第3話 開始〜新たな始まり〜
オーフィスと森に住み始めてだいたい数年、なんだかここ最近オーフィスがそわそわしている気がする。
「ポラリス、話がある」
「…なに…?」
オーフィスが話があるというので聞くことにした。
「実は…我、【
「……へぇ…そう…」
と、言われても全く分からない。その【
「…グレートレッドを倒すために作った組織。でも、今はこの森あるからもう抜けてくる」
なるほど、だから時間が欲しいということかだろうか?
「…ん。大体それで合ってる」
「…どれくらい掛かる……?」
「分からない。皆は我の力を欲してる。ある程度与えたら、抜けてくる」
何年もかかるのか…寂しくなる…。
「……分かった。待ってる…」
「……ん」
オーフィスはそう言って次元の狭間に入っていった。
子供が巣立つ親の気持ちとはこんな感じなのだろうか?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ほぉう?お前さんがこの前二天龍を倒してくれた奴か?」
僕がオーフィスを待って木の幹でゴロゴロしてると、後ろから髭の生えたおじさんが声を掛けてきた。
「あの時は世話になったな?お前さんのお陰でシェムハザもコカビエルも助かった。感謝するぜ?」
どうやら堕天使のアザゼルという人らしい。
それも堕天使の総督なのだそうだ。とても偉いらしい。
「挨拶が遅くなってすま無かったな。こっちも事後処理でゴタゴタしててな」
ぶっちゃけそんな感じの威厳とか感じられない。だって服装がとてもラフだ。あと服の襟立ってる。
「それでよ?ポラリス?俺はお前にお礼をしに来たんだ。お前が望むものを俺が用意しよう」
なんかお礼をしたいとか言い出した。別に欲しい物も無い…。
それにこの男はどうやら僕のような存在にとても興味があるらしい。それは別に構わない。
しかし急にそんな事を言われても困る。
あ、ひとつあった。見てみたいものがある。
「……ひとつ…欲しい物がある…」
「ん?なんだ?」
僕はアザゼルに、この姿を手に入れてからとても見てみたいものを創ってもらうように頼んだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
二体のドラゴンと戦ってから一体何年経っただろう?歳をとらない僕は、時間の経過がよく分からない。気にしないからだ。
サーゼクスの話だと数百年は経っているのだとかなんとか。さらにこの前、妹が出来たとか教えてくれた。
セラフォルーも同じことを言っていた気がする。
あれ?この話も何年前の話だっけ?
と言うわけで、暇だから人間界にでも行ってみることにする。
今僕が居る此処は【冥界】という場所らしく、人間界とは違うらしい。
それを聞くと、益々この世界は自分が降り立った世界とは違うことを自覚させられる。
思えばこの森から出るのはあの
動物達に、もしもオーフィスが来たらちょこっとだけ出掛けていると伝えるように頼んだ。
僕はワーム・スフィアで空間を歪めて人間界に向かう。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
空間の歪みが消えると、行き着いたのは日本と言うところらしい。
神社の前だから間違いない。神社は日本にしか無いと、アザゼルが言ってた。あれからちょくちょく森に来ているのだ。(実際には一年に二、三回程度)
折角だからこの神社でオーフィスが早く帰ってくるようにお参りでもしていこう。
神社で『願い事』をすればその願いは叶うらしい。何故かは知らない。
「……?」
どうやらこの神社には“結界”が張ってあるようだ。神社というくらいだから悪魔とか堕天使とかが入って来ないように張ってあるのだろうか?でもこれじゃあ普通の人間も入れないではないか…。
むかつく。
パリンッ
結界を割って中に入る。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「な、何故結界を張ってあるこの場所に子供がいるんだ!?」
階段を上がると何やら武装した集団に囲まれた。何故だ?
