絶望に生きた覚悟の戦士が幻想入り   作:高月 弾

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お久しぶりです。
弾です。
今回は後書きに大切な話を用意していますので最後までしっかりと見てください。
よろしくお願いします。


第17話 破滅へのカウントダウン、負の連鎖

「な、なんだなんだ!?地震か!?」

 

いきなりの揺れに魔理沙は少し驚いたようで慌てる。

パチュリーも始めは地震かと思って本を読もうとするが何か背筋の凍るようなものを感じて眼を見開く。

そして頭の中には最悪のシナリオが描かれる。

 

「ま、まさか!?」

 

パチュリーはすぐに何かを確認するかのように魔法陣を展開させまるで何かを探索するかの様子を見せる。

魔理沙にもその様子が焦っているように見えたのでさっきのがただの地震でないことを悟る。

すぐにパチュリーのそばに行き事情を聞く。

するとパチュリーは恐怖に顔をひきつらせてこう答えた。

 

「ふ、フランが地下から出てきたのよ…それも、とてつもないほどの魔力を放ちながら…」

 

それを聞いた魔理沙がまたかよ、というように頭をかく。

実はフランがこのような問題を起こしたのは過去にも一度あったのだ。

前回は霊夢と魔理沙の活躍で暴れていた狂気に染まるフランを押さえて異変を解決した。

それにフラン自身も魔理沙という遊び相手ができたことに喜び狂気は完全ではないが以前に比べて弱くなっていた。

が、

 

「あなたが私の図書館に来てもフランに会いに行かないからあの子も相当フラストレーションが貯まってたのよ?今度こそしっかりと遊んできなさいよ。貴方の責任でもあるんだから。」

 

パチュリーがそう言うと後ろの小悪魔も、そーだぞーだー!賛同していた。

自身に責任をたしょうなり感じていた魔理沙はそれに言い返せずに、

 

「ちぇ、わかったよ。またあいつのことを止めてやるよ。確かに私の責任でもあるわけだしな。」

 

そう言いながら箒にまたがり、飛び上がった。

その時、今まで寝ていた美鈴が目を覚ました。

そしてゆっくりと起き上がるがすぐに目を見開きある場所に目線を送った。

 

「どうしたんだ美鈴?起きてすぐに怯えたみたいに。」

 

そう聞く魔理沙。すると美鈴から驚くべき言葉が聞こえてきた。

 

「ご、悟飯さんと妹様が…戦って…悟飯さんの気が…小さくなってる…」

 

「「え?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、やることも終わったし久しぶりにパチュリーのところにでもいってみようかしら。私の見たい魔導書があったしそうしましょう。」

 

「シャンハーイ!」

 

あるところではある女性が紅魔館に向かって歩き始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ば、バカな…孫悟飯がここまで追い込まれるなんて…」

 

「悟飯さん!大丈夫ですか!?」

 

「はぁ…はぁ…。」

 

「なに?もうおしまいなの?そんなわけないよね?」

 

悟飯はフランに対して悪戦苦闘を強いられていた。

それは少し前に遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

対峙するフランと悟飯。

先に動き始めたのはフランだった。

フランは高速で悟飯の懐まで侵入する。

そして右拳を思いきり振りかぶり腹を貫くかのような勢いでつきだした。

激しい音が辺りに撒き散らされる。

悟飯はこの拳を右手で受け止める。

そしてその拳を掴み思いきり投げ飛ばした。

そしてそこに向かって気功波を打ち出して追い討ちを仕掛ける。

しかし、フランはそれを先程のスピードでかわし、今度は悟飯の背中へと回り込んだ。

そして今度は手刀で悟飯の背中を貫こうとする。

それを悟飯は後ろへと振り返りながら紙一重でかわした。

 

「へぇ、お兄さん結構強いんだね。驚いたよ。」

 

フランが狂気の笑みを見せながら悟飯を軽く睨む。

すると、

 

