なんか選ばれたらしいから自由にやってみる。   作:★Sprite★

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どうも、今回もまったり更新させていただきました!

それはそうと、たくさんのお気に入り登録ありがとうございます!
感想まで書いていただけて、感謝であります!

今回もいつも通りの駄文ではありますがよろしくお願いします!

(1月17日追加文 この小説に出てくる人物名は仮名いわばオリジナルのため、実在しておりません。 また、施設名なども、実際の施設の名前と似たような名前に設定しています。 ご了承下さい)


5話目

ポッポーッ、ポッポーッ

 

ポッポの鳴き声が辺りに鳴り響いた。

朝日が部屋の窓越しに、俺の顔に突き刺さるように照りつけてくる。

 

「む、…ん、眩し「ブイッ」ん?」

余りの眩しさに目を開けられないでいた中、聞こえた鳴き声。

光に目が慣れてきた所ではっきり見えたのは、

 

「ブイ?」

 

「チル~♪」

 

俺のポケモン達の顔が視界一杯に広がる様だった。

 

「俺、ポケモントレーナーになったんだったな…」

 

俺のポケモントレーナー生活2日目が始まった。

 

…、つーか勝手にボールから出てきたんだな、うん。

 

 

『依然として、突如現れたポケモンに対して、適切な対処が出来ていない事から、早急に情報を集めるため、政府はポケモントレーナーの捜索を急務とする事を…』

 

「だってよ、お兄ちゃん」

 

「…行きたくないでござる」

 

「大事みたいだし、サボりは許されないんじゃない?」

 

「ですよね~、…はぁ。」

 

朝食を家族3人で食べている時に流れたニュース。

それが俺の精神をさらに痛め付けてくるように感じた。

 

そんな中でも、イーブイはいつもと変わらず、前足でリンゴを固定してしゃりしゃりと食べてました。うん、かわいい。

 

チルットは妹の膝の上に乗って、妹にリンゴを食べさせてもらってた。うん、かわいい。

 

と、現実逃避していても、状況は変わらない訳で。

 

俺はただ、ほのぼのとポケモンとの生活を満喫したいだけなのだが、そうは行かないのが人生ってか。

 

「お兄ちゃん。」

 

「…何だね、りっちゃんや」

 

妹の真剣な顔に少し嫌な予感がした。

 

「お兄ちゃんのチルットを私に下さいっ!」

 

「まるで『あなたの息子を私に…』みたいに言うんじゃねぇよ! もちろん却下だわ」

 

「ケチ兄ちゃん」

 

「悪かったな、ケチで」

 

うちが飼い主でも良いよね?なんてチルットに話しかけてる妹につい白い目を向けてしまった俺は悪くない。

 

当のチルットは困った様にこっちに目配せしてくる。

 

「ポケモン欲しかったら、自分のポケモンを自分で捕まえりゃいいじゃねぇか」

 

「…え?」

 

りっちゃんの唖然とした顔にどうしたのかと思ったのだが、

 

「選ばれた人じゃないと、ポケモントレーナーになれないんじゃないの?」

 

納得した。

ポケモンの記憶なんざ覚えていないのだから、捕まえ方なんて知っている訳が無かったのだ。

 

母さんまで俺を凝視してました。

よせやい、照れるだろ!

 

「まぁ、あれだな。 今日市役所の用事が早く終わったらりっちゃんの初ポケモンゲットに付き合ってやるよ」

 

「本当? 本当に本当!?」

 

りっちゃんはまるで初めてクリスマスプレゼントをもらった子供みたいにはしゃいでらっしゃいました。

 

「連絡するから、汚れてもいいような服用意しとけよ? 今日は仕事休みなんだろ?」

 

「うん! 待ってるから早く来てね!」

 

りっちゃんの笑顔がいつにも増して眩しい。

今回に関しては、ペットを飼う事に今まで反対していた母さんも、

 

「ちゃんと世話しなさいよ? 責任持って、ね」

 

と、許してくれていた。

 

やがて、母さんが仕事に行き、俺も市役所に向かう事にした。

 

 

 

ショッピングセンター『トゥ・ピア』。

俺が住んでいるここT市の市街地にある小さなショッピングセンターである。

 

市役所はこのショッピングセンターの中に併設されているため、ここに来たのである。

 

「ここに来るのも久しぶりだなぁ。 高校生の時はよくここで買い食いしたり本立ち読みしたりしてたんだけどな~。」

 

