平凡な短編集   作:りょと

5 / 5
遊戯王→艦これ→FGOと言うムーヴ。

と言うことでFate/Grand Orderより、六章ガウェイン戦(最終戦)のリプレイです。自カルデアのエースの活躍をご覧下さい。

又、六章終盤のネタバレが含まれるのでお気を付け下さい。


六章ガウェイン戦リプレイ 《Fate/Grand Order》

白と衝突する黒ずんだ青と赤の剣戟、銃弾とそれを弾く剣の音が響き、振り下ろされる剣を黒き弓兵が両手の銃──かつて夫婦の剣だったモノで受け止める。

 

「この剣──通させて頂く!」

 

騎士が雄々しく吠え、増した剣圧に圧され弓兵が体勢を崩す。続く次撃が体制を整えるより速く逆袈裟に裂く。目で捉えるのが精一杯なスピードで打ち合わせられる剣と剣、銃弾と刃が高い音を響かせる。

 

「手応えが浅い──見た目や得物に反して太刀筋には芯が通っていますし、このような時でなければ、是非試合として打ち合いたいものです──が、刃が通らない理由はそれだけでは無さそうですね」

 

「太刀筋の賞賛、お褒めにに預り光栄だが──生憎こっちは只の人殺しでね。殺す為には自分が殺されない為に最善を尽くす、例えば自分の装備に細工を施したりだ。ただそれでもこのザマという訳さ……全く、流石は円卓の騎士と言った所か」

 

太陽の騎士の猛攻の前にこちらの英霊はことごとく倒され、ただ一人残ったのは崩れ腐った正義の味方と言った状況。それも防弾加工によるダメージカットで辛うじて繋いでいるだけの状況だ。

 

「正直ギフトに手を焼くのは予想できてたけど、ここまで規格外とはね……」

 

暫く前に門前で戦った時と比べ攻撃こそ激化しているが、逆にギフトによる耐性はかなり軟化していた。とは言え激化した攻撃を耐えられなければ耐性が軟化していようが意味は無い。防弾加工もそう何度も持つ筈はなく、いずれ効力を失うだろう。更に悪い事に──

 

「相手もさすがに満身創痍だろうけど、次のターンにはまた宝具が打たれる。こっちにそれを耐える手段は無い……正直絶体絶命って奴かな?」

 

弓兵の主がおどけるかの様に独りごちる──ガウェインのギフトには全攻撃に対する耐性の他にも、宝具を放つ為の魔力を補助する効果もあり、攻撃の激しさに拍車をかけていた。後半には自身のスキルでも魔力を供給し始め、ほぼ三ターンに一度放たれる形となっていた。猶予はこの一撃のみ、と言った状況に隣の悪人は愉しげに嗤う。

 

「それならば、いっそ勝負を投げてみようじゃないか。案外お前だけなら、助けてもらえるかもしれないがな?」

 

そんな事を嘯く弓兵。真面目なのか冗談なのか、あるいはオルタ化と嗤う鉄心により本人すら分かっていないのかも知れないが、この時この場面に限って言うならば、本気で言うはずが無いことは分かりきっている。

 

「冗談。城門でどんな目にあったか──それに一度反旗を翻したんだ、こいつらの策略全てぶち壊すか、醜く全滅かの未来しか有り得ないだろうよ」

 

一つの国家の転覆を図ったからには、首謀者一人の命では安すぎる位だろう。まともな死にざまが許される訳が無い。そもそも彼の──彼らのやっている事を阻止できなければ人理が崩壊してしまう。

仮に生き延びた所で待つのは世界諸共死ぬか、人類が存在していた証拠としての標本のどちらかだ。そしてそのどちらも望んではいない。円卓が円卓の正義を執行するなら、こっちはこっちの正義を以て崩すだけだ。

 

主の物言いに唯一立っている弓兵が音もなく嗤う。そして気分良さげに主に言葉をかける。

 

「ほう、よく分かってるじゃないか。それでこそ私のマスターだ。それではお見せしようじゃないか、私たち正義の味方が、悪の策略を全て呆気なく壊す様を。さあ──

 

──魔力を回せ、すぐに終わらせてやる」

 

「正義の味方ねぇ……相手は騎士様、どう見てもこっちが悪者だけどね。ま、どちらが正義なんて勝った方が正しく正義に決まってるか──よし、準備完了。宝具解放──目標は目の前だ、終わらせろ!」

 

投影魔術、嗤う鉄心。残っていたスキルを全て使い、宝具解放を含めたブレイブチェイン。火力的にも戦況的にも、必殺であり、必殺でなければならない技。

 

「I am the bone of my sword──」

 

とうの昔に腐り果てた彼の心。それでもなお残り、変わる事の無い「せいぎのみかた」だった物をかき集め、一発の銃弾に込め、放つ──その弾丸は狙い違わずガウェインへと命中する。

 

「くっ……だがこの程度で倒れは──」

 

銃弾自体のダメージは大したこと無いだろう。しかしこの宝具はこれで終わりではない。

 

「騎士とは違って勝ち方に美しさを求める必要は無いのでね──最小限の魔力で、そして俺に残った剣の残滓で効率良く標的を始末するなら、簡単な事だ。世界を変えるよりも、銃弾を世界に変えてしまえばいい」

 

「So as I pray──」

 

世界を全て変える力は無い。世界を救う力は無い。己の中にあったはずの剣は銃弾一つ分を残し腐り果てた。それでも、腐り果ててもなお弓兵は──無銘の英霊(エミヤ)は己の中にあった何かを懐かしみ戦う。殺す為ではなく守る為の戦いの中にあった何かを、崩れ落ちた自分を造りなおす最初の芯として魂に刻んだ。

 

「──Unlimited lost works」

 

その体は、かつて剣で出来ていた。

 

銃弾が撃ち込まれた左肩から、突如刃が発生する。当然刃が発生した部分は切り裂かれ、多量の血液が辺りを赤く染める。

 

「ぐっぁ!?」

 

銃弾から次々と伸びる剣。騎士の体内に忍び込む銃弾の周りには空間など無く、伸びる剣は当然騎士を引き裂き、穿ち、貫く。

 

「ぐ……まだ……倒れる訳には──」

 

幾本もの剣に貫かれ肉は体外に抉り出され、血は池のように流れ出てもなお膝をつくのみで倒れない騎士、その前には弓兵が銃を構え立っている。そして彼はニヒルな笑いを浮かべ最後の一言を投げる。

 

「残念だが、こちらも倒れる訳にはいかないのでね、倒れてくれ」

 

銃声が一つ鳴り響き、太陽の騎士はその体を漸く地に倒した。

 

VSガヴェイン BATTLE FINISH────




ネロ祭で正義の者では無いことが証明されて大変辛い。エミヤや切嗣が正義判定だったのに彼は正義ではない……「残るものは、人殺しが上手いという事実だけだろう」

 ▲ページの一番上に飛ぶ
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。