「ま、まぁ良い。見られたからには消えてもらう。そこの堕天使の娘と共にな!」
「ま、待って!その子は関係ないでしょう!?手を出さないで!!」
なんだか…僕を殺すだ、手を出さないでだと色々言っているが、どういう現場なのか全く分からない。どういう事だろう?神社に入ったら女性一人を男達が囲んでいる。
「黙れ!そもそも貴様が堕天使の子供を産みさえしなければこの小ぞうも死ぬ事はなかったんだ」
ふと、僕に手を出さないでと言っていた女性の後ろに隠れている少女に気がつく。長い黒髪を下ろしており、幼いながらも将来的に美人になる事がわかる、可愛らしい少女だ。その少女の心が僕に流れてくる。
というか僕は死んでいない。
『怖い…誰か…助けて…父さま……神様…!』
少女は声には出さないが、かなり怯えていた。
そして、先程のこの男達の発言とこの少女の怯えよう、伝わってくる全員の心から全てを察した。
だんだんとこの男達に苛立ってきた。この男達は何も感じていない。
この少女を殺す事を、
周りを巻き込む事を、
自分勝手に殺す事を、
自分の勝手な自己満足で全てを完結させようとしている。
殺す事を別の人の所為にして被害者面しようとしている。
責任転嫁して自分は悪くないと合理化しようとしている。
許せない。許さない。
『あなたはそこにいますか?』
パキ…パキパキ…パキィィンッ
僕は男を一人だけ“同化”する。
ほら、やっぱり何も感じてない。
こんな人たちは“同化”したくもない。そう思ったら行動は早かった。
黒い感情が自分を支配するのを感じる。
久しく感じて居なかった人間への【憎しみ】が自分の奥底から込み上げてくる。
憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い
憎い
残りの人達を全部ワーム・スフィアで捻り切って消した。
残ったのは最初に“同化”した人の残りカスとクレーターくらいだ。
「あ、あなたは…いったい…」
女の人が僕を見て驚いているが別に構わない。女の人を無視して少女に歩み寄る。
「…怖くないよ…?」
少女の両頬に手を当てて自分の額と少女の額をくっ付ける。
「…え?」
僕がそう言うと、少女は訳も分からず涙を流し始めた。声を出す事はない。ただ、涙が溢れるだけだ。
「…あれ?なんで…」
僕は立ち上がり、本来の目的を果たすべくお参りする。
こういうのはお金を入れるものらしい。だが、お金ない。まぁ良いか、こういうのは気持ちの問題だとアザゼルが言ってた。
カランカランッ
なんか鈴があったから鳴らしてみた。鈍い音しかしない。というより何だろうこの鈴…。
僕がお参りをすませると、
「朱乃っ!朱璃っ!大丈夫かっ?!?!」
空から黒い羽の生えた男性が降りてくる。堕天使だ。
「あなた!」
「父さま!」
「朱乃…朱璃…」
男の人は二人を抱き締めて安心したのかこちらを見る。
「あ!あなたは!何故ここに!?」
そう言って堕天使の人は僕に頭を垂れる。
「妻と娘を救っていただきありがとうございます。あなたに
二度?どういう事だろう?
「覚えておられないのも無理はございません。二天龍との戦いの際に、貴方は負傷した私達をその奇跡の力で救ってくださった。わたしには感謝の言葉以外が見つかりません!」
なるほど。あの時に助けた人の中にいたのか。顔とか覚えてないからわからなかった。
「……別に…良い…家族…無事で良かった…」
「はいっ!本当にありがとうございます!」
その感謝の言葉を最後に、僕は気恥ずかしくなって森に帰る事にした。
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「…あなた…あの子は…?」
「あの方は生きる伝説だ。奇跡を体現し、古の大戦で我々三大勢力に勝利と希望を与えてくださった…。そして、お前達も救ってくれた…。本当になんと言って良いか…」
バラキエルは朱璃を抱き締めてその体温を確かめる。
バラキエルは、大戦後にアザゼルの命令で人間界に来ていた。何故来ていたかと言われれば、神器所有者の勧誘及び保護のためである。
