一輪の咲く花とともに歩む夜中の姫   作:十六夜 大和

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大っっっっ変長らくお待たせいたしました!
そしてあけましておめでとうございます!
冬休みに入っていっぱいかける!と思っていたが、まさかまさかの時間があまり取れなくて全然書けませんでした!
申し訳ありません!
てことで、始まります←ちょーきっぱりww


勝負

「どうだった? 久しびりに崖っぷちに立たされた感じは?」

「流石に焦ったよ。ルールは聞かされていたとはいえ、最後にリーチ棒が出てきたときは無理かと思ったよ」

「でも、必ずプラマイゼロにするじゃない」

「あはは〜」

 

 1回目の東風戦が終わり、私は咲に感想を聞いていた。ちなみに1回戦目の結果はこうだ。

 

 結果

 片岡+22

 宮永±0

 原村−9

 染谷−13

 

 結局咲がオーラスに役満よりも珍しい70符2飜を嶺上開花で上がり、プラマイゼロで幕を閉じた。本当、化け物だよ。この子は。まぁ私も人のことは言えないけどね。咲がこれを上がった後のみんなの反応はすごいものだった。優希と染谷先輩は思いっきり立ち上がり、和は卓を呆然と見ているだけ、後ろで見ていた部長と京太郎は夢でも見ているかのような表情をしていた。

 

 –––––––––––––––––––––––

 

「宮永さん。麻雀は勝利を目指すものよ。次は、勝つための麻雀を打ってみなさい!」

「えっ……」

 

 しばらくして、部長が咲に提案? というか命令に近い感じでいう。話忘れていたけど、部長のお願いとは、2回東風戦で打ってほしいとのことだった。断るかと思ったけど、本読めるなら安いもの、と思ったらしく、お願いを承諾した。

 

「そうだね。あなた、ここ何年かずっとプラマイゼロで打ってて、勝つっていう感覚持ったことないでしょ」

「ま、まぁそうだけど……」

「だったら、たまには勝ってもいいんじゃない?」

 

 部長と私にそこまで言われて、咲は少し悩む。私としては、この子に思い出して欲しい。勝つということを。麻雀の楽しさを。

 

「………わ、わかった」

「な––––––わかったって」

「うちらには確実に勝てるっちゅうんか!」

「…………」

 

 麻雀は運の要素が、大きく勝敗に左右されるため、「勝て」と言われてそう簡単に「わかりました」とは流石に言えない。しかし、咲はまるで故意的に勝てるのかのように返事をした。だから、優希と染谷先輩は思わず声をあげてしまう。それに対して和は真剣な顔へと変わっていた。

 

「勝つ……ってトップってことですよね。でも––––––」

 

 張り詰めた空気の中、咲から言葉が発せられる–––––––が、

 

「プラマイゼロじゃ、トップにはなれませんよ」

 

 相変わらずのプラマイゼロ脳だった。その言葉に、周りはガクッとし、私は呆れることしか出来なかった。いや、知ってたよ? 私の妹がこんな子だってことは、けど…………

 

「これは酷い」

「えぇ……まさかここまでとは思わなかったわ」

 

 私の言葉に部長は同意してくれる。ちなみに咲はというと、

 

「え? えっ? みんなどうしたの?」

 

 それぞれの反応をしている周りを見て、自分が何を言ったのかわかってなかった。完璧にプラマイゼロから離れてないな。

 

「咲、勝てって言ったけど、別にプラマイゼロにしなくていいんだよ」

 

 仕方ないので、わかっていない咲に教えてあげる。しかし、言われてもなお、咲は首をかしげていた。

 

「じゃあ、自分は1000点。他の3人は33000点持っている。そう思ってやってみたら?」

 

 これを提案したのは部長だ。そんなことを言われた咲は、

 

「それをプラマイゼロにするように打てば『勝てる』んですよね…………大変そうだ」

 

 プラマイゼロにする気満々だった。確かにこれをそうすれば勝てる。確実に勝てるけども、最初に8000点ずつ配った状態からだととてつもなく難しい。ただでさえプラマイゼロに故意的にすることは、並大抵の人じゃ無理だ。 ただ、ここにいるのは咲だ。きっとやっちゃうんだろうなぁと私が思っているうちに、2回目の東風戦が始まった。

 

 2回戦 東一局 親・片岡

 

「リーチ」

「ダブリー⁉︎」

 

 第一打で咲が捨て牌をクイッと横に曲げ、リーチ宣言をする。それに周りは驚きを隠せなくなっていた。あの子、完璧にスイッチ入ったな?