「君もだよ。予想よりも全然強かった。」

 

そう言いながら挑戦的な笑みを浮かべる。

が、レミリアはその笑みの中にまた別の何かが潜んでいることを感じた。

 

(…やはり、怒りね…)

 

二人はスピードをいかした勝負へと切り替えた。

お互いに拳を振るい合うがお互いの拳や蹴りをガードしながらの全く互角のように見える戦闘だった。

悟飯が右足を蹴り出すが、フランはそれを高速でかわし回り込んでから手刀を振り下ろす。

悟飯はそれにすぐに反応して紙一重でかわしてから回し蹴りを繰り出すとフランはそれをかわすことができないと判断し両手を胸の前でクロスしてガードする。

悟飯はそこに対してすぐに距離を積めて追い討ちを仕掛ける。

が、フランは高速で動き悟飯との距離を離そうとする。

悟飯もスピードをあげてそれに追い付こうとするがスピードはほとんど互角のため追い付けない。

フランはその間に体制を建て直し再び攻撃を仕掛けた。

このように二人の攻防には全く差など無かった。

あるときまでは、

 

【禁忌 スターボウブレイク】

 

「なに!?」

 

突然のスペル発動に悟飯は反応に遅れた。

ただでさえこちらの世界の戦闘にまだ慣れていないのだ。

弾幕ルールを承知した上ならまだしもこんなに唐突にスペルを発動されたらさすがの悟飯も経験がない分対処しきれなかった。

フランのスペルは悟飯の体を完全に捕らえた。

悟飯はスペルをまともに喰らって地面へと叩きつけられる。

悟飯はそのダメージに僅かに吐血してしまう。

そして起き上がろうとするが痛みで閉じていた目を開くと、

 

「まだまだ壊れないよね?お兄さん?」

 

「なっ!?」

 

すでにフランは目の前まで迫っていた。

悟飯はすぐに右手を胸の前に持ってきてガードしようとするが、

 

【禁忌 レーヴァテイン】

 

フランの手から炎を纏った剣が出現する。

そしてそれを全力で振り下ろすフラン。

炎と炎の斬撃、そして弾幕が同時に展開される。

悟飯はそれをかわしきれずに直撃を受けてしまった。

悟飯は激しい弾幕と炎に呑み込まれながら地面に激突した。

いや、地面を突き抜けてクレーターの中に埋もれてしまった。

フランが狂気の笑みを浮かべながらその状況を見下ろしていた。

が、悟飯は気を解放して瓦礫を吹き飛ばしながらゆっくりとクレーターの中から上がってきた。

が、かなりのダメージを受けたようで肩で息をしているのが見てわかった。

そしてさっきの場面へと繋がるのだ。

 

「お兄さんならそんなにすぐ壊れないよね?壊れたら壊れたでおもちゃはまだあるからいいけど。」

 

フランはまるで相手を殺すことになんのためらいがないかのような笑みを見せる。

その笑みに悟飯の怒りはさらにボルテージがあがっていく。

悟飯は気を解放したままフランに突っ込んでいく。

フランはそれに合わせてレーヴァテインを振り下ろした。

悟飯はそれを紙一重でかわす。

そしてフランの腹に拳を叩き込んだ。

 

「あ…ぐっ…っ!」

 

フランは空中でバランスを崩して落ちそうになる、そこに悟飯はさらに顔を蹴り飛ばす追い討ちをかけた。

フランは吹き飛ばされて壁に激突した。

が、すぐに飛び上がり悟飯に向かって再び弾幕を展開した。

 

【禁忌 スターボウブレイク】

 

悟飯はそれを右手を胸の前に持ってきてガードする。

弾幕は悟飯をとらえるが悟飯それをしっかりとガードする。

が、その威力は大きく徐々にだが悟飯は後退していた。

そこへ、

 

「はあぁぁぁぁぁああああ!!!」

 