大戦のせいで多くの同志を失った堕天使達は、神器所有者の勧誘と保護を行っていた。
その命令で人間界に来ていたバラキエルは、神器所有者を捜索中に“姫島 朱璃”と出会った。そして、お互いの性格はこれでもかというほど相性が良く、交際をして結婚をし、子供をもうけるに至ったのだ。
夜な夜な妻とSMプレイをしている事は娘の朱乃には内緒だ。
閑話休題
「本当に生きててよかった…」
「あなた…」
お互いに抱きしめ合い、二人は今生きている事の実感をする。
「……名前…」
唐突に朱乃が呟く。
「…朱乃?」
「あの子の名前…聞いてない…」
頬を染め、服を握りしめて、自分を助けてくれた少年が去っていった場所を見つめる。
「…あら、朱乃…まさか〜?」
朱璃が朱乃の顔を横から覗くと、朱乃はあからさまに動揺して、
「…えっ!あっ、その…」
顔を真っ赤にしてもじもじと恥じらう娘を見て、“雷光”のバラキエルは雷に撃たれたように動かなくなってしまった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
数年後
ある日の午後、サーゼクスとセラフォルーはポラリスに会うべく森にやってきた。サーゼクスは妻のグレイフィアと息子のミリキャス連れて、セラフォルーは妹のソーナ・シトリーを連れてきた。
「す、すごいですね…こんなに綺麗な景色初めて見ました…。立ち入り禁止区域がまさかこんなところだったなんて…」
「本当にすごいですね…ほら、ミリキャスもご覧なさい?とても綺麗ですよ?」
「わー!凄いですね!お母様!お父様!」
各々はこの森の幻想的で神秘的な風景に目を奪われ、胸躍らせていた。
「ほら皆?そろそろ着くよ?」
サーゼクスがそう言うと、木々の密集地を抜けて巨大な木の前に着く。
「わー!大きい!それにあの木も水晶でできてますよ!!!」
ミリキャスは目の前の幻想的な景色に目を奪われたが、サーゼクスは周りをキョロキョロと見渡している。
「おかしいな…彼がいない…ここにいると思ったんだけど…それに動物達も…」
サーゼクスが周りを見渡していると動物達が現れる。
「ああ、どこかで寝ていたのか…だから動物達も静かにしていたんだね?」
サーゼクスは小さなうさぎを撫でる。
ミリキャスやグレイフィアも近寄ってきた動物達を撫で始める。
サーゼクスが探していた“彼”は、無理矢理造った身体を使っている為、数百年に一度眠りに着くそうだ。
「お父様!僕達に会わせたかったのってこの子達ですか!!」
ミリキャスはうさぎを抱き上げてサーゼクスに近寄ってきた。
「いいや。ここに住んでる人に会いに来たんだ。そろそろ現れると思うんだけどね」
サーゼクスがそう言うと、動物達が一斉にある方向へと動き出す。
「あっ!」
ミリキャスが抱き上げていたうさぎも例に漏れずその方向へと走って行ったため、ミリキャスは若干物欲しそうな顔をした。
「やぁ。久しぶりだね!!元気だったかい?」
サーゼクスが話しかけた相手は、まるで絹のような黒い髪をしており、背はソーナとそんなに変わらないくらい、というよりも少し低いくらいの背丈で、顔は女の子と言われれば納得できる程に中性的な顔立ちをしていた。
その少年の周りには動物達が集まり、とても幻想的で、さながら一つの絵画のようだ。
「……久しぶり…サーゼクス…セラフォルー…最近あまり来ないから…どうしたのかと思った…」
その声は聞いたもの全てを魅了しそうな程に、美しく澄んだ声だった。
「いやぁ、最近は何かと忙しくてね。妹が人間界の高校に入ったからその手続きとか色々あってね…あ!高校って分かるかい?」
セラフォルーの妹であり、サーゼクスの妹と同じ高校に通っているソーナは、入学したのは2年も前の話で自分達は既に三年生なのだが……と思ったが決して口には出さなかった。
「……知ってる。勉強とかするところ、友達作ったりとか……」
「そうそう!あ、紹介するよ。私の妻の……」
「グ、グレイフィア・ルキフグスです…それと息子の…」
「み、ミリキャス・グレモリーです!」
二人は自己紹介をするが、それが終わると同時にセラフォルーが割り込んできた。
