一輪の咲く花とともに歩む夜中の姫   作:十六夜 大和

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どうも、十六夜大和です。
1話出しただけでお気に入り数が二桁いっており、正直びっくりしています←
登録していただきありがとうございますm(_ _)m
てことで始まります


出会い

麻雀部の部室に行くことになった私たちは、京太郎にある場所へ案内された。

 

「まさか部室が旧校舎にあるとは思わなかったわ」

 

そこは清澄高校をでて、少し歩いたところにある旧校舎だった。麻雀部があることは事前に知っていたけど、部室があるところまでは把握していなかった。そのため、意外な場所に少し驚いた。

 

「で、部室はここの屋根裏にある」

 

今では珍しい木の階段を使い、1番上の階まで上がる。そこには、ひとつの部屋があり、その扉の隣には「麻雀部」と書かれた表札がかけられていた。

 

「ようこそ、お姫様方」

「いや、そのキャラはないわ」

「気分だよ気分」

 

京太郎が執事っぽく振舞ってきたので、ツッコミを入れてみた。ただ、金髪の執事ってマジで似合わないね。

 

「カモ連れてきたぞーっ!」

「京ちゃん、カモって……」

「京太郎、なめてると痛い目にあうよ?」

 

京太郎が扉を開けながら行ってきたので、それぞれ思ったことを口にし、私、咲の順番で部室に入っていく。入ってすぐ目に入るのは部屋の中心に置かれた全自動麻雀卓だ。そして、右側にはパソコンが、左側にはなぜかベットが置いてあり、すでに1人寝ている。

少し見渡した後に、咲がある子に視線を向けていたことに気づく。視線の先には、雀卓のイスに座っているピンク色の髪をした犯罪的な胸の子だった。

 

「あら、あなたはさっき–––––––」

「え? お前ら和のこと知ってんの?」

 

さっき歩いてた子、と言おうとしたら京太郎に阻止された。おのれ京太郎ェ。

 

「先ほど橋のところで、本を読んでいた方と日傘をさしていた方ですよね?」

「ぅひ。見られてたんですか」

「逆に見られてない方がおかしいと思うけど…………私は宮永 夜。で、こっちが––––––」

「宮永 咲です」

「夜さんに、咲さんですか。私は原村 和です」

 

和はその場にたち、私たちに丁寧に一礼をした。うわぁ、いかにもお嬢様って感じだよ。でも原村……何処かで聞いたことあるし、見た目もどこかで見たような……

 

「和は去年の全国中学校大会の優勝者なんだぜ」

「あぁ。だから見たことあったのか」

 

京太郎の言葉で今までモヤモヤしていたものが一気に晴れたように思い出した。

 

「夜お姉ちゃん、知ってたの?」

「知ってるも何も、去年の雑誌に取り上げられていた有名人だよ」

「ふーん、それってすごいの?」

「すごいじょ!」

 

「どーん!」と勢いよくオレンジ色の髪をしたショートカットツインテの子が、片手に紙袋を持ちながら入ってきた。咲はビクッとし、京太郎と和は呆れているようにその子を見た。

 

「学食でタコスかってきたじぇー」

「またタコスか」

「お茶入れますね」

 

特殊な喋り方をする子は持っていた紙袋を前に出しながら言う。京太郎は呆れ、和はお茶を入れようと動き始める。てか、何この子。背も小さくて可愛いんですけど。

 

「のどちゃんは本当にすごいんだじょ! インターミドル––––––全中優勝ってことは最強の中学生だったわけで! しかも御両親は検事さんと弁護士さん。男子にもモテモテだじぇ!」

 

自分のことのように自慢げに話す。聞いている咲は「は、はぁ」と声をあげるだけだった。

 

「ところで、君は?」

「私は片岡 優希だじぇ! のどちゃんとは中学からの付き合いだじぇ!」

「そ、そうなんだ。私は宮永 夜。で、こっちのオドオドしてるのが咲」

「夜ちゃんに咲ちゃん! よろしくだじぇ!」

「よ、よろしく」

 