フランが弾幕の中になりふり構わずに突っ込んできたのだ。

いくら自分の弾幕とはいえその中へ突っ込んできたら自分にも被弾しダメージを食らう。

しかし、フランはそんなことを全く気にせずに突っ込んできた。

悟飯はそれに驚き一瞬だがガードが緩くなる。

そしてそこに向かって、フランはレーヴァテインを振り下ろした。

 

「あぐああぁぁぁぁぁああ!!!」

 

悟飯はその一撃でガードを完璧に崩され、弾幕をもろに食らった。

そしてそのまま壁を突き破り庭まで吹き飛ばされてしまった。

悟飯は地面に倒れこみ、苦しそうな呻き声をあげながら体を起こそうとしていた。

レミリアと咲夜は時を止めてすぐに悟飯の下へと移動した。

悟飯のそばによるが悟飯はすぐに手で離れろと指示をする。

咲夜は思わず、

 

「けれど!このままでは悟飯さんもフラン様には勝てないわよ!?」

 

と叫んでしまった。

すると悟飯は無理矢理笑みを作ると、

 

「大丈夫ですよ。このくらいなんてことありませんから。早く離れてください!」

 

とすぐにフランに向かって飛んでいってしまった。

それを見たレミリアが、

 

「咲夜、悟飯の援護に行きなさい。」

 

その言葉に驚いてレミリアの体を見る。

確かにもう傷の手当てなどは終わっている。

が、いくら吸血鬼といえども傷は癒えてもダメージは残るもの。

そんなダメージを負っている主から離れるわけにはいかない。

が、レミリアはこう続けた。

 

「以前にも言ったはずよ。自分の意思でも動きなさいと。」

 

それを聞いた咲夜は小さくうなずくと時を止めた。

悟飯とフランはお互いの拳をぶつけ合っている時だった。

悟飯は右拳をフランの右拳にぶつける。

そしてフランは左拳を振り上げていた。

そこに向かって咲夜はナイフをいくつも設置する。

そして、時は動き出す。

フランの拳が悟飯の顔に向かって振り下ろされると同時に数十本ものナイフがフランのすぐそばから襲ってくる。

悟飯は拳を紙一重でかわしながら、その光景に目を疑った。

それはフランも同じようで完全に不意を突かれたフランはそのナイフをかわしきれずに何本か直撃した。

悟飯はすぐに誰の仕業かわかった。

そして咲夜の方を向くと、咲夜は悟飯に向かって大きく頷く素振りを見せた。

どうやら援護をしてくれるようだと悟飯にはわかった。

それを考えているのもつかの間。

フランはすぐに咲夜に向かってスゴいスピードで突撃してくる。

 

「咲夜もオモチャになってくれるんだね!!けど咲夜は人間だしすぐに壊しちゃうよ!!!ううん、壊すよ!!」

 

そう叫びながら咲夜に向かって爪を思いきり突き立てる。

しかし、フランの手は咲夜の目の前で止まる。

悟飯がフランの手首をつかみそれを受け止めたのだ。

 

「フラン…勘違いをするな?お前の相手は俺だ。」

 

そう言い終わるとフランの腹を思いきり蹴り飛ばした。

フランはガードできずに思いきり吹き飛ばされて門に激突した。

フラフラと…いや、ゆらゆらと立ち上がるとさらに狂気に染まる瞳をこちらに向けながら、

 

「アハッ…アハハハハハハハハハハハハ!!」

 

満面の笑みを浮かべながら悟飯へと超スピードで迫っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美鈴は悟飯の気を感じてからすぐに走り出していた。図書館から玄関までは少し距離がある。

すぐに出たところでそれなりに距離があるのだ。

そして美鈴とともに魔理沙も箒にのって後を追いかけていた。

 

「なぁ美鈴。何でそんなに焦ってるんだよ?気が小さいっていってたのとなにか関係があるのか?」

 

