ヘロヘロさんと41人のメイドたち   作:satoari

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あまり見返せていないのですが熱いうちに放り込もう。

※※本格的にオリジナルメイドたちが出てきます。苦手な人は忌避してください。


文字数、ピンチ


※※12/21 23時 あまりにも誤字脱字と最後の描写が駆け足だったので修正


姦しい宝石

 

 

 

ナザリック地下大墳墓、第9階層のとある一室前。

 

美しい金の縁取りをした品の良い黒の扉の前、白黒のフリルが蠢いている。――それぞれ赤、青、緑の髪が眩しい。

 

「……聞こえない……サフィール、もうちょっと屈んで!あんた、お尻おっきいから邪魔なんだってば!」

 

背伸びをして扉に耳を寄せていた赤髪の二つ結びのメイドが、無理やり青髪のメイドのうえに乗りかかる。なんとか扉に耳をつけることが出来たが、下敷きになった青い長髪のメイド、サフィールは背中に少女を背負うこととなりぐらりとバランスを乱す。

 

「きゃっ!?り、リュビ、貴方乱暴よ!」

「貴方たち煩いわよ、聞こえないってば!」

 

サフィールの下になり、もたれ掛かられていた細身な緑髪のメイドが、小さく悲鳴をあげる。

こそこそと、それこそ大声にならないように声量を抑えてはいるものの、扉に張り付いてじたばたとしていれば小さな絹擦れが響くものである。物音を立てないよう気を配っているものの果たして効果はあるのか。

 

「ああ……ヘロヘロ様!シクススが羨ましいわ。今日ヘロヘロ様のお世話の日だったなんて!」

 

サフィールはうっとりといったように顔を緩ませる。もともと垂れ目がちな瞳は熱を帯び、更にとろんとしたものになる。その下で下敷きになる切れ長の瞳のメイドの苦悶の表情とは対照的だ。

 

「さ、サフィール、重い……!ちょっとはバストの分考えて屈んで……!リュビは小さいからまだしも……!」

「しーっ!静かに!何か話されてる!」

「ちょ、本当に……痛っ!」

 

下からの悲鳴を無視し、赤髪ツインテール――リュビは扉に耳を押し付ける。まだ幼さの残る顔を真剣に引き締め、微かな声を拾おうとする。……低い男の声はアインズ・ウール・ゴウン様そのものだろうか。二言三言何か話すのが聞こえるが、すぐに沈黙する。怪訝に思いながらも、低い背を伸ばし扉にくっつき、耳をそばだてる……が。

 

「こんなところで、アインズ様に何かご用ですか?……わん」

 

突如後ろから掛けられた声に3人の心臓が飛び上がる。

扉から弾かれるように跳びのき、振り向けばとても優しい菩薩の顔が目に入る。同時に(実際には流れてはいないのだが)全身の血がざっと引くのを感じる。

 

「ぺ、ペストーニャ、さま……」

 

そこにいたのは可愛らしいメイド長、ペストーニャ・ワンコだ。ペストーニャに用いる『可愛らしい』というのは人間に使う言葉とはまた異なる。

くりくりとしたつぶらな瞳に艶やかなキューティクルが美しい栗毛色の毛、真っすぐに伸びた鼻……いや、マズル。愛くるしい犬頭――真ん中に大きな縫い目があるが、それもまたぬいぐるみかマスコットのようで愛らしい――は懐こい顔をしている。

だが、彼女のことをよく知る3人にはこれは笑顔でないことは痛いほど分かる。尻尾は微塵も揺れず、口角がわずかにヒクついている。

 

「あ、あははははは、わ、私今から清掃の仕事があるので、これで……」

「エメロード!ふざけないでよ!」

 

リュビはそろそろと二人から離れ始めていた緑髪のミディアムヘア――エメロードのスカートを慌てて掴む。その様子を見て、ペストーニャの口角が更に上がり歯が剥き出しになる。

 

「アインズ様は現在ヘロヘロ様とお二人で話がしたいと仰いましたね?……わん」

 

ペストーニャの縫い目から、みしりと不穏な音が鳴る。

ガタガタと震えながら身を寄せるメイドたちに、ペストーニャは笑顔のままゆっくりと迫る。

 

「話は後でゆっくりと聞かせてもらいましょうか。……がう」

 

 

 

 

 

 

 

『メイド3名がまだ扉の前に居ましたが、ペストーニャ様の指示にて下がらせたとのことです』

『ご苦労。引き続きホールにて警備を続けろ』

『はっ』

 

「……やれやれ」

「な、なんかすみません……」

「いや、いいんですよ。彼女たちもヘロヘロさんが目覚めて、きっと嬉しいでしょう」

 