 ダブリーとは、最初の捨て牌でリーチすることで、1段階上がる、リーチの上位種的なものだ。最初の配牌、または最初のツモでテンパイにならないと出来ないため、とても珍しい役になる。

 

「ツモ。ダブリー一発自摸、2000・3900」

「そそそそーゆうの私のお株なんですけど⁉︎」

「積み込みか⁉︎」

「全卓です」

 

 さらに、咲はその次のツモで上がる。あまりの早さに優希、染谷先輩は思わず声を上げる。ちなみに、染谷先輩にツッコミを入れたのは京太郎。ナイス!

 その後、和が東二、三局、さらにその一本場の計3回上がり、咲との点差を33400にしたけど、優希から7000点の直撃をくらい、場はオーラスへと流れる。

 

 東4局(オーラス) 親・染谷

 

 最初の上がりから特に動きがない咲。和との点差はハネマン直撃させても、和のトップは変わらないほどに開いている。さらに、プラマイゼロにするには、満貫上がっても1000点足りない。誰かがリーチをしない限り、プラマイゼロには–––––––––

 

「リーチ!」

「するんかいな!」

 

 流石は優希だぜ! 私たちのできないけどを平然とやってのける。そこに痺れる憧れるぅ! いや、憧れはしないな。うん。でも、あの子絶対点数計算出来てないわ。染谷先輩も同じことを考えていたらしく、ツッコミを入れていた。優希はわかってないようだったけど。

 その後、優希が上がることなく進んでいく。その間に、咲の手牌がすごいことのなっていた。咲がこの手を作ったの初めて見るかもしれない。毎回こんな高いのを作らなかったからね。この子。

 

「…………今日はこれ、上がってもいいんですよね」

 

 ある1つの牌をツモったところで、咲が部長に確認する。それに対して、部長は返事をしなかった。いや、正確には咲の手牌を見て、声が出せなかった。

 

「カン」

 

 そして、咲は前局と同じようにカンをする。やっぱこの子異常だわ。1000点からスタートして、本当にプラマイゼロにするなんて。

 

「ツモ」

 

 再び咲が嶺上開花で上がる。その上がりに、周りの人たちは声を出さず、大きく目を見開いていた。しかし、今回は嶺上開花だけで驚いたのではなく––––––

 

「四暗刻」

 

 その役に驚いていた。

 麻雀とは、ただ手に数字や文字を揃えるだけでは上がれず、それを揃える上で役と呼ばれるものも作らないと点数にならない。役にはそれぞれ、一役、二役、三役、六役と種類があり、役が上がるにつれて、作るのが難しくなっていく。そして、その手のうちに役がどれだけ出来たかで点数が決まっていく。立直をすれば一役になるが、さらに、そこから平和や断么九などの役を重ねることによって二役、三役と上がっていき、それにつれて、点数も上がっていく。簡単に言えばこういうシステムだ。しかし、中には役満手と呼ばれる形があり、それを作るだけで、1番高い点数を取ることができる。

 今回、咲が上がったのはこの形で、この手は作るのが他の役よりも難しく、何局かやって1回出るか出ないかの手だ。さらに、それを嶺上開花で上がるとなると、驚くしかできないだろう。私も流石に呆れずにはいられなかった。

 

「私……役満和了ったの初めてだ」

 

 そんな周りの反応をよそに、咲は顔を少し赤くして、身を小刻みに震えされながら言う。私も初めて上がった時は心臓バクバクでしばらく気持ちが高ぶってたなぁ。

 

「いつもは出来ても崩してたよ」

 

 咲は口元に手を当て、1人恥ずかしそうに言う。その後、一足早く復活した染谷先輩が「終局、じゃ」と呟きながら手配を伏せた。

 

「でも、勝つって難しいですね。またプラマイゼロになっちゃった」

『え?』

「あちゃー」

 

 この子、本当にアホの子かもしれない。いや、機械類使えないし、すぐ迷うからアホの子ということは分かっていたけど、これほどまでとは思っていなかった………

 ま、『勝つ』と言うの単語が出てきただけで良しとしますか。

 

