遅れた理由などは最後に言います。
紫の攻撃を受け気絶してしまった悟飯。
果たして紫の目的と悟飯の運命は?
それでは第19話をどうぞ!
「紫!あんた何やってんのよ!!」
どこからか聞き覚えのある声がした。
そして声の方を振り向くと風に揺れる紅白を纏う人物がいた。
それを見た魔理沙は目を輝かせながら叫んだ。
「霊夢!!来るのが遅いぜ…!」
霊夢は魔理沙を見つけると苦笑いを浮かべながら目をそらして、
「こ、こっちも色々あったのよ…。」
と曖昧な返答をする。
が、すぐに真剣な目つきに戻り紫をまっすぐに見つめる。
「どういう事か説明してもらおうかしら、紫。一体何のつもり?」
そう言われた紫は扇子を手に取り口元を隠すように広げた。
そしてその紫の瞳を鋭くして同じく霊夢に視線を返す。
「誤解よ、霊夢。悟飯をここまで追い詰めたのは私じゃなくてそこにいる吸血鬼の妹よ。私がここに来たときには既に悟飯はボロボロだったわよ。」
「ふざけたことを言わないでください!!!」
辺りに響き渡るほどの大きな声が聞こえてくる。
その場にいる全員が驚いて声の聞こえた方を振り返るとそこには美鈴の姿があった。
しかしそれはただの美鈴の姿ではなかった。
「…私は事実を言っただけよ。」
「だからふざけたことを言うのはやめろと言っているんです!!!」
美鈴の声がさらに大きくなる。
美鈴の顔は怒りに歪んでいた。
紅魔館のメンバーでさえあれほどの怒りを露わにする美鈴を見るのは初めてだった。
「確かに悟飯さんは私やお嬢様…そして妹様との連戦でかなり傷ついていました!それでも倒れることありませんでした!そこにあなたが現れて追い打ちをかけたんじゃないですか!!!」
さらに大きくなるその声に紫を除く全員が動揺を隠せなかった。
…いや、この表現は間違いだろう。
正確には紫も動揺していた。
が、その動揺を決して表に出すことはなかった。
その代わりに美鈴を鋭くにらみ付ける。
「あなた達がそこにいるサイヤ人を攻撃しなければたとえ私が不意打ちで攻撃したとしても決して倒れることはなかったはずよ。」
その台詞に美鈴は一瞬たじろぐ。
それを追い打ちをかけるように紫は続けた。
「あなたと吸血鬼の姉、そしてその妹がサイヤ人と戦わなければ倒れなかったのよ。それに、私が与えたダメージよりも紅魔館のあなた達が与えたダメージの方が圧倒的に多い気がするけれど…」
「…あなたが不意打ちをしたことが問題なんです…」
「そんなことはないわ。あのサイヤ人ならばあの程度の攻撃挨拶代わりにしかならないわ。いえ、実際にその予定でしたしね。それの何が問題なのかしら?」
美鈴が強く拳を握り締める。
何かを言おうとするが口を開いてもそこから言葉が発せられることはなかった。
いや、できなかったといった方が正しいだろう。
ただただ事実を言っていた。
フランも美鈴のそばで同じように何かを言おうとするが唇を強くかみしめていた。
フランにもその言葉が真実であることを理解しているのだろう。
そしてその原因を作ったのが紛れもなくフラン自身であることも…
フランの瞳が潤いを見せ始めた。
それを見た美鈴はさらに自身の情けなさに怒りがこみ上げていた。
「だからと言ってあな「そうゆうけどあんた、」…!!」
美鈴の言葉を遮るようにして霊夢が話を始める。
「悟飯さんがこの世界にきてから初めて姿を見せたわね?あんたが幻想入りに対して反応を見せないことなんて別に珍しいことでもないわ。…けれど今回は別よ。普段結界を管理している私とあなたなら幻想入りに対してはその場でその人物と接触した人には劣るけれどそれなりに早くに反応することができる。今回も気づいていたはずよ。なのに始めのタイミングで紫…あんたは【その戦いに来なかった】。それはどうしてかしら?」
霊夢の言葉に紫が目を細め、少し睨み付けるように霊夢を見つめる。
しかし霊夢はそれに全く反応を見せずに紫の返答を待っていた。
すると紫もすぐに言葉を発し始めた。
「私はあの時、休養をとっていたのよ。いくら私でも年中無休で幻想郷を見てるなんて事はできないわ。だから私も休養の時期があるのよ。今回そのサイヤ人が幻想郷に来たときも丁度休養を取っていた。基本私が休んでいるときは藍に管理を任せているから藍はその事をしっかりと把握していたわよ。私は休養を終えたタイミングで藍から話を聞いてここに来たのよ。これでいいかしら?