こめかみから指を離したモモンガは肩をすくめる。二人がいる応接間の真ん中には分厚い硝子のテーブルがどんと置かれ、熱い紅茶注がれたカップは温かい湯気を立ちのぼらせている。カップは一つのみだ。

二人はすぐにモモンガの部屋に移動したものの、ヘロヘロが目覚めたことはメイドたちの間でナザリック中に広まったらしい。それからメイドたちがひっきりなしに紅茶をもってきたり、お茶菓子を持ってきたり、何か用事はないかと部屋に押しかけ、ヘロヘロを一目見ようとちょっとした騒ぎになった。挙句入り口には20数名のメイドたちが集まってくる始末で、結局全員に入室を禁じたのだが……八肢の暗殺蟲(エイトエッジ・アサシン)の連絡によれば、廊下の扉の前でまだ数名が残っていたらしい。

廊下から扉に耳を当てたところで、一部屋挟んで更に奥の応接間での会話が聞こえるはずもなく、ましてレベル1の人造人間(ホムンクルス)が護衛スキルに特化した八肢の暗殺蟲(エイトエッジ・アサシン)の警備網をかい潜れるわけがない。彼女たちの必死の努力も虚しく、あとはメイドたちを監督するペストーニャに引き渡されただけだ。

 

「ペストーニャなら、まあ彼女たちを威圧しすぎず注意できるでしょう。ここで糾弾しても彼女たちの好意に水を差すだけですし」

「そう……ですか」

 

ヘロヘロは思わず目の前の死の支配者(オーバーロード)、モモンガを見つめる。足を組みどっしりと椅子に構える姿は、ほんの数週間(――ヘロヘロの感覚としてはまるで昨日のようなのだが)見ないうちに、随分様子が変わったように見える。

まさに支配者然としているというか、この状況に慣れてしまったようだ。ソファーに沈み込んでいたモモンガは背を起こし、ヘロヘロに向き直る。

 

「さて、先ほどの続きですが……ヘロヘロさんは、今のこの状態をどう思いますか?つまり、アバターの姿で、ユグドラシルのNPCに囲まれている状態です。」

「……ユグドラシルのゲームが続いているわけではないと思いますねー」

 

それについて、ヘロヘロは確信していた。先ほどのように自分の意思をもって行動するなど本来のNPCからは考えられない。造った本人としてはそれはあり得ないと断言できる。しかしシクススの動作のように、本来組んだプログラムを反映している点は、ユグドラシルの性質を継いでいる。

まるでユグドラシルの世界がそのまま現実に再現されたかのような、再現度と現実感の同居。

目の前にあるカップの紅茶ですらそうだ。紅茶からは、花にも似た、甘さを連想させる優しい匂いが鼻腔をくすぐる。

 

「DMMO対応コンソールでは、嗅覚は再現できませんねー。そういう機能のあるコンソールは販売禁止されてましたから」

「ユグドラシルでも、味覚・嗅覚はなくて、触覚も制限されていましたからね」

「というか、そんなんゲームに詰め込んだら、人間の体はぶっ壊れますよ。頭と脳みその情報に差が開きすぎるんでー」

「まあ、そこら辺は俺なんかよりヘロヘロさんの方が詳しいと思いますが……そういうわけで、その紅茶も本物ですよ」

 

たしかに香しい紅茶の香りも、立ち上る湯気の温度も、DMMOで再現できるレベルのものとは思えない。

急に、空腹とまではいかないが、何やら口寂しさを思い出す。飲食不要のアイテムはゲームの時から装備したままなので、数週間眠ったままにも関わらず、空腹を全く感じていない。が、食事をしたいという欲求はなんとなく感じられる。

 

「……飲食、できるんですか?」

「俺はアンデッドになったもので、食べることができなくて試したことはないんですけど……出来ると思いますよ」

 

ヘロヘロはそっとカップに手を伸ばし、細い持ち手を摘み上げる。

 

「あっ!ちょっと待っ……」

「え」

 

モモンガの静止が先か後か、温かい手でチョコレートを握った様なぐにゃりとした感覚のあと、カップがするりとこぼれ落ちる。握った取手が手のの中に沈み込み、椀がぼろりと取れた――陶器が溶けている。

膝(?)にカップが落ち、温かい紅茶をぶちまける。熱くはない。が、こぼれた紅茶が騒々しい音を立てて蒸発する。落ちたカップも膝の上でじゅわじゅわと溶け出している。

慌ててソファーを見れば、自分が座っている周りが焦げ出したようになっている。

 

「ヘロヘロさん!スキル!スキルオフにしてください!」

「えっ?オフ?」

 

ゲームじゃあるまいし……と返そうと思うよりも早く、ヘロヘロはその方法を思いつく。説明のしようがなく、もともと身体に備わっていた自然な動作のようにそれを行うことができる。自分の周囲に膜が張り巡らされたような感覚。いや正確に言うなら、体液の酸部分が体内に凝縮したような感覚だ。

