ノーキル・ノーライフ   作:素羅威夢

2 / 2
転入の時間

 あの後亀裂に吸い込まれた俺達がいた場所はーー

 

「あぁ〜だりぃ白、回復」

 

「……にぃ眠い」

 

「久しぶりに帰って来たけど何も変わってないな此処」

 

「……ダンボールの位置から…エロゲの位置まで」

 

「マスターこのコマンドはこうですか?」

 

「あぁそうそう」

 

「場所が変わってもゲームですか……」

 

「……ステフ…料理まだ?」

 

「今やってます!」

 

 空と白がディスボードに行く前住んでいた、2人の部屋(世界)だ。

 

「にしても……俺達がいない間に月が7割破壊されてるとか可笑しいだろ」

 

「並行世界……パラレルワールドの…可能性もある」

 

「だよな〜だけどこの世界には俺達『 』(空白)の記録もあるしなぁ」

 

「ふぅ、お風呂気持ち良かったぞ、です」

 

「へへへ、今空お兄ちゃんがナデナデしてあげるからね〜グフフ……痛っ!白さんすいません冗談です」

 

 空達がこの世界に来てから3日。1日目は現状把握。2日目は情報収集。そして3日目の今日は情報収集が終わった直後からネトゲ三昧である。更にこの3日間は徹夜で作業をしていた。

 

ーーピンポーン

 

 突如、何の前触れも無くこの家に訪問者が現れた。

 

「ステフGo」

 

「はぁぁぁ、分かりましたよ……はーい、今行きまーす」

 

「何気にあいつも馴染んでるよな」

 

「……コミュニケーション能力ば…この中で1番」

 

 1人はコミ障、1人は対人恐怖症、残りの2人に関しては人外。4人はステフの必要性を痛感していた。

 

「ふぎゃぁ!」

 

 玄関先でステフの声が聞こえた気がするが全員スルー。

 

「そ、空!何を仕出かしたんですか!?」

 

 ステフはバタバタと走って来た。ジブリールは何かを感じたのか魔法で自分の羽とイヅナの耳と尻尾を不可視にした。

 

「は?何もしてねぇーけど?」

 

「くくくく、黒い大きな人が……」

 

「黒い大きな人?テラフォーマ?」

 

「そこにいるのが天才ゲーマー『 』で良いのですか」

 

 ステフの驚きの原因はステフの後ろから顔を出した。

 サングラスにスーツ。ゴツイ身体に高い身長。

 

「……あんた誰よ、不法侵入だぞ」

 

「失礼私はこういう者でして」

 

 渡された名刺を見た空達は考える。そして、真っ先に答えにたどり着いたのは他でもない、『 』の2人だった。

 

「んで、国の人がどうしてこんな所に?」

 

「それについては貴方も気付いているのでは?」

 

「月の件だろ」

 

「そうです」

 

 どうやら月の7割を破壊した犯人は今とある学校で教師をしているらしい。

 

「ふ〜ん…で?俺達についてはどこまで知ってるわけ」

 

「貴方達ご兄妹については調べてあります」

 

「おいおい、あやふやな解答だな」

 

「貴方達は何年も此処に引きこもっているのでこれといった情報はありませんでした」

 

「でも引きこもる前のことは知ってるんだろ?」

 

 空はサングラスの男を見透かすような目で見る。

 

「本題を言わせて貰います」

 

「そこの学校に行けと」

 

「そうです」

 

「何処よその月を破壊した犯人が教師をやってる不幸な学校は」

 

「椚ヶ丘中学校です」

 

「「……は?」」

 

 空と白は2人して訳が分からないと言うような顔をしている。

 

「おいおい、国は遂にアホになったか」

 

「あのー、空?何が可笑しいのですか?」

 

「ドラちゃん?この国、日本には義務教育という制度があって義務教育は中学校まで、空様は18歳、白様は11歳、空様は義務教育は終え、白様はまだ中学校に行く歳であ有りません」

 

「そういう事だ、そこん所はどうすんだ」

 

「お2人は『特別に』中学校に行けるように手続きを取ってあります」

 

「いやいや、学生の方が驚くでしょ」

 

「彼らには3月までに月を破壊した犯人を暗殺してもらうように依頼しています」

 

「そいつらは暗殺者か何か?」

 

「いえ、普通の学生ですが訓練に取り組んでいます。勿論タダではありません成功した際には100億が支払われます」

 

「へー、でも他言無用とか色々条件があるんだろ?」

 

「はい、他言無用は勿論のこと何ですが何よりその生物の生態が異常なのです」

 

 そう言って見せられたのは黄色いタコの写真と書類。書類にはその生物についての事が簡単に書かれていた。

 

「こいつか?」

 

「はい、この黄色い生物が暗殺対象です」

 

「無理じゃね?最高速度マッハ20とか、どうしてこの体型でそんな速度が出る」

 

「……骨が無いから飛んでる時…変形しているとか」

 

「その他のスペックにしてもそうだが、コイツは異常だ」

 

「だからこそ貴方達の頭脳が必要なのです、それに3月までに殺さないと地球も破壊されます」

 

「先に言えやボケ……どうする白」

 

「……ほっといて地球が破壊されたら…元もこうも無い」

 

「じゃあやるのか?けど人じゃないとは言え殺しだぞ?」

 

「……この生物を…殺すには特殊素材を…使わなければいけないから……ゲーム感覚で楽しめばいい。それに……」

 

「あぁ、分かってる」

 

 空は白の考えを理解し頷く。

 

「よし、分かったその依頼は受けるよ」

 

「ただし、こいつらもな」

 

 空が指を指したのはステフ、ジブリール、イズナの3人である。

 

(ジブリールがいれば余裕だし何より殺す必要は無い(・・・・・・・)

 

 空と白はそもそもの前提を国が見損ねている事に気がついた。

 

(国はあくまで、地球が破壊されるのを阻止したいだけであって、その為の殺しだ。なら、破壊されない様にすればいい(・・・・・・・・・・・・・)

 

「それでは来週から登校してもらいます」

 

「へいへいさっさと出ていってくれ」

 

 そう言うとステフを覗いた4人はゲームを再開した。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。