私は元気の良さに少し戸惑いながら返事をする。これは圧倒されるな。

 

「部長は?」

「奥で寝てます」

 

あ、奥で寝てる人が部長なんだ。後で挨拶しておこう。

 

「じゃ、うちらだけでやりますか。夜と咲はどっちが打つ?」

「私はパス。咲、打ってきな」

「え⁉︎ でも私––––––」

「いつもの打ち方でいいから。あなた、家族以外と打ったことないでしょ? いい機会だから打ってごらん」

「うぅ…………分かった」

 

咲は仕方なく席に座る。さて、私はお茶でも飲みながら他の子の手でも見てますか。インターミドルの実力も気になるしね。

 

「25000点持ちの30000点返しで、ウマはなし!」

「はい」

「……うん」

「タコスうまー」

 

半荘1回目が始まる。これを機に咲が少しでも変わるといいんだけど………

 

「ローン! 混一のみ! 2000だじぇ!」

「えぇっ!」

 

優希の威勢のいい声が卓に響く。踏み込んだのは咲。それを見た京太郎はつい声に出してしまったらしい。

 

「振り込むかフツー。筒子集めてるの見え見えでしょこれは」

「ハハ……」

 

京太郎の指摘に咲は少し笑うだけだった。優希は上がる前にポンとチーを3回鳴いていて、全部筒子と字牌だったので、周りからしたら集めていることがバレバレだった。そこに咲が振り込んだのだ。まぁ普通に見たら初心者と思うだろうね。

 

「よーっし! テンパったァ! リーチだ!」

「ごめん。それロン」

「なんですとォ!」

 

1回目オーラス。京太郎は勢いよく牌を横にして河に捨てたが、咲の当たり牌だったので、咲の上がりで終了した。

 

「三色捨ててそれってどうなん⁉︎」

「ごめ「素人にもほどがあるよっ」」

「京太郎? 人の妹に何してくれてるのかなぁ?」

「え?あ、いや、その………すみませんでした」

「…………」

 

京太郎が咲のほっぺをグリグリし始めたので、頭を鷲づかみにして咲から離し、謝らさせた。ちなみに和は無言で見ているだけだったけど。

 

「おかげさまで私がトップですね」

 

1回目結果

原村+23

片岡+2

宮永±0

須賀−25

 

流石は全中覇者と行ったところかな? まだ1回目だけど、他の2人は足元にも及ばないようだね。咲は別だけど。

そして2回目が始まる。今回は序盤から和が勢いに乗り、和の圧勝で幕を閉じる。

 

2回目結果

原村+31

宮永±0

片岡−12

須賀−19

 

「しかし、咲の麻雀はパッとしませんなー」

「点数計算はできるみたいだけどねい」

「それが我が妹ですから」

「いや、意味わかんねーよ」

 

3回目の途中、京太郎は咲の麻雀について話し始める。まぁ普通に見たらパッしないけど、よく見るとすごいことやってるだから、この子。

 

「雷!」

「夕立、きましたね」

 

雷が鳴ったと思ったら雨が多く降ってきた。確かに予報では夕立に注意と言ってたような……私の日傘は兼雨傘みたいなものだから関係ないけどね。

 

「うそっ! 傘持ってきてないわよ!」

 

突然この5人でも誰でもない人の声が聞こえてくる––––––ベットから。そして、この部の部長らしい人はモソモソと動き始め、ベットから起き上がる。

 

「あれって」

 

その姿を見た咲は声を上げる。赤髪のショートカットで、紺色のスカーフをつけている。いかにもお姉さん的なオーラを出しまくる人だった。しかも、その顔は咲も私も見覚えがあった。

 

「生徒会長⁉︎」

「咲、この学校に生徒会長はいないよ。それと同じ立場の学生議会長だよ」

 

彼女はその学生議会長。入学式に歓迎の言葉を言った人だ。そのため、私たちは見覚えがあった。

 