紅茶はまるで油に浮かぶ水のように、膝の上で水滴となって震えている。手に掴んだ取手は粉状にボロボロとなり、身体に流れ出す。体表に浮かんだ取手の欠片がぽろりと落ちた。

ゲーム内では打撃、斬撃などを半減する特殊スキルを持つスライム種だが、なるほどこういうわけだったかと妙に納得する。

 

「はー、すっかり忘れてました。ここではフレンドリーファイアーが解禁されてますので、耐酸性のないアイテムはこうなるんですね……。ヘロヘロさんの部屋のものは酸耐性あるものでしたから、すっかり忘れてました」

「な、なるほどー……」

 

ヘロヘロはため息をつく。改めて自分が人ならざるものになったことの恐怖を覚えた。両手……という呼び方が正しいのかもわからない、身体から突出した2つの触手を見つめる。ぐにぐにと蠢めくそれには関節もなく、生き物のものとは思えない。どちらかと言えば海鼠(なまこ)とか蝸牛(かたつむり)に近い生き物になったような感覚だ。それでいて知覚だけははっきりしている。音、振動、視覚、匂いに対しては特にそうだ。人間であったころには感じられなかった微細なものまで拾っている感覚がある。

――更に恐ろしいのが、ここまで人間離れした変化をしたにも関わらず、頭はまるで、『産まれた時からこうだった』というような、奇妙な充足感を伝えてくる。むしろ筋肉で必死になって骨を支えていた人間のころの方が違和感を覚える程だ。

 

「NPCは自由になっているし、俺はスライムになってるし、……一見ユグドラシルのようでも、ここはユグドラシルではないんですね」

「ええ……恐らくはユグドラシルが現実化した、と考えられます」

「……そんな」

 

ばかな、とは言えない。前述したとおり、ユグドラシルでありながら、ゲームではありえない現象が起きていることを、プログラマーであるヘロヘロは理解している。

これまでの常識を覆す事態だが、論理的な裏付けがこのことが事実だと言っている。否が応でも認めなくてはならないようだ。

 

「そしてもう一つ、ナザリックの周辺地理、モンスター、文化圏はユグドラシルのものと大きく異なるものになっています」

「……つまり?」

 

口がないのか幸いした。きっと口をぽかんと開けて、間抜け面を晒してしまっていただろう。

 

「つまり……どうやら俺たちは、アインズ・ウール・ゴウンごと異世界に来てしまったみたいです」

「いせかい」

 

またしても間抜けな声を出してしまう。『異世界に来た』、とはどういうことなのか。ここは一体どこなのか。

そして現実は一体どんなことになっているのだろうか。

 

 

―― 現実 

 

 

再度胃の中に(内臓が存在するのかは不明だが)ドスンと重しが落ちるのを感じた。

 

 

「……ごと……」

「ええ、今はとにかく、情報が不足しているものですから、とにかくこの世界のことを調べてまして」

「し、仕事ぉ!!」

「うおっ!?」

 

絶叫をあげたのと机に腕を叩きつけたのはほぼ同時だった。既にカップはヘロヘロの体内にて融解していたため、ドスンという鈍い音が響くだけだ。

唖然とするモモンガにかまうことなく、ヘロヘロはまくし立てる。

 

「も、モモンガさん、長いことお世話になりました!!おれ、仕事、行かなきゃ……納期近くて……こ、殺される、上司に、ころ、ころされ……ええ……」

 

が、怒りも恐れも、病的とも言える、脅迫的な感情すら、ヘロヘロの胸の中から消失する。

――この感触は目覚めた直後に体験している。臓腑の中身全てをぶちまけさせそうになる絶望感ですら、どうでもいいと思えてしまう、強制的な精神の安定化。

 

「……スライム種基本特殊スキル『精神作用無効化』ですよ。俺もアンデッドですから、なんとなくわかります」

 

激化した感情が霧散し、残るのは大声を上げてしまった居心地の悪さと、胃の中に燻る焦燥感のみ。

叩き付けた腕をどうしたらいいのかわからず、ヘロヘロは所在なさげに叩いた机をなでる。モモンガの気遣うような視線を浴びながらも、よろよろとテーブルから離れた。

 

「今の悲鳴は何事ですか!!」

「アインズ様!ヘロヘロ様!ご無事ですか!!」

 