しみじみ呟くと、屋内の駐車場に車を停めた。

 

「さてと、悪いけどボールに戻すよ?ごめんな」

 

「ブイブイ!」

 

「チルッ!」

 

気にしないでと首を左右にふる2匹が滅茶苦茶可愛かった。

戻した2匹が入ったボールをベルトに付けると、ショッピングセンター内に入った。

 

窓口が見えてきた。

お姉さんが受付にて事務仕事をしているのが見える。

 

(さてと、第一声どうすれば良いのやら…)

 

普通にポケモントレーナーの件について…、なんて言ってひかれないだろうか。

不安が募るなか、とうとう窓口に着いてしまった。

 

「おはようございます! 今日は何のご用件でしょうか? 」

 

笑顔で話しかけてきた受付の人を目の前にして俺は覚悟を決めた。

 

「俺、ポケモントレーナーなんですけど、どうすれば…?」

 

言った直後。

辺りが一瞬静まりかえった。

だが、比較的近くにいた市役所の職員の視線は俺一人に集まっていた。

気まずい空気は、喧騒に呑み込まれた。

 

「えっ! マジで!?」

 

「本当にいるなんて…」

 

「いやいや、あのボールとポケモン出すまでは本当かどうか分からないでしょ?」

 

「そう、よね? 出してもらわなきゃ、ね?」

 

確かショッピングセンター内にペットを連れて入るのは禁止じゃなかっただろうか?

少なくとも俺はこのショッピングセンターの中でペットを見た事はない。

 

しかし、

 

「大変申し訳ありませんが、ポケモンを出す所を実際に確認したいのですがよろしいでしょうか?」

 

受付のお姉さんが言うなら良いんだろう。

 

「了解です。では」

 

そう言って、ベルトから2匹が入ったボールを取り出した。

 

より一層ざわめく観衆。

 

「あのボール、テレビで見た事あるぞっ」

 

「でも、確かテレビじゃポケモンは一体じゃなかったか?」

 

やっぱりポケモンの情報はあまり知られていないんだな。

知っていれば、ポケモンを捕まえて、仲間を増やせるなんて普通だからな。

 

「頼むよ! イーブイ、チルット!」

 

「ブイッ! ブイ?」

 

「チル~♪ チルッ!?」

 

イーブイは何事かと辺りを見回すも慌てる事なく落ち着いていた。

対してチルットは、注目されている事に気づくと、慌てて俺の胸に飛び込んできた。地味に痛かった…。

 

そして、周りの人は思った通り。

 

「「「「キャーッ、可愛いーっ!」」」」

 

「マジもんかよ…。おいおいこりゃ大ニュースなんじゃないか?」

 

「見たかよ! 本当にあのボールから出てきたぞ!」

 

「CGじゃなかったんだな…。」

 

思いの外大騒ぎだったがために、いち早く落ち着きを取り戻した職員の人が対応にあたっていた。

 

窓口のお姉さんも足元に座っているイーブイや俺の胸にしがみついてるチルットに釘付けになっていたものの、

 

「で、では、少しお待ち下さい。今、担当の者を呼んできますので」

 

と言い、奥に向かった。

 

表情緩みっぱなしだったが大丈夫だったろうか?

 

 

 

やがて、お待ちかね、担当の人が来た。

 

ここまでが長かった。

ポケモンを触りたい、撫でたい、愛でたいとの声。

 

イーブイは動じず、むしろ笑顔を浮かべ、対応していた。

チルットはというと、我慢しきれずに自らくちばしでボールのボタンを叩き戻るという技術を見いだしたようだった。

 

ここまではまだ予想済みだったのだ。

何かあったら俺が止めると意気込んでいたのだが。

 

「あの! 握手していただいてもいいですか?」

 

「へ? あ、はぁ。」

 

「サインしてください!」

 

「いや、俺サインとか無いんすけど…。」

 

まさか俺にまでこの人気が来るとは思わんかった。

職員の方々がいなかったら、もっと大変な事になっていただろう。

感謝感激雨あられ、と。

 

こんな田舎町でこんな体験をする事になるとは…。

人生って本当に分からないな…。

 

「すいませーん、奥の部屋にお願いしまーす!」

 

「あ、はいすいません! 行くよイーブイ」

 

「ブイッ!」

 

観衆が僅かにブーイングを漏らす中、奥の部屋に向かった。

 

 

 

 

「何か落ち着かないなぁ…。」

 