「…………なんか私の台詞を持っていかれたような気がするんだけど」

「きっと気のせいだじぇ」

「ま、それはいいとして……あなたが今日のゲストね」

「ども」

「で、あなたは?」

「私はこの子の付き添いです」

「そう。ゆっくりしていってね」

 

そう言い、パソコンの方へと歩き出す部長。挨拶するときに咲の手牌を見ていたから、もしかしたら咲の打ち方がバレるかもしれない。まぁその時はその時っしょ。

 

「ロン。1000点です」

 

そんなことを考えているうちに、咲がクズ手で上がり、3回目の半荘が終了した。

 

「今回ものどちゃんがトップか〜」

「宮永さんのスコアは⁉︎」

「プラマイゼロっぽー」

「‼︎」

 

これは本当にバレたな。部長の問いに優希が答え、驚いた顔になる。では、ちゃっちゃかここから立ち去りましょうか。

 

「さて、部長も起きたことだし、帰ろっか」

「うん。そうだね」

「えっ、オィ」

「もう帰っちゃうのー? 夜ちゃんまだ打ってないじぇ」

「これから図書館に本返しに行くから、また今度ね」

 

そして、私たちは逃げるようにして部室からでる。そのまま家へと傘をさしながら帰る。

その帰り道、私と咲はさっきの麻雀について話しながら帰っている。

 

「どうだった? 久しぶりの麻雀は」

「んー……少し面白かったかな? けど、嫌いなのは変わらないな」

「そ。ところで、部長はあなたの打ち方に気付いたみたいだったよ?」

「そうだね。この後何もなければいいけど……」

「あー、それは難しいと思う。今頃話して和が追ってきてるんじゃないかな? あの子割とプライド高そうだし」

「けど、こんな雨じゃ流石にこないでしょ」

「分からないよ? もしかしたら傘をささないでき–––––––」

「咲さん!」

 

私が全部言い切る前にある人の声によって遮られる。私たちは同時に振り向き、そこにいたのはびしょ濡れの和だった。

 

「3連続プラマイゼロ。わざとですか?」

 

質問の内容も思った通りだった。プラマイゼロとは、25000点持ちの30000点返しの中で、スコアをプラスマイナスゼロ、つまり、29600点から30500点という僅かな範囲にすることで成立する。これは、麻雀で勝つことよりも難しい。また、勝ち続けることも難しい麻雀では3連続プラマイゼロにすることは異常中の異常だ。このことを、やっぱ部長が話し、その話にプライドが許さなかったのだろう。本当に傘をささずに追ってきた。大人しそうな子なのに……

 

「…………私が打つと、いつも何な風になっちゃうの」

「っ⁉︎………なんでそんな打ち方を、してるんですか?」

「家族麻雀で、お年玉を巻き上げられないように負けないことを覚えて、勝っても怒られたから勝たないことを覚えました」

 

それを聞かされた和は何も言わずに聞いているだけだった。流石にこんな理由を聞かされたら誰もが呆れるだろう。私自身、初めて聞いたときは、呆れすぎて何も言葉が出なかった。それほどまでに、咲は異常な打ち手なのだ。

 

「もう1回––––––––もう一局打ってくれませんかっ⁉︎」

「ごめんなさい。私は麻雀、それほど好きじゃないんです」

 

和の頼みを断り、咲はスタスタと歩いていく。それに対して和はただ立ち尽くすだけだった。声をかけようか迷ったけど、今はそっとしておくことにしよう。そして、私は早歩きで咲の後を追いかける。

 

「良かったの? あんな言葉言って」

「別にいいよ。これで諦めてくれるなら」

「ふーん。咲がそれでいいならそれ以上言わないけどさ」

 

そんなことを話しているうちに、家についていた。

後日、私たちは麻雀部の人たちは諦めが悪いことに気づかされる。

 

 




以上です
やっと1話終わりました。
あと、感想で言われていた主人公の正体ですが、予定では合宿、もしくは県予選決勝のどちらかで明かすかもしれません。先が長い……
それまで、期待または推理して待っていてください。
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