「ひっさしぶりぃー!!ポラリスきゅぅぅーーーーん!」
セラフォルーはポラリスに抱き着き頭を撫でたり頰ずりをし始める。仕舞いには匂いを嗅ぎ出す始末だ。
「………久しぶり…セラフォルー…」
ポラリスも抵抗せずただ
「ね、姉さん!何をやっているんですか!!」
眼鏡をかけた少女と女性の間といったくらいの女の子がセラフォルーを引き剥がす。
「え、えっと…ソーナ・シトリーです…」
「…ん。…ポラリス………。……この森に住んでる…好きに呼ぶといい…」
その自己紹介に反応したのはソーナだった。
「す、住んでるって!ここは立ち入り禁止区域のど真ん中ですよ?!」
「いや、そもそもここが立ち入り禁止区域なのは、彼が居るからというのが一番の理由なんだよ…」
「えっ!?」
ソーナはサーゼクスの発言に絶句する。
「二天龍を倒し、その戦いで傷付いた戦士達を癒した【黄金の虚無】。それが彼だよ」
「なっ!?!!」
ポラリス自身はなんだかよくわかっていない様子だが、自分が凄い的な事を言われているのでVサインをしておく。
「あ、貴方が…伝承の…【黄金の虚無】?」
「ああ、彼が本気を出せば三大勢力を滅せるだろう。ま、彼自身はそんな気は毛頭ないようだけれどね?」
当の本人は全く聞いておらず、動物達と一緒にミリキャスと戯れていた。ミリキャスを肩車したり動物達に一緒に乗って遊んだりしている。
「…サーゼクス…“にてんりゅう”って…なに?」
「「「「え?」」」」
ミリキャス以外の全員は、ポラリスが二天龍を知らない事に動揺したが。
「お母様!僕も知りません!」
ミリキャスも知らなかったので、グレイフィアが説明する事にした。
〜グレイフィア先生の講義なう〜
「…ああ…あの時の羽虫…それなら特になにも思わない…」
ポラリスの発言に一同はどういう反応をして良いのか分からなかった。
「で、伝説の二天龍を…羽虫呼ばわり…」
「…僕の森に攻撃してきた…本来ならあのまま塵も残さず捻り切ってもよかった…」
「ねっ、捻り切るって…」
初めて聞く表現に、ソーナとグレイフィアは苦笑いするしかなかった。
「それよりもついて来て…」
それだけを言ってポラリスは、ミリキャスを肩車して空を飛び、巨木の上へと昇っていく。
「ポ、ポラリスくん?!」
サーゼクスを含めた全員がポラリスとミリキャスを追って空を飛ぶ。
「わぁ〜。凄い!お母様!お父様!とっても綺麗ですよ?!」
そこにあったのは、翡翠と紅蓮の絨毯だった。
太陽の光を浴びた水晶が反射して、誰も見た事のないような景色が広がっていた。
水晶の天辺は赤いのだが、それを知るものすらいない為、この森のことを知る誰もが水晶の上部が紅いことを知らなかった。
「……夜になると、もっと綺麗…水晶は光るから夜は昼よりも幻想的…」
その言葉を聞いた全員は、その光景を想像する。
「見てみたいですね…そんな光景を…」
「ああ…」
グレイフィアとサーゼクスの呟きを聞いたポラリスは、甲高く指を鳴らす。
パチンッ
すると森を覆うように光の膜が現れ、森の全てを覆い尽くすと、辺りは真っ暗になった。
「なっ!?これは?!」
「…結界を張って光を遮断した…今は夜と同じくらい暗い…」
全員は改めてポラリスの規格外さを知った。これだけの規模に一人で結界を張るなど、普通は不可能だ。
「……見て…」
祝が指を指すと、そこはもう1つの夜空が広がっていた。
「わぁぁ!!」
ミリキャスが感嘆の声を上げる。
「こ、これは…」
水晶は所々で光を放ち、その光量はまちまちで、まるで下に夜空が広がっているかのようだった。
「まさかこんな光景を目にするなんてね…」
「綺麗…」
「凄い…」
初めての光景に、感動で胸をいっぱいにする一同は、この光景がポラリス一人によって成り立っている事を思い出す。
「ねぇ、ポラリスくん…」
「……なに?」
「学校に行ってみないかい?」
サーゼクスは、唐突に祝に切り出した。
それは世界を救った伝説へのほんの恩返し、親友への、小さな優しさ。
いずれ世界は知るだろう。
この時に伝説が動いたのだと、
虚無をばら撒く伝説が、
天からの来訪者が、
動き出す。