「ブイ?」

 

部屋に着くなり、ソファーに腰かけるよう言われ、お茶をお茶請けと共に出され、もう少しお待ち下さいと言われました。

 

初めて「粗茶ですが」なんて言われた。

こんなにかしこまった場で、「ごゆるりと」なんて出来る訳無かったのだ。

 

こんな中、平然と出された梨を何食わぬ顔で食べているイーブイを凄いなと思いながら撫でてやる。

 

気持ち良さそうに目を細めて、体を寄せるその様にいつの間にか体の緊張は取れていた。

 

「仲良いんですね」

 

「うわぁおっ!」

 

変な声を上げてしまった。

声のした方を向くと、俺と同年代位だろう男性と女性に、上司と思われる女性の3人がそこにいた。

 

というか、気づかなかったんかい俺。

 

「あーっと、何かすいません」

 

「いいえ、何か見ててほほえましいなぁと。ねぇ?」

 

「そうですね。凄い可愛かったです」

 

「大切に育てられてるんだなって何も知らない俺が見ても分かりました」

 

何かめっちゃ恥ずかしいです。

俺のそんな思いを知ってか知らずか、話を進めてくれた。

 

「環境課課長の田口です。 気軽に田口さんって呼んでくれていいからね」

 

「環境課の姫島です」

 

「同じく環境課の新島だ。よろしくな!」

 

田口さんは年上の落ち着きのある長い黒髪を靡かせたお姉さん。

姫島さんはショートヘアの似合う活発な印象を感じた。

新島さん。めっちゃ話しやすそうな短髪イケメンなお兄さん。

 

うん。全員美形やん。

 

こんな人達、こんな田舎町にいたんだな…。

 

まずは、住所などの個人情報の記入から始まった。

 

ほとんど履歴書などの用紙の項目と同じ。

違うのは、ポケモンの事を書く欄。

と言っても、急な事態だったために用紙の裏に書く事になったのだが。

 

「えーと、田口さんすいません。名前だけでいいんですかね?種別とか書いた方がいいでしょうか?」

 

「種別…? うーん、そうね。 書ける事は書いてもらえたら嬉しいかな?」

 

「あ、はい分かりました」

 

ではでは、イーブイ、しんかポケモンっと。

 

次々と書かれていく情報を眺めながら、何やら話している3人。

あまり待たせてはいけないと思い、ペースを早めた。

 

「よし!終わりました」

 

「あ、うんお疲れ様でしたっと 今、電話繋げたから和馬君出てもらえるかな?」

 

え?俺が出るの?

 

誰なんですかね?

気のせいだろうか、3人の顔が固まっているように見える。

何か電話の相手の事を聞けそうにもないので、受け取った受話器を耳にあてた。

 

「も、もしもし替わりました」

 

「こんにちは。岩手県の知事をしている香山といいます」

 

へ?

マジ?

 

 

 

電話が終わった。

 

「ふぅ~。滅茶苦茶緊張した」

 

「お疲れ様です、お茶のお代わり用意しといたから」

 

「すいません、田口さん」

 

まさか岩手県知事と話す事になろうとは。

話した内容を要約すると、早い話、これから大変だろうが岩手県のため、日本のために尽力してほしいと言う物だった。

 

知事が直々に電話してきたという事実が今がいかに緊急事態かを思い知らされるようだった。

 

「こちとらまだ就職活動すら始められてないんだから、もう少し時間が欲しかったな…」

 

「え? 和馬君今無職なの?」

 

田口さんが意外そうに聞いてきた。

姫島さんや新島さんは、

 

「まるで仕組まれたみたいにグッドタイミングね…」

 

「これはもう決まりだろ?」

 

と話していた。

何が『決まり』なんだろうか?

 

「和馬君、一つ提案があるんだけど」

 

「はぁ。なんでしょうか? 」

 

田口さんが俺の目の前にて真剣な顔で言った。

 

「T市市役所の環境課直属のポケモントレーナーになってくれないかしら?」

 

…、はい?