魔理沙があまりにも様子のおかしい美鈴を見て質問をした。

すると美鈴は走りながらそれに答えた。

 

「魔理沙さん、一度しか言わないのでしっかりと聞いてくださいね。【気】と言うのは言わば生命エネルギーそのもののことなんです。なので霊力、魔力、妖力のどれよりもエネルギー密度が高いんです。ですが気と言うのは生命エネルギー、つまり使いきれば死んでしまうんです!気って言うのはすべての人間が持っています。そしてその気って言うのは悟飯さんの場合、攻撃するのにも、空を飛ぶのにも使用します。そして、ダメージを受けることによっても消費してしまいます。」

 

そこまで聞いた魔理沙が目を丸くしながら、

 

「じゃ、じゃあ気が小さくなったってことは!」

 

「…はい、悟飯さんが気を使いすぎたか…又は、それだけのダメージを負ってしまっておるかの…どちらかです。」

 

そう言いながら美鈴は気を解放してどんどんスピードをあげていった。

魔理沙も魔力をあげて速度をあげた。

そして玄関の大広間へとたどり着いたとき、二人は絶句した。

ホールだった場所は無惨な姿へと変貌を遂げていた。

大きなクレーターと下から貫かれたかのような穴、そして所々にできている地面の削られた場所。

さらに壁には何ヵ所も大きな穴が開いていた。

いったいどんな戦闘があったのか、それはまるでわからないものだった。

そんな言葉もう失っている中、外からなにかが激突するような大きな音が聞こえてきた。

二人は驚いてすぐに音の聞こえた外へと急ぐ。

そして、庭に出ると目の前には恐ろしい光景が広がっていた。

 

「きゃぁああああああ!!」

 

咲夜が炎の剣によって切り裂かれていた。

咲夜はまるで物のように地面へと落下していく。

魔理沙はあまりの出来事に悲鳴をあげようとするがそれすらも許されないような恐怖に襲われていた。

が、一人は違った。

フランのすぐ後ろに誰かが拳を振り上げて回り込む。

フランはそれに気づいて振り返ろうとする。

が、それよりも早く拳は振り下ろされていた。

フランの顔に拳がめり込む。

思いきり殴られたフランは地面へと吹き飛ばされて思いきり激突した。

そこには大きなクレーターができていた。

殴った人物が着地すると少し顔をしかめながら腹部を押さえた。

美鈴だった。

先程の悟飯との戦闘のダメージが完全に治っていない状態での全力の拳だ。

体がその負荷に耐えられなかったのだ。

美鈴ははっとしたように咲夜の方へと振り返り、名前を何度も叫びながら走りよった。

体を抱き抱えると、左のあばらから右足の付け根までが斬撃によって深く傷ついていた。

血が止まらずにすでに意識がなかった。

すると誰かがこちらによってくるのが美鈴は気を感じ取ってわかった。

そしてその気に美鈴は思わず涙をこぼした。

 

「レ…レミリアお嬢様……」

 

美鈴は両目からボロボロと涙を流しながらレミリアを見つめる。

そして咲夜の体を支える手に力がこもる。

レミリアは美鈴の手の上に自分の手のひらをのせると、

 

「大丈夫よ、咲夜は死なせはしないわ…誰一人と…!」

 

そう言いながら咲夜のポケットの中からほんのりと黄色く色づいた包帯を取り出した。

 

「お嬢様それは?」

 

「これはね…【ドガァァアアン!!】!!?」

 

瓦礫を吹き飛ばしたような音が聞こえてくる。

そちらを振り向くとそこにはフランが立っていた。

 

「ふふっ…美鈴なら少しは楽しませてくれるよね?できればお兄ちゃんより楽しませてくれるといいんだけどなぁ。」

 

「フ…フラン様…!!」

 

美鈴の拳が怒りに震える。

するとレミリアが、

 

「美鈴!時間をちょうだい!この包帯を使えば咲夜の命を繋ぎ止めることができる!だから…お願い!!!」

 