どこから入ってきたのか、八肢の暗殺蟲(エイトエッジ・アサシン)たちが扉を開くことなく現れる。当然、護衛スキルの賜物だ。

が、感情の波に揺さぶられたヘロヘロの目にはそれすら映らない。八肢の暗殺蟲(エイトエッジ・アサシン)たちの間を抜け、言葉もなく扉へと向かう。

八肢の暗殺蟲(エイトエッジ・アサシン)たちは困惑したように、アインズとヘロヘロとを見比べる。アインズは言葉を発することなく片手をあげ、八肢の暗殺蟲(エイトエッジ・アサシン)たちを静止する。

 

「ヘロヘロさん」

「……すみません、でも、俺、やっぱり帰らないと……」

「待ってくださいヘロヘロさん!どうするつもりですか!」

 

モモンガの呼びかけに対し、ヘロヘロは答えることができなかった。たっぷりの沈黙のあと、ヘロヘロは弱弱しく首を横に振る。

 

「……帰る方法は……ないんですか」

「……試したことがないですね」

「なんでっ……!」

 

モモンガの回答に勢いよく振り返る。

眼前の骸骨は動かない。まるで表情というものが読み取れず、またしてもヘロヘロの激情は行き場をなくす。――注視すれば瞳の奥の光源が弱く光っていることに気付いただろう。が、今のヘロヘロにはそれに気づくだけの余裕がない。

モモンガとヘロヘロは比較的近い境遇だったといえる。毎日仕事仕事、帰っても待つ者はいない。友達と遊ぶ機会もない。ただ、ゲームのみがささやかな楽しみ。そのはずだった。

しかし同時に二人には大きな隔たりもあった。

 

「……俺がいないと回らない仕事があるんです。確かに俺は会社にとっては使い捨ての歯車で、代わりだっているのかもしれない。だけどあんな……半端に仕事を残して帰れるはずがないですよ。

同僚の連中に連絡もなしに消えたらなんて思われるか……それに……おふくろだって……実家に、仕送りしないと、いけないし……」

 

ヘロヘロはモモンガほど、現実に見切りをつけてはいなかった。

 

「ヘロヘロさんは、あの世界に帰りたいんですか?自然は汚染されて、自由もない、何もないあの場所に」

「逆に聞かせてください、モモンガさん。あなたは、帰りたくはないんですか……!」

「……」

 

答えはない。骨の面はただただ空虚である。その冷え切った骸の顔に、ヘロヘロは言葉を失う。これ以上はお互いの利にならないと、冷静な思考が警告する。

 

「……ちょっと、頭、冷やしてきますねー……はは」

 

ヘロヘロはモモンガと八肢の暗殺蟲(エイトエッジ・アサシン)たちの視線を浴びながら、振り向くことなく廊下へと這い出る。

……とはいえ、モモンガに指摘された通り、帰る方法など検討もつかない。その上この広大なナザリック、ただ歩いているだけでも過敏になった精神を揺さぶるものは山ほどある。例え抑制されるとはいえ、自分の感情が制御されるのは気持ちのいいものではない。

ふらつく足――いや、管足を引きずりながら、ヘロヘロは自室へと這い戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「あんたたちまたやらかしたわけ!?」

 

ナザリック地下大墳墓、第9階層――従業員食堂に、一際大きな声が響く。

その高い声が一際大きいだけであり、食堂内は奇妙な熱気と騒ぎに満ちている。その騒ぎの中心には4人の人物がいる。

 

「ほんっとにサイテー!バカじゃないの!?こともあろうに至高の御方の部屋の前で聞き耳だなんて、礼儀知らずにもほどがあるわよ!!」

 

少女がヒステリックに叫ぶたびに、お団子から下がるリボンが激しく揺れる。赤いフチの眼鏡の下には激高して燃える碧眼。

他のメイドたちと比べるとかなりこじんまりとした少女が睨みつけるのは、ツインテールのメイド、リュビ。その後ろにはいつもの取り巻き、サフィール、エメロードが続く。

 

「分かってるってば!ていうか、ついさっきペストーニャ様に散々怒られたって……」

 

手を後ろ手に組んだまま、リュビは唇を尖らし、少女から視線を逸らす。そんな拗ねたような態度が少女の癪に障ったらしく、少女は更に声を張り上げる。

 

「怒られたぁ!?そのくらいで終わっていることに感謝しなさいよ!っていうか、まだ口答えするってことはあんたまだ反省してないでしょ!?」

 

少女に指を突き付けられ、リュビは言葉に詰まる。自分が悪いということなどわかっているが、先ほどから頭に響く甲高い声が短気な彼女をイラつかせる。

 

「あーもう!反省してるし悪かったと思うけど!あんたに言われる筋合いはない!チビ眼鏡!おせっかい!」

「あんたも似たようなもんでしょ!?バカチビ!脳筋!!」

 

お互いに噛みつかんばかりににらみ合う――が、お互いこのメイドたちの中では珍しい小柄なメイド同士のため、迫力はなくただただ姦しい。むしろ子供同士の喧嘩のようで、どこか微笑ましくもある。