「はぃ? 何言ってますか咲ちゃんは……」

「え? だって今回も原村さんの一人勝ちじゃないですか」

「咲……確かに1000点と思えと部長も行ったけど、全員25000点スタートだからね? 普通に」

「え」

 

 咲の中の点数

 

 原村47600 (+38)

 宮永30200 (±0)

 片岡11200 (−19)

 染谷11000 (−19)

 

 実際の点数

 

 宮永54200 (+44)

 原村39600 (+10)

 片岡 3200 (−27)

 染谷 3000 (−27)

 

「それじゃあ……」

「あなたの勝ちよ」

「よくやったね、咲」

「咲にもこんな取り柄があったんだな」

「しかもまたゼロにしょぉったなんて……」

「すごいじょ! 咲ちゃん!」

 

 上から部長、私、京太郎、染谷先輩、優希の順に褒める。全く。その異常さは誰に似たんだか–––––––1人しかいないな。うん。

 

「勝った?」

 

 咲は戸惑いながらも少しずつ勝ちを実感してきたようで、表情が少しずつ華やかになっていく。

 

「私が…………勝った!」

 

 そして、胸の前に両手をだし、小さくガッツポーズをした。これで思い出したかな? でも、これからさらに勝ちにこだわるようになって、ただの可愛い魔物から魔王に変わっていくってことは……あまり深く考えるのは止めておこう。出来ればこのまま可愛い魔物でいて欲しいけど、麻雀の面白さを取り戻したならいっか。

 

「…………」

「のどちゃん?」

 

 咲が喜ぶ反面、和がうつむきながら、何故か1年生は短いスカートの裾を強く握りしめていた。それに気づいた優希が声をかけるが、何も答えず黙っていた。

 

「ッ!」

「またですか!」

 

 ワンテンポ置いてから動き出した和は、扉に向かって全力で走り、部室から出て行った。私は見逃さなかった、和の目から1滴の水が動いた反動で落ち、光に反射して輝いていたことを。今まで同学年では最強と言われていたけど、ひょこっと現れた人に勝つことよりも難しいプラマイゼロをさせられたら耐えられないだろうね。

 

「そうそう。約束の本はここにあるから、麻雀部に入れば読み放題!」

「………」

 

 全員の視線が扉の方へ向いていた中、部長は部室内にある本棚へ行き、手をかけながら言った。しかし、場所を言われて部長のほうを見るが、すぐに和が出て行った扉の方へ視線を戻した。

 

「和が気になる?」

 

 見かねた私が咲に問うが、咲は口を開かず、ただ扉の方を見ているだけ。仕方ないので、部長に視線を送ることにした。気づいた部長は軽く頷き、口を開いく。

 

「行ってらっしゃい。本は泣いて逃げたりしないから」

「私のことは良いから今日は1人で帰ってね」

 

 部長に言われてもなお、私のことで行かなそうな気がしたから、軽く補足する。それを聞いた咲は顔をあげ、急いで和の後を追った。さて、私もゆっくり帰……

 

「さて、それでは打ちましょうか。宮永さん」

 

 れなかった。部室を出ようとすると、本棚の近くにいたはずの部長がいつの間にか私の隣に立ち、肩に手を置いてきた。

 

「妹さんの実力がわかっても、まだあなたのことは分かってないわ」

 

 いやいやいや、ここは咲が約束を守って、私も用がないからグッバイ! 妹のことよろしくね! みたいな展開じゃないの?

 

「そういう風にはならないわよ? もちろん、打ってくれるわよね?」

 

 今、この人軽く人の心読んだよね。てか、痛い! ものすごく力かけられてるんだけど! もうこれ脅迫だよ………

 結局、OKと言うまで肩に重圧がかけられっぱなしだったので、仕方なく打つことになってしまった。




以上になります。
結局主人公が打つ前の段階で終わってしまった……
次回!遂に主人公の能力の一部が見ることできます!やったね!
投稿日ですが、できるだけ早くはします。けど、1週間以上かかってしまうかもしれません。出来れば、1週間以内に出したい……
あと、まえがきとあとがきをもっと面白くしたい←
ご指摘・ご意見・ちょーノーマルな感想待ってます。
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