「…!わかりました…何とかして見せます!」

 

そう言いながら美鈴は構えを取りながら気を爆発させ開放する。

フランは狂気に染まる笑い声をあげながら突っ込んできた。

そして消えた。

美鈴はすぐに居場所を突き止めて左を向くがすでに拳は目の前へと迫っていた。

それをかわせずに直接受ける。

その威力に大きく吹き飛ばされるがすぐに空中でバク中をしながら着地する。

そしてフランに目を向けるがそのフランは恐ろしいスピードですでに目の前に来ていた。

そのスピードはまるで…

 

(あ、あのとき戦っていた悟飯さんレベルのスピード!?)

 

美鈴は何とかして腕を持ってきてガードしようとするが先程の傷に鈍痛が走り、怯んでしまう。

そしてフランのレーヴァテインが美鈴の右腕へと振り下ろされた。

はずだった、その刹那。

 

「はあぁぁぁぁああ!!!」

 

悟飯の拳がフランの左頬にはいる。

フランはそのまま吹き飛ばされるが羽を使って空中でブレーキを掛け、体制を建て直した。

 

「くっそぉ…戦闘が長引けば長引くほどあいつは戦いに慣れていってるのか!」

 

悔しそうに悟飯が言葉を漏らしながら美鈴の方を向く。

そして手を差し出した。

その手を美鈴は掴みながらゆっくりと立ち上がる。

そしてフランの方を向く。

構えを取り直したとき、悟飯から驚きの言葉が発せられた。

 

「美鈴。お前は手を出すな。その傷じゃフランのスピードについていけてない。危険すぎる。」

 

まさか悟飯にこんなことを言われるなどと思っていなかった。

悟飯ならばついてこい、援護をしてくれ、等と言うと思っていた分その言葉に少し怒りを覚えた美鈴は少し強い口調で、

 

「な、なんでですか!?まだ大丈夫です!それにレミリアお嬢様から時間を稼げと!!」

 

「なら俺がやる。理由は言ったはずだぞ。こいつは…俺が殺る。」

 

そう言った悟飯に美鈴は少しだが恐怖を覚えた。

先程の戦闘で悟飯がどんな人物なのかはわかったつもりでいた。

戦闘の中でさえも相手に優しさを掛けてしまう人。

美鈴が感じた印象はそんなものだった。

先程フランに攻撃させそうなところを助けたり、倒れた美鈴に手をさしのべたりしてくれるような人だ。

初めの戦闘の時も、意識してか無意識かまではわからないが美鈴に攻撃する瞬間に僅かだが力を緩めていた。

そのせいで決定打を何度も逃していた。

どんな戦闘の中でも甘さを捨てられない強い戦士。

そう思っていたのだ。

しかし、今の言葉は違った。

【やる】この言葉は今の状況ならばどうにかする、食い止める、倒す、とここら辺の意味を持つはずだった。

だが、悟飯の全く違うことが肌で感じられた。

声のトーンや、雰囲気、そして何よりも悟飯の目付きがいままでに見たことがないほど鋭く厳しいものへと変わっていた。

そして悟飯の発した【やる】の意味は恐らく…

 

(…殺す、という意味の…殺る…!)

 

まさにそれだった。

美鈴は悟飯になにか落ち着かせるような言葉を掛けようとするが、その悟飯の雰囲気にのまれて全く言葉を発することができなくなっていた。

悟飯はゆっくりと飛び上がるとフランと対峙する。

フランはまだ狂気の笑みを浮かべて笑っていた…いや、どんどん狂気が強くなっていくのがわかる。

魔理沙かやっとのことでレミリアの下にたどり着く。

そしてレミリアとなにかを話したようですぐに咲夜に向かってなにかを掛け始めた。

 

(恐らく治癒魔法の類いだろう。これなら咲夜さんの心配はいらないな。…さて…俺はこいつをどうにかするか。)