後ろのサフィールはいつものようにぼんやりとほほ笑み、「まぁまぁ」と声をかけ続ける。

エメロードは二人の口論には我関せず、すでにバイキングを視線で追い取るべきメニューを物色し始めている。それほどまでにこの二人の口論は日常茶飯事だ。

周りのメイドたちはといえば咎めるような視線を3人に向けるも、それ以上の追及はしない。もちろん3人の行った行為は好ましいものではない。しかしそれが許されているのは、彼女たちがそうあれと造られているからだ。

 

お転婆で好奇心が強く、やや粗雑な面を持つリュビ。おっとりとしていて、少し抜けた部分があるも優しい姉役であるサフィール。そして表面では美しく振舞うも、内にはやや狡い面を持つエメロード。

一般メイドたちの中では初期に造られたため、濃い設定――性格を持ち合わせている。三人はナザリックにおいて、ちょっとしたトラブルメイカーとして存在することが望まれている。

そして、メイドたちの中にはそのような存在を許さない存在として造られた者もいる。例えばこの少女のように。

 

「まぁまぁ、リプスちゃん、落ち着いて?ね?」

「なんであんたに宥められてるのよ!?あんたたち二人がちゃんとこの子を見張っときなさいよ!」

「いや~~、ごめんなさい~~」

 

怒鳴りつけられても、ふにゃりとほほ笑むサフィールに、お団子少女――リプスはがくりと脱力する。

 

「いやあ、私たちの力じゃとてもじゃないけどリュビは止められないって。……まあ、その場で誘惑に負けたのは悪かったけど」

 

エメロードは一口サイズにカットされたリンゴがささったフォークをぷらぷらと振って見せる。

 

「エメロード……あんた、何しれっとバイキング回って来てるのよ、あと立ち食いはやめて」

 

リプスの恨めしい視線もかまわず、エメロードは瑞々しいリンゴを一口齧る。

 

「そうっすよー!いやー、相変わらずえーちゃんは抜け駆けの達人っすねぇ!見習いたいっす!」

「っンぐ!」

「ひえっ」

 

突如咀嚼が中断されたりんごが詰まり、身悶えするエメロードを乱入者が優しく受け止める。

 

「る、ルプスレギナさん!急に現れるのはやめてくださいよ!」

「し、死ぬかと思った……」

「大丈夫っすよー!死にかけてもちゃんと回復してあげるっす!」

 

こほこほとせき込むエメロードの背中をとんとんと叩きながらほほ笑むのは、戦闘メイド(プレアデス)が一人、ルプスレギナ=ベータである。

 

「ちょっとルプー、あまりこの子たちをからかわないで」

「ユリ姉はお堅いっす!これはフレンドリーな挨拶っすよ!」

「ゆ、ユリ様!」

 

更に現れた戦闘メイド(プレアデス)――ユリ=アルファに一般メイドたちは息を飲む。

戦闘メイド(プレアデス)は、一般メイドとはまた異なる地位を有している。そのため、一般メイドたちにとって彼女たちは憧れの的であり、こうして接する機会があるだけでも羨望の眼差しを受けることとなる。

特にユリはその戦闘メイド(プレアデス)たちのリーダー的な存在であり、一部からは熱狂的な人気がある。……いや、リーダーである彼女への憧れもあるのだが、それ以外の部分での人気が根強い。

 

「ぼく……いえ、私たちが脅かしてしまったら、彼女たちも緊張するでしょう?」

「そういうところがお堅いっすよー。あんまり堅いことばっかり言ってると、顔が怖くなるっすよー?」

「怖…!?いえ、まぁ、いいわ」

 

こほん、と咳ばらいをするとユリはリュビに向き直る。

薄々彼女がこちらに現れた理由に察しがついていたリュビは唾を飲み込むと、姿勢を正す。

 

「さて、リュビ。アインズ様は今回の件については、不問になさるそうです。アインズ様も今はヘロヘロ様のお目覚めを喜んでおり、その喜びを私たちが共有することをお許しになってくださっています。故に、今回のあなたの非礼も、ヘロヘロ様を案じたためとお許しになってくださいました。そのご慈悲、しかと胸に刻みなさい。そしてまだ守護者の方々ですらお会いしていないのに、先んじてヘロヘロ様にお会いしようとしたことがどれだけ身の程知らずか、しっかり考えなさい」

「っ……はい!本当に、申し訳ありませんでした!」

 

弾かれたようにリュビは頭を深々と下げる。思わず眼がしらが熱くなり、瞳が水っぽくなるのを止められない。

ヘロヘロ様が帰ってきた、それだけで胸と頭がいっぱいになってしまい、暴走してしまった。どうして自分はいつもそうなのだろうか。

――そしてそれをお許しくださるアインズ様のなんと慈悲深くお優しいことか。

 