」
「そう、それについては分かったわ。なら悟飯さんが今ここで戦闘を行っていたのは分かっていたはずよ。なんでこのタイミングで、そしてなんで攻撃を仕掛けたのかしら?」
霊夢の次の質問に対して紫はすぐには返答しなかった。
そして少し思考を巡らせた結果、小さなため息を一つついてから語り始めた。
「…あなた、この孫 悟飯がサイヤ人であることは知ってるわよね?」
霊夢が小さく頷くのを確認してから紫は言葉を続けた。
「サイヤ人って言うのは数々の星を占領し、支配し、その星の先住人達を滅ぼしてきた民族よ。そんな民族を野放しにできるわけないでしょ?」
紫が自身の目的をあまりにあっさりと言ってしまったことに驚く全員を想像していた紫はその周りの様子に戸惑いを隠しきれなかった。
「ほ、星…?滅ぼす?」
霊夢がまるで話が分からないト言いたげな様子で紫を見つめていた。
紫は大きなため息をつきながら話し始めた。
「はぁ…あのね、そこにいるサイヤ人は戦闘民族と言って高い戦闘能力を持った民族なのよ。サイヤ人はツフル人と言って知能の高い民族と共存して星から星への移動方法を作らせ星々を制圧していた。やがて、サイヤ人は共存していたツフル人さえも滅ぼして、自分達だけで宇宙を支配していったのよ。」
その言葉にその場にいる全員は唖然とするしかなかった。
「ご、悟飯さんが…本当に戦闘民族なの?」
霊夢でさえ戸惑いを隠せなかった。
確かに悟飯の力は想像を遙かに超えるものであったしその力は例え霊夢達が束になってもそう簡単には倒せないだろう。
それだけを見れば戦闘民族と言われても納得ができる。
しかし、その戦闘民族であるサイヤ人はその星の先住民を滅ぼして占領してきたというのだ。
もしもそれが本当ならば悟飯はその圧倒的な力を使い、この幻想郷を支配するつもりだったと言うことになるのだ。
悟飯の性格からしてそんなことはあり得ない。
それはここにいるパチュリーと小悪魔を除く全員が思っていたことだった。
しかし、
「そんなことありません!もしそうならお嬢様や私達を今ここで見逃す意味がありません!!それにあんなに武闘家としての誇りを持った方がそんなことをするはずがありません!!!」
「あなたは始めの異変に居合わせなかったからそんなことが言えるのよ。」
紫の言葉に全員の肩が震える。
そうだ、悟飯が幻想入りしたときに起こったあの異変。
あれは全員に悟飯の…サイヤ人の強さと恐怖を植え付けるには十分すぎるほどのものだった。
圧倒的な力の差を前に霊夢達は為す術が無いところまで追い込まれていた。
紫にその事を指摘されてあの場にいた全員の頭にその記憶が鮮明に蘇る。
そして記憶と同時に恐怖が溢れてくる。
全員の体は震え始めて抑えられなくなっていた。
美鈴はその様子を見て全員とは違う戸惑いを感じていた。
(た、確かに悟飯さんの力はすごかった…それに超サイヤ人の力はとても凄まじかったけれど…あの時の気よりもさっきの超サイヤ人の気の方が圧倒的に強いはずなのに…)
「だから…こいつはここで殺すべきなのよ。」
そう言いながら紫は悟飯にスペルカードを向ける。
美鈴はすぐに悟飯を庇うように紫と悟飯の間に割って入る。
霊夢もほぼ同時に紫と悟飯の間に入った。
「…何のつもりかしら?紅魔館の門番はまだしも、霊夢、あなたには幻想郷を管理するという使命があるわ。その行為はその使命とかけ離れている気がするのだけれど。」
「いいえ、決してかけ離れてはいないわ。確かに悟飯さんの力、そしてサイヤ人の凶暴性は幻想郷にあってはならないものよ。けれどそれなら元の世界に返せば良いだけよ。幸い悟飯は怪我をしているから暴れる心配は無いし、それまでは私が見張るわ。」
「怪我をしていると油断した結果があの異変じゃないのかしら?」