 

「マジっすか?」

 

「マジもマジ、大マジよ」

 

これが冗談でない事が田口さん、そして姫島さん新島さんの顔を見て知る事が出来た。

 

冗談でないなら、答えは決まっていた。

 

「俺で良ければ」

 

はい、俺の就職活動終了のお知らせ~。

 

 

 

なんでも、既に市内からポケモンに関する問い合わせが多数届いているらしい。

しかし、正しい対応が取れない事から実に歯がゆい思いをしていたらしい。

 

「本当なら今日から頑張ってもらいたいんだけど、急には無理でしょうから、出来たら明後日、明後日位ならもう受け入れ体制も整っている筈だから」

 

「はい、分かりました…、未だに本当か疑ってるんですが」

 

「まぁ、俺も和馬の立場なら呆然としてるだろうしな」

 

「確かにね~。 でも、就職活動する事が無くなったんだしラッキーと思っとけばいいんじゃないかな?」

 

新島さんて姫島さんの言葉を聞いて、本来の俺らしさが無くなってる事に気づいた。

 

いつもの俺ならハイテンションになって、さすが俺!なんて話しているに違いない。

 

今の現状を後ろ向きに考えて、勝手に背負い込んでた事に気付き、苦笑してしまった。

 

「吹っ切れたみたいね?」

 

「え?」

 

田口さんが笑顔で話しかけてきた。

え?そんな分かりやすかった?

 

「俺達が話してる時も、顔色悪いままで黙って頷くだけだったから、心配してたがもう大丈夫みたいだな。」

 

「何かあっても、私達が出来る所はフォローするから一緒に頑張ろ?」

 

まぁ、ポケモンの事分からないからそこは全部任せるしかないんだけどね…、と残念そうに言う姫島さんと、俺達もポケモントレーナーになれたらな手伝えるんだがな…、と呟く新島さん。

 

2人の優しさが身にしみるね、うん。

 

「ありがとうございます、先輩方! 俺もポケモンの捕まえ方や対処の方法など出来ることを精一杯やるのでお願いします!」

 

一礼した俺に、3人が拍手を送った。

 

こうして、俺は環境課の仲間入りを果たしたのだった。

 

 

 

「そういえば」

 

「? はい?」

 

とりあえずここで解散となった時、姫島さんが話しかけてきた。

 

「さっき、挨拶の時にポケモンの捕まえ方もって言ってたよね? それってもしかして、私達もポケモントレーナーになれるって事、かな?」

 

「「!?」」

 

新島さんと田口さんが目を丸くして、俺を凝視した。

 

そんな俺を凝視しないでくれ、マジで照れるから。

どうすりゃいいか分からなくなるからっ!

 

「えーと、はい。ポケモンを捕まえたら誰だってポケモントレーナーになれますよ?」

 

直後、新島さんは

 

「マジか! いよっしゃ!」

 

と、子供の様にガッツポーズして喜んでいた。

 

姫島さんや田口さんは、

 

「私達もポケモンを捕まえていれば、和馬君の負担を少しでも減らせるだろうし…」

 

「和馬君に教えてもらえるんだから私も、上司としてポケモンを実際に捕まえて育てるべきよね。 うん、部下に任せてばかりじゃ駄目よね」

 

と、決意を口にしていた。

 

「今日、思ったより早く終わったので、妹との約束で妹のポケモンを捕まえに行くんですが…」

 

「マジ!?」

 

「これから…。 田口課長。」

 

「えぇ、分かっているわ。今上に聞いてくるから和馬君も。 少し待っててね」

 

「は、はぁ。」

 

そう言って、奥に消えていった田口さん。

 

5分後、戻ってきた田口さんは満足そうな笑みを浮かべていた。

 

あ、何となく察した。

 

「今、上に言って、私達3人帰れる様にしたから、今から和馬君の妹さんの約束に同行したいのだけれど、いいかしら?」

 

それぞれ期待を浮かべた3人の同行を断るなんて出来る訳もなく。

 

まぁ、断る理由もないのだが。

 

「分かりました。 分かりやすいように俺なりに解説もしていくつもりですのでよろしくお願いします」

 

こうして、

 

「これは仕事の一環なんだから、浮かれないようにね?」

 

と言いながらもビデオカメラを片手にご機嫌な田口さんに、

 

「分かってますよ~。仕事の一環、ですもんね♪」

 

と、記録用のクリップボードとカメラを持ち、うずうずした様子の姫島さんと、

 

「よっし、気合い入れて…、ワクワクするなぁ、なぁ和馬?」

 

と本音を隠そうともせずに俺の肩を持ち、テンションMAXな新島さんの3人を連れて、市役所を出たのであった。

 




いつもこんな駄文で申し訳ありません!

付き合って下さっている方々に最大の感謝を!

次回は今回よりもポケモン感出せるかと思うのでよろしくお願いします!

それでは!
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