「あなたたち二人も、同行したのならきちんと反省しなさい」

「はいっ……!」

「本当に、申し訳ございません……」

 

同様にサフィール、エメロードも深く頭を下げる。

 

「――まあ、それはそうと、あなた達が謝罪を向けるのは私ではないわ。それはわかっているでしょう?」

 

ユリの一言に、3人はきょとんと顔を見合わせる。

 

「アインズ様からお許しはいただいたとはいえ、まだヘロヘロ様のお許しはいただいていません。まずはあのお方に謝罪をすべきでしょう。ヘロヘロ様になんとか機会をいただくから、しっかり謝罪なさい?」

「はいっ!ユリ様!」

「ありがとうございます!」

 

3人は顔を綻ばせ、大きく礼をする。ユリは優しくほほ笑むと、今度はぐるりと周囲のメイドたちを見渡す。

 

「貴方たちも、ヘロヘロ様がお目覚めになって嬉しいのは分かるけど、あまりはしゃぎすぎないよう、気を引き締めて……」

「あっ!シクスス!」

 

メイドのうちの誰かが大きな声を上げる。瞬間、メイドたちの注意は一気に声の方へひきつけられ、そして呼ばれた者に集約する。

呼ばれた当人は2人のメイドの陰に隠れてこそこそとテーブルに向っていたようだが、びくりと跳ねると、慌てて入ってきた入口へと引き返す。シクススをかばっていた2人も慌てて後を追う。

 

「ちょ……!待ってよシクスス!!」

「まともにヘロヘロ様とお話したのあなただけなんだから!」

「話くらい聞かせてよー!」

 

黄色い声が食堂中に響き、もはやユリやリュビたち3人への注目など皆無である。はぁ、とため息をつくユリに「どんまいっす!」とルプスレギナが肩に手を置く。

 

「本当に、これはしばらく収拾がつかなそうね……」

 

 

 

 

 

 

「……ごぼごぼ」

 

部屋の中央からは奇怪な水音が響いている。がぼがぼ、ごぼごぼという音は聞きようによっては人が溺れているようにも聞こえるが、その音には焦りもなく、眠たげなリズムで響いている。

巨大なベッドには、広くコールタールのような染みが広がっている。もっとも、その染みがこの部屋の主なのだが。

 

「……ごぼごぼごぼ……はぁ、何やってんだ」

 

部屋の主、ヘロヘロは気泡音を立てる遊びにようやく飽きたのか、何度目かのため息を吐き出す。いや、もとはといえば、何度もため息をついているうちに、空気の出し方によってはこういったごぼごぼ音が出せると気が付き、何をするわけでもなく遊んでいたわけなのだが。

 

「モモンガさん、あれは怒ってたよな……アンデッドの外見だと、表情が全然読めないけど」

 

再びベッドに突っ伏し、ごぼがぼと無意味な音を立て続ける。粘体の体になって少しだけいいなと思ったのは、これまでの人生で初めて、ここまで脱力しきった姿勢をとることができたことだろうか。

重力に抗わず力を抜き切り、ベッドに際限なく染みわたる。自分の境界が希薄になり、だんだん眠たくなる。もう、何もかもどうでもいい……

 

「いや、よくないよ!」

 

広がり切った液体がぎゅっと凝縮し、再び弾力のあるスライムに戻る。危うく身体と一緒に思考まで蕩かすところだった。

 

「というか、なんとかして帰らないと……こっちとあっちとじゃ時間の流れが違ったりとかしないよな……戻ってみたら、軽く5年くらい経ってたりしないよな!」

 

うわーっと思わず触腕を振り回す。いつまでも会社に現れない自分を訝しんで電話がひっきりなしに鳴り響く中、DMMO用コンソールをぶら下げて、PCデスクの前で衰弱死、なんて――

 

「――どうでもいいか……いや、よくない。よくないけど……」

 

どうもこの体になってから、重大な問題への焦りが消失しがちだ。これもスライムの特殊スキルの影響かもしれないが、自分の心が自分のものでなくなったかのような居心地の悪さがある。

再びベッドへと落下し、融解して伸び広がる。蕩けきるのは心地がいい。目の前の現実をこのまま放棄して、眠ってしまいたい……

 

「……モモンガさん、帰りたくないのかよ」

 

何度も鎮静化されようとも胸に燻る憤りが、ごぼりと声になる。

いくら仮想世界が素晴らしいものであっても、何もかも捨ててこの世界に馴染めるものなのだろうか。現実でのしがらみを思えば、帰りたくて仕方ないのではないか。自分だったら、真っ先に何とか元の世界に干渉する方法を模索しただろう。