 

そう思いながら悟飯はフランに向かって鋭い睨みを効かせた。

フランはいままでにない殺気に一瞬怯んでしまう。

悟飯はその一瞬を見逃さずにすぐに後ろへと回り込み、気功波を直撃させた。

フランはまともに受けたため地面へと墜落していく。

が、悟飯は攻撃の手を休めなかった。

落ちていくフランに向かって何発もの気弾を放つ。

それはフランを的確に捕らえていった。

気弾はフランにぶつかると爆発した。

その爆風でさらに加速したフランが地面に激突する。

地面は大きく陥没して回りは地面が隆起する。

しかし悟飯の攻撃はまだ終わりではなかった。

フランの足をつかむと上へと投げ飛ばす。

さすがにこれ以上は攻撃を受けまいとフランは空中で受け身をとる。

そして悟飯に向かってスペル【スターボウブレイク】を発動する。

が、悟飯はそれを右手で弾きながらフランとの距離を縮めていく。

そして悟飯が目の前に迫った、拳を振り上げてフランに向かって思いきり振り下ろす。

しかし、フランはそこから姿を消し去り代わりに小さなコウモリが大量に舞っていた。

 

「ふ、フラン!まだあんなこと教えていないのに…まさか本能だけでやったというの!?」

 

レミリアはその状況に対してなにやら意味のありそうな反応を見せていた。

が、悟飯にそんなことを気にしている余裕はない。

すぐに気を探る。

するととんでもないことに気がついてしまった。

 

(こ、このコウモリ達…まるでフランが分散したかのように気を持っている!?)

 

その事実に行動を一時的に止めた悟飯の目の前にコウモリ達が集まっていき、徐々に形を成していった。

そしてそこにはフランがいた。

 

「オニイチャンハスゴいよ。ワタシスゴくタノシカッタ。デモモウコレデコワシチャウネ。」

 

そう言いながらフランを中心に真っ赤に染まる霧が展開された。

悟飯はそれにすくに気がつくとフランに向かって気弾を放つ。

しかし、フランはそれを超スピードでかわすとそのスピードで飛び回りながら紅い霧を辺りに撒き散らしていった。

悟飯は途中までは気弾を放つのをやめてしまった。

いや、放てなくなったと言った方が正しいだろう。

やがて紅魔館一帯は紅い霧に包まれてしまった。

しかもそれはただの紅い霧ではなかった。

 

「こ、これは…フラン様の魔力を込められた霧…」

 

「フラン…あなた本当に私たちを殺す気なのね…」

 

美鈴とレミリアはその霧を見ながらうなだれる。

この霧はどうやら魔力が込められているようだった。

そしてそれは魔力を主力として戦う吸血鬼と魔法使いにとっては最高の状態であった。

が、この霧はそれだけではなかった。

この霧は魔力だけでなく霧そのものからフランの放つ狂気が含まれているのだ。

そこにいるだけで気が狂いそうなほどの雰囲気だった。

そして悟飯はその霧のど真ん中にいた。

フランの気を探ろうとするが、一面の霧の魔力が妨害して一切わからなかった。

それは目を瞑り集中しても同じだった。

そして、

 

【ザクッ!】

 

「ぐっ!?」

 

悟飯の肩に激痛が走る。

肩に手を当てると手には血が一面に付着していた。

どうやらなにかで切られたようだ。

いや、十中八九フランのスペルレーヴァテインであろう。

フランはこの霧の中でも悟飯のことをはっきりと認識できるようだった。

 

(くっ、霧の魔力で気を探れない上に…この霧…いるだけで気分が悪くなる。もう少しいただけでフラフラになりそうだ…)

 

