むしろこのままオカンキャラにしちゃおっかなww
阿笠宅に着いた五人は、扉の前に揃って立っていた。代表して乱歩がインターフォンを押すと、能天気な阿笠の声が聞こえてくる。
『はい?』
「あの、博士」
『ん? コナンくんかの?」
「いや、コナンじゃなくて......」
『ということは......しんいーー」
「あああ! えっと、と、友達連れて来てるんだ!」
三人の前で新一と呼ばれそうになった乱歩は、慌ててその声を遮った。
『お、おお。そうか、乱歩くん。ちょっと待っていてくれるかの』
その声のあとに、ガチャリと鍵が開く音がする。扉を開けて出てきた阿笠は、元太たちを見るなり乱歩の向けて申し訳なさそうな顔をした。
「あ、博士!」
「こいつ、乱歩っていうんだぜ!」
「新しい少年探偵団のメンバーです」
子どもたちは阿笠を見るなり口々に話し始める。どうやらついさっきまでのことは気にしてはいないようだ。コナンと乱歩はと言うと、そんな三人の反応を見てほっと胸をなでおろしていた。
「ほう、乱歩くんが。だと思ってもうバッヂは用意しておったんじゃ」
「え、どうして! 博士すごーい!」
歩美の言葉に思わず乱歩は口を開く。
「俺が今日転入するってことは博士も知ってた。そして博士は少年探偵団と仲がいい。コナンが入っている理由も知ってるはずだ。ということは俺が誘われることも想像できる。大方、俺がすぐに馴染めるようにって、準備だけはしてたんじゃない?」
「さすがし......じゃなくて乱歩くんじゃ。その通りじゃよ」
「乱歩、お前すげえなぁ」
「探偵みたいです!」
まあ、探偵だからな。と言いそうになるのを乱歩は慌てて止める。少し小学生らしくなかったかとも思ったが、反応を見る限り問題はなさそうだ。
「こんなところで立っていてもつまらないじゃろ。入りなさい」
「「「お邪魔しまーす」」」
三人が先に家の中に入って行く。
「お邪魔します」
「おい、コナン。靴」
「あ、ごめん」
コナンは自分の靴を揃えて中に入って行く。乱歩は三人が脱ぎ捨てた靴をそれぞれ揃えた。
「兄ちゃんみたいじゃの。新一」
「みたい、じゃなくて兄なんだよ」
阿笠に続いて、乱歩も中に入る。玄関からでも騒ぐ声は聞こえてくる。そういえばコナンはあまりはしゃがないな、と考えながら乱歩はリビングに入った。
「ほい。これが探偵バッヂじゃ」
阿笠は机の上に置いてあったバッヂを乱歩に手渡す。小学生が持つものにしては凝っている。
「これで乱歩くんも少年探偵団の仲間入りだね!」
「でもまあ、お前は下っ端だけどな」
「リーダーは僕です」
「なに言ってんだ。俺だぞ!」
「わたしだよー!」
ぎゃあぎゃあと騒ぎ始める三人を見て、コナンはため息をつく。しかしどこか羨ましそうな顔をしていることに、乱歩は気づいていた。
「お前はいいのかよ。混ざらなくて」
「僕まで混ざったら収集つかないでしょ?」
「バーロー。俺がいるんだから平気だよ。混ざって来い。やりたいんだろ。リーダー」
「......うん」
乱歩は三人に混ざり、騒ぎ始める。乱歩にとってリーダーなんて誰でもいい。だが、ある程度は騒がせておこうと考えていた。
「ところで俺は、こいつらのお守りをしなくちゃいけないのか?」
「まあ、年上じゃからの。頑張れ、新一」
阿笠が乱歩の肩に手を乗せる。乱歩は大きなため息をついた。あと何分くらい騒がせようか、そんなことを考えながら、乱歩は時計を見つめた。