(モモンガ)にとって現実とはその程度の価値しかなかったのだろうか。いや、それとも。

 

「仮想世界がそんなに大切なのか……」

 

自分はどうだろうか。きっと、もっと若いころなら、架空の世界に体一つで飛び込み、自由奔放に生きることができたのかもしれない。しかし今や自分は大人であり、現実に自分の居場所があり、役割があることを知っている。

それらを全てなげうって、ここで暮らすことができるだろうか。

 

「……」

 

焦がれたはずの自由が、こんなにも恐ろしいとは。

 

 

『ヘロヘロ様』

 

突如、頭に響いた女性の声が思考を呼び戻す。

 

「は、はい!?」

 

慌てて跳ね起き、返事をする――メッセージだ。この感覚はユグドラシルのものとほとんど変わらない。

 

『失礼いたします。ヘロヘロ様。戦闘メイド(プレアデス)が一人、ユリ=アルファでございます。ヘロヘロ様にお目通りを願う者たちを連れてまいりました。』

「は、はい、どう……い、いや……ああ、わかった」

 

モモンガの威厳ある振舞いを思い出し、慌てて声を引き締める。NPCたちが現実のものとなった以上、その忠誠心は絶対のものかもわからない。そのような状態で戦闘能力も有していることの危険性はヘロヘロも理解している。

まして先ほどまで出会った一般メイドとは異なり、ユリは戦闘メイド(プレアデス)である。たとえレベルの上では優位であったとしても、警戒するに越したことはない。

ベッドから這い出すと、すぐに自室のホールへと向かう。

しばらくして、乾いたノックの音が響く。

 

「ああ、入れ」

「はい。では3人とも、中へ」

 

ゆっくりと開いた扉から、3人のメイドたちが姿を現す。同時に「うわっなつかしっ」という声が出そうになるがすぐに飲み込む。

41人の中でも初期に造られたメイド3人組、リュビ、サフィール、エメロード。命名はク・ドゥ・グラースであり、そのキャラデザインも現在のホワイトブリムの作風とまた違う出で立ちである。後期の緻密でリアリティのあるメイドよりも漫画よりというか、粗さがある。が、それもまた懐かしく、実際に動いているのを見るのは感慨深い。

3人ともかなり快活な設定だったはずだが、今は緊張しているのかわずかに震えている。

 

「……」

「………」

 

4人はヘロヘロの前に並ぶと、一言も発することなく直立する。

 

(あ、これは、俺から話しかけないとだめなやつだろうか)

 

「あー、用件はなんだ?」

「はい。先ほどアインズ様とヘロヘロ様がお話しされている間、大変失礼ながら、お二方のお話しに耳を傾けていた者たちです。まずはその非礼を、謝罪させてください」

「もうしわけございません!ヘロヘロ様!」

「本当に、仕える者として在るまじき行いでした……」

「申し訳ございません……」

 

3人はかたかたと震えながらも、口をそろえて謝罪する。あまり少女たちを萎縮させているというのも気分がよくない。

 

「ああ……それで、何か耳にしたか?」

「いえ、何も……」

「それでも、やった行いは間違っていたと存じております!」

「本当に、申し訳ございません!」

 

このままでは永遠に謝罪が繰り返されるだけだろう、ヘロヘロは慌ててそれを静止する。

 

「いや、いい!君たちの気持ちはわかった。今後このようなことが無いよう、気を付けてくれ」

「!……あ、ありがとうございます!」

「ヘロヘロ様の深きご慈悲、感謝いたします!」

「ありがとうございます!」

 

「……あー……」

 

3人の猛烈な謝罪にヘロヘロは困惑する。ひょっとして、自分はメイドたちから恐れられているのではないだろうか、という疑念がもたげる。ヘロヘロとしては他者に懲罰を与えるとか、そういう趣味は全くない。

それにヘロヘロの現実での仕事はプログラマーであり、技術職だ。他者の上に立ち、命令し、まして罰を与えるなどという機会はあまりなかった。もちろんチームでのリーダーとかそういったものはあったが、ここまで主従関係が明確な交流は生まれて初めてである。いや、メイドに仕えられた経験のある人間があの世界にどれほどいただろうか。

 

「いや、いいんだ。何もそう怒ってはいない……それより、どうしてまた聞き耳を立てようとしたんだ?」

 

ヘロヘロの問いかけに対し、3人は一様に黙り込む。全員俯き、言葉を発しようとはしない。気まずい沈黙が流れるも、ここで急かしたら泣かせてしまいそうで、言葉がでない。どうしたものかと様子をうかがう。

やがて、リュビがぽつりと呟く。

 

「へ……ヘロヘロ様に、お会いしたくて……」

 

それにつられるように、3人の口からぽろぽろと思いがこぼれだす。

 