悟飯はそんな気持ちを振り払うかのように頭を横に振ると真剣な目付きに戻る。

そして霧の中を鋭い目付きで睨む。

そしてある一点になにかをみつけ、そして僅かに体を傾けた。

するとなにかがその横をスゴいスピードで通りすぎていった。

その瞬間悟飯は僅かに笑みを浮かべたように見えた。

そして次に悟飯はしゃがみこむ、すると悟飯の上をまたなにかが通過した。

そして悟飯な体制を直すとこう叫んだ。

 

「フラン!俺は元の世界でも気を持たないやつと戦ってて目で追うのは得意な方だ!!こんなことは無意味だから諦めろ!!」

 

そう。

悟飯は自分の世界では人造人間と戦っていた。

人造人間達はいわば機械のようなものなので気を持たなかったのだ。

そのため気を探ることができない悟飯は目で相手を追う戦いかたが染み付いていたのだ。

がフランは再び悟飯に向かって突っ込んでくる。

悟飯は拳を思いきり握りしめて、迫り来るフランに向かって思いきり振り抜いた。

フランの顔を確実に捉えて拳を思いきり振り切り、吹き飛ばした。

悟飯は今殴った相手がフランだと確信を持てていた、そして完全に悟飯のペースで戦闘を進めることができていた。

が、次の瞬間。

すべてが変わった。

 

【ドゴゴゴゴゴオォォォォオン!!】

 

「!!?」

 

悟飯は背中になにかの爆発を受ける。

悟飯は慌てて後ろへ振り返る。

するところには信じられないものがあった。

それは…

 

「ふ、フランだと!?」

 

そう。フランドールだったのだ。

先程殴り飛ばしたはずのフランドールが目の前に拳を振り上げて迫っていたのだ。

悟飯はなんとかガードをしようと右手を構えようとするがそれよりも早くフランの拳が悟飯の顔を捉えた。

悟飯は大きくのけ反りながら飛ばされるがすぐに体制を建て直す。

が、その背中はなにか壁のようなものとぶつかった。

しかしそれはあり得ないことだった。

悟飯の飛ぶ高さには塀などよりも遥かに高みだ。

紅魔館もすでに大きく破壊されているせいで悟飯に届く高さではなかった。

悟飯は恐る恐る振り返ろうとする、がそれよりも先に右頬に激しい衝撃を受けて吹き飛ばされる。

もう悟飯には何が起こっているのかわからなかった。

なぜ自分が飛ばされているのか、何が起きてるのか…

しかし、少しして答えが見つかった。

が、それはとても信じがたいものだった。

悟飯の見つめる先には…フランドールが二人いたのだ。

二人のフランはレーヴァテインをそれぞれ持ち同時に振り下ろす。

悟飯はなんとか体を回転させてそれをかわしたが、そのあとの弾幕に反応しきれずに被弾してしまった。

 

「がぁっ…はぁ…はぁ…なんで、二人もいるんだ!!!」

 

「「フタリジャナイヨ?」」

 

フランが狂気に飲まれた笑みを見せながらそう答えた。

そして悟飯の背後を指差した。

悟飯は恐る恐る振り返る。

するとそこには…別のフランが二人いた。

悟飯は信じられないと目を見開いて首を横に振る。

しかしそんなことを意に介さず、四人のフランは同時に攻撃を仕掛けてきた。

悟飯は気を解放して、必死に防御をする。

そしてわかった。

四人が決して幻覚などではなく、本当に四人存在しているのだということが…

なんとか防御を続ける悟飯だが、いっぺんに四人を相手にすることなどできるわけもなく、隙を突かれて一方的な展開へと変わってしまった。

悟飯がフラン四人に対して反撃をする。

正面と後ろにいるフランに向かって右拳と左足での蹴りを叩き込む、しかしその無防備な腹に向かって横にいたフランが右膝で蹴りあげる。

そしてその攻撃に怯んだ悟飯に向かって両手を重ねて思いきり振り下ろす。

が、悟飯はそれをなんとか回転してかわすとそのままの勢いを利用して左後ろ回し蹴りをフランに叩き込んだ。

そして四人目を仕留めようとするが、すでに始めに飛ばされた二人が戻ってきて悟飯に弾幕を展開した。

悟飯はなんとか回避するが徐々にその動きは鈍くなっていく。

 

(くっ…この霧、やっぱりスゴく気持ちが悪くなる…まずい、このままここで戦ったらこれ以上は!!)

