」

 

 身をよじって爆笑し、即息切れを起こして息も絶え絶えになりながら目を逸らす。

 

 しかし、笑いが途切れる事は無かった。

 

「──ッ! ───ヒィ、──ッハッ!」

 

 

「ヨリにもよってソレを使ったのか……、キミは」

 

 唯一無事なユーノがこの惨状を引き起こした友人を見、引きつった顔で大きな溜息を吐く。

 

 はやては床に倒れ、他の職員と同じ道を辿っている。

 

「ふむ、リィンが見たいと駄々をこねてな。 責任は彼女が取ってくれるそうだが?」

 

「変身したら微妙に性格が変わるとか、どーなってるんだ」

 

「それはボクの知るところではないな。 元々はアルフの譲渡してきた魔法だしな」

 

 

 

 

 ─── 今を去る事10年前。

 

 アルフが犬から人へと変身できると知ったアリサが、グレイの人間形態を見たいと言ったのが始まりの騒動。

 

 その日、アリサとすずか、なのはとユーノ、フェイトとアルフの見守る中。

 

 変身魔法を使ったグレイは……、

 

 

 身長2m、詰襟りを着て制帽を被った、三頭身にデフォルメされた直立するゾウに変身したのである。

 

 

 勿論その場にいた全員が呼吸困難になるほどの大爆笑に見舞われ、

 

 即日アリサから使用禁止令が出されたのは言うまでも無い。

 

 

 

 

 

 

 

 ─── 後日、話によると。

 

 コレ以降しばらくは「グレイ」「ゾウ」を連想される言葉に笑いをこらえ切れない職員が使い物にならず。

 

 無限書庫の作業効率は50%程低下したと言う。

 

 

 リィンフォースⅡは始末書を書かされたらしい。

 




こんなに連続上げしたら、有頂天になってんじゃねえ? とかガンつけられそう(ブルブル)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。