「ずっとずっとお待ちしていたヘロヘロ様が、やっとお越しになられて、それで、私たち、ずっとお会いしたくて……」

「……ヘロヘロ様がアインズ様と共にお越しになられたときは、本当に嬉しかったんです。また、私たちをお造りした『三柱』のお一人にお仕えできると」

 

今にも泣き出しそうになり、呂律が回らないサフィールに代わり、エメロードが続ける。

 

「でも……あの後、ヘロヘロ様は深き眠りに就かれてしまって……」

「もぉ、お目覚めにならないんじゃないかって……!」

 

しゃくりあげるサフィールは言葉を続けられず、その時の恐怖を思い出しているのか、ぼろぼろと涙をこぼす。

気丈に振舞うエメロードもまた、顔を歪めまいと必死に堪えている。

 

「だから……だから今日ヘロヘロ様がお目覚めになられたときは本当に嬉しくて……!一目でもお会いしたい、声だけでも、お聞きしたくて……!」

 

泣くまいと堪えるリュビのスカートを握る手は白く透けている。震える声を抑えようとしているのか、何度か深く呼吸する音が響く。

が、ふっと手の力が抜ける。再び上げた顔には力なく笑顔が浮かんでいる。

 

「でも、ヘロヘロ様がお戻りになって……またお仕えできることができて……本当に幸せです……!今日は大変な無礼をしてしまいましたが、どうかこれからも、お傍でお仕えさせてください!」

 

残る2人もこくこくと頷く。視線を向ければ、3人の後ろに立つユリもまた頷いて見せる。

 

ヘロヘロはただ圧巻されていた。なんと返すべきかわからなくなる。ここまで心配され、身を案じられたことが今まであっただろうか?

だからこそどう返したらいいのかわからない。不相応と言えるほどの好意を、敬意を向けられて、それに対してどう振舞えばいいのか。自分がそれだけ優遇されていいのか、素直に受け止めることができない。

 

迷いはそのまま、先ほどまでの葛藤と結合する。

 

「あ、ありがとう……君たちが私のことを案じてくれていたのは分かった。しかし、いずれ私も帰らなくては……仕事があるし……いや、なんでも」

 

思わず口をついて出たヘロヘロの言葉に対する反応は、劇的なものだった。

サフィールは息を飲み口元を抑える、エメロードの顔から一気に血の気が引き、もともと白い肌が紙のように血の気がなくなる。ユリもまた、愕然とした表情になり、何か発しようと口を開く。

 

「――いかないでください!!」

 

が、ユリが何か話そうとするよりも早く、大きな声が響く。と同時に、腹部に軽い衝撃。見下ろせば赤いおさげが揺れている。――まだ幼く、直感的に行動するような性格に造ったゆえ、リュビの想いの表し方は真っすぐだった。

 

「い、いやです!いかないでください!何でもいたしますから!!ヘロヘロ様にしかできないお仕事かもしれませんが、私たちもお手伝いします!!できることはなんでもしますから……!!だから……だからぁ……!!」

 

続く言葉は嗚咽に代わり、流れる涙が自分の体表から吸い込まれ、混合しているのが分かる。――しょっぱい、などと妙なことを考えてしまう。

 

「私たちからもお願いします!どうかいかないでください!!」

「もう二度とこんな失態はいたしませんからぁ……見捨て……ないで……」

 

気が付けばサフィール、エメロードたちは膝をついて泣きじゃくっている。美しく品のあるメイドたちというよりは、もはや駄々っ子と言ってもいいだろう。喉が詰まって声が出ないのにも拘わらず、嗚咽交じりに嘆願され続ける。

ヘロヘロもまた、言葉に詰まった。同時に、妙に熱いものが体内で形成される。

 

ただ、泣きじゃくるリュビの両肩に触腕を回す。

 

「……ごめんな……大丈夫、どこにもいかないから……」

 

『今はまだ』、とは、泣きじゃくる少女を前にして言えなかった。ヘロヘロは喉元にまでせり上がった言葉を飲み込み、震えるリュビの頭をなでる。ぐずぐずというすすり泣きは徐々に収まり、やがてすがる手が離される。

 

 

――ふと、ホワイトブリムの言葉が脳裏をよぎる。

 

 

「……誠心誠意、応えろ……かぁ」

 

少なくとも、自分が帰るその時までは彼女たちに応えてもいいのではないか。

 

「こんなふうに言われたら、応えるしか、ないよな」

 

自分が何をしたのか気付いたのか、顔まで真っ赤になったリュビの頭に、触腕を乗せる。

 

まだこの世界で生きる勇気はないけれども、彼女たちを造った者として……

 

「ご主人様にくらい、なってやるよ」

 

 

 

 

 

 

 

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書き貯めがなくなったのでしばらくお休みです

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