 

そう感じた悟飯はなんとか霧から抜け出そうとするがフランたちの攻撃の嵐の中霧から抜け出すことは不可能だった。

そしてやがて悟飯の動きは安定しなくなり、そして。

 

【495年の波紋】

 

四人の同時にスペルを発動し、悟飯はそれに反応すらできずに完全に喰らってしまった。

 

「ぐああぁぁぁぁぁああ!!!」

 

大きな叫びをあげたがそれは弾幕の爆発音に飲まれて小さく響くだけたった。

そして悟飯は力なく地面へと落下した。

それはレミリア、魔理沙、美鈴たちにはっきりと見られていた。

 

「「「ご、悟飯(さん)!!!?」」」

 

魔理沙はすぐに悟飯のそばに駆けてくる。

そして様子を確かめると、まだ意識はあるようだったがもう戦えるような状態ではなかった。

フランは狂気の笑みを浮かべながら悟飯に向かって止めを刺そうとする。

魔理沙がポケットから八卦炉を取り出すとフランに向けた。

 

「魔理…沙…君の…勝てる相手じゃ…ない…」

 

悟飯が朦朧とする意識の中でそう言った。

が、魔理沙は笑みを浮かべながら

 

「なに言ってんだぜ。もう以前と私じゃないぜ!なんせ私は悟飯から修行を受けたんだ。フラン位一気に片付けてやるぜ!!」

 

そう言いながら箒にまたがった。

魔理沙は笑っていたがその笑みには緊張が隠されていることが見てわかった。いや、隠しきれていないといった方が正しいだろう。

すると美鈴も魔理沙のそばにやって来た。

魔理沙が美鈴を一瞬見るがすぐに視線をフランに戻した。

 

「美鈴。お前怪我してんだから無理して私の足手まといになるなよ?」

 

そう終われた美鈴は魔理沙と全く同じ笑みを見せながら、

 

「ふふっ…大丈夫ですよ。悟飯さんは私と同じくらいの怪我をした状態であれほどの戦いをしたんですよ?紅魔館の門番である私がここを守らなきゃ悟飯さんにも、お嬢様にも合わせる顔がありませんから。」

 

そう言った。

その直後、フランが二人に向かって突撃してきた。

美鈴はフランの攻撃を両手で受け止める。

そして両手首をガッチリとつかみ反撃をできないようにした。

そして動きを封じたところに向かって魔理沙が八卦炉を向けた。

そして、スペルを宣言した。

 

【恋符 マスタースパーク】

 

八卦炉から超極太のレーザーが放たれる。

これこそ魔理沙が最も得意とし、最も愛用するスペルだ。

その威力はすさまじく地面を削りながらフランに向かって突き進む。

が、予想外のことが起こった。

 

「なっ!?ぐわぁ!!?」

 

魔理沙はそのあまりの威力にバランスを崩しマスタースパークのターゲットが逸れてしまったのだ。

が、フランはまだ射程の中だった。

そしてその光はフランと美鈴の体を飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 




皆さん久しぶりです。弾です。
今回も見ていただいてありがとうございます❗
今回は重要なお知らせがあります。
それは、受験勉強が本格的に忙しくなりすぎて小説に回す時間がなくなりました。
なので、受験が終わるまで…と言うよりも大学が決まるまでは小説を一時休載と言うことにしたいと思います。
これを見てくださっている方々には申し訳ありませんが真剣に考えた上での決断です。
どうか受け入れていただきたく思います。
それでは、それまでお別れです。
必ず大学に合格してここに戻ってきます!
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