霊夢の案を紫はたった一言で否定した。
現に霊夢はその言葉に対して言い返すことができなかった。
次に言葉を発したのは霊夢ではなかった。
「今の悟飯さんに対して油断する人なんていないわよ。」
紫と霊夢は驚いて声の方を振り返る。
そしてその声の主がアリスであることにさらに驚いた。
「悟飯さんの強さは私達は身にしみて分かっているわ。だからこそ油断せずに悟飯と対峙することができるわ。」
アリスが悟飯を庇うなんて誰も思わなかったため全員が目を丸くする。
特に紫は霊夢さえ説得すれば悟飯を始末できると思っていたため余計に驚いていた。
「…そうよ。だから悟飯は私が責任を持って必ず元の世界に送り返すわ。」
そう言いながら紫の正面に向き直ってスペルカードを構える。
どうやら何を言っても霊夢は意見を変えないようだった。
それを見た紫の顔には僅かながらも怒りがこもっている事が分かった。
「そういうのは既に結界の修理を終えて安全にかつすぐにでも送り返せる状況が作れてる者が言う台詞よ。」
「………。」
「はぁ、まぁ良いわ。今回は見逃しましょう。ただし今回だけよ。今度少しでもそのサイヤ人が幻想郷にとって悪となるようなことをしたら…その時は殺すわよ。」
最後の【殺す】と言う言葉にはかつて無いほどの静けさと殺気が込められていた。
本気だ。
全員がその殺気にたじろいでしまう。
そしてその場の全員が再認識せざるを得なかった。
紫が【妖怪の賢者】と呼ばれるほど賢く、さらに実力を兼ね備えていることを…
紫の一番の警戒すべき力は【境界を操る能力】によって創り出される隙間はそこから繰り出される弾幕(こうげき)だった。
が、今は違う。
これほどまでにはっきりとした殺気など霊夢は感じたことがなかった。
確かに紫は幻想郷のためならばどんなことでもする非情な面はいままでにも見たことはあった。
しかし、今回の様子だけはいままでも見たことがないほどのものだった。
「霊夢。」
「!!」
紫が静かに霊夢の名前を呼ぶ。
その紫の様子に驚き、少し考え込んでいた霊夢は咄嗟のことにさらに驚く。
「覚えておきなさい。幻想郷を守るためならばこの覚悟を必要だと言うことを。」
「…この覚悟?何の事よ。」
そう返答する霊夢にため息をつきながら…
「分かってるくせに…それは相手を殺す覚悟よ。」
「!!?な…何言ってるの!そうならないための弾幕ごっこじゃない!!」
「そうね、けれどそれは幻想郷の民しか知らない。このサイヤ人みたいな外来人は知らないし、そんなことが通用しないこともあるわ。その時に必要なのが殺す覚悟なのよ。」
「…っ!!」
そう言い残して紫は再び隙間を開いてその中へと消えていった。
美鈴達は紫が消えたことに安堵しながらもすぐに悟飯の容態を確認する。
アリスが悟飯の名前を呼びかけながら悟飯の体を揺らす。
すると悟飯はうめき声を上げながら僅かに顔をしかめた。
どうやら気を失っているだけだった。
それを見たアリス達は安心したようなため息をつく。
が、その後すぐに驚くべき光景に目を疑った。
「くっ…うっ…つっ~。あ、あれ?アリス?あれ?それにさっきの人は?」
「「えっ!?ご、悟飯さん!大丈夫(ですか)!!?」」
気絶していたはずの悟飯が目を覚ましたことに動揺を隠せない全員だが美鈴とアリス、そしてフランはその顔に喜びが溢れていた。
が、あれだけの攻撃を受けてこの短時間で目を覚ますなどつくづくサイヤ人の恐ろしさを感じる事になってしまった。
「あ…あぁ、体中が痛いけどなんとか歩けるよ。心配かけてごめ…「お兄ちゃーーーーーん!!!」…!?」
【ドスッ!!!】
「ぐはぅ!!」
フランは目の覚めた悟飯に満面の笑みを浮かべながら抱きついて(突撃)来た。
突然のことだったため、悟飯は受け止めきれずに倒れてしまう。
「フラン!!悟飯さんは怪我してるんだからそんなことしないで!!?」
あまりに突然かつ予想外の行動に姉のレミリアでさえ、戸惑いを隠せなかった。
フランは悟飯が苦しんでいる姿を見て慌てて離れる。
アリス達もすぐに悟飯の心配をするが悟飯は苦笑いを浮かべながら「大丈夫」と返事をした。
するとそこにパチュリーと小悪魔が歩いてきた。
するとレミリアはアリス達に悟飯から離れるように指示をした。
美鈴とフランはすぐに離れたが、アリスは少しレミリアを見定めるかのように睨んだ後にその場から離れた。
「あら、そんな目で見ておきながら悟飯からはちゃんと離れるのね。」
レミリアは皮肉混じりに意外そうな目をしながらアリスを見ていた。
するとアリスは、
「あなただけなら信用はしないわ。けれどこの様子から察するにパチュリーが悟飯さんに治癒魔法をかけるのでしょ?なら私はパチュリーの補助に回った方が良いわ。」
そう言いながら今度は悟飯の横に座るパチュリーの元に近づき座った。
するとパチュリーは一瞬だけアリスを見るとすぐに視線を悟飯へと戻してから魔法をかけ始めた。
悟飯の座る地面には紫色の魔方陣が展開され光を放ち始める。
パチュリーは魔力を高めながら小悪魔とアリスに対して指示を出す。
小悪魔はパチュリーが指示した道具を手渡したり悟飯のそばに配置し、アリスはパチュリーに指示された魔法を唱えていた。
すると魔方陣の光は紫から白へと変わっていき放つ光もどんどん強くなっていった。
魔理沙もその魔法に加わると言ったが魔理沙もかなりの大ケガをしていたことから魔理沙は魔法を受ける側になっていた。
もちろん咲夜も同じように魔法を受けていた。
本来ならば一人一人魔法をかけた方が良いのだが咲夜と悟飯はとても危険な状況に見える。
だから今回は全員まとめての治癒魔法にせざるを得なかったのだ。
やがてその魔法の光は直視できないほどの光を放ち始める。
(こ、これは…、まさか!?)
時間にして数分間。
だが周りの者たちはそれよりも短く感じていた。
輝きは次第に弱くなっていき、最後には輝きを失った。
魔方陣も既にその場からは姿が消えいて、パチュリー、アリス、そして小悪魔も大きく息をはき、文字通り一息ついていた。
「パチェ、ありがとう。それで咲夜は大丈夫なの?」
レミリアは魔法が終わったことを確認するとすぐにパチュリーに咲夜のことを聞いた。
この中で悟飯を除けば一番の大ケガをしているのは咲夜だろう。
フランの一撃は咲夜の体を深く切りつけていた。
それこそ命が危なくなってしまうほどの重傷だった。
だからこそ咲夜の容態を確認したのであり、そしてその救命を聞いたときには心から安心したのである。
それはレミリアだけでない。
美鈴も涙ぐみながら咲夜の一命が取り留められたことに安心したような笑みを浮かべていた。
そんな中一人の少女がパチュリーに抱きついてきた。
「あう…ぐすっ…ありがとう…パチュ…パチェ…う…うわあぁぁぁぁぁぁあああん!!!!」
フランがパチュリーに抱きつきながらお礼を言おうとするが途中で涙がこらえきれなくなりパチュリーの名前を呼ぶ前に涙があふれ出てしまった。
するとパチュリーは少し驚いたと言いたげな顔をしながらフランの頭をなでる。
「大丈夫よ。もう咲夜も安心して良いのだから怖い事なんて無いでしょ?悟飯も無事なんだから。」
そう言いながら悟飯の名前を出したタイミングでレミリアに視線を向けた。
レミリアはそれにすぐに気づき同じような視線を向ける。
アイコンタクトだ。
周りには気づかれないように二人だけで合図を取り合ったのだ。
悟飯と魔理沙も起き上がって体の動きを確認する。
その様子を見たアリス、美鈴、そして霊夢は安心してすぐに二人の下へと駆け寄った。
「命に別状がなかった…?」
レミリアが目を丸くしながらパチュリーに言われた言葉をそのまま復唱する。
パチュリーも唖然とした様子で語り始めた。
「そうなのよ。あれほどの攻撃を受けて気絶もしていたって言うのに、彼の体の傷は外傷だけだったのよ。魔理沙の方が重傷なくらいだったわ。魔理沙は魔法の制御ミスで地面にスゴい勢いで激突したから全身打撲だったけれど一部の骨にヒビが入っていたのよ。だからそれも治したけれど…彼は、内臓にダメージを受けるどころか骨にこれっぽっちの損傷も見られなかったわ。あれだけの攻撃を受けても…恐らく今治療をしなかったとしても死ぬ危険性は皆無だったと言えるわ。」
その言葉に言葉を失って立ちすくむレミリア。
一番最初の異変の時、そして今回のフランの暴走。
2回悟飯の力を見てきたがそれを見たからこそ今の恐怖を感じることができていた。
紫の攻撃を受けて倒れたのは蓄積されたダメージが大きかったから意識が飛んだのであり、死にかけたというわけではない。恐らくフランとの戦いで倒れたのもそれが原因だろう。
レミリアとパチュリーは悟飯の方へ視線を向ける。
悟飯はアリスや魔理沙、霊夢、そしてフラン達と楽しそうに会話をしていた。
が咲夜はまだ目覚めるほどの元気はない。
パチュリーの言ってることを信じざるを得なかった。
悟飯は怪我の大きさで言えば一番軽度なものだったのだ。
その現実に頭を混乱させながらもレミリアはやっとの事で口を開くことができた。
「霊夢、アリス、魔理沙。そして…悟飯さん。あなたたちには迷惑をかけてすまなかったわ。お詫びといっちゃなんだけれどもうちで夕食をごちそうするわ。」
「あら?なら遠慮無く食べさせてもらうわよ。」
「私はほとんど何もしてないけど…どうせだからそうさせて貰うわ。」
「本当かい!?やったぁ!!ありがとう!レミリア!!」
「あ、ありがとうなんだぜ…レミリア。」
「あら?どうしたのかしら?魔理沙は不安でもあるの?」
魔理沙がどうも苦笑いのような笑みを浮かべていたことを気にするレミリアだが魔理沙は「大丈夫」と返すと一番に館に入っていった。
その後紅魔館の食物庫に致命的なダメージが与えられるとは誰も(魔理沙を除く)思いもしていなかった…
【ガツガツガツガツ】
「………」
【ガツガツガツガツ】
「………」
【ガツガツガツガツ】
「こ…これは…」
【ガツガツガツガツ】
「小悪魔…す、すぐに追加の食べ物をお願いできるかしら?」
「…は、はい…」
目の前には既にお皿の山が築かれていた。
それは全員の前にまんべんなくではなく、たった一人の人物の前にその者の身長以上の高さにまで積み上げられていたのだ。
魔理沙を除く全員がその光景に言葉を失ってただただ眺めていた。
全員の手が止まっていることに気づいた悟飯が、
「あれ?皆は食べないの?」
と質問をする。
全員が慌てて「食べるよ」と返事をして食べ始めると悟飯も安心したように満面の笑みを浮かべながら再びご馳走を食べ始めた。
「咲夜さん!ここら辺の料理全部おいしいですね!!」
「あ、ありがとうございます。」
咲夜も妖精メイド達が料理をしている間に目を覚まし、体の傷もまだ完治はしていないためレミリアが静止したのにもかかわらず料理の手伝いをしていたのだ。
今こそテーブルでともに食事をしているため休んではいるが、先ほどまで働いていたのだ。
が、それでもなお咲夜の料理は絶品だった。
その場にいる全員がそう思った。
秒単位で消えていく目の前の食べ物達。
すぐに小悪魔は妖精メイド達に追加分を作らせに行ったがそれでも余裕の無い状態だった。
その後、紅魔館の食物庫から半分近くの食料が消えてることを知ったレミリアはその日、頭を抱えながら自室に暫くの間籠もっていたという。
悟飯と魔理沙は一応怪我のことがあるので一夜を紅魔館で過ごしたのだが、悟飯自身は全く怪我を気にしていないようで修行をしては咲夜に見つかり注意を受けると言うことを繰り返していた。
次の日と朝、悟飯と魔理沙は紅魔館の朝ご飯を食べ終えた(食べ尽くした)後紅魔館を出ようとしていた。
悟飯は元の世界に帰るため霊夢のところに向かうつもりなのだ。
「短い間だったけどありがとうレミリア。咲夜もありがとう。あんなにおいしい料理を食べたのは久しぶりだったよ。」
「そう言っていただけると嬉しいです。悟飯様。」
と深く頭を下げる。
それを見た悟飯は戸惑いながら右手を小さく左右に振りながら、
「そ、そんな様なんてつけないでくれよ。普通に呼び捨てで良いからさ。」
そう言うが咲夜は首を横に振りながら何かを言おうとするがそれよりも先にレミリアが話し始めた。
「諦めた方が良いわよ。悟飯お兄様。」
それに言い終わった後に合わせて咲夜が、
「そうですよ。お嬢様があなた様の事を悟飯お兄様とお呼びするならば私は悟飯様とお呼びするべきですからね。」
そう言いながら悟飯に優しくほほえみかけた。
こりゃあダメだと思った悟飯はそれを諦め紅魔館を出た。
目指すは博霊神社。
「「悟飯お兄様~!!」」
門を出て少しした後に二人の声が重なって聞こえてきた。
声のした方を振り返ると美鈴とフランがこちらに走ってきていた。
吸血鬼は日光が弱点のため、フランは日傘をさしながら飛んできていた。
「悟飯さん!また今度悟飯さんに修行をつけてくださいね!!よろしくお願いします!!!」
「悟飯お兄様!!また一緒に遊んでくれなきゃ絶っっっっっ対にダメなんだからね!!!」
二人ともまるで子どもの姉妹のような満面の笑みを浮かべながら辺りに響くような大きな声でそう叫んだ。
その様子は本当に姉妹のように見えて悟飯も思わず笑みをこぼしてしまう。
魔理沙もあきれ顔で二人のことを眺めていた。
悟飯はあえて言葉で返事はせずに大きく手を振って二人に返事をした。
二それを見ると満足したようにフランは空を飛んで、美鈴は走って紅魔館に戻っていった。
「…今度があるなら舞空術を教えるべきかな。」
そう言いながら悟飯もまるで遊びに行くのをワクワクしながら待つ子どものような表情になっていた。
魔理沙はそんな悟飯を見て思わず笑ってしまった。
きょとんとした顔をして悟飯がこちらを見るのでそれもおかしくて笑いそうになるのをこらえた。
(まったく…悟飯って精神年齢いくつなんだよ。)
悟飯が魔理沙に何度も笑っている理由を質問するが魔理沙は満面の笑みを浮かべながら、知らない、と答えをはぐらかすだけだった。
この先にまたやっかいごとがあるとも知らずに…
改めて、更新が大変遅くなってしまって申し訳ありませんでした!
良いわけにしかなりませんが理由を言いますと…
1大学が想像より忙しい
2バイトがさらに忙しい
です。
大学の課題が予想より難しくてどうしても時間がかかってしまってます。
そしてバイトなんですが初めて一ヶ月してないのに基本残業という悲しい現実に直面しています…
それが原因で時間がとれず、小説どころかゲームのイベントすらまともにできない状況…なんとも泣けてきます。
と言うことなので遅れてしまいました。
これから時間内なら作れば良い!!と言うことで一日24時間あるわけですし、24時間フル活動するのが一日くらい合っても大丈夫理論で進めていきます。
次回予告
魔理沙ともに博霊神社へと向かう悟飯。
しかしそこで待っていたのは霊夢だけではなかった。
次回【戦闘終わってまた戦闘?鬼VS宇宙人】
次回